Transcript pptx - KEK
エネルギーフロンティアー実験
LHC の物理と現状
2009年3月18日
近藤敬比古 (高エネルギー加速器研究機構
Original file at :
名誉教授)
http://atlas.kek.jp/sub/OHP/2009/20090318Kondo_KEKSummerStudent.pdf
http://atlas.kek.jp/sub/OHP/2009/20090318Kondo_KEKSummerStuden.pptx
1
2008ノーベル物理学賞受賞おめでとうございます!
南部陽一郎 先生
小林誠 先生
益川敏英 先生
1/2 of the prize
1/4 of the prize
1/4 of the prize
"for the discovery of the
mechanism of spontaneous
broken symmetry in subatomic
physics"
自発的対称性の破れ
"for the discovery of the origin of the
broken symmetry which predicts the
existence of at least three families of
quarks in nature"
実験確認はまだ完了してない。 3ファミリーとCP対称性の破れは実験で
→LHC計画と深く関係!!
既に確認された。
2
自発的対称性の破れ(Spontaneous Symmetry Breaking)
例:強磁性体
運動方程式は回転に対して対称であり、
特別な方向を選ばない。
キューリー温度TC 以上で分子のスピン
はバラバラで常磁性体である。
TC 以下では自発的に特定の方向が選ば
れ強磁性を示す。
素粒子の世界
運動方程式はゲージ変換(内部自由度の位
相回転)に対して不変である。
1TeV以上では真空は対称である。
V
2
V
174 GeV
2
1TeV以下では真空(エネルギー最低状態)
は自発的にゼロでないヒッグス場を持つ。
3
LHC ( Large Hadron Collider )計画
CERN @ジュネーブ
(Webの誕生地)
加速器トンネル
周長 26.6 km
(山の手線 34km)
計画承認 1994
建設完成 2008
建設コスト~1兆円
(人件費なども含む)
4
1869
メンデレーフの周期律表
基本粒子の数
1
67
(1869年)
12
(1995年)
(2xxx年??)
1995
現在の周期律表: 標準モデル
5
4つの力(相互作用)
全ての力はゲージ粒子の交換に
よって引き起こされる。
相互作用:
ゲージ粒子:
スピン:
強い力
グルーオン
1
電磁磁気力
光子
1
ゲージ粒子
弱い力
W,Zボゾン
1
標準モデル
(ゲージ場の量子理論に基づく)
重力
グラビトン
2
6
根 源 的 な 問 題
Q1: 発散の困難をどう回避するか?
高次の量子効果を足し合わせてせると
計算結果が無限大になる。
Q2:なぜ裸のクォークは見つからないのか?
素粒子は3個のクォークか、クォーク・反クォーク
の対からできている。しかしクォークは単独では
存在しない。
u
u
d
陽子
u u
π中間子
Q3:なぜ W, Z (とクォーク/レプトン)は質量をもつのか?
ゲージ不変→質量があってはならない。しかし mW~81 GeV, mZ~91 GeV。
夫々の問題の解決者にはノーベル物理学賞が授与された!
7
Q1の解決 : 量子電磁力学(QED)の成功
1940年代に朝永らによってくりこみ理論
(renormalization method)が開発された。裸の
質量や電荷を再定義し直すことによって発散を
回避し、高精度の計算が可能になった。
例:電子の異常磁気能率:
g2
ae
0.0011596521 8085 (exp.)
