4 - 桃山学院大学経済学部・大学院経済学研究科

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『世界市民』 by 矢根 真二 ([email protected])
資料URL http://rio.andrew.ac.jp/~yane/class/water/
<6>
一水四見 と 分ければ分かる?
判断力・学習力の自己診断の練習
本日の課題
■ 要約(事実の理解)と判断(意見・主張)能力の自己診断
1 一水四見: 分ければ分かる?
2 理想: 判断力(見識)に自信はできた?
3 現実: 試験サンプルによる学習力チェック?

次回以降のY
必需品? の 再確認
2
受験時: 時間厳守,教務課の公認欠席届
 学生証 & 黒ボールペン, マークシート用HBの黒鉛筆
指定テキスト: Kindle版 \350 (2015/5/22 現在)
 Y(09): 吉川元就(09) 『水ビジネス』 角川 (新書 \761)
資料URL:
桃山学院大学経済学部・経済学研究科  教員紹介  矢根
 http://rio.andrew.ac.jp/~yane/class/water/
<前回 & 前半の復習> エコノミスト派 と 難題
3
 前回: 水問題に関するエコノミスト派の物語(考え方)
1.
2.
市場取引における消費者余剰や生産者余剰とは? 知識・理解力
ボトル水の自由(競争)市場取引を規制すべき? 見識・判断力
前半における問題練習・熟考を要する問題の例
事実判断: 100万人という人口の1%が感染した奇病,陽性反応
の人の感染確率は? ただし,感受性(有病者の陽性確率) 90%, 偽陽性率
(無病者の陽性確率) 5% である。<S2>Q4
価値判断: <S3>Q1 & 望月和彦 『ディベートのすすめ』
1 一水四見: 分ければ分かる?
4
一水四見?
 = 人によって,水の見え方が異なること
  本講義でも,「<S1> 水の 3 物語」の理解と評価が鍵
How 異なる物語を理解? 
同じ水でも,4(or 5)種に区分
 水を取り巻く環境によって,性格の異なる財  ∴ 異なる対処法
1. 経済財(希少財) と 自由財  <S5> 費用・価格の有無
2. 経済財の4区分 = <S5>★私的財 + 3区分
 = <S11>★共有資源 + <S13>自然独占 + (純粋)公共財
★ 「経済財」の4分類
経済財(vs. 自由財)の分類
 マンキュー(05) 『経済学<1> ミクロ編』
同じ財でも「環境・時代」によって分類は可変 例: 鯨 と 缶詰
競合性
非競合性
排除可能
排除不可能
私的財(パン)
共有資源(海洋の鯨)
混雑する高速道路
ボトルウォーター
混雑する普通道路
密集地の貴重な井戸水
自然独占(電力)
公共財(国防)
空いている高速道路
水道水
空いている普通道路
過疎地の豊富な井戸水
Q1 財の定義と分類は?
1. 空気,2000年前の琵琶湖の湖水は?
  将来の清浄な空気は? : OECD Outlook 2050
2.
3.
4.
5.

