公衆衛生看護の概要とプライマリーヘルスケア

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公衆衛生看護学概論 第1回
公衆衛生看護学概論の概要
2015年4月3日(金)Ⅴ
工藤 禎子
公衆衛生看護学の科目の構成
専門科目
全学教育
科目
(合計
32単位)
教養教育(8)
基礎教育
(22)
医療基盤
教育(2)
保健師
養成コース
15人
(合計
100単位)
専門選択科目
18単位
●公衆衛生
看護学概論
卒業認定
単位
150単位以上
●公衆衛生
看護活動
展開論Ⅰ
卒業認定
単位
132単位以上
保健師
+
看護師
国家
試験
受験
保健師
+
看護師
看護師
国家
試験
受験
看護師
公衆衛生看護学 とは?
公衆衛生 Public health とは?
(Winslow,1920)
"the science and art of preventing disease,
prolonging life and promoting health
through the organized efforts and
informed choices of society,
organizations,
public and private,
communities and individuals.
テキスト 公衆衛生 p15
公衆衛生とは?
全ての住民が,生来の権利である,健康と
長寿を得るための,
組織的に解決する,科学および技術である。
①環境衛生
②感染症の予防
③個人衛生(衛生教育)
④医療・看護サービスの組織化
⑤社会制度の改善(生活水準の保障)
日本国憲法と公衆衛生(1947)
第25条 生存権
全ての国民は、健康で文化的な最低限度の
生活を営む権利を有する.
公衆衛生の特徴
・めざすのは 個人,集団,社会の健康
・予防を重視
1次予防 2次予防 3次予防
・健康の問題も支援も,個人を対象とするだけで
なく,個人が所属している社会(コミュニティ)を
単位としたアプローチを含む.
テキスト 公衆衛生 p15
公衆衛生看護の対象とは?
ライフサイクル:あらゆる年代の人々に関わる
健康レベル
:予防の各段階に関わる
1次予防、2次予防、3次予防
援助のレベル : 個人、家族、集団、地域全体
看護の対象
=あらゆる人々を対象とする。
あらゆるとは?
1.対象者のライフサイクル
2.対象者の健康レベル
3.対象者の援助のレベル
看護の対象
あらゆるライフサイクルの人とは?
• 生老病死
• 全ての人に起こりうる人生の出来事、
人の発達段階に合わせた看護
看護の対象 あらゆる年齢とは?
看護
発達段階と発達課題
出生~ 乳児期
身体の発育。歩行し始める。
言語を使用し始める。
幼児期
運動・会話が一応自由に出来る。
児童期
第二次性徴が現れ始める。
青年期
生理的成熟と心理的諸機能の完成
成人期
家庭生活、職業生活の安定
中年期・壮年期 社会の中核を担う。次世代育成
一線を退く準備をする。
老年期 生涯の振り返り、死の受容
『発達課題(developmental task)
ハヴィガースト(Havighurst,R.J. 1900-1991)
• それぞれの発達段階において、獲得・達成
することが期待され相応しいとされる課題
• 『人間が健全で幸福な発達を遂げる為に
各発達段階で達成しておくことが望ましい
課題を発達課題という。
次の発達課題に問題なくスムーズに移行
する為に、各発達段階で習得しておくべき
課題がある』
看護 あらゆる年齢の人々へ
ライフサイクルを
理解し
発達課題を促す
看護としての支援
看護の対象
あらゆる健康レベルとは?
• 病気の人だけが対象ではない!
• 病気の予防、健康な人の
健康の維持・向上にも関わる。
看護の対象 あらゆる健康のレベルとは?
考え方
1次予防
2次予防
3次予防
健康な人
の生活の質
早期発見
病気や
ウエルビー
イング向上
早期治療
障害の
悪化予防
看護の対象 あらゆる健康に関わる例
実際の活動
1次予防
2次予防
3次予防
仲間づくり
早期発見
病院等
運動の継続
健康を守る
方法の啓発
健診、外来
診療補助
対処の啓発
療養の世話
看護の対象 あらゆるサイズとは?
個人
家族
集団
ケア、相談、訪問
ケア、相談、訪問
健康教育
集団の健康度向上
組織・地域全体 健康を維持・
向上する仕組み、予算や制度
公衆衛生看護の目標
人々の健康と
QOL(生活の質)の向上をめざす。
疾病や症状の有無に関わらず、
人々がよりよい暮らしや
自己実現を手に入れるための支援
公衆衛生看護の特徴
1.他の看護専門領域との共通性
2.他の看護専門領域との違い
(固有な方法)
公衆衛生看護の特徴
1.他の看護専門領域との共通性
セルフケアの力の向上をめざす
2.他の看護専門領域との違い(固有性)
・「みる、つなぐ、うごかす」
・組織(システム)を使った問題解決
・健康を守る仕組みづくり
地域看護と公衆衛生看護
地域看護
公衆衛生看護
在宅ケア
産業看護
学校保健
健康概念と
プライマリ・ヘルスケア
健康のとらえ方
皆さんにとって健康とは?
健康の様々なとらえ方
戦前・戦中の日本
健康は国民の義務
病気のある人を社会から排除
国の力としての国民の健康
現在 人権としての健康
健康の定義 (WHO憲章 1946)
Health is a state of complete physical, mental and
social well-being and not merely the absence of
disease or infirmity.
健康とは、
完全な身体的、精神的、社会的な
良好な[ある]状態のことであり、
それは単に病気や虚弱がない状態だけではない。
健康とは
身体的、精神的、社会的に良好な状態
人間の基本的な権利
健康に関する世界戦略
プライマリヘルスケア
その国(途上国)には,
その国に適した技術を導入すべき
プライマリヘルスケア という考え方の提唱
プライマリヘルスケア
•
•
•
•
•
義務としての健康から権利としての健康へ
1978年
アルマアタ(Alma Ata) 旧ソ連 現カザフスタン
WHO/UNICEFの主催会議で採択
「アルマ・アタ宣言」
すべての人に健康を
Health for all by the year 2000
アルマアタ→アルマトイ(カザフスタン)
プライマリヘルスケアとは、
「自 助 と 連 帯 の精神に則り、
地域社会または国が,開発の程度に応じて
負担可能な 費 用 の範囲で、
地域社会の個人または家族の十分な参加によって、
彼らが普通に利用できる 実践的 で 科学的 に
適正で、かつ 社 会 に受け入れられる手順と技術
に基づいた欠くことのできない 保健活動 のこと」