資料2-3 戦略的な維持管理の推進について〈公園〉 [PowerPoint

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資料2-3
《公園》
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1.施設の現状
1-1 公園管理施設
・ 府民ニーズが多様化する中、様々な施設が整備されており、年間約2,000万人の利用がある。
・ 府民の憩いや癒し、スポーツ・レクリエーション等の場として、美観や安全・快適な利用が求められる。
※ 災害発生時には、「避難地」や自衛隊・消
防等の「後方支援活動拠点」となる。
大型複合遊具
プール
一時避難機能
非常用発電
野球場(スタンド付)
噴水設備
テニスコート
四阿
2
非常用便所
1.施設の現状
1-2 公園管理施設(維持管理の仕組み)
○18公園すべて、指定管理者制度を導入し、管理運営を実施。
○大阪府の管理要領・公園マニュアルに基づく管理水準で、日常の維持管理を実施。
維持管理の仕組み
⇒ なお、老朽化に伴う更新・改修は大阪府が実施
【大阪府】
管理状況の確認・改善指導
【指定管理者】
日常維持管理(点検・修繕)
(施設の点検・修繕)
Check
(問題状況の把握・指導)
視点
・施設保全
・利用者※
・管理水準
※府民の声を反映
した維持・更新
指導徹底により、維持管理の品質向上
品質向上
⇒きめ細かな修繕による利用の安全確保
⇒利用者目線の小改修による施設機能の強化
府民の声をもとに段差解消
3 3
利用実態から
安全性確保
1.施設の現状
1-3 検討対象施設(公園遊具)
【大型複合遊具】
【その他遊具】
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1.施設の現状
1-3 遊具の経過年数
○耐用年数を10年以上超過した遊具が、 5年後には全体の約4割。
【府営公園の遊具の設置状況】
(参考:全国遊具の設置状況)
約4割が設置後20年経過
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1.施設の現状
1-4 遊具の劣化状況等
○使用中に遊具の破損が起きれば、利用事故など重大事態を招いてしまう。
劣化・利用による破損(木製吊り橋)
劣化による腐食(鋼製手すり)
劣化によるクラック(コンクリート製滑り台)
利用による摩耗(鋼製吊り橋)
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2. 点検及びデータの蓄積の検証
2-1 点検(遊具)の種類
遊具点検とは、利用者が安全で安心して利用できる施設を維持する為に、利用者に
とってのハザードの有無や施設の機能の劣化状況等について調査する。
①安全性の確保、②施設機能の保全・向上(※1)
(※1:向上とは、安全基準改定に伴う施設の改修や利用ニーズに伴う施設の更新を指す)
点検の種類
目的
実施者
日常点検
安全性の確認(利用者の事故やケガ
指定管理者(2人1組)
につながる危険性の有無の確認)
定期点検
安全性の確認や機能の保全(利用者
の事故やケガにつながる危険性の有
指定管理者(複数名)
無に加えて、将来の危険性につなが
る施設の劣化状況を確認)
精密点検
指定管理者(但し、公園施設製品
安全性の確認や機能の保全、劣化状
安全管理士または公園施設製品
況等のデータ収集(計画的な維持管
整備技師の資格を有する専門技
理や更新に活用)
術者)
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2. 点検及びデータの蓄積の検証
2-1 点検の種類
【日常点検】
目視中心に遊具の外観(全体)及び周囲を確認し、事故につながる危険性のある遊具の異常
が無いかを点検する。
点検の視点:
「ボルトがよく緩む」、「よくいたずらされる」、
「遊具とその周囲(安全領域内を含めて
異物や凹凸等がないか)」といった箇所を
重点的に目視・触診点検。
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2. 点検及びデータの蓄積の検証
