蒸発効率を用いた 保水性舗装の性能評価試験

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Transcript 蒸発効率を用いた 保水性舗装の性能評価試験

蒸発効率を用いた
保水性舗装の性能評価試験
1013150 葛西清之介
保水性舗装の特徴
• 幹線道路などの舗装材内に自然降雨や人
工散水による水分を保水する。
• 保水された水分を蒸発し、舗装の表面温
度の上昇を抑制する。
舗装材の表面温度特性
遮熱性舗装
保水性舗装100%
密粒度舗装
トップコート舗装
保水性舗装75%
60
55
表面温度[℃ ]
50
45
40
35
30
25
7
9
10
11 12
JST[h]
13
14
15
舗装材の保水性能評価の手順.1
• 濾紙試験より物質伝達率(k)を求め、以下
の式から対流熱伝達率(α)を求める。
• 物質伝達率と対流熱伝達率、それぞれと
風速との関係を求める。
α/C=0.83k
α:対流熱伝達率 [W/㎡・K]
C:湿り空気の比熱 [J/kg・K]
k :物質伝達率
[kg/(㎡・h・(kg/kg’))]
濾紙試験の様子
舗装材の保水性能評価の手順.2
• 濾紙試験により求めた対流熱伝達率(α)と
風速の関係から計測期間中の対流熱伝達
率(αc)を風速のデータを用いて求める。
• 以下の式から各舗装面の顕熱輸送量
(Hx)を求める。
Hx=αc(θsーθa)
Hx:顕熱輸送量 [W/㎡]
αc:対流熱伝達率 [W/㎡・K]
θs:表面温度
[℃]
θa:外気温度
[℃]
• 熱収支式より潜熱輸送量(LE)を求める。
熱収支式 Rn=H+G+LE
Rn:正味放射量[W/㎡]
H:顕熱輸送量[W/㎡]
LE:潜熱輸送量[W/㎡]
L:気化の潜熱[J/kg]
E:蒸発速度[kg/㎡・s]
G:伝導熱流量[W/㎡]
乾燥状態である時
潜熱輸送量(LE)=0
Rn=H+G+LE
Rn=H+G+0
H=Rn-G⇒Hx
Hx=Rn-G となるか検証を試みる。
ほぼ一致した。
舗装材の保水性能評価の手順.3
• 以下の式から気化の潜熱を算出し、潜熱輸送量
(LE)から蒸発速度(E)を求める。
L=2.5×106-2400θs
E=LE/L
• 濾紙試験で求めた物質伝達率(k)を用い、以下
の式から飽和を仮定した時の蒸発速度(Ex)を求
める。
Ex=k(xs-xa)
xs:表面の絶対湿度[kg/kg’]
xa:外気の絶対湿度[kg/kg’]
• E/Exで蒸発効率(β)を求める。
1
400
0.8
400
0.8
300
0.6
300
0.6
200
0.4
200
0.4
100
0.2
100
0.2
0
0
-100
-0.2
0
4
8
12 16
JST[h]
20
0
蒸発効率
500
熱流量[W/㎡]
1
蒸発効率
熱流量[W/㎡]
500
0
-100
-0.2
0
4
8
12 16
JST[h]
20
各舗装の大気加熱量
(顕熱輸送量)の比較
300
250
熱流量[W/㎡]
200
150
100
50
0
0
2
4
7
9
12 14
JST[h]
16
19
21
0
結論
• 一般の舗装に比べ表面温
度上昇の抑制効果がある。
• 大気加熱量(顕熱輸送量)
が密粒度舗装に比べ約半
分に抑制される。