独自ルールを用いた “ハノイの塔”
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Transcript 独自ルールを用いた “ハノイの塔”
立命館高校 3年9組
馬部 由美絵
フランスの数学者エドゥアール・リュカが1883年
に発売した数学のゲーム
ルールは以下の3つ
・左から右の棒へ移動させる
・一回につき一枚のみ移動可能
・小さい円盤の上に大きい円盤は乗せれない
ハノイの塔について、棒に刺さっているす
べての円盤を、別の棒に移し替えるために
必要な、最小の手数回数を求めるための一
般項を求める。『ハノイの塔』のルールを
変化させ、拡張する。
ルール
・左から右の棒へ移動させる
・一回につき一枚のみ移動可能
・小さい円盤の上に大きい円盤は乗せれない
〈1枚〉n = 1
〈2枚〉n = 2
〈3枚〉n = 3
a1= 1
a2 = 3
a3 = 7
〈4枚〉n = 4 a4 = 15
an-1 のときと同じ移動
一番下の円盤を隣の棒に移す移動
an 2an 1 1
an 1 2an 1
an 1 an 12 n 1 2 n
an 2 n 1
an = 2n – 1 ・・・① ( n= 1, 2, 3, )
〈証明〉
(1) n = 1の時21 – 1 = 1 ゆえに、①は成り立つ。
(2) n = kの時①が成り立つと仮定する。
a k= 2k - 1・・・②
n = k + 1の時を考えると、②より
ak+1 = 2k – 1 + 2 = 2 k+1 - 1
ゆえに、①はn = k + 1の時も成り立つ。
(1) (2)より、①は全ての自然数 n について成り立つ。
したがって、求める一般項は an = 2n - 1
ルール
・左から右の棒へ移動させる
・1回につき1枚のみ移動可能
・小さい円盤の上に大きい円盤は乗せれない
・隣の棒にしか移動させることができない
〈1枚〉n = 1
a1= 2
〈2枚〉n = 2
a2 = 8
〈3枚〉n = 3
a3 = 26
〈4枚〉n = 4
a4 = 80
an-1 のときと同じ移動
一番下の円盤を隣の棒に移す移動
an 1 3an 2
a1 2
a1 2
a2 a1 1 a1 1 a1 3a1 2 8
a3 a2 1 a2 1 a2 3a2 2 26
a4 a3 1 a3 1 a3 3a3 2 80
an 1 1 3an 1
bn 1 3bn
b1 a1 1 3
bn 3 3n 1 3n
bn an 1より
an 1 3an 2
an bn 1 3n 1
a n 3n 1
an 3n 1・・・①
〈証明〉
(1)n 1の時an 31 1 2ゆえに、①は成り立つ。
(2)n kの時①が成り立つと仮定する。
ak 1 3ak 2 3 3k 1 2 3k 1 3 2 3k 1 1
ゆえに、①はn k 1の時も成り立つ。
(1)(2)より、①はすべての自然数nについて成り立つ。
以上より、求める一般項はan 3n 1
ルール
・左から別の棒へ移動させる
→つまり真ん中の棒へ移動させる
・1回につき1枚のみ移動可能
・小さい円盤の上に大きい円盤は乗せれない
・隣の棒にしか移動させることができない
〈1枚〉 n = 1
a1= 1
〈2枚〉 n = 2
a2 = 4
〈3枚〉 n = 3
a3 = 13
〈4枚〉 n = 4
a4 = 40
an-1 のときと同じ移動
一番下の円盤を隣の棒に移す移動
a1 1
an 1 3an 1
a2 a1 a1 1 a1 3a1 1 4
a1 1
a3 a2 a2 1 a2 3a2 1 13
1
1
3 an
2
2
bn 1 3bn
an 1
a4 a3 a3 1 a3 3a3 1 40
an 1 3an 1
1 n
3 1
2
〈証明〉
an
・・・①
1
