わたしたちを作った

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Transcript わたしたちを作った

比較宗教学講義Ⅰ
九州の比較宗教学
20120719
第14回死と葬儀
[email protected]
飯嶋 秀治
Ⅰ.前回の続き
1.沖縄
• 諸制度の結び眼として
1868年明治政府樹立
1872年琉球廃藩置県
1945年アメリカ軍との本土決戦
1958年沖縄B円($1=120B円)
1960財団法人同窓会認可
1972年琉球政府から沖縄県へ
1989年ひめゆり記念館設立
2005年長編ドキュメンタリー映画
へ
日本全国の75%の在日米軍
2.九州の宗教での試図化
知識・信仰
カトリック
プロテスタント
集団
イエスの方舟
年中行事
椎葉神楽
自称
他称
「本願の会」
ハンセン病
元患者施設
都市
中核国
周辺諸国
百貨店
個人良投資家
個人
行動・実践
自然宗教
先祖、食事、環境…
3.新しい社会運動
[メルッチ1997;杉山2000]
• 社会運動≒直接的被害者による階級運動
• 新しい社会運動≒1960年代~
女性運動
人権運動
環境運動
争点の直接的被害関係者を超えた市民運動
4.私と世界との関係:連累
[モーリス=スズキ2002:57]
「わたしは直接に土地を収奪しなかったかもしれないが、その盗まれ
た土地の上に住む。わたしは虐殺を実際に行わなかったかもしれな
いが、虐殺の記憶を抹殺するプロセスに関与する。わたしは『他者』
を具体的に迫害しなかったかもしれないが、正当な対応がなされてい
ない過去の迫害によって受益した社会に生きている。/わたしたちが
今、それを撤去する努力を怠れば、過去の侵略的暴力的行為によっ
て生起した差別と排除(prejudices)は、現世代の心の中に生き続け
る。現在生きているわたしたちは、過去の憎悪や暴力を作らなかった
かもしれないが、過去の憎悪や暴力は、何らかの程度、わたしたちが
生きているこの物質世界と想像力を作ったものであり、それがもたら
したものを『解体(unmake)』するためにわたしたちが積極的な一歩を
踏み出さない限り、過去の憎悪や暴力はなおこの世界を作り続けて
いくだろう。/すなわち『責任』はわたしたちが作った。しかし、『連累』
は、わたしたちを作った 」
Ⅱ.死と葬儀
1.福岡市葬祭場
201207161300-1800@飯嶋研究室
• 人生史
• 葬祭場
佐藤力男さん
1945年1月2日
福岡県嘉穂町山田(炭鉱町)
父は博労、父が60歳過ぎに生ま
れる
父には先妻との間に7人(男1、
女6)いた
母には先夫との間に3人(男1、
女3)いた
佐藤さんは父母の末っ子
「力男」と命名される
父は小1の時に他界
母の兄が福岡に居たので二十歳
頃転居
仕事は2回ほど変わった
当時は町内に一つくらい葬祭場
があった
それらをまとめ「福岡市中央火葬
場」を創設した
葬祭場には、地元の合意、借景(、
時間)、動線が必要
葬祭場には炉が7基のあった(石
炭釜から重油釜へ)
「来手がない職場」、遺族から弁
当と酒が出た
中は裸電球のみで暗く、汚れた
白衣を着、ロストル式で火葬
していたためにお骨が粉々に
なっていたのが嫌だった
2.日本一の葬祭場へ
201207161300-1800@飯嶋研究室
• 新しい葬祭場
• 臨死体験と自分の死
「佐藤さん、日本一の葬祭場を
作ってやるけんね」
石は議員石、炉の前はイタリア
製のピンクの大理石、前はガ
ラス張りの借景、動線も重な
らない
炉が21基あったが、前室から集
骨質まで地下の台車で移動さ
せる「日本一」の設備だった
1機は胎盤用で、胎児(水子)さ
