Transcript Document

屋上緑化と太陽光発電の
ベストミックスに関する屋外実験
1093239 坂下 剛
1093349 野村 洋平
研究背景
ヒートアイランド緩和を目的とした屋上緑化が実用化、
一方で太陽光発電は新エネルギーとして注目されている
双方を併用して設置することによりメリットが期待できる
しかし、高温化が懸念されるソーラーパネルの設置によ
るヒートアイランドへの影響は明確とされていない
そこで、屋上緑化とソーラーパネルの熱収支特性を比較する
屋上面での屋上緑化と太陽光発電の共存策を探る
実験試験区
実験場所
大きさ
東京都江東区、東京都環境科学研究所別棟屋上
試験区名
植生
土壌厚
芝区
芝
キリンソウ、コーラルカーペット
セダム区
マンネングサ(サカサ、ツル、メキシコ)
コケ区
スナコゲ
土壌区
―
無処理区
(屋上スラブむき出し)
屋上緑化試験区
ソーラーパネル
―
試験区
80mm 2000mm×2000mm
小試験区
500×500mm
ろ紙板
―
80mm 2000mm×2000mm
500×500mm
―
―
80mm 2000mm×2000mm 500×500mm
―
80mm 2000mm×2000mm 500×500mm
―
―
―
―
―
500×800mm ソーラーパネル
―
500×500mm
気象観測タワー
測定
小試験体
ろ紙法
無灌水区
灌水区
ソーラーパネル
芝区 セダム区 コケ区 土壌区 無処理区
試験区設置状況
測定方法
・各小試験体の重量変化から蒸発散量を算出
・蒸発散量から蒸発効率を算出し評価を行う
・熱収支は各試験区に設置されている機器のデータから算出
・ソーラーパネルではろ紙法をもとに算出し熱収支を評価する
・灌水区と無灌水区を作り、灌水区は指定日
測定・灌水の実施日
8月
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31
蒸発散測定 ○
○
○
○
○
○
○
○○ ○○
○ ○○
○
灌水
○
○
○○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
日付
測定器設置状況
赤外線温度計
正味放射収支計
風車型風向風速計
精密赤外放射計
全天日射計
熱電対
温湿度計
熱流板
ソーラーパネル
データーロガー
サーミスタ温度計 4成分放射収支計
気象観測タワー
小試験体
正味放射収支計
屋上緑化断面
土壌表面
表上面
熱電対
熱流板
3次元超音波風向風速計
ソーラーパネル(ろ紙法)
赤外線温度計
8月13日
灌水区
気温ピーク時
表面温度の評価
灌水区の、屋上緑化と無処理区
では気温のピーク時に5℃以上の
差がある
灌水区と比較すると無灌水区の
屋上緑化は表面温度が上昇する
無灌水区
熱収支式、蒸発効率の算出式
Rn = H + LE + G
(式1)
6
L E= (2.5 × 10 - 2400 ×θ s )× E
α=
k=
H
残差で顕熱
算出
(式3)
θs ― θ a
α
熱流板
0.83 C
E
β = k (x - x )
s
a
Rn:正味放射量[W/㎡]
(式2)
各試験区の
算出方法
(式4)
f
(式5)
E:蒸発速度[kg/㎡・s]
xs:表面の絶対湿度[kg/kg’]
H:顕熱フラックス[W/㎡]
θa:外気温度[℃]
xa:外気の絶対湿度[kg/kg’]
LE:潜熱フラックス[W/㎡]
θs:表面温度[℃]
α:対流熱伝達率[W/㎡・K]
G:伝導熱[W/㎡]
β:蒸発効率
C:湿り空気の比熱[J/kg・K]
L:気化の潜熱[J/kg]
k:物質伝達率[kg/(㎡・s・(kg/kg’))]
熱収支式、蒸発効率の算出式
Rn = H + LE + G
(式1)
6
L E= (2.5 × 10 - 2400 ×θ s )× E
α=
k=
H
(式3)
θs ― θ a
α
0.83 C
E
蒸発効率の
(式4)
算出方法
f
蒸発効率β:同じ表面温度の水面からの蒸発量に対する比率
β = k (x - x )
s
a
Rn:正味放射量[W/㎡]
(式2)
(式5)
E:蒸発速度[kg/㎡・s]
xs:表面の絶対湿度[kg/kg’]
H:顕熱フラックス[W/㎡]
θa:外気温度[℃]
xa:外気の絶対湿度[kg/kg’]
LE:潜熱フラックス[W/㎡]
θs:表面温度[℃]
α:対流熱伝達率[W/㎡・K]
G:伝導熱[W/㎡]
β:蒸発効率
C:湿り空気の比熱[J/kg・K]
L:気化の潜熱[J/kg]
k:物質伝達率[kg/(㎡・s・(kg/kg’))]
熱収支式、蒸発効率の算出式
