佐賀県「食」と「農」の振興計画

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資料1
平成21年度
佐賀県「食」と「農」の振興計画
実施状況報告 暫定版【概要】
平成22年2月
生産振興部
佐賀県「食」と「農」の振興計画の施策の展開方向
計画の目指す姿
施策の展開方向
1 「食」と「農」の絆づくり
食と農と環境が調和した豊かな
県民生活の実現
2 人と環境にやさしい農業の推進
3 競争力のある売れる農産物の生産振興
農業経営者が意欲をもって取り
組める魅力ある農業の実現
4 国内外への販路拡大と有利販売
5 元気な農業経営者の育成
快適で住みよい農村の暮らしの
実現
6 快適で住みよい農村づくり
7 活力に満ちた中山間地域の形成
1
2
1 「食」と「農」の絆づくり
推 進 項 目
(1)消費者と生産者の相互理
解を促す食農教育の推進
(2)地元の豊かな食を享受
できる地産地消の推進
(3)地域活性化につながる
都市農村交流の推進
平成21年度の主な取組状況
◆さが“食と農”絆づくりプロジェクトの推進
○農業者が、学校、保育所等へ出向き、地域の農業や食の大切さな
どを伝える「ふるさと先生」出張講座を開催(ふるさと先生登録者
数179人、受講者数約1,700人)
○ホームページ「きずなのひろば」(平均アクセス数約2万9千件/月)やメー
ルマガジン発行 (会員数 約731人)により、食・農業・農村の情報を
発信
○H20に策定した「アクションプラン」に沿って、
・学校栄養士会では地産地消の優良事例を学ぶ研修会の開催
・旅館生活衛生同業組合では「さが地産地消の店」の登録促進
・農産物直売所では学校給食への食材納入に関する懇談会の開
催など、各団体における地産地消の取組が進展
○県産食材を積極的に使用している飲食店等を「さが地産地消の
店」として登録。県民だより等で紹介(今年度登録27店舗、計103店舗)
○学校給食における県産農林水産物の利用を促進するため、食材
費を一部助成(小中学校18校、H14からの累計181校約48千人)
○「唐津・玄海体験型旅行受入推進協議会」では滞在型の農山漁村
体験を推進。延べ393戸の農家等が約2,000名の小中校生を受入
○農家民泊や年間を通した農業体験など、食と農の絆づくりに取り
組むCSO等の活動を支援 (11地区:食農教育、地産地消のCS
O等の活動にも支援)
○学校給食の副食における県産食材の使用割合が40%(H16)から着実に増加(H20は49%)
○農林水産省が選ぶ「地産地消の仕事人」に県内から2名(栄養教諭・農産物直売所代表)が選定(計3名)
2 人と環境にやさしい農業の推進
推 進 項 目
(1)安全・安心な農産物の
生産販売の促進
(2)環境保全型農業の推進
(3)有機資源の有効活用
3
平成21年度の主な取組状況
○生産部会単位でのGAP(農業生産工程管理)の取組が、4組織
(H20)から12組織(H21)に増加
○有機農産物等の販路拡大を図るため、バイヤーとの商談会を実
施(2回)。有機農産物等関係の出展者は13事業者(H20)から59
事業者(H21)と増加
○実証展示圃(紫外線カットフィルム、天敵昆虫利用など)の設置や
技術研修会の開催などによる化学肥料や化学合成農薬の使用を
低減した栽培技術の普及・定着
○有機農業の取組を拡大するため、有機農業に取り組もうとする農
業者を対象に「さが有機農業塾」を開催(参加者100名)
○地域ぐるみで環境保全型農業(化学肥料・化学合成農薬の5割削
減)に取り組む組織を支援(130組織、1,668ha)
○特別栽培農産物認証制度の対象を67品目・117作型に拡大
○稲わら・麦わらの有効活用を図るための広報の実施や、麦わらす
き込み実証ほの設置・実演会の開催
○家畜排せつ物の有効活用を図るため、畜産地帯から耕種地帯へ
の堆肥の広域流通実証試験を実施(1地区:佐賀市東与賀町)
○環境保全型農業に取り組む農家の割合が19% (H16)から着実に増加(H20は30%)
○麦わらの有効利用率が43%(H16)から81%(H21)に増加
3 競争力のある売れる農産物の生産振興
推 進 項 目
(1)高品質・高付加価値な
農産物づくり
(2)付加価値を高める農産
加工の振興
4
平成21年度の主な取組状況
○米・麦・大豆:高温でも収量や品質の低下が少なく極良食味な米
の新品種「さがびより」の栽培を本格的に開始。初年度となるH21
の作付面積は約1,500ha 。重点地区(14地区)を設定し、きめ細
かな栽培管理が行われるよう濃密指導を実施
超省エネ・低コスト化機械などの整備や特別栽培米等の作付拡
大(165地区) 、新品種導入などの取組(1地区)に対する支援
○園芸:施設園芸栽培施設や省力化機械、脱石油・省石油装置な
ど、省資源・環境保全型農業や新たな園芸生産の取組拡大のた
