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資料組織概説 第14回
多様な情報資源の組織化とMLA連携
2014年1月14日(火)
第4時限
R101教室
復習小テスト
1. ネットワーク上の情報資源を検索したり管理す
るため、その情報資源に付与されるデータを
何というか?
2. 上記1.の国際標準として有名な規定は?
3. 情報資源をリソース、プロパティ、プロパティの
値の3要素で記述することを定めたものは?
4. 情報資源の記述に最もよく使われるタグ付け
言語は?
5. 上記1.を交換するため規定されている国際
標準は?
多様な情報資源の組織化
• 日本目録規則では、図書以外の資料の組織化
についても規定
– 書写資料、地図資料、楽譜、録音資料、映像資料、
静止画資料、電子資料、博物資料、点字資料、マイ
クロ資料、継続資料
• すなわち、博物館や文書館で扱うような資料も、
一応、日本目録規則で組織化可能
– ただし、図書館の所蔵目録作成が前提
– 博物館、文書館等には別のルールがある
• CD、DVDなどはAV資料として目録作成
• ネットワーク系電子資料の組織化は不確定
電子ジャーナル
• 学術雑誌の電子版
– 大学図書館にとって必須の情報資源
• 海外の学術雑誌はほとんど電子ジャーナル
化
• 利用者はインターネットで出版社のサイトに
直接アクセス、図書館は契約のみ
• OPACで検索できないことが多い
– 図書館のウェブ・サイトに案内やリスト
電子書籍
• コンピュータを通して読む
• パッケージ系(CD/DVD-ROMなど)からネット
ワーク系(インターネットからダウンロード)へ
• 専用のリーダー(読書端末)
– iPad、AmazonのKindle、Barnes & Nobleの
Nook、SonyのReader など
• 日本では普及が遅れ、組織化もこれから
• 米国等では公共図書館が電子書籍を貸出
– ボストン公共図書館の例 (OverDriveを選択)
博物館等における情報資源組織
• 付属の図書館(図書室)は専門図書館
– 専門的な資料を扱うが、基本的に図書館としての情
報資源組織
– 司書の領域
• 博物館・美術館の資料の組織化
– 資料は多種多様だが、基本的に一点一点が代替の
きかない「物」
– 学芸員(キュレーター)の領域
• 文書館の資料の組織化
– 史料となるような文書を扱う(特に公文書)
– アーキビストの領域
博物館の情報資源組織における国際標準
• 博物館資料情報のための国際指針
(International Guidelines for Museum Object
Information: The CIDOC Information
Categories)
– 国際博物館会議 (International Council of
Museums)が1995年に策定
• CIDOC概念モデル (CIDOC Conceptual
Reference Model (CRM) )
– 文化遺産の記述に使われる概念や関係を定義
– 国際標準 ISO 21127:2006
文書館の情報資源組織における国際標準
• 国際標準記録史料記述一般原則(ISAD(G):
General International Standard Archival
Description)
– 国際公文書館会議 (International Council on
Archives: ICA)が1993年に策定
– 2000年、第2版 (ISAD(G)2)
– 図書館界のISBD(G)に相当
• 団体、個人、家のための国際標準記録史料典拠
レコード (ISAAR (CPF))
– 2003年、第2版
• 符号化記録史料記述 (EAD)
– XMLによるマークアップ形式での記述の標準規定
MLA連携(1)
• 博物館/美術館(Museum)、図書館(Library)、文
書館(Archives)3者の連携が注目されている
– 人類の知的財産を収集・整理・保存・提供する施設とい
う共通点
– さまざまな経緯で博物館資料が図書館にあったりする
– デジタル化→あらゆる種類の資料が同じ基盤で扱える
– 参考書:水谷長志編著『MLA連携の現状・課題・将来』
勉誠出版, 2010
• 2009年12月、東京国立博物館で開催されたアート・ドキュメ
ンテーション学会20周年記念フォーラムの記録
MLA連携(2)