2
0.0011596521 8870 (theory)
朝永
QEDがくりこみ可能なのは、QED理論が局所
ゲージ不変であるからである。
1965
Feynmann Schwingers
"for their fundamental work in
quantum electrodynamics, with
deep-ploughing consequences
for the physics of elementary
particles”
キーワードは「局所ゲージ不変」
参考:数理科学2007年11月号特集<電弱統一理論>
Q2の解決: QCD (量子色力学)の成功
• クォークは3種のカラー荷電を持ち、グ
ルーオンを媒介して強い力が作用する。
• 漸近的自由性:力は(ゴム紐のように)
近くて弱く遠くなると強くなる。
4S
V (r )
kr
3 r
D. Gross
2004
H.D. Politzer
F. Wilczek
"for the discovery of asymptotic
freedom in the theory of the
strong interaction"
エネルギーを与えて素粒子内の2つのクォークを
引き離そうとすると、途中でクォーク・反クォーク対
が真空から作られて2つの素粒子に分裂する。エ
ネルギー的にその状態の方が低いからである。
9
電磁場におけるゲージ変換不変性
マックスウエルの方程式
D
B 0
E B t
H i D t
ベクトルポテンシャル A とスカラーポテンシャル f を導入すると
B A
E f A t
ここで任意の関数 ψ を持ってきて以下のようなゲージ変換
A A
f f t
を行っても電場 E と磁場 B は変わらない。
局所ゲージ不変性(対称性)
(x3 y3 z3)
h
(x1 y1 z1)
x
(x2 y2 z2)
f ( x) eiq ( x )f ( x)
任意の時空点で、内部座標を任意に位相回転しても、方程式は変わらない。
・ ゲージ不変性の要求→ゲージ場(電磁場)と保存量(電荷)が存在する。
・ QEDがくりこみ可能なのはゲージ不変性による。
・ 力を媒介するゲージ粒子の質量はゼロでなくてはならない。
自発的対称性の破れで質量を持たせる。
11
ヒッグスメカニズム
ヒッグス機構は少なくとも3人が提
案した。
・ 自発的に対称性が破れると質量
ゼロのスカラー粒子が出る(南部
ゴールドストーンボゾン)。
・ 1964年に何人かの理論屋が、
ゲージ場と自己結合をもつスカ
ラー場の存在の下では、自発的
対称性の破れが起こると、質量
=0だったゲージ粒子が質量を持
ち、南部ゴールドストーンボゾン
が現れないことを指摘した。
R. Brout
F. Englert
P. Higgs
・ WeinbergとSalamはこの指摘を弱
い相互作用に適用した。
12
Q3の解決: Glashow-Weinberg-Salam モデルの成功(1)
• それまでの弱い相互作用の理論:
1934: E. Fermi : theory of b decay
1956-7: パリティ非保存→V-A theory
いずれも、高エネルギーで発散し、くりこみ不
可能であった。
S. Glashow
・ 高エネルギーでは電弱対称性 SU(2)L と弱
ハイパー荷電対称性 U(1)Y が存在する。
• 低エネルギーではヒッグス場の存在によりそ
れらの対称性が自発的に破れて、3つの
ゲージ粒子は3つのヒッグス場を食べて質量
を持つ。混合の結果電磁場 U(1)EM が残る。
• 少なくとも一つのヒッグス粒子が存在する。
• クォーク・レプトンも質量を持つことが可能。
1979
S. Weinberg
A. Salam
"for their contributions to the theory of the
unified weak and electromagnetic interaction
between elementary particles, including, inter
alia, the prediction of the weak neutral
current"
Q3の解決: Glashow-Weinberg-Salam モデルの成功(2)
SU(2)L × U(1)Y
U(1)EM
4つのゲージ粒子
1
W
W
2
W
3
B
m=0
m=0 m=0
m=0 m=0m=0
m=0 m=0
自発的
対称性
の破れ
+
_
0
W W Z
m80W 80m W 91 mmg=0
Z
m=0
GeV
GeV
GeV
(Higgs機構)
1
2
3
mmH=??