んの骨もきれいに残るように
焼く、集骨の際の話はマニュ
アルではない
自分より若い人が死んでゆく
18歳頃の臨死体験
64歳頃の臨死体験
個の一部は切れるが網の目は変
わらない
宿命と運命とは違う
Ⅳ.まとめ
九州の宗教での試図化
知識・信仰
カトリック
プロテスタント
集団
イエスの方舟
年中行事
椎葉神楽
自称
他称
「本願の会」
ハンセン病
元患者施設
都市
中核国
周辺諸国
百貨店
個人良投資家
個人
行動・実践
自然宗教
ひめゆり記
念館
先祖、食事、環境…
九州の比較宗教学の前提
[原田1972:242]
水俣で学んだ教訓―そえは実に多くの高価な犠牲の上
に学び得たものであった―があまりにも今日活かされ
ていないという悲しい結論に達したからである。カネミ
油症[福岡県]、森永砒素ミルク中毒[徳島県、岡山県]、
土呂久病(宮崎県)、四日市ゼンソク[三重県]、イタイ
イタイ病[富山県]、スモン病[新潟県]等々、あげればき
りがない
→日本近代史の影を背負ってきた福岡(三池二酸化炭
素中毒)、佐賀(玄海原発)、長崎(原爆)、大分(ばい
塵公害)、宮崎(土呂久)、熊本(水俣病)、鹿児島(ハ
ンセン病元患者施設)、沖縄(ひめゆり)
•
以下は指針なので、途中で変化する
こともあり得ます。
4/12第1回自己紹介
4/19第2回誕生と助産(河瀬直美
監督『幻牝』上映)
4/26第3回福岡の宗教1:年中行
事
5/10第4回福岡の宗教2:新宗教
5/17第5回福岡の宗教3:百貨店
5/24第6回福岡の宗教4:投資家
5/31第7回佐賀の宗教
6/7第8回長崎の宗教
6/14第9回大分の宗教
6/21第10回宮崎の宗教
6/28第11回集中講義のため休講
(熊本の宗教)
7/5第12回鹿児島の宗教
7/12第13回沖縄の宗教
7/19第14回死と葬儀(ゲスト講師を
招聘予定)
7/26第15回まとめ
•
以下は指針なので、途中で変化する
こともあり得ます。
4/12第1回自己紹介
4/19第2回誕生と助産(河瀬直美
監督『幻牝』上映)
4/26第3回福岡の宗教1:新宗教
①:イエスの方舟
5/10第4回福岡の宗教1:新宗教
②:イエスの方舟
5/17第5回福岡の宗教2:年中行
事①
5/24第6回福岡の宗教2:年中行
事②
5/31第7回福岡の宗教:百貨店
6/7第8回福岡の宗教:投資家
6/14第9回宮崎の宗教:椎葉神楽
6/21第10回熊本の宗教:本願の会
6/28第11回集中講義のため休講
(熊本の宗教)
7/5第12回鹿児島の宗教:ハンセ
ン病元療養施設
7/12第13回沖縄の宗教:ひめゆり
平和祈念館
7/19第14回死と葬儀(ゲスト講師
佐藤力男)
7/26第15回試験
8/2試験返却とまとめ
国際経済と国内メディア
「信じる」
文献調査
福岡・宮崎・熊本・鹿児島・沖縄
現地調査
暗示、声のトーン、装飾、建築
自らに生命を与える存在に対する、特定集団には自明だが、外的には不明な言行
試験問題について
• 試験日 2012年7月26日3限目101教室
• 持ちこみ 自由
• 問題 比較宗教学講義Ⅰ:九州の比較宗教学に
おいて、①最も興味深かった回の講義内容を踏
まえ、自分の体験に基づき何を考えたのかを書
きなさい(40点)。②Q&Rにおいて最も興味深
かった質疑の内容を踏まえ、自分がその質疑か
ら何を学んだのかを書きなさい(40点)。③その
他、全体として、受講前後で自分の何がどう変
化したのかを書きなさい(20点)
参考文献
原田正純1972『水俣病』岩波新書
福岡市史編集委員会編2010『福の民-暮らしのなか
に技がある』福岡市
モーリス=スズキ、テッサ2002『批判的想像力のために
―グローバル化時代の日本』平凡社