資料2-3 戦略的な維持管理の推進について 公園

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Transcript 資料2-3 戦略的な維持管理の推進について 公園

資料2-3
《公園》
大阪府都市基盤施設維持管理技術審議会 河川港湾公園部会
1
平成25年度 河川港湾公園部会等の主な指摘事項
・点検やデータ蓄積等の問題点が何なのかをしっかりと把握たうえで、維持管理方針
を確立する必要がある。
・方向性を示すにあたっては、調査コスト・人員等も把握しなければ判断できない。
・現時点でできること、中期的に取り組むことを、時間軸で示した議論ができていない
○点検やデータ蓄積について、府の考える問題点、改善策、取得すべきデータに
必要なコスト等を示したうえで審議していただき、今後の維持管理の方向性を
確立させる。
2
1. 点検及びデータの蓄積
1-1 点検の種類
遊具点検とは、利用者が安全で安心して利用できる施設を維持する為に、利用者に
とってのハザードの有無や施設の機能の劣化状況等について調査する。
①安全性の確保、②施設機能の保全・向上(※1)
(※1:向上とは、安全基準改定に伴う施設の改修や利用ニーズに伴う施設の更新を指す)
点検の種類
点検の目的
頻度
日常点検
安全性の確認(利用者の事故やケ
ガにつながる危険性の有無の確認)
毎日(午前・午後の2
回)
指定管理者(2人1組)
定期点検
安全性の確認や機能の保全(利用
者の事故やケガにつながる危険性
の有無に加えて、将来の危険性に
つながる施設の劣化状況を確認)
月1回
指定管理者(複数名)
精密点検
安全性の確認や機能の保全、劣化
状況等のデータ収集(計画的な維持
管理や更新に活用)
年1回以上
3
実施者
指定管理者(但し、公園
施設製品安全管理士ま
たは公園施設製品整備
技術の資格を有する専
門技術者)
1. 点検及びデータの蓄積
1-1 点検の種類
【日常点検】
目視中心に遊具の外観(全体)及び周囲を確認し、事故につながる危険性のある遊具の異常
が無いかを点検する。
点検の視点:
「ボルトがよく緩む」、「よくいたずらされる」、
「遊具とその周囲(安全領域内を含めて
異物や凹凸等がないか)」といった箇所を
重点的に目視・触診点検。
4
1. 点検及びデータの蓄積
1-1 点検の種類
【定期点検】
全ての遊具を対象に、定期点検チェックリストを用いて、目視・触診・聴診により、各遊具の変状
や異常の有無を点検する。
《点検項目》
吊金具の摩耗状況の点検
ロープ・ネット摩耗状況の点検
点検の視点:
事故やケガにつながる危険性のある損傷や欠損等の異
常の有無を点検。可動部(吊金具など)、チェーン、
ロープ・ネットなどの消耗しやすい部材の劣化状況は特に
注意して点検。ボルト・ナットの増締め等、メンテも行う。
5
1. 点検及びデータの蓄積
1-1 点検の種類
【精密点検 】
全ての遊具を対象に、定期点検等により発見された不具合への措置の検討も含め、定期点検
より詳細かつ入念に点検し、劣化状況等を診断(A~Dの評価診断)する。
点検の視点:
計測機器等を使用し、遊具毎に部材・部位(不可視部分も含め)について細かく点検・診断
6
1. 点検及びデータの蓄積
1-1 点検の種類
【精密点検カルテ】
複
合
遊
具
定
(写真№
製品名
点
株式会社コトブキ
点検者
設置年月
構造部材1 鉄
対象年齢シール
年
3
有 ・ 無
SP表示シール
月
30
日 経過年月
構造部材2 木材(その他)
有 ・ 無
11640109
管理番号
確認者
株式会社コトブキ
平成 16
表
点検日 平成 24
整備技士 西岡 義秀(2100057)
製造社
検
)
1
岸和田市三ヶ山町大池尻701
所在 蜻蛉型複合遊具 デッキA 岸
住所
施設名
和田市
デッキA本体
点検社
期
1, 2, 3
対象年齢
8
年
11
月
12
日
安全管理士 上田 正行(1010408)
製品番号
年
7
月
落下高さ
1,160 ㎜
消耗部材
3歳~12歳 ・
3歳~6歳
・ 6歳~12歳 ・
不問
Ⅰ.機能に関する総合判定
Ⅱ.塗装に関する総合判定
A: 健全であり、修繕の必要がない(使用可)
A: 健全な状態
B: 軽微な異常があり、経過観察が必要 (使用可)
B: 部分的に塗装剥離があり、経過観察が必要な状態
( 修 繕 完 了 ま で 使用不可 、 場 合 に よ り
使用可 ) C: 全体的に塗装剥離があり、再塗装が必要な状態