2-1 点検の種類
【定期点検】
全ての遊具を対象に、定期点検チェックリストを用いて、目視・触診・聴診により、各遊具の変状
や異常の有無を点検する。
《点検項目》
吊金具の摩耗状況の点検
ロープ・ネット摩耗状況の点検
点検の視点:
事故やケガにつながる危険性のある損傷や欠損等の異
常の有無を点検。可動部(吊金具など)、チェーン、
ロープ・ネットなどの消耗しやすい部材の劣化状況は特に
注意して点検。ボルト・ナットの増締め等、メンテも行う。
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2. 点検及びデータの蓄積の検証
2-1 点検の種類
【精密点検 】
全ての遊具を対象に、定期点検等により発見された不具合への措置の検討も含め、定期点検
より詳細かつ入念に点検し、劣化状況等を診断(A~Dの評価診断)する。
点検の視点:
計測機器等を使用し、遊具毎に部材・部位(不可視部分も含め)について細かく点検・診断
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2. 点検及びデータの蓄積の検証
2-2 効率的・効果的な点検に向けた取り組
【精密点検カルテ】
複
合
遊
具
定
(写真№
製品名
点
株式会社コトブキ
点検者
設置年月
構造部材1 鉄
対象年齢シール
年
3
有 ・ 無
SP表示シール
月
30
日 経過年月
構造部材2 木材(その他)
有 ・ 無
11640109
管理番号
確認者
株式会社コトブキ
平成 16
表
点検日 平成 24
整備技士 西岡 義秀(2100057)
製造社
検
)
1
岸和田市三ヶ山町大池尻701
所在 蜻蛉型複合遊具 デッキA 岸
住所
施設名
和田市
デッキA本体
点検社
期
1, 2, 3
対象年齢
8
年
11
月
12
日
安全管理士 上田 正行(1010408)
製品番号
年
7
月
落下高さ
1,160 ㎜
消耗部材
3歳~12歳 ・
3歳~6歳
・ 6歳~12歳 ・
不問
Ⅰ.機能に関する総合判定
Ⅱ.塗装に関する総合判定
A: 健全であり、修繕の必要がない(使用可)
A: 健全な状態
B: 軽微な異常があり、経過観察が必要 (使用可)
B: 部分的に塗装剥離があり、経過観察が必要な状態
( 修 繕 完 了 ま で 使用不可 、 場 合 に よ り
使用可 ) C: 全体的に塗装剥離があり、再塗装が必要な状態
C: 異常があり、修繕又は対策が必要
D: 危険性の高い異常があり、緊急修繕が必要または、破棄し更新を検討 (使用不可)
a: 健全な状態
ハ 0: 傷害をもたらす物的ハザードがない状態
劣
b: 軽微な劣化がある状態
ザ 1: 軽度の傷害をもたらすハザードがある状態
ー 2: 重大であるが恒久的ではない傷害をもたらすハザードがある状態
修繕の必要な劣化がある状態
化 c:
ド 3: 生命に危険、あるいは重度の恒久的な障害をもたらすハザードがある状態
d: 緊急修繕が必要な劣化がある状態
鉄部に錆びの発生があります。手摺に孔あきがあります。補修の検討をお願いします。頭部・胴体の挟み込みの不適合
特
記 箇所があります。
事 屋根テントに破れ、穴あきがあります。
項
【安全領域】 点 検 項 目
遊具毎に部材・部位
について点検・劣化
判定(A~D)を行
い、写真記録・点検
結果カルテとしてまと
めて、補修・改修計
画の参考にする
写真№
備 考
落下高さ600㎜を超える時、全方向1,800㎜以上。半分領域重複可
メジャー
2
合 ・ 否
判定
4,5
0・900
上部空間、落下高さ600㎜以下(1,500㎜)600mm超え(1,800mm)
メジャー
1
合 ・ 否
6
0
※ コンクリート・アスファルトなどの固い設置面でない
目視
3
合 ・ 否
※ くぼみ・石ころなどの障害物がないこと
目視
1
合 ・ 否
7
根
写真№
備 考
写真№
備 考
点検器具
【動線】 点 検 項 目
判定
点検器具
動線および動線エリアの交差はないか
目視
3
合 ・ 否
足がかりや落下した際の障害物はないか
目視
2
合 ・ 否