4
H
4つのヒッグス粒子
V
2
V
2
14
ヒッグス場による質量(重さ)の獲得
・ W/Zやクォーク・レプトンは、ヒッグス場との相互作用のため、
運動にブレーキがかかり、それは質量を得たとみなすことがで
きる。光はヒッグス場と結びつかないので質量=0である。
現実の世界
真空の対称性がある場合
光速
光速
光速よりも遅い
光速よりも遅い
抵抗
抵抗
クオーク
レプトン
クオーク
抵抗
W
光速
光
W
光速よりも遅い
レプトン
光
光速
ヒッグス場の海
自発的対称性の破
れ
15
Glashow-Weinberg-Salam モデル
2
2
1
1
L L ig D L R ig D R W W B B D 2 † † Ge R †L L R
4
4
1
where D ig2W ig1 B Y , B B B , L e , R eR
2
2
e L
SU(2)L : L
i ( x )
e 2
L,
1
R R, W W ( x) ( x) W , B B
g2
1
U(1)Y : L eib ( x )Y L, R eib ( x )Y R, W W , B B b ( x)
g1
Z cos W sin W W3
,
A sin W cos W B
g2
e
e
, g1
sin W
cos W
after Supontaneous Symmetry Breaking : SU (2) L U (1)Y U (1)Q , ( x)
1 0
2 h ( x )
1
g 22
4h 3 h 4
2 1 2
2 1
2 1
2 2 1 2 2
L h g 2W W h
ZZ h 2 h 1 3 4 Gee e Ge he e
2
4
8 cos2 W
2
4
therefore
m
1
1 g2
mW g 2 , mZ
W , mH 2 , me Ge ,
2
2 cosW
cosW
[1] S. Wenberg, Phys. Rev. Lett. 19 (1967) 1264
16
1
246 GeV
2GF
GWS モデルの確証
理論的には
• 1971年:ト・フーフトがGWSモデルがくりこみ可能であ
ることを証明した。
D ‘t Hooft
M. Veltman
"for elucidating the
quantum structure of
electroweak interactions
in physics"
1999
GWSモデルの実験による検証
• 1973年:CERNで中性カレントの存在が検証された。
• 1978年:SLACの偏極電子ビームを使ったed散乱実験
でパリティ非保存(γ-Z の干渉効果)を確認した。
C.Y. Prescott et al., Phys. Lett. 77B(1978)347.
C. Rubbia S. van der Meer
• 1983年:CERNでW, Z粒子が発見された。
1984
"for their decisive
contributions to the large
project, which led to the
discovery of the field
particles W and Z,
communicators of weak
interaction"
標準モデルの予言能力
電子陽電子消滅によるハドロン生成の断面積
標準モデル
・標準モデルは1 eVから1千億 eVレベルまでの広いエネルギー範囲を非常
に高い精度で記述する。
・標準モデルに反する事象はまだ発見されていない(暗黒物質を除いて)。
18
現在の周期律表:標準モデル
mgluon 0
mg 0
mW 80 GeV
mZ 91 GeV
ヒッグス粒子のみが未発見。
他はすべて20世紀に発見された。
19
標準ヒッグス粒子の性質
• (実に不思議なことに)ヒッグス粒子の質量 mH は
フリーパラメータで標準モデルは予言しない。たぶ
ん100~1000 GeVの間であろう。
• LEP実験での直接探索
mH > 114.4 GeV
• テバトロンでの直接探索 mH ≠ 170 GeV
• 量子補正による間接測定 mH < 144 GeV
黄=直接測定で除外された領域
青=標準モデルの測定量から量子補
正を通じて推定されたヒッグス粒
子の質量の確率(χ2)分布。
LHC/ATLASでのヒッグスイベント:
pp→H→ZZ→μ+μ-μ+μ-(黄色の線).
20
LHC 加速器と主実験装置
超伝導マグネットの温
度を色で示している。
全周1.9K。
ALICE
CMS
トンネル周長
26.6 km
陽子・陽子衝突
7+7 TeV
ルミノシティ
1034 cm-2s-1
重イオン衝突(Pb+Pb)
5.5 TeV
主ダイポール電磁石
8.33T, 1232
LHCb
ATLAS
21
加速器の主要素は超伝導電磁石
計1232 台の超伝導ダイポール電磁石
がビームを曲げる。
2-in-1 型
冷却温度: 1.9K
磁場強さ: 8.33 テスラ
22
Video: Construction of LHC
(magnetToRing.wmv)
23
ATLAS : アトラス国際協力実験
