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資料4-3
《公園》
大阪府都市基盤施設維持管理技術審議会 河川港湾公園部会
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前回の部会・全体検討部会での主な指摘事項
【河川港湾公園部会(H26.5.1)】
①点検や評価の判断を行う人は其々で必要なスキル・レベルが異なり、補修を行うか否かの
判断などは高度な判断力が必要。現状の判断体制を提示のこと
②将来の維持管理に繋げるために、点検結果のデータベース化、引継ぎ手法を検討
③過去の履歴から不具合発生の傾向を把握し、また損傷のしやすさ等から点検の重点化を
図る必要がある
④詳細点検の実施頻度は損傷の進行具合で左右されるので、過去の経験や他事例などから
適切な点検頻度の設定が必要
【全体検討部会(H26.5.30)】
①点検データは集計結果のみが残っていることが多い。どのような形で点検データ、補修履歴が
残っているかを確認する必要がある
②管理水準にもつイメージが各分野で異なる。管理水準の前提となる要求性能が何であるかを
各部会で意見収集しながら議論していく必要がある
③重点化指標について、社会的影響度をどのように設定するのかを、各部会で確認する必要が
ある
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1.点検
1-1 点検と評価の現状
点検
点検者(指定管理者)
精密点検
年1回、専門技
術者が目視点
検・診断を実施
定期点検
月に1回、指定
管理者が全遊具
について、目視・
触診・聴診点検
を実施
日常点検
緊急点検
評価
評価者(指定管理者)
A
B
C
塗装判定
劣化判定
規準判定
毎日、指定管理
者が徒歩により目
視点検を実施
行楽期や夏休み
等利用者が増え
る時期の前や類
似施設で事故が
発生した場合に、
指定管理者が、
点検を実施
補修
補修修繕(指定管理者又は大阪府)
再塗装の必要がない
部分的に塗装が必要
全体的に塗装が必要
A
B
C
D
健全
軽微な劣化がある状態
重度の劣化がある状態
最重要部材に重度の劣化がある状態
0
1
2
3
障害をもたらす物的ハザードがない状態
軽度の障害をもたらす状態
重大であるが障害が恒久的ではない状態
生命に危険があるか、重度の障害
あるいは恒久的な障害をもたらす状態
計画的補修
優先度に応じ
て補修工事を
実施
修繕
▶事故等の危険性のある異常の有無
劣化箇所の ▶主要箇所の消耗部材の劣化の確認
経過観察
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早急に修繕を必
要とする場合から
実施
1. 点検
1-1 点検と評価の現状
○精密点検結果の活用の流れ
点検
内容
・「遊具の安全に関する規
準」(JPFA-S:2008)に基づ
全ての遊具を対象に、計測機器等
く判断基準により診断判定
を使用し、遊具等の部材・部位(不
(A~Dの判定診断)
可視部分含め)について細かく点
・安全性確保の為、部材や
検・診断
部位毎に評価し、最低評
価を総合判定としている。
指定管理者(但し、公園施設製品
安全管理士又は公園施設製品整
人員構成
備技士の資格を有する専門技術
者)による点検
基準等
劣化損傷等の判定
優先順位付け・役割分担・工法検討
・B判定以上は、経過観察
・C判定以下の遊具において、遊具の安全性や利用
状況などから対応措置についての優先順位を判断
※精密点検結果を受けて、大阪府・指定管理者で、
リスク分担に基づいて優先順位の判断を共有し、お
互いに対応していく
『指定管理者』:消耗部材の交換や部分的な補修の
“公園施設製品安全管理
優先順位や修繕方法を判断し順次実施。
士”又は“公園施設製品整
『大阪府』:大規模な補修や更新の優先順位や工法
備技士”の資格を有する専
を判断し、順次実施。事務所の課長・主査等の幹部
門技術者が判定
で判断。
A:緊急の補修の必要性はない
B:緊急の補修の必要性はないが、劣化部分について定期的な観察が必要