Rn = H + LE + G
顕熱を算出
(式1)
6
L E= (2.5 × 10 - 2400 ×θ s )× E
α=
k=
H
ソーラーパネル
(ろ紙法)
の算出方法
(式2)
残差から伝導熱
ソーラーパネル
を算出
の潜熱は0
(式3)
θs ― θ a
α
(式4)
f
0.83 C
ソーラーパネル
ろ紙法から
α、kを算出
E:蒸発速度[kg/㎡・s]
H:顕熱フラックス[W/㎡]
θa:外気温度[℃]
LE:潜熱フラックス[W/㎡]
θs:表面温度[℃]
4
風速とαの関係
に8月3日から8
xs:表面の絶対湿度[kg/kg’]
月27日の風速を
xa:外気の絶対湿度[kg/kg’]
適用しαを算出
y = 2.07x + 5.33
α:対流熱伝達率[W/㎡・K]
2
C:湿り空気の比熱[J/kg・K]
12
熱伝導率α
Rn:正味放射量[W/㎡]
14
10
8
6
R² = 0.71
G:伝導熱[W/㎡]
β:蒸発効率
L:気化の潜熱[J/kg]
k:物質伝達率[kg/(㎡・s・(kg/kg’))]
0
0
2
風速m/s
4
11
12
13
9
10
11
12
13
14
15
16
17
14
15
16
17
無処理区
65
60
55
50
45
40
35
30
25
20
700
600
500
400
300
200
100
0
-100
-200
9
10
11
12
13
14
15
16
17
9
10
11
12
13
14
15
16
17
ソーラーパネル
伝導熱においては、
ソーラーパネルが
最も大きいことが
分かる
熱収支の比較
無処理区の顕熱
は、他の試験区と
比較して2倍程度高
い
温度(℃)
10
65
60
55
50
45
40
35
30
25
20
65
60
55
50
45
40
35
30
25
20
温度(℃)
9
フラックス(W/㎡)
700
600
500
400
300
200
100
0
-100
-200
芝区 無灌水
700
600
500
400
300
200
100
0
-100
-200
温度(℃)
フラックス(W/㎡)
フラックス(W/㎡)
65
60
55
50
45
40
35
30
25
20
温度(℃)
フラックス(W/㎡)
芝区 灌水
700
600
500
400
300
200
100
0
-100
-200
屋上緑化では、潜熱
が大きくそのため顕
熱と伝導熱が小さい
各試験区の日積算顕熱
12
10.4
日積算顕熱(MJ/㎡)
10
8
6
5.3
6.1
6.0
3.8
4
2
0
芝
セダム
コケ
無処理
ソーラーパネル
8月8日の日積算顕熱の値を各試験区で比較した。
最も小さいのは、ソーラーパネルである。
屋上緑化では芝が最も小さい。
屋上緑化とソーラーパネルの面積比を
半分以下で
変化させた場合の変化
ある
1200
1100
1200
1,041
959
1000
955
995
1000
909
条件設定
条件
800
800
700
600
429
500
400
無処理(㎡) 300
芝(㎡)
200
100
100
0
80 0
100
80 20
300
80
40
80
500
0 60
700
0
0
0
20
0
0
0
20
0
②
0
①
①
122
③
②
162
④
076
0
20
0
0
0
20
⑤
0
無処理区
⑤
⑥
無処理区
ソーラー
パネル
⑥
芝
600
0
100
0
100
200
発電量は面積が
0
100
増える分、発電量
400
20
100
も増える
80
100
600
80
100
80
100
0
⑧
④
無処理区
コケ
セダム
比較
⑧
⑦
ソーラーパネル
0
0
20
0
0
0
⑦
20
無処理区
芝
顕熱が
もっとも
小さい
465
ソーラーパネルの
コケ(㎡)
ソーラーパネル(㎡)
合計(㎡)
組み合わせでもっ
162
200
126
122
とも顕熱が小さい
0
0
100
③
無処理区
425
400
セダム(㎡)
126
発電量(MJ)
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
比較
顕熱(MJ)
900
ソーラーパネル
セダム
ソーラーパネル
コケ
結論
ソーラーパネルは屋上緑化、無処理区と比較しても顕
熱は低く、屋上緑化などは灌水しなければならないこ
とを考えるとメンテナンスフリーであるソーラーパネル
はメリットも多いさらに発電量にも期待できる。
ソーラーパネルを設置することでヒートアイランド緩和
効果と経済的なメリットもある程度期待できる