力学的エネルギー保存則4

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力学的エネルギー
問題
図のように、伸縮しない長さ𝐿0 の綱の一端を橋に固定し、他端には自然の長さ𝐿1 弾性力が伸びに比例す
る比例定数𝑘のゴムひもをとりつける。さらにゴムひもの先端を質量𝑚の人の胴体に結び付ける。橋の高さ
は水面からはかって𝐿𝑤 とする。人は質点とみなすことができ、橋から(𝐿0 +𝐿1 )下にはなれた位置を基準に
して、鉛直下向きに測った人の位置を𝑥とする。また、綱やゴムひもは自由に曲がり、その質量は無視でき
る。重力加速度の大きさを𝑔として、次の文の
に適切な式を入れよ。
(1)人が橋から静かに飛び降りて、時間が𝑡経過した。人の位置が−(𝐿0 +𝐿1 ) ≤ 𝑥 ≤ 0の範囲にあるとき、人
の落下の速さは (ア)
である。最初に𝑥 = 0を通過するのは、飛び降りてから時間が (イ) 経過
したときである。
(2)𝑥 > 0になると、ゴムひもの弾性力がはたらき、𝑥 = (ウ) で、下向きの速度が最大値、 (エ)
となる。その後は減速が続き、𝑥 = (オ)
が最下点となる。最下点が水面よりも上になるようにする
ためには体重制限𝑚 < (カ) が必要である。
(3)綱やゴムひもが途中で切れてはいけない。ゴムひもは十分に丈夫なものを使用したとして、綱の強度が
十分かどうかを調べる。(2)の (カ) の体重の人が飛び降りたとき、綱にかかる最大張力は (キ)
である。したがって、同じ綱を用いて、質量 (ク)
以上のおもりをしずかにつるすことができれば、
安全であるといえる。
(1)
−(𝐿0 +𝐿1 ) ≤ 𝑥 ≤ 0の範囲では、綱とゴムひもは
たるんでいる。よって自由落下と同じ。
橋
t 秒経過後の速度は
𝐿0 + 𝐿1
𝑣 = 𝑔𝑡
∴ 𝑔𝑡
1
𝐿0 + 𝐿1 = 2 𝑔𝑡 2 ⇔𝑡 =
1
公式y = 𝑣0 𝑡 + 2 𝑔𝑡 2
2
(𝐿0
𝑔
+ 𝐿1 )
を使った
∴
(2)
ちょうど𝑥 = 0の位置にきた時
橋
2
(𝐿 + 𝐿1 )
𝑔 0
ちょうどばねが引き戻す力と、
人の重力がつりあう位置にきた時
ちょうどばねが引き戻す力と、
人の重力がつりあう位置を通り過ぎた時
橋
𝐿0 + 𝐿1
橋
𝐿0 + 𝐿1
𝑚𝑔
𝐿0 + 𝐿1
𝑘𝑥
𝑚𝑔
合力は
ゼロ
バネの引き戻す力
の方が人の重力より
大きくなり、合力は負の向き
(よって加速度も負の向きに変わる)
𝑘𝑥
𝑚𝑔
したがって、下向きに加速するのは、バネが引き戻す力と人の重力が釣り合う位置までである
(この位置を通り過ぎると、人は上向きに引き戻され、減速し始める)
𝑚𝑔 = 𝑘𝑥⇔ 𝑥 =
(2)
𝑚𝑔
𝑘
0.56[𝑚/𝑠]
自然長
1
1
2
0 + ∙ 𝑚 ∙ 𝑣 = ∙ 𝑘 ∙ 𝛿 2 + 𝑚𝑔𝜇𝛿
2
2
𝑘 ∙ 𝛿 2 + 2𝑚𝑔𝜇𝛿 − 𝑚 ∙ 𝑣 2 = 0
∴
𝑚𝑔
𝑘
0 [𝑚/𝑠]
自然長
δ
δ(デルタ)だけ進んで
止まったとする
δに関する二次方程式
−2𝑚𝑔𝜇 ± 4𝑚2 𝑔2 𝜇2 + 4𝑘𝑚𝑣 2
𝛿=
2𝑘
−2 ∙ 2 ∙ 9.8 ∙ 0.1 ± 4 ∙ 22 ∙ 9.82 ∙ 0.12 + 4 ∙ 4.9 ∙ 2 ∙ 0.562
=
2 ∙ 49
−3.92 ± 138.2976
=
98
= 0.08 (δ>0より)
(3)
∴ 8.0 × 10−2 [𝑚]
(2)を利用する
ただし、床と物体の間に働いている
摩擦力を𝐹とおいた。
𝑘𝑥
𝐹
自然長
δ= 0.08[m]((2)より)
𝑘𝑥
𝐹
自然長
δ= 0.08[m]((2)より)
𝑘𝑥 = 𝐹 ≤ 𝐹𝑚𝑎𝑥 = 𝑚𝑔𝜇0
今働いている
摩擦力
最大静止
摩擦力
物体が、ばねから押されているにも関わらず、
動いていない(止まっている)ということは、
この状態で働いている摩擦力は最大静止摩擦力
に達していないということ。
ただし、最大静止摩擦力を𝐹𝑚𝑎𝑥 、最大セ氏摩擦係数を
𝜇0 とおいた。
𝑘𝑥 ≤ 𝑚𝑔𝜇0 より、両辺を𝑚𝑔(> 0)で割って
𝑘𝑥
≤ 𝜇0
𝑚𝑔
49 ∙ 0.08
≤ 𝜇0
2 ∙ 9.8
注)この問題で𝑘𝑥 = 𝑚𝑔𝜇0 とおいてはいけない!!
最大静止摩擦力に達しているとは限らない。
最大静止摩擦力とは、物体が動き出す瞬間の摩擦力。
∴ 0.2以上