めの機械・施設の整備等に対する支援(161地区)
○畜産:県産素牛の増頭のための繁殖牛の飼養施設の整備(4地
区)や繁殖雌牛の導入に対する支援
配合飼料の価格高騰に対応するため、国の緊急対策の積極的
な活用を推進
○農商工連携により、米生産者と冷凍食品加工業者が連携した冷
凍おにぎり開発などの取組が進展
(3)競争力を高める新品種・
新技術の開発
○豚舎汚水から、環境汚染物質であるとともに資源としても有用な
リンを、結晶化(MAP)反応を用いて効率的に回収・除去する技術
を開発
○ホルモン処理が不要で省力化でき、収量や品質に優れるナスな
ど、新品種の開発
○「さがびより」の重点地区の栽培成績は、目標の「1等米で10a当たり収量550kg」をほぼ達成する見込み
○全国茶品評会及び九州茶品評会において、佐賀県産茶が2部門で農林水産大臣賞を受賞
4 国内外への販路拡大と有利販売
推 進 項 目
(1)大都市圏での販売促進と
新たな販路の開拓
(2)海外市場の開拓
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平成21年度の主な取組状況
○東京、大阪など大都市圏の「佐賀特産品おすすめの店」において、
ハウスみかん、佐賀牛などの県産品フェアや生産者の顔の見え
るフェアを実施(延べ30店舗)
○佐賀の農産物を旬の時期にあわせて、知事自ら売り込む「佐賀
県知事の旬果旬菜セールス」を実施(農産物関係は1月末までに
3回)
○米の新品種「さがびより」を11月1日に一斉発売。認知度向上と販
売促進を図るため、バルーン会場での試食会や県内を中心に
フォトコンテスト、ラジオ番組の放送等を実施
○農業団体、関係市、県が協力して設立した「佐賀県農林水産物
等輸出促進協議会」において、高級レストラン等での試食宣伝活
動や新たな販路開拓などを実施
○青果物では、香港において、高級スーパー での「伊万里梨」の販
売や、いちご「さがほのか」を中心とした県産農産物フェアを開催。
○牛肉は、香港、アメリカなどに毎月1トン程度を輸出。香港では、
中華料理の食材への採用をめざし、現地の高級中華料理店の
有名シェフ等を招いた試食会に佐賀牛を出品
○「さがびより」は、県産米の中でもトップクラスの販売状況(県による量販店の定期調査結果)
○新たな販路開拓の結果、高級スーパーの成城石井青葉店(佐賀牛)などで取り扱いが定番化
○佐賀牛は、香港・アメリカの高級レストラン等で取り扱われ、日本の高級ブランド牛として認知度が上昇
5 元気な農業経営者の育成
推 進 項 目
(1)プロ農業者と地域営農
組織の育成
(2)新規就農者の確保・育成
6
平成21年度の主な取組状況
○米麦・園芸・畜産等の規模拡大、高品質化等に取り組む農業者
の農地集積(339ha)や、施設・機械の整備(346地区)等に対
する支援
○佐賀、唐津地区など11地区において、農家のあと継ぎをはじめ、
農業以外の就業者などの就農希望者を対象とした就農啓発セミ
ナーや個別相談会等を開催
○就農相談が急増していることから、佐賀県青年農業者育成セン
ターに相談員を3名増員し、就農に向けたきめ細かな支援を実施
○就農希望者を雇用して研修を行う農業法人に対する助成を実施
○青年農業者等を対象とした企業的農業経営を学ぶ講座を開催
(3)多様な担い手の育成
○経営改善計画の策定や家族経営協定の新規締結・見直しを推
進するため、女性農業者の研修会や交流会を開催
○県担い手育成総合支援協議会と連携し、企業の農業参入に関す
る相談や情報提供等を実施
(4)農業経営への情報通信
技術の活用
○IT利活用能力の向上のため、直売所・加工所等の販売・運営の
改善につながる講習を実施(2グループ)
(5)担い手を支援する生産
基盤づくり
○農地や農業用施設の機能保全を図るため、クリーク護岸の整備
(19km)や農業水利施設を補修(193地区)
○麦大豆の生産性向上のため暗渠排水を整備(8地区 542ha)
○認定農業者数は4,005人(H16)から5,007人(H21.9月末現在)に増加。
地域(集落)営農組織は、489組織と全国トップクラス
○新規就農者数は100人(H16)から118人(H21)に増加
6 快適で住みよい農村づくり
推 進 項 目
(1)快適な生活環境の整備
7
平成21年度の主な取組状況
○集落内道路(0.1km)や、湛水被害等を防止するための集落内水
路(1.1km)等を整備
○農・漁業集落排水事業(4地区)や公共下水道事業(33処理区)等
により、下水道等を整備(全市町)
○農業・農村の役割を広く県民に理解してもらうため、啓発パンフ
の配布や、棚田展、農業体験学習等を開催
(2)安全・安心な農村づくり
○高潮災害等を防止するため海岸堤防の補強やかさ上げを実施
(11箇所)
○災害を防止するため、老朽化したため池を整備(27箇所)