国防,周辺過疎の豊富な井戸水は?
海洋の鯨やクロマグロ,周辺過密の小さな湖は?
日本の水道水,電力やガスの現状は?
アイスクリーム,洋服,ペットボトルの水,ツナ缶は?
識別のポイント: 上記の定義の理解・適用
  希少性(費用・価格)はある? If so, 競合性と排除可能性は?
Q2 水は公共財?
「環境・市民派」の代表的な見方  <S4>神田(07, p.134)
1.
2.
3.
水は,基本的人権である
水は,商品ではない
水は,公共財である
1. 見解1-3は,事実判断 or 価値判断?
2. もし事実判断なら,妥当な事実判断か?
3. もし価値判断なら,賛同する? Why?
A2 水は基本的人権?
反「ワシントン・コンセンサス」  <S4> バーロウ(03, pp.7-8)
≒「国際機関・政府が水の私有化・商品化」を推進したと批判
 But 水は人間の権利・共有資源だから,水の売買を禁止すべき
1.事実判断(かくある)を意図 but 実際には価値判断(かくあるべき)  定義?
2.No  1 権利ではない国,2 商品は実在,3 共有資源等
3: 公共財の定義は???  ∵もし非競合なら,水危機は存在しない!
3.If Yes  事実認識・政策実行の説得力???
If No,  <S4> 「人が死んでも,平気なの?」にどう答える?
分ければ,分かる?
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 異なる物語の理解のための本講義のアプローチ:<S2>事実判断
1.
2.
<S4> の 公共財や共有資源等  実際には共有資源
<S5> の ボトルウォーター  実際には私的財
 ∴ 次回以降のこの点に関する分析の焦点
1. 共有資源の性質は? いかに管理すべき?  <S11>
2. 特に,共有資源を私的財に変換することは,悪か?
3. 私的財の市場取引は制限すべきか?  <S9>
「分ける  分かる」 but 分け方は多様  理解も多様
2 理想: 判断力(見識)への自信は高まった?
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 Yes or No?  人生の基本スキル向上が目的: 旧
Quiz.pdf
 But 難題  少なくとも常に,自覚 & 自己訓練の意識が重要
 選択時や対立時の基本的なチェックポイント
1.
自分や相手の「知識・見識・胆識」のチェック
 事実・情報,事実判断力・価値判断力,費用便益・リスク・実行性」
2.
自分や相手のこれまでの価値判断の原則と,その理由
 何派? & なぜ?  自己分析の習慣なくして,改善・変化は難しい
 ∴自分の頭でアポリア(難題)を科学的に検討する習慣
 自分の物語(事実判断力  価値判断力)への自信を持とう!
Q3 日本が直面するアポリアの例
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自分が費用も賄う日本の最高意思決定者なら,どう判断?
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
途上国への無償援助額を増額すべき? Why & How?
京都議定書(08-12年に90年度比5%減)延長からの離脱をどう評価?
TPPに積極的に参加すべき?
食糧自給率を引き上げるべき?
年金や生活保護の支給額を引き下げるべき?
65歳までの雇用延長保障を推進すべき?
解雇規制を緩和すべき?
死刑,同性婚,憲法改正…  図書館: 望月和彦 『ディベートのすすめ』
Q4 学習する「水」をめぐる難題の例
12
 テキストY・文献・授業に対するアナタの意見 & 理由は?
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
水は枯渇し,地球は干上がりつつある? (事実判断)
水は誰でも無償で使用できる権利を与えるべき? (価値判断)
ボトル水の自由売買を禁止すべき?
仮想水の輸出入を伴う自由貿易は,制限すべき?
大量の水を使用する灌漑農業は,制限・禁止すべき?
水道事業は公営にして,国家(政府)が直接管理すべき?
日本は国際援助を増やすべき?  旧MDGs&前頁との関連
 自分の判断の説得力は?  追試・レポートの課題
3 現実: 試験サンプルによる学習力チェック?
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 授業内(試験期間外)試験問題の例: Sample13.pdf
 ただし,新書Y(09)を一読できた? Why?  <S1>
1. テキスト・授業内容中心の平均80点目標の基礎的な問題
2. 時間20分程度の選択問題 (4点×25問=100点)
 ∴ 読解力が十分なら,単位のためだけなら授業は不要?
 現時点でのチェック・ポイント: Yを一読してたら,60点は取れる?
1. 問題1-10: 当時は学習済み but 授業内容は2015年に変更 8/10
2. 問題11-25: 未学習でも常識・確率である程度対応可能 7/15
本日の要点 & 次回の準備
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 一水四見: 財の性質は,環境・時代によって異なる  区分は?
1. 環境・市民派: 共有資源(≠公共財)の一面を強調
2. エコノミスト派: 私的財の市場取引の利益を強調
次回以降: 指定テキストY(09)の事前読解を前提
1. 自力で,① 要約(事実の理解) and ② 判断(意見の主張) できる?
2. If No  「どこが & なぜ」 の 明確化  質問力 + 学習力
特に①は試験(②は追試)の中心  スライドのQ等で自己診断の習慣
次回: Y: はじめに & 1章  <S7> 例題: 「私の疑問」の例
サンプル試験問題の解答例
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2013年度の試験解答例と正答率: 4点×25問 = 100点
<注>登録者過多(587名)のため,試験期間内に変更