• グローバルで分野横断的なデジタル化の取り組みに関
する原則声明(Statement of Principles on Global Cross
Sectoral Digitisation Initiatives)
– カレントアウェアネス-E1405で紹介
– 2013年2月、LAMMS(Libraries, Archives, Museums,
Monuments & Sites)とICSTI(国際科学技術情報会議)が
共同で発表
• 2013年2月、全日本博物館学会が講演会「MLA連携に
ついて考える~イギリスの事例に学ぶ~」を開催
– カレントアウェアネス-E1407で紹介
– イングランド芸術評議会(ACE)博物館・ルネッサンス部長
スウェイン(Hedley Swain)氏による英国の状況紹介
デジタル情報資源の長期保存
• デジタル情報資源は不安定
– 欧米では1990年代から盛んに指摘されている
– ウェブ・ページはよく消滅(404というコードが有名に)
– 電子媒体自体の劣化の問題
• 紙は何百年も持つ
– 媒体を読み書きできる機器がなくなる
• 磁気テープやFD等は既に対応機器を探すのに一苦労
– 古い形式のファイルを処理できるソフトがなくなる
• デジタル保存(digital preservation)の重要性
記述メタデータと保存メタデータ
• 記述メタデータ (descriptive metadata)
– 情報資源を発見、選別するためのメタデータ
– タイトル、作成者、主題
– ダブリン・コアはこれに該当
• 保存メタデータ (preservation metadata)
– 情報資源の保存に役立てるためのメタデータ
– ファイル・フォーマット、作成アプリケーション、
ハードウェアやソフトウェアの環境など
– 対象の知的内容には立ち入らない
OAIS参照モデル
• デジタル情報の長期保存システム構築に関
する指針
• 米宇宙データシステム諮問委員会(CCSDS)
が1999年から2002年にかけて策定
• 国際標準 ISO 14721:2003となる
• 2012年改訂→Magenta Book
• 情報パッケージ(保存対象データと保存メタデ
ータの組み合わせ)という概念を打ち出す
OAIS参照モデル -- 機能モデル
保存計画
記述情報
者生
データ管理
記述情報
アクセス
産
受入
SIP
AIP
保管
AIP
問合せ
結果
消
注文
費
DIP
者
運用統括
SIP:提出用情報パッケージ
AIP:保管用情報パッケージ
DIP:配布用情報パッケージ
経営
Reference Model for an Open Archival
Information System(OAIS) Blue Book,
Issue 1. January 2002. p. 4-1. より
保存メタデータ規定の取り組み
• CEDARS(CURL Exemplars in Digital Archives)
– 2000年、OAIS参照モデルに基づいたメタデータ要素
案を公表
• オーストラリア国立図書館(NLA),ヨーロッパ国
立寄託図書館ネットワーク(NEDLIB),OCLCも
独自の案を作成
• 2003年、PREMIS作業グループ結成
• 2005年、『保存メタデータのためのデータ辞書:
PREMIS作業グループ最終報告書』
• 2008年、『PREMIS保存メタデータのためのデー
タ辞書 第2.0版』
– 標準的なメタデータ要素を「意味単位」として規定
ウェブ・アーカイビング
• ある時点,ある範囲のウェブ・ページを収集し
て保存する事業
• 先駆的な例として,米国で1996年に設立され
た非営利団体 Internet Archive が有名
• 各国の国立図書館がプロジェクトとして行う
– オーストラリア国立図書館のPANDORA
– スウェーデン国立図書館のKulturarw3
– 米国議会図書館のMINERVA
– 国立国会図書館のWARP
第14回のまとめ
• 日本目録規則では、図書以外の資料の組織化に
ついても規定
• 電子ジャーナル、電子書籍はOPACで検索でき
ない場合が多い
• 博物館/美術館、文書館ではそれぞれ独自の情
報資源組織化の規定を作成、その中には国際標
準になっているものもある
• 図書館と博物館/美術館、文書館の協力を表す
MLA連携という言葉が注目されている
• 保存メタデータ規定やウェブ・アーカイビングなど
デジタル情報資源の長期保存に関する取り組み