C: 異常があり、修繕又は対策が必要
D: 危険性の高い異常があり、緊急修繕が必要または、破棄し更新を検討 (使用不可)
a: 健全な状態
ハ 0: 傷害をもたらす物的ハザードがない状態
劣
b: 軽微な劣化がある状態
ザ 1: 軽度の傷害をもたらすハザードがある状態
ー 2: 重大であるが恒久的ではない傷害をもたらすハザードがある状態
修繕の必要な劣化がある状態
化 c:
ド 3: 生命に危険、あるいは重度の恒久的な障害をもたらすハザードがある状態
d: 緊急修繕が必要な劣化がある状態
鉄部に錆びの発生があります。手摺に孔あきがあります。補修の検討をお願いします。頭部・胴体の挟み込みの不適合
特
記 箇所があります。
事 屋根テントに破れ、穴あきがあります。
項
【安全領域】 点 検 項 目
遊具毎に部材・部位
について点検・劣化
判定(A~D)を行
い、写真記録・点検
結果カルテとしてまと
めて、補修・改修計
画の参考にする
写真№
備 考
落下高さ600㎜を超える時、全方向1,800㎜以上。半分領域重複可
メジャー
2
合 ・ 否
判定
4,5
0・900
上部空間、落下高さ600㎜以下(1,500㎜)600mm超え(1,800mm)
メジャー
1
合 ・ 否
6
0
※ コンクリート・アスファルトなどの固い設置面でない
目視
3
合 ・ 否
※ くぼみ・石ころなどの障害物がないこと
目視
1
合 ・ 否
7
根
写真№
備 考
写真№
備 考
点検器具
【動線】 点 検 項 目
判定
点検器具
動線および動線エリアの交差はないか
目視
3
合 ・ 否
足がかりや落下した際の障害物はないか
目視
2
合 ・ 否
【劣化】 鉄・支柱部
点 検 項 目
点検器具
判定
腐食がないか(地際部附近)
目視打診
a ・ b ・ c ・ d 8,9,10,11
腐食がないか(地際部附近以外)
目視打診
a・b・c・d
12,13,14,15,16,17
腐食がないか(地際部附近以外)
目視打診
a・b・c・d
18,19
ぐらつきがないか
揺診 a ・ b ・ c ・ d
破損など(破損 0 ヶ所)
目視 a ・ b ・ c ・ d
鉄・梁部
腐食がないか(金具附近)
目視打診
a・b・c・d
腐食がないか(金具附近)
目視打診
a・b・c・d
26,27
腐食がないか(金具附近以外)
目視打診
a・b・c・d
28,29,30,31,32,33
破損など(破損 0 ヶ所)
20,21,22,23,24,25
目視 a ・ b ・ c ・ d
鉄・手すり
7
腐食がないか
目視打診
a・b・c・d
腐食がないか
目視打診
a・b・c・d
40,41,42,43,44,45
腐食がないか
目視打診
a・b・c・d
46,47,48,49
腐食がないか
目視打診
a・b・c・d
50
ぐらつきがないか
揺診 a ・ b ・ c ・ d
破損など(破損 0 ヶ所)
目視 a ・ b ・ c ・ d
34,35,36,37,38,39
1. 点検及びデータの蓄積
1-2 点検データの蓄積内容・利用
【各遊具毎に総合判定カルテ作成・蓄積】
【遊具精密点検】
①蓄積
《①蓄積内容》
・状況写真
・点検日
・劣化判定
・公園名
・ハザード判定等
・エリア名
・遊具の種類
・劣化内容
②活用
《②活用方法》
・劣化箇所の経過観察
・補修改修計画の参考
(補修・改修のタイミング)
8
【問題点】
精密点検のデータが電子化されて蓄積
されておらず、劣化予測分析などの活用
にはいたっていない。
1. 点検及びデータの蓄積
1-3 府民の参加(ニーズの把握等)①
■利用者満足度の調査
アンケート調査
利用者満足度評価
■利用者ニーズの調査
改善項目分析
利用者が求めている施設内容について調査分析
【問題点】
利用実態調査だけでは、施設の改修・更新にかかるニーズ把握には至ら
ないことから、施設の更新等の設計検討時に、必要に応じてニーズ調査
を行っているが、改修・更新の時期の見極めとして活用する為には、遊具
などの集客施設において、定期的なニーズ調査も必要。
9
1. 点検及びデータの蓄積
1-3 府民の参加(ニーズの把握等)②
○ 近隣の小学校にほしい遊具のアンケート調査を実施 ⇒ 求められている遊具の把握①
滑 ブ 鉄 砂 ト ジ 渡
り ラ 棒 場 ラ ャ り
台 ン
ン ン 遊
コ
ポ グ 具
リ ル
ン ジ
ム
遊 具
登 建 雲 岩 複
り 物 梯 山 合
遊 型
遊
具 遊
具
