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その横では、スーツ姿の男性が両足を投げ出して漫画を読みふけって
いる。「大の大人が漫画とは。それも、よりによって人前で...」そ
んな批判など、聞かれなくなってもう久しい。透明の壁に囲まれた自分
だけの空間で、一心不乱に読んでいる。そうかと思えば、黙々と、ある
いは、少しニンマリしながら携帯電話の画面とお見合いを続ける若者も
いる。プライバシーの確立を目指した社会が生み出した、好きなときに
好きなことを好きなようにやるといった風潮の典型が、この電車の中の
光景である。
在那旁邊,穿西裝的男子伸出雙腳專心的看著漫畫。「這麼大的一個人竟然還
看漫畫,而且偏偏還在人前……」像這樣的批評已經很久沒有聽到。在被透明牆
壁包圍的自己的空間,一心一意的讀著。另一方面,也有默默、一邊微笑看著手
機畫面的年輕人。以確保隱私為目標的社會所產生出的,在喜歡的時候照喜歡的
方式做喜歡的事情的風潮典型就是這個電車中的情景。
プライベートの語源は「公的な生活から自分の領域を切り離し、自分
の自由にできる領域を作り出す」ことだと言う。そうであるとすれば、
プライバシーを守るということは、「自分の領域を守る」ということに
ほかならない。自分の領域で化粧をしようが、漫画を読もうが、携帯で
やり取りをしようが、他人にとやかく言われることはない。確かに、そ
の通りである。しかし、忘れてはならないこと、それは、公的生活あっ
ての私的生活という点である。公的生活を尊重しようという姿勢を見せ
て初めて、自らのプライバシーも尊重され、保護できるのである。
“私人的”這個詞的原本的意思是「把自己的領域從公共生活中分開,作出自
己可以自由的領域」。如果是這樣的話,守護隱私無非就是「守護自己的領域」。
在自己的領域不管是化妝、看漫畫還是用手機,沒必要讓別人說三道四。確實是
那樣沒錯。但是,不可以忘記的事,那是有公共生活才有私人生活這點。先讓別
人看到尊重公共生活的態度,自己的隱私才能被尊重、保護。
他人の生活は自分の日常とは関係ないという現在の風潮は、公的生活
を尊重するどころか、他者から自らを切り離して生きる、無関心な姿以
外の何物でもない。今の日本人は、公的空間と私の空間の区別ができな
くなってしまっており、その結果、公的生活と私的生活という意識もす
っかり薄れてしまっていると言っても過言ではない。
其他人的生活與自己的日常生活無關的現在趨勢,豈止尊重公共生活,就只是把
自己和別人切割、漠不關心的姿態。現在的日本人,無法分辨公共空間和私人空
間的結果,公共生活和私人生活的意識也完全變弱了,這麼說一點也不為過。
こんな無関心の支配する今の風潮が続けば、一人ひとりが孤立し、つ
いには、他人とのコミュニケーションができなくなり、社会生活に必要
とされる人間関係すら築けなくなってしまうということになる。こうし
た視点から見直せば、今の「引きこもり」問題などは、決して社会から
はみ出した一部の人たちの問題ではなく、人間関係が築けなくなった社
会状況が既に根づきつつあり、それが一つの社会現象として表れている
と言えなくもないのである。
像這樣漠不關心所支配的現代趨勢持續的話,一個人一個人會孤立著,最後變
得無法和他人溝通,甚至連在社會生活中被認為是必要的人際關係也變得無法建
立。從這樣的視點重新審視,現在「躲在家足不出戶」的問題等,這絕不是社會
中一部分的人的問題,可以說無法建立人際關係的社會狀況已經逐漸生根, 「躲
在家足不出戶」的問題已經是一種社會現象了。
プライバシーが育たなかった日本社会で、時間的にも物理的にも、今、
簡単に自分自身の空間を手に入れることができるようになった。プライ
バシーの確立、擁護がうたわれ続けた結果、それに関する意識もかつて
ないほど高まってきている。しかしながら、プライバシーの確立が目指
したものが、公的生活から自らを切り離し、他人と関わることなく必死
でプライバシーを守ろうとする「一人ぼっちの無関心」であっていいは
ずがない。
在沒有隱私概念的日本社會,不管時間上還是物理上,現在都變得能夠容易獲
得自己的空間。持續主張隱私的確保、擁護的結果,隱私的意識是以前沒有過的
高漲。但是,確保隱私的目的不應該是把自己和公共生活切割、與他人無關、拼
命的守護隱私的「孤單一人的漠不關心」。