・ 14 TeVの陽子・陽子衝突を測定し、ヒッグス粒子や超対称性粒子などの発見と測定を行う。
・ 37か国から約2200人の研究者が参加。日本はKEK・東大・神戸大など15研究機関約100名。
・ 各国は担当検出器を国で製作し、CERNへ持込み据付・組立を行い測定器として一体化した。
・ 日本はミューオントリガー検出器、シリコン検出器、超伝導ソレノイドを製作した。トリガーおよび
データー解析にも参加している。
ミューオントリガー検出器
超伝導ソレノイド
シリコン飛跡検出器
日本による建設担当部分
24
建設中のアトラス実験装置 2005年11月
25
アトラス建設:日本の分担(1)
アトラス中心部に磁場を形成するための超伝導ソレノイド
はKEKが設計し東芝が製造した。
コイル部完成@東芝京浜工場(1999年)
励磁成功(2000年12月)@東芝
CERN地上でLArクライオスタット
へ据付(2004年2月)
2005年11月アトラス測定器に設置完了
26
アトラス建設 : 日本の分担(2)
端部ミューオントリガー装置 (日本,イスラエル,中国)
1200台のチェンバーをKEK
で製造(2000-2004)
32万チャンネルの
電子回路をKEKで
設計・製造した。
神戸大で全数を宇
宙線で検査
CERN地上でのセクター
組立 (2005-2007)
地下実験ホールでの総合組立完成
(2006-2008)
27
写真①:地下ではTGCは壁構造を利用して順
次結合されてビッグホイールに組み上げられた。
写真②:ビッグホイール下部での作業中の日本人研究
者
写真③:地上アトラスコントロール室で、日本など
からの研究者が地下の装置の運転を制御する。
写真④:2007年秋の試運転で、TGCミューオントリガー装
置を通過した宇宙線ミューオンが始めて観測された。28
アトラス建設:日本の分担(3) シリコン半導体飛跡検出器
日本は6000枚のセンサーと1000台(40%)のモ
ジュールの製造を担当し完成した。
日本が設計・製造したロボットで2200台の
モジュールをマウント(Oxford大)
2005~2006 シリンダー組合わせ作業@CERN
29
アトラス実験装置の建設ムービーショット
30
First beam in the LHC 10 Sep. 2008
BBCによる世界同時生中継のもと、450 GeVの陽子ビームがテ
スト開始後わずか 50 分でLHCリングの一周に成功した。
31
32
CMS
開始後50分後に
ビームスクリーンに
は入射ビームと一
周したビームが同時
に映し出された!
ビームの軌道は各所のビーム位置
モニターで測定され、直ちに次の
ビーム入射で軌道が修正された。
ALICE
ATLAS
LHCb
33
2008年9月19日:LHCヘリウム大量漏れ事故
• 9日後、LHC加速器通電テスト中に、6トン
のヘリウムがトンネル内に漏れ出した。
・ (1万ヵ所のうちの)1つのマグネット間の超
伝導ケーブル接続部分が溶けだし、気化
したヘリウムの圧力で数十台のマグネット
が変形したり移動した。
溶解したと同じケーブル接続部の写真
• 53台のマグネットが地上に運び出され修
理が進んでいる。また安全対策とより感度
の高い予知システムを準備している。
• ビームは2009年9月に再開され、5+5 TeV
の物理運転を2010年秋まで続ける。
気化したヘリウムの圧力によっ
てマグネットが動いた。
(参考)日本語による解説
http://www.jahep.org/hepnews/2008/Vol27No3-2008.10.11.12Kondo.pdf
34
LHCでのヒッグス粒子探索
• 質量 mH の関数としてヒッグス粒子の生成
断面積や崩壊過程はよく予言できる。
• ヒッグス粒子の発見チャンネルは数種類あ
り mH の領域にかなり依存する。
H
H
H
H
g g
Z Z
W W , j j
H→gg チャンネルの模擬解析結果。L=1fb-1
で縦軸の数がイベント数に相当する。
2012(?)
2011(?)
• データ収集は2009年10月に始まる。2-3
年で114~1,000 GeVの全領域で発見が可
能になる。
2010 (?)
100
200
500
1,000 mH (GeV)
赤:5s の信頼度での発見ライン
青:95%の信頼度で排除できる範囲。
35
階 層 性 問 題
• 次の新しい物理がプランクスケール(1019 GeV)
までないとき、ヒッグス粒子の質量 mH は大きな
量子補正を受けて(スカラー粒子なので)
mH =
200 GeV
dmH
= 1,000,000,000,000,000,000 GeV
これは非常に不自然である(階層性問題)。
eR
H
H
eL
dm
2
H
ye
16
2
2
2
2
cutoff
6me2 ln cutoff / me .....
mH に対する量子補正の式
~e , ~e
R
L
問題解決策 その① : 超対称性粒子の導入
ヒッグスの2次発散の項を超対称性(SUSY)
粒子で正確にキャンセルすることができる。
H
dmH2
H
y e~
22cutoff 4m2e~ ln cutoff / m e~ .....