具
合計 64 52 30 24 24 23 23 15 15 12
○ 利用状況の調査を実施 ⇒ 求められている遊具の把握②
健
康
遊
具
砂
場
石
の
山
10
8
7
シ
ー
ソ
ー
回
転
遊
具
ア
ス
レ
チ
ッ
ク
ス
プ
リ
ン
グ
遊
具
7
7
6
5
水 パ 平
の ズ 均
出 ル 台
る
遊
具
4
2
1
1. 点検及びデータの蓄積
1-4 点検等のまとめ
◆点検及びニーズ調査(まとめ)
点検の種類
点検の目的
点検結果の蓄積方法
( 大阪府における蓄積)
点検の内容
紙
データの活用
データ
日常点検
「 ボルトがよく緩む」 、「 よくいたずらされ
安全性の確認( 利用者の事故
る」 、「 遊具とその周囲( 安全領域内を含め
やケガにつな がる危険性の有
て 異物や凹凸等がな いか) 」 といった箇所
無の確認)
を重点的に目視・ 触診点検
-
-
※履行確認時( 府)
に日常点検の実施
状況及び事故等の
事象の確認
定期点検
安全性の確認や機能の保全
( 利用者の事故やケガにつな
がる危険性の有無に加え て 、
将来の危険性につな がる施設
の劣化状況を確認)
事故やケガにつな がる危険性のある損傷
や欠損等の異常の有無を点検。可動部
( 吊金具な ど) 、チェーン、ロープ・ ネットな ど
の消耗しやすい部材の劣化状況は特に注
意して 点検。ボルト・ ナットの増締め等、メ
ンテも行う。
-
-
◆経過観察
◆修繕の必要性に
ついて 判断
精密点検
安全性の確認や機能の保全、
計測機器等を使用し、遊具毎に部材・ 部位
劣化状況等のデータ収集( 計
( 不可視部分も含め) について 細かく点検・
画的な 維持管理や更新に活
診断
用)
○
×
◆経過観察
◆対策・ 改修方法
の検討
ニーズ調査の種類
内容
頻度
利用実態調査
公園全体を対象に、利用者層や利用頻度、利用圏域、アク
セス手段、利用満足度(各管理項目毎)、要望などをアン
ケートにより調査
1回/年
施設毎の利用調査
対象施設の利用者層や利用頻度、施設満足度、要望などを
アンケートにより調査
随時
11
実施時期
夏又は秋
サンプル数
(対象公園の
行楽シー ス ゙ン )
100
随時
都度設定
備考
主に、 施設の改修・
更新を行う際の設計
検討時に実施
1. 点検及びデータの蓄積
1-5 点検及びデータ蓄積に関する問題点と課題
問題点
改善策
精密点検のデータが電子化されて蓄積されておらず、劣化予測分析など
共通様式をつくり、電子蓄積を行う。
の活用にはいたっていない。
利用実態調査だけでは、施設の改修・更新にかかるニーズ把握には至ら 設置後一定期間経過した遊具などについては、定
ないことから、施設の更新等の設計検討時に、必要に応じてニーズ調査 期的に実施している利用実態調査のアンケート項目
を行っているが、改修・更新の時期の見極めとして活用する為には、遊具 に追加するなど、施設に関するニーズ調査を計画的
などの集客施設において、定期的な調査も必要。
に実施する。
12
2.維持管理手法の方向性
2-1 現在の維持管理の流れ
点検
精密点検
年1回、専門技
術者が目視点
検・診断を実施
定期点検
月に1回、指定
管理者が全遊具
について、目視・
触診・聴診点検
を実施
日常点検
緊急点検
評価
A
B
C
塗装判定
劣化判定
規準判定
毎日、指定管理
者が徒歩により目
視点検を実施
行楽期や夏休み
等利用者が増え
る時期の前や類
似施設で事故が
発生した場合に、
指定管理者が、
点検を実施
補修
再塗装の必要がない
部分的に塗装が必要
全体的に塗装が必要
A
B
C
D
健全
軽微な劣化がある状態
重度の劣化がある状態
最重要部材に重度の劣化がある状態
0
1
2
3
障害をもたらす物的ハザードがない状態
軽度の障害をもたらす状態
重大であるが障害が恒久的ではない状態
生命に危険があるか、重度の障害
あるいは恒久的な障害をもたらす状態
計画的補修
優先度に応じ
て補修工事を
実施
修繕
▶事故等の危険性のある異常の有無
劣化箇所の ▶主要箇所の消耗部材の劣化の確認
経過観察
13
早急に修繕を必
要とする場合から
実施
2.維持管理手法の方向性
2-1 現在の維持管理の流れ ~点検結果に基づく対応措置~
修繕
※消耗部材の取替えなど
【シーソーの内部ストッパーゴムの取替え修繕】
参考(消耗部材)
遊具
【スカイロープの吊下げロープ取替え修繕】