○地すべり防止区域において、地下水観測や水抜等の対策工事を
実施(2箇所)
○集落内道路の整備延長が178km(H16)から189km(H21)に拡大
○下水道整備率が58%(H16)から着実に増加(H20は69%)
7 活力に満ちた中山間地域の形成
推 進 項 目
(1)多様な農業生産活動等を
通じた多面的機能の発揮
(2)地域の特性を活かした中山間
地域の活性化
(3)イノシシ等鳥獣被害対策
の強化
(4)生活環境など定住条件の
整備
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平成21年度の主な取組状況
○中山間地域等直接支払制度を活用し、農地保全や担い手育成
等への取組を支援(18市町 8,210ha)
○中山間地域に多く発生している耕作放棄地の解消や発生の防止
に向け、地域耕作放棄地対策協議会を設置(13市町)。
耕作放棄地の再生作業に対し、モデル的に支援(10地区)
○佐賀市富士町では、観光客などに地元の料理を提供する山菜レ
ストラン「森の香 菖蒲ご膳」を整備
○佐賀県ならではの特産物づくりを推進するため、これまであまり生
産されていなかった品目に取り組む農業者等の活動を支援。特大
ショウガ(唐津市七山村)は、作付面積3ha、販売額4千万円に拡
大しており、福岡等で高い評価
○イノシシの集中的な捕獲による生息密度の低減を図るため、頭数
低減効果が高い4~5月に、緊急一斉捕獲を実施(2,185頭のイノ
シシを有害捕獲)
○侵入防止効果が高いワイヤーメッシュ防護柵の設置が拡大
(359km)
○集落内道路(1,040m)や、湛水被害等を防止するための集落内水
路(120m)等を整備
○直接支払制度における担い手育成などの取組面積の割合が20%(H16)から64%(H21)に増加
○平成21年度農林水産祭「むらづくり部門」において小城町農産物直売所『ほたるの郷』が天皇杯を受賞
9
8 地域重点プロジェクト
地 区 名
プロジェクト名
佐城
○佐賀平坦における個別大規模農家と地域営農組織が共存する水田農業ビジョンの実現
○信頼と期待に応える米産地“佐城”の確立
○天山山系オレンジベルトの再生
○佐城地域の農業を支える労働力調整システムづくり
佐城・三神(北部山間)
○豊かな自然を活かした観光農業とグリーン・ツーリズムによる中山間地域の活性化
三神
○新たな担い手支援対策による神埼いちごの再構築
○都市近郊における持続可能な水田農業の確立
○学校給食と連携し子供たちの“いのち”と“からだ”を育む環境保全型農業の推進
○“いのち”と“みどり”を守る県民協働による食農教育の推進
東松浦
○施設園芸産地の再構築
○肥育素牛生産基盤の強化及び耕畜連携の推進
○極低タンパク米などのおいしいこだわりの米づくり
○“農”をテーマとしたグリーンライフの展開
西松浦
○伊万里なし産地の再構築
○伊万里西松浦の高品質肉用牛の生産強化
○国見山麓の水田農業の振興
杵島
○たまねぎ主産地の競争力強化
○武雄・杵島の新たな「米・麦・大豆」経営の強化
○武雄・杵島の食と農の地域内連携の推進
藤津
○切り拓く「新生」みかん産地の育成
○未来につなぐ「うれしの茶」づくり
○「藤津の大地・自然・歴史」のまるごと体感
8 主な地域重点プロジェクトの取組
10
プロジェクト名
平成21年度の主な取組状況
学校給食と連携し子供たちの“い
のち”と“からだ”を育む環境保全
型農業の推進
【三神地区】
○農産物直売所の会員を対象に、エコファーマーなど環境保全型農
業の制度の紹介や学校給食への供給などの取組拡大を図るため
の研修会を開催
○とす“食と農”「まちの保健室」を6月に開催し、消費者に対し、生
産者の紹介や食と健康についての啓発活動を実施
○学校給食での地元産農産物の利用割合を向上させるため、管内
の小・中学校や校長会に出向き、一層の取組拡大を要請
極低タンパク米などのおいしいこ
だわりの米づくり
【東松浦地区】
○新品種「さがびより」に対して重点的な生産指導を実施。品質は全
量が1等で、低タンパク・良食味な米を生産
○特別栽培米「あうちヒノヒカリ」、「あうち夢しずく」、「天川コシヒカリ」
の販路拡大を図るため、生産研究会の開催や、生産者を交えた
福岡、東京等での小売店舗での販促活動等を実施
各地域での産業まつり等においても、良食味米を販売
たまねぎ主産地の競争力強化
【杵島地区】
○高齢化が進む中、経営規模拡大と安定生産、省力化を図るため、
移植機、乗用管理機、収穫機等の導入(計79台)による生産基盤
の強化や、除湿装置の整備(4箇所)を実施
○特色あるたまねぎとして、「冬取りたまねぎ」の品質向上技術展示
圃の設置や栽培技術研修会等を実施し、農家へ普及
○消費者ニーズに即した安全・安心なたまねぎの生産を推進し、特
別栽培農産物認証制度に38名、エコファーマーに521名が取組