2
16
問題解決策 その② : 大きな余剰次元の導入
新しい物理が1~10 TeVに存在する。
SUSY粒子によるmHに対する量子補正
36
SUSY (超対称性)粒子
フェルミオン(半整数スピン)とボゾン(整数スピン)の交換の対称性
d (spin)
1
2
SUSY粒子はまだ1個も見つかってない SUSYはソフトに破れているモデル
37
Running couplings (走る結合変数)
・ 相互作用の強さ(結合変数)は真空偏極により
エネルギースケール(距離)と共に変化する。
・ QED : 遮蔽効果 高エネルギーで強くなる
EM (q 2 )
EM ( 0 )
EM ( 0 ) q 2
1 N
ln 2
0
3
+
-
+
2
, N n 3 qquark
quark
QEDでは真空偏極で
電荷がより隠される。
・ QCD: 反遮蔽効果 高エネルギーで弱くなる
3 (q )
2
3 ( 02 )
q2
3 ( 02 )
2n f 33ln 2
1
12
0
グルーオンの自己結合のため
gluon
quark
q
gluonとquark
の雲
QCD ではカラー電荷が真空偏極
で増幅される (nq < 33/2)
38
3つの相互作用の大統一の可能性
もし 1 TeV付近に超対称性粒子が存在すれば、3つの相互作用の
強さは2x1016 GeV で1点に交わる!! ー>大統一の可能性が出てきた。
note: based on RGE equations given by U. Amaldi et al., Phys. Lett. B260(1991)447.
data for 1/1 are scaled from 1/EM by 3/5*cos2W
39
暗黒物質 Dark Matter
銀河の回転速度
重力レンズ効果を
用いた暗黒物質観
測の3次元マップ
銀河クラスターの運動
標準モデルは我々の宇
宙の4%のみの範囲しか
記述していない!!
3°K宇宙背景輻射
銀河クラスター同士の衝
突で暗黒物質(青)が分
離された様子
40
膨張する宇宙の熱力学 :冷たい暗黒物質シナリオ
dn
3Hn s A v
dt
n 2 n 2
EQ
DM h 2 0.1
m ~ 0.1 ~ 1 TeV,
sv ~ 1 pb
LHCの到達できる範囲 !!
暗黒物質の
有力候補
ニュートラリー
ノ
未発見
41
~
g
LHCのSUSY粒子探索
• R パリティ保存則:
R 1
3 B L 2 S
標準モデル粒子 R=+1
SUSY粒子
R=-1
LSP (lightest supersymmetric particle) は
中性で安定、物質と相互作用しない→暗黒
物質のよい候補!!
p
p
u
u
q
~
g
g
q
~0
1
(LSP)
LHCでのSUSY 粒子生成過程
• LHC実験ではLSP が測定器から抜け、大き
な横エネルギーEtの消失が起こる。1年の
LHC実験で 1 TeV領域まで探索できる。
• まとめ:SUSY粒子が1 TeVにあると
① 階層性問題が解決する.
② 大統一の可能性が高まる.
③ 暗黒物質が同定できる.
CMS実験でのSUSY粒子生成
シミュレーション
42
階層性問題解決への新しいアプローチ
大きな余剰次元モデル
電弱スケール
1016
Planckスケール
4+2余剰次元の重力
重力は大きな次元のバルクにも広
がるが、標準モデルの粒子は4次
元ブレーンに閉じ込められている。
エネルギースケール
43
LHCでビッグバンから 10-12 秒までにさかのぼる。
44
from E. Kolb and M. Turner p.73
History of Universe
QUANTUM
GRAVITY
END OF
GRAND
UNIFICATION
● Supergravity?
● Ex Dim?
● Supersymmetry?
● Superstrings?