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消耗部材(部品)
ぶらんこ
吊金具・チェーンなど・回転軸
スプリング遊具
スプリング
リンク遊具
機構部
ローラー滑り台
ローラー
ロープウェイ
ケーブル・滑車部・握り部
ネットクライマー
ネット、ロープ
2.維持管理手法の方向性
2-1 現在の維持管理の流れ ~点検結果に基づく対応措置~
大規模な補修(計画的補修)
【部分更新及び全体的な再塗装】
複合遊具の部分更新
◆ロープネットの更新
(劣化、規準不適合(開口部))
複合遊具の全体補修
◆ロープネットの更新
◆ぶら下り遊具の更新(改修)
◆再防腐処理及び再塗装
(劣化、規準不適合(開口部))
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2.維持管理手法の方向性
2-1 現在の維持管理の流れ ~大阪府と指定管理者の役割分担~
【補修、修繕における例示区分】
種別
遊戯施設
大阪府により実施
指定管理者により実施
・更新、撤去
・塗装、部材の取替え、破損箇所等の補修、修繕、撤去
・新基準に適合させる為の改修
・事故等が発生した際の部分的な緊急修繕
・ 大 型 遊 具 の ネ ッ ト 張 替 え等
(ネットクライミング等)
※府営公園管理要領の抜粋
【問題点】
一定の補修・修繕に関する役割分担はあるが、老朽化した施設などで部分的な補修等
を行う場合においては、明確に分けきれないところもあり、効率的な対応ができていない
ケースがある。
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2.維持管理手法の方向性
2-2 現在の維持管理手法
【公園】
現在の
保全手法
検討項目
遊具
状態監視
現状の保全手法の考え方
毎年実施する精密点検結果から、総合判定(劣化・塗装・ハ
ザード)し、補修を実施
【スプリング遊具】
要因:スプリングの金属疲労
【問題点】
目視点検では劣化損傷状況が把握
できない遊具もあり、遊具の安全性を
確保するためには、状態監視型と共に
時間計画型の管理を取り入れる必要
がある
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2.維持管理手法の方向性
2-3 現在の維持管理手法に関する問題点・課題
問題点
改善策
府と指定管理者が一体的かつ効率的な維持管理の
一定の補修・修繕に関する役割分担はあるが、老朽化した施設な
実施のため、老朽化した施設における計画的な修繕
どで部分的な補修等を行う場合においては、明確に分けきれないと
の年次計画(分担を含め)を立案し、府と指定管理
ころもあり、効率的な対応ができていないケースがある。
者が一体となって施設の機能保全を実施。
目視点検では劣化損傷状況が把握できない遊具もあり、遊具の スプリング遊具など目視により劣化損傷が不明な遊具
安全性を確保するためには、状態監視型と共に時間計画型の管 については、安全性を重視し、時間計画型の管理を実
理を取り入れる必要がある
施(※状態監視型管理と共に)
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2.維持管理手法の方向性
2-4 今後の維持管理手法(事務局案)
目指すべき
維持管理手法
現在、蓄積している
データ
今後、蓄積すべきデータ
(事務局案)
(事務局案)
遊具
精密点検のデータ
・遊具の種類
・劣化写真
状態監視型・時間計画
・劣化部位
型
・劣化内容
・劣化判定
・ハザード判定等
・左記内容に加えて、設置後一定期間
経過した遊具を対象・抽出し、定期的な
ニーズ調査を実施
※電子データとして蓄積
●今後の遊具の維持管理における視点(部会の意見を踏まえた事務局案)
これまでの日常管理(日常点検+定期点検、精密点検計データの蓄積)を基本として、遊具の状態把
握を継続的に実施すると共に、目視点検により劣化・変状を把握できない遊具については、時間計画型に
よる維持管理を実施する。
また、H24.4に国交省より、計画的に公園施設の補修改修・更新を行い、既存ストックの機能維
持を図っていくことを目的として、「公園施設長寿命化計画策定指針(案)」が示されたことから、
指針(案)に基づきながら、府と指定管理者が一体となった総合的な維持管理の推進を検討していく。
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