C:現時点で重大な事故にはならないが、使用し続ける為には部分的な補修等が必要
D:重大な事故につながる恐れがあり、利用禁止又は、緊急的な補修もしくは更新が必要
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1. 点検
1-2 点検結果のデータベース化
【各遊具毎に総合判定カルテ作成・蓄積】
【遊具精密点検】
①蓄積
《①蓄積内容》
・状況写真
・点検日
・劣化判定
・公園名
・ハザード判定等
・エリア名
・遊具の種類
・劣化内容
②活用
《②活用方法》
・劣化箇所の経過観察
・補修改修計画の参考
(補修・改修のタイミング)
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1. 点検
1-2 点検結果のデータベース化
《現状分析》
・日常点検や定期点検の結果は、指定管理者で蓄積。大阪府は履行確認時に確認
・精密点検(点検カルテ)の結果は、指定管理者・大阪府の両者で蓄積。
《問題点》
・精密点検結果が電子データとして蓄積されておらず、劣化状況の経年変化等の把握・分析
にはいたっていない。
《改善策》
・電子データとしてデータ蓄積を行い、今後の維持管理に反映させる
(蓄積分析により、劣化判定の推移を確認し、劣化を起因とする補修・更新の予測計画の参
考とするなど)
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1. 点検
1-3 点検の重点化と頻度
○現状の点検
遊具点検とは、利用者が安全で安心して利用できる施設を維持する為に、利用者にとってのハ
ザードの有無や施設の機能の劣化状況等について調査する。
①安全性の確保、②施設機能の保全・向上(※1)
(※1:向上とは、安全基準改定に伴う施設の改修や利用ニーズに伴う施設の更新を指す)
点検の種類
点検の目的
頻度
日常点検
安全性の確認(利用者の事故やケ
ガにつながる危険性の有無の確認)
毎日(午前・午後の2
回)
指定管理者(2人1組)
定期点検
安全性の確認や機能の保全(利用
者の事故やケガにつながる危険性
の有無に加えて、将来の危険性に
つながる施設の劣化状況を確認)
月1回
指定管理者(複数名)
精密点検
安全性の確認や機能の保全、劣化
状況等のデータ収集(計画的な維持
管理や更新に活用)
年1回以上
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実施者
指定管理者(但し、公園
施設製品安全管理士ま
たは公園施設製品整備
技術の資格を有する専
門技術者)
1. 点検
1-3 点検の重点化と頻度
○点検の重点化の考え方 ⇒ 安全性確保を最優先
○子どもは、遊びを通して自らの限界に挑戦し、身体的、精神的、社会的な面などが成長するものであり、
遊びを通して、自らの創造性や主体性を向上させてゆくものと考えられる。このように、遊びは、すべての子ども
の成長にとって必要不可欠なものである。
○遊具は、多様な遊びの機会を提供し、子どもの遊びを促進させる。このように遊具は、子どもにとって魅力
的であるばかりかその成長に役立つものである。
○重大な事故※につながるおそれのある物的ハザードを中心に除去する。
※生命に危険がある事故や重度あるいは恒久的な障がいをもたらす事故
都市公園における遊具の安
全確保に関する指針
(H20.8月)
○遊具については、安全確保に必要となる措置を最優先とした予防保全型管理を行う
公園施設長寿命化計画策定指針(案)(H24.4月)
◆経年劣化だけでなく日常利用による損傷等が発生する遊具は、最優先に安全性確保の視点に立って、毎
日の日常点検は必要不可欠。限られた人員・コストである点も加味し、点検頻度に応じ、点検の目的・内容を
明確にしてメリハリをつける。高頻度の点検はポイントを絞って点検、低頻度の点検は詳細な点検。
◆日常点検 ⇒ 目視中心に遊具の外観(全体)及び周囲を確認、事故につながる危険性のある遊具の異常の有無を点検
◆定期点検 ⇒ 全ての遊具を対象に、目視・触診・聴診により、各々の部位等の変状・異常の有無を点検
