傘付きグローブ温度計による 屋外環境測定の試み

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傘付きグローブ温度計による
屋外熱環境測定の試み
1063451 山中 保秋
グローブ温度計
グローブ温度計イメージ
使用したグローブ温度計
15㎝
中空
周囲面からの
熱放射
周囲空気と
の対流伝熱
薄い銅製で黒体塗装が施してある。
通常、グローブ温度計は室内の放射環境を対象としている。
平均放射温度(MRT)
周囲の全方向から受ける熱放射を平均化し
て温度表示したもの。
MRT
対流による周囲空気
との熱交換量
ta
グローブ温度 tg
周壁との熱交換量
グローブ温度の熱平衡
別途測定した
研究目的
傘で直達日射を遮蔽して、周囲表面温度の影響を反映した
屋外で普通にグローブ温度を測定すると、地表面などからの
測定法の検討をする。
赤外放射より、直達日射の影響が大きすぎる。
遮蔽板により
直達日射を防ぐ
傘(アルミ板)
都内の河川空間での現場実測
実測目的:水辺の放射環境の評価を目的とした。
市街地と河川で実測を行った。
観測場所:東京都江東区の大横川、仙台堀川、木場公園
下落合駅周辺の神田川、せせらぎ里公園
測定期間:2009年8月12日、14日
午前10時から午後3時まで
河川空間の実測の様子
傘
傘付きグローブ温度計
通常のグローブ温度計
市街地
河川
MRT(℃)
090812 江東河川 MRT
80
75
70
65
60 河川傘無
55
50
45
40
35
河川傘有
30
11:45
12:45
市街地傘無
市街地傘有
13:45
14:45
時間
傘無:市街地と河川で差があまりない。
傘有:市街地と河川で差がある。
サーモグラフィによる熱画像
写真
サーモグラフィによる熱画像
直達日射
傘付きグローブ温度計
傘
直達日射
通常のグローブ温度計
表面温度(℃)
河川空間の表面温度
60
55
50
45
40
35
30
25
20
アスファルト
アスファルトと水面で
約25℃の差があった
植物
水面
10
11
12
13
時間
14
15
市街地のMRTとの差
市街地より高くなっている。
河川:傘無
MRTの差 (℃)
10
8
6
4
2
0
-2
-4
-6
-8
市街地より低くなっている。
-10
11:45
12:45
河川:傘有
13:45
14:45
傘有では表面温度の大小関係が反映されている
舗装実験サイトでの検証実験
実験目的:現場実測では地表面が複雑なため、傘の定量的な
評価は難しい。
均一な地表面で実験
観測場所:日本工業大学拡張地に設けられたスケールモデル
サイト付近に設置された地表面に施工を施した舗装
実験サイト
観測期間:2009年8月29日、10月16日
午前10時から3時まで
高反射舗装
草地
アスファルト舗装
保水舗装
アスファルト舗装
高反射舗装
草地
保水舗装
表面温度(℃)
090829 サイト 表面温度
62
58
54
50
46
42
38
34
10
11
12
時間
13
14
15
表面温度:アスファルト舗装>高反射舗装>草地>保水舗装
MRT(℃)
草地
090829 MRT傘有
85
80
75
70
65
60
55
50
45
アスファルト舗装
10:15
11:15
高反射舗装
保水舗装
12:15
13:15
14:15
時間
表面温度:アスファルト舗装>高反射舗装>草地>保水舗装
MRT:高反射舗装>草地>アスファルト舗装>保水舗装
反射日射量(W/m2)
090829 サイト 反射日射量
高反射舗装
350
300
250
200
150
100
50
0
草地
保水舗装
アスファルト舗装
10
11
12
13
14
15
時間
反射日射量:高反射舗装>草地>保水舗装≧アスファルト舗装
MRT:高反射舗装>草地>アスファルト舗装>保水舗装
MRTと反射日射量の関係
80
MRT(℃)
74
アスファルト
68
高反射舗装
62
草地
56
保水舗装
50
0
50 100 150 200 250 300 350
反射日射量(W/㎡)
反射日射量の多い地表面ほどMRTが高い
M
R
T
の
増
加
分
MRT増加分
MRTと表面温度の関係
9 高反射舗装
保水舗装
8
草地
アスファルト舗装
7
6
5
4
3
2
1
0
35
40
45
50
55
60
65
表面温度(℃)
地表面温度とMRTの関係は明確にはわからなかった
結論
• 直達日射を防ぐことにより、普通にグローブ温度計
を測定するよりは、温熱環境の評価は、より表面温
度を反映する値が得られることがわかった。
• 舗装実験サイトの実験より、傘有のMRTは地表面
温度よりも反射日射量の影響が大きい。
• 今回の測定法は反射日射量の大小を含めた評価
になっている。