END OF
ELECTROWEAK
UNIFICATION
10 25 K
10 20 K
1015 K
1018 GeV 1015 GeV 1012 GeV 109 GeV 10 6 GeV
Rest Energy
of Flea
KE of
Sprinter
Highest energy
Cosmic rays
1TeV
CM Energy
of LHC
1010 K
1GeV
105 K
1MeV
1keV
Nuclear Binding
Energy
10 42 s 10 -36 s 10 -30 s 10 -24 s 10 -18 s 10 -12 s 10 -6 s 1sec
Leptons
&
Quarks
Gauge
Bosons
Photons
g
1K
1eV
103 106 109 Years
10 6 s 1012 s 1018 s
e
n, p
1meV
Atomic
Binding Energy
1
e
e
u c t
d s b
GLUONS
W , Z
X, Y, .....
of Atoms
● Formation of ● Decoupling of ● End of SUSY? Quark Hadron
Structure begins
Matter and
Transition
Big Bang
Nucleosynthesis
● Origin of MatterAntimatter Symmetry
● Monploles
● Inflation
1030 K
● Formation
MATTER
DOMINATION
H ,D ,
3
He ,
4
He ,
7
Li , e
2K bkgd
H , D,
3
He,
4
He,
7
Li
R(matter/radiation)=5x10-10
3K CMB
from E. Kolb and M. Turner p.73
History of Universe
QUANTUM
GRAVITY
END OF
GRAND
UNIFICATION
● Supergravity?
● Ex Dim?
● Supersymmetry?
● Superstrings?
END OF
ELECTROWEAK
UNIFICATION
10 25 K
10 20 K
1015 K
1018 GeV 1015 GeV 1012 GeV 109 GeV 10 6 GeV
Rest Energy
of Flea
KE of
Sprinter
Highest energy
Cosmic rays
1TeV
CM Energy
of LHC
1010 K
1GeV
105 K
1MeV
1keV
Nuclear Binding
Energy
10 42 s 10 -36 s 10 -30 s 10 -24 s 10 -18 s 10 -12 s 10 -6 s 1sec
Gauge
Bosons
Photons
e
e
u c t
d s b
GLUONS
W , Z
X, Y, .....
g
LHC陽子衝突実験のカバーする範囲
1K
1eV
103 106 109 Years
10 6 s 1012 s 1018 s
e
n, p
1meV
Atomic
Binding Energy
1
Leptons
&
Quarks
of Atoms
● Formation of ● Decoupling of ● End of SUSY? Quark Hadron
Structure begins
Matter and
Transition
Big Bang
Nucleosynthesis
● Origin of MatterAntimatter Symmetry
● Monploles
● Inflation
1030 K
● Formation
MATTER
DOMINATION
H ,D ,
3
He ,
4
He ,
7
Li , e
2K bkgd
H , D,
3
He,
4
He,
7
Li
R(matter/radiation)=5x10-10
3K CMB
ま と め
• 標準モデルは成功した。しかしヒッグス粒子が見つかっていない。
• W, Z粒子の質量があるためには、ヒッグス場が存在し、自発的対称性の
破れが起こらなくてはならない。その結果、ヒッグス粒子が存在する。
• ヒッグス粒子を発見するためのLHCが完成した。
• ヒッグス粒子や超対称性粒子は2~3年で発見が可能になる。
• もし超対称性粒子が見つかれば、階層性問題は解決し、大統一が可能
になり、暗黒物質の有力候補が見つかる。
• LHCでの実験で明らかになるであろう物理は、 ビッグバンから10-11 ~
10-38 秒での物理に相当する。
47
参考Webページ
・LHC計画とその物理(原子核三者若手夏の学校高エネルギーパート講義)
http://atlas.kek.jp/sub/OHP/2008/20080820Kondo.ppt
http://atlas.kek.jp/sub/OHP/2008/20080820Kondo.pdf
・ROOTを使った素粒子実験計算ことはじめ
http://atlas.kek.jp/seminar
課題1:パイオンの崩壊からニュートリノビームを作る
課題2:陽子の中のクォークとグルーオンの分布
課題3:ヒッグス粒子の崩壊比と生成断面積を計算する
課題4:高エネルギーイベントのシミュレーション
課題5:Running Coupling Strengthsを計算する
課題6:Geant4による電磁シャワーのシミュレーション
・アトラス日本グループホームページ
http://atlas.kek.jp
・レポート:LHC加速器の現状とCERNの将来計画
http://www.jahep.org/hepnews/2008/Vol27No3-2008.10.11.12Kondo.pdf
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