◆精密点検 ⇒ 全ての遊具を対象に、計測機器等を使用し、遊具毎に部材・部位(不可視部分も含め)を
細かく点検・診断(判定A~D)
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1. 点検
1-4 点検のまとめ
○今後の点検の実施方針
点検結果の蓄積方法
(大阪府における蓄積)
実施体制
点検の種類
点検の目的
頻度
日常点検
定期点検
精密点検
毎日
(午前・午
後の2回)
月1回
点検の内容
実施者
紙
電子データ
ベース
点検頻度
指定管理者
(2人1組)
安全性の確認(利用
者の事故やケガにつ
ながる危険性の有
無の確認)
「ボルトがよく緩む」、「よくい
たずらされる」、「遊具とその
周囲(安全領域内を含めて
異物や凹凸等がないか)」と
いった箇所を重点的に目視・
触診点検
-
-
※履行確認時
(府)に日常点検
の実施状況及び
事故等の事象の
確認
指定管理者
(複数名)
安全性の確認や機
能の保全(利用者の
事故やケガにつなが
る危険性の有無に
加えて、将来の危険
性につながる施設の
劣化状況を確認)
事故やケガにつながる危険
性のある損傷や欠損等の異
常の有無を点検。可動部(吊
金具など)、チェーン、ロー
プ・ネットなどの消耗しやす
い部材の劣化状況は特に注
意して点検。ボルト・ナットの
増締め等、メンテも行う。
-
-
◆経過観察
◆修繕の必要性
について判断
安全性の確認や機
能の保全、劣化状況
等のデータ収集(計
画的な維持管理や
更新に活用)
計測機器等を使用し、遊具
毎に部材・部位(不可視部分
も含め)について細かく点
検・診断
○
○
◆経過観察
◆対策・改修方
法の検討
指定管理者(但
し、公園施設製品
安全管理士又は
年1回以上 公園施設製品整
備技士の資格を
有する専門技術
者)による点検
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点検の重点化
電子データベー
スの活用
点検項目
多
少
少
多い
2.今後の維持管理について
2-1 現在の維持管理手法
【公園】
検討項目
遊具
現在の
保全手法
状態監視
現状の保全手法の考え方
毎年実施する精密点検結果から、総合判定(劣化・塗装・ハ
ザード)し、補修を実施
【スプリング遊具】
要因:スプリングの金属疲労
【問題点】
目視点検では劣化損傷状況が把握できな
い遊具もあり、遊具の安全性を確保するた
めには、状態監視型と共に時間計画型の
管理を取り入れる必要がある
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2.今後の維持管理について
2-1 現在の維持管理手法 ~大阪府と指定管理者の役割分担~
【補修、修繕における例示区分】
種別
遊戯施設
※府営公園管理要領の抜粋
大阪府により実施
指定管理者により実施
・更新、撤去
・塗装、部材の取替え、破損箇所等の補修、修繕、撤去
・新基準に適合させる為の改修
・事故等が発生した際の部分的な緊急修繕
・ 大 型 遊 具 の ネ ッ ト 張 替 え等
(ネットクライミング等)
【問題点】
一定の補修・修繕に関する役割分担はあるが、老朽化した施設などで部分的な補修等を行う
場合において、明確に分けきれないところもあり、効率的な対応ができていないケースがある。
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2.今後の維持管理について
2-1 現在の維持管理手法まとめ
《現状分析》
・指定管理者による状態監視型で遊具の状態を把握し、不具合に対する対応措置に
ついては、指定管理者と大阪府の両者で分担して行っている。
《問題点》
・目視点検では劣化損傷状況が把握できない遊具もあり、遊具の安全性を確保する
ためには、状態監視型と共に時間計画型の管理を取り入れる必要がある。
・一定の補修・修繕に関する役割分担はあるが、老朽化した施設などで部分的な補修
等を行う場合においては、明確に分けきれないところもあり、効率的な対応ができてい
ないケースがある。
《改善策》
