山口県ツル飛来地問題

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Transcript 山口県ツル飛来地問題

山口県八代ツル飛来地
デコイ
本物
山口県http://www.pref.yamaguchi.jp/gyosei/bunka-h/03.htm 1
ナベヅルツル科ツル属とは
• シベリア南東部・中国北東部で繁
殖、日本で越冬
• 八代のツルおよびその渡来地(山
口県熊毛町八代)=本州唯一のナ
ベヅルの渡来地として1955年、特
別 天然記念物
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ナベヅル飛来数の減少
渡来数(成鳥+幼鳥)
80
70
若い成鳥数(非なわばり羽
数)
60
50
40
30
20
10
0
1981
1986
1991
1996
3
ナベヅル減少の原因
• 江戸時代=小郡など県内各地にツルが
渡来
• 明治時代=乱獲や開発行為により居場
所の無くなったツルが、八代に集まっ
てきた
• 昭和50年代=八代の開発、過疎・高齢
化による山間水田の耕作放棄
• 鹿児島県(出水市周辺)にツルが集中
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渡来数回復のための取り組み
• 八代で餌場環境の整備、給餌、ネグラ
整備
• ツルの越冬環境はかなり回復
• しかし、それでも渡来数は減少し続け
ている。とくに亜成鳥(若鳥)が八代
に渡来しない。
• 1997年より、ツルの誘引開始
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ツルの誘引
1997「ツル保護対策調査研究委員会」
① 移住=野生個体(群)の分布域の移動。
② 誘引=飼育個体またはデコイDecoyにより、
野生個体(群)を目的の場所に引き寄せる。
③ 飼育繁殖個体の放逐=飼育下で繁殖させた
個体を放逐し、野生化する
• デコイ及び鳴き声の放送によって、仲間が
いるという安心感を与え、八代に降ろす。
• なわばり争いで追われたツルを、デコイを
設置した代替のなわばりに誘引する。
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今後の対応
• 誘引効果はあるものの、残念なが
ら、渡来数の増加につながらない。
誘引方法のさらなる改良
• 鹿児島県(出水)に集中するツル
の分散化の必要性について、鹿児
島県といっしょに考える
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生息地確保
山口県教委
報告書2000
8
根本的問題
• 鹿児島県出水には多数のツルが飛来
• =八代と出水は同じ集団(中露で繁
殖)
• 八代で離したツルの多くは翌冬出水に
行く?
• 出水では餌付けして農業被害抑止
• 出水もツルの観光名所(ツル博物館)
– http://www.city.izumi.kagoshima.jp/izumi5/izu01.htm
9
出水のツルは増えている!
• 現在,日本で野生のツルの飛来地は、
北海道東部、山口県熊毛町,鹿児島県
出水地方だけ。
• 出水のツル(主にナベヅルとマナヅ
ル)は増えている(約1万羽)。
• 1952年 特別天然記念物に指定
• 1988年「ツルのふるさとづくり構想」
• 1995年 ツル博物館開館
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出水の給餌量と飛来数
鹿児島県教委報告書1999 山口県教委報告書200011
出水で給餌を止めると
分散する?来なくなる?
• 分散する?
– 有意ではない
• 翌年来ない?
– Ohsako 1994
• 鹿児島県教委報
告書1999
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出水と八代の統一的保護管理
計画を!
• 出水では水田被害拡散防止のために、
人工ねぐら+給餌(環境容量は青天
井)
• 飛来数の目標を決めるべき!
• 給餌量と翌年飛来数に負の相関
• 出水では1万羽いても増え続ける=八代
で誘っても多勢に無勢
• 山口県が出水の農業被害を補償するほ
うが効果的かもしれない。
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