3 1 1ゆえに、①は成り立つ。
2
(2)n kの時①が成り立つと仮定する。
(1)n 1の時a1
1 3
2 2
3 n 1 1 n
bn 3 3
2
2
1
bn an より
2
1 1
1
a n 3n 3n 1
2 2
2
1 n
an 3 1
2
b1 a1
1
1 1
1
ak 1 3ak 1 3 3k 1 1 3k 1 3k 1 1
2
2 2
2
ゆえに、①はn k 1の時も成り立つ。
(1)(2)より、①は全ての自然数nについて成り立つ。
以上より、求める一般項はan
1 n
3 1
2
ルール
・左から別の棒へ移動させる
→つまり真ん中の棒へ移動させる
・1回につき1枚のみ移動可能
・小さい円盤の上に大きい円盤は乗せれない
・隣の棒にしか移動させることができない
・一方通行のみの移動
〈1枚〉n = 1 a1= 1
〈2枚〉n = 2 a2 = 5
〈3枚〉n = 3 a3 = 15
a n 1 1
と同じ移動(下2枚より上に乗っている円盤を2個先の棒へ)
2
一番下の円盤を隣の棒に移す移動
二番目に下にある円盤を隣の棒に移す移動
an-1と同じ移動(下2枚より上に乗っている円盤を1個先の棒へ)
an 2an 1 an 2 3
a1 1
a2 5
a* 2 a* a* 3
a 1
a 1
a 1
a 1
a3 2 1 a1 1 2 1 2 1 a1 1 2 2a2 a1 3 15
2
2
2
2
a 1
a 1
a 1
a 1
a4 3 1 a2 1 3 1 3 1 a2 1 3 2a3 a2 3 43
2
2
2
2
a * 1
an bn a * bn 1とおく
an 1 bn 0
bn 1 2bn 1 1 bn 2 1 3
an 2an 1 an 2 3
bn 2bn 1 bn 2 斉次式
bn cx nとおく
〈bnの証明〉
cx n 2 cx n 1 cx n 2
bn c1 1 3 c2 1 3 と
x n 2 x n 1 x n 2
右辺 2bn 1 bn 2
x2 2x 2
n
n
x 0とする
bn 2bn 1 bn 2 において
2c 1 3 2c 1 3 2c 1 3
c 21 3 1 3 c 21 3 1 3
c 21 3 1 3 1 c 21 3 1 3 1
c 1 3 4 2 3 c 1 3 4 2 3
c 1 3 1 3 c 1 3 1 3
c 1 3 c 1 3
n 1
2c1 1 3
n 1
n2
2
1
n 1
n2
1
n 1
n2
n2
1
2
n2
n2
2
n2
n2
2
1
2
n
1
bn 左辺
n
2
n2
2
2
1
2
n2
x 1 3
bn c1 1 3
n
an bn 1より
an c1 1 3
n
c2 1 3
c2 1 3
n
n
1
ルール①と、一般的なルールの場合の一般項を比較す
ると、公比が異なるよく似た数式になることがわかり
ます。どちらも等比数列の式から-1という式になり
ます。シンプルできれいな数式になりました。
ルール①と、ルール②の一般項を比較すると、ルー
ル①の数の2分の1がルール②の時の数になることが
わかります。円盤の移動先の棒の位置を、一つ手前に
変えたことにより、数が2分の1になりました。ここ
から、もし円盤の異動先の棒の位置を、一つ先に変え
ると、ルール①の数の2倍になるのではないかと考え
られます。
ルール③の一般項は、他の一般項とは少し違ってお
り、二段階の漸化式になりました。一般項に無理数が
入っているのにも関わらず、自然数 n 代入すると整
数となって出てきます。
ルール③の時の一般項のc1、c2を求める。
一般項anの証明をする。
別の独自のルールを考えて拡張する。
今までは独自のルールによって円盤の移動
の条件を限定してきたので、逆に円盤の移
動の条件を広げられるような新しいルール
を考える。