・スプリング遊具など目視により劣化損傷が不明な遊具については、安全性を重視し、
時間計画型の管理を実施
・府と指定管理者が一体的かつ効率的な維持管理の実施のため、老朽化した施設に
おける計画的な修繕の年次計画(分担を含め)を立案し、府と指定管理者が一
体となって施設の機能保全を実施。
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2.今後の維持管理について
2-2 今後の維持管理手法(事務局案)
目指すべき
維持管理手法
現在、蓄積している
データ
今後、蓄積すべきデータ
(事務局案)
(事務局案)
遊具
精密点検のデータ
・遊具の種類
・劣化写真
状態監視型・時間計画
・劣化部位
型
・劣化内容
・劣化判定
・ハザード判定等
・左記内容に加えて、設置後一定期間
経過した遊具を対象・抽出し、定期的な
ニーズ調査を実施
※電子データとして蓄積
●今後の遊具の維持管理における視点(部会の意見を踏まえた事務局案)
これまでの日常管理(日常点検+定期点検、精密点検計データの蓄積)を基本として、遊具の状態把
握を継続的に実施すると共に、目視点検により劣化・変状を把握できない遊具については、時間計画型に
よる維持管理を実施する。
また、H24.4に国交省より、計画的に公園施設の補修改修・更新を行い、既存ストックの機能維
持を図っていくことを目的として、「公園施設長寿命化計画策定指針(案)」が示されたことから、
指針(案)に基づきながら、長寿命化の視点を取り入れたきめ細かな修繕や計画的改修を遂行すべく、府
と指定管理者が一体となった総合的な維持管理の推進を検討していく。
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2.今後の維持管理について
2-3 管理水準の設定(1)
○目標管理水準および限界管理水準(概念)
区分
説明
限界管理水準
・施設の安全性、信頼性を損なう不具合等、管理上、絶対に下回れない水準
・一般的に、これを超えると大規模修繕や更新等が必要となる。
目標管理水準
・管理上、目標とする水準
・これを下回ると補修等の対策を実施
・目標管理水準は、不測の事態が発生した場合でも対応可能となるよう、限界管理水
準との間に適切な余裕を見込んで設定する必要がある。
・劣化予測が可能な施設(部位・部材等)で、目標耐用年数(寿命)を設定した上
で、ライフサイクルコストの最小化となる最適なタイミング(図 4.13参照)で最適な補
最適管理水準
修等を行う水準。
・一般的には、状態監視型での目標管理水準より高い性能で設定される。
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2.今後の維持管理について
2-3 管理水準の設定(2)
性能
○目標管理水準および限界管理水準の考え方
定期的な点検
目標管理水準
補修
余裕幅
限界管理水準
性能
時間
施設によって異なる
最適管理水準
目標管理水準
:施設等が保つべき状態の範囲
性能の低下
:対策を行うべき状態の範囲
:対策(補修等)時期
限界管理水準
時間
予測
計画
状態
監視
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事後
保全
2.今後の維持管理について
2-3 管理水準の設定(3)
○目標管理水準および限界管理水準の考え方
目標管理水準は、最大限に遊具の安全性を考慮して、健全度(劣化度)をB判定
以上と設定し、C判定以下については、補修修繕等の候補遊具として対応
(健全度判定)
(優先度判定)
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優先度
高
優先度
中
優先度
低
2.今後の維持管理について
2-4 重点化指標(優先順位)の設定
【遊具】
悪
最重点化
健
全
度
※1
重点化
利用頻度の高い遊具
良
小
人的影響度
※2
大
※1 点検に基づく総合判定
※2 事故の重大性や利用頻度など
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