【劣化】 鉄・支柱部
点 検 項 目
点検器具
判定
腐食がないか(地際部附近)
目視打診
a ・ b ・ c ・ d 8,9,10,11
腐食がないか(地際部附近以外)
目視打診
a・b・c・d
12,13,14,15,16,17
腐食がないか(地際部附近以外)
目視打診
a・b・c・d
18,19
ぐらつきがないか
揺診 a ・ b ・ c ・ d
破損など(破損 0 ヶ所)
目視 a ・ b ・ c ・ d
鉄・梁部
腐食がないか(金具附近)
目視打診
a・b・c・d
腐食がないか(金具附近)
目視打診
a・b・c・d
26,27
腐食がないか(金具附近以外)
目視打診
a・b・c・d
28,29,30,31,32,33
破損など(破損 0 ヶ所)
20,21,22,23,24,25
目視 a ・ b ・ c ・ d
鉄・手すり
11
腐食がないか
目視打診
a・b・c・d
腐食がないか
目視打診
a・b・c・d
40,41,42,43,44,45
腐食がないか
目視打診
a・b・c・d
46,47,48,49
腐食がないか
目視打診
a・b・c・d
50
ぐらつきがないか
揺診 a ・ b ・ c ・ d
破損など(破損 0 ヶ所)
目視 a ・ b ・ c ・ d
34,35,36,37,38,39
2. 点検及びデータの蓄積の検証
2-3 点検データの蓄積内容・利用
【各遊具毎に総合判定カルテ作成・蓄積】
【遊具精密点検】
①蓄積
《①蓄積内容》
・状況写真
・点検日
・劣化判定
・公園名
・ハザード判定等
・エリア名
・遊具の種類
・劣化内容
②活用
《②活用方法》
・劣化箇所の経過観察
・補修改修計画の参考
(補修・改修のタイミング)
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2. 点検及びデータの蓄積の検証
2-4 点検の頻度
※再掲
点検の種類
頻度
目的
実施者
日常点検
毎日(午前・午後 安全性の確認(利用者の事故やケガ
指定管理者(2人1組)
の2回)
につながる危険性の有無の確認)
定期点検
月1回
安全性の確認や機能の保全(利用者
の事故やケガにつながる危険性の有
指定管理者(複数名)
無に加えて、将来の危険性につなが
る施設の劣化状況を確認)
年1回以上
指定管理者(但し、公園施設製品
安全性の確認や機能の保全、劣化状
安全管理士または公園施設製品
況等のデータ収集(計画的な維持管
整備技師の資格を有する専門技
理や更新に活用)
術者)
精密点検
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2. 点検及びデータの蓄積の検証
2-5 府民の参加(ニーズの把握等)①
■利用者満足度の調査
アンケート調査
利用者満足度評価
■利用者ニーズの調査
改善項目分析
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利用者が求めている施設内容について調査分析
2. 点検及びデータの蓄積の検証
2-5 府民の参加(ニーズの把握等)②
○ 近隣の小学校にほしい遊具のアンケート調査を実施 ⇒ 求められている遊具の把握①
滑 ブ 鉄 砂 ト ジ 渡
り ラ 棒 場 ラ ャ り
台 ン
ン ン 遊
コ
ポ グ 具
リ ル
ン ジ
ム
遊 具
登 建 雲 岩 複
り 物 梯 山 合
遊 型
遊
具 遊
具
具
合計 64 52 30 24 24 23 23 15 15 12
○ 利用状況の調査を実施 ⇒ 求められている遊具の把握②
健
康
遊
具
砂
場
石
の
山
15
8
7
シ
ー
ソ
ー
回
転
遊
具
ア
ス
レ
チ
ッ
ク
ス
プ
リ
ン
グ
遊
具
7
7
6
5
水 パ 平
の ズ 均
出 ル 台
る
遊
具
4
2
1
3.維持管理手法の検証
3-1 現在の維持管理の流れ
点検
精密点検
年1回、専門技
術者が目視点
検・診断を実施
定期点検
月に1回、指定
管理者が全遊具
について、目視・
触診・聴診点検
を実施
日常点検
緊急点検
評価
A
B
C
塗装判定
劣化判定
規準判定
毎日、指定管理
者が徒歩により目
視点検を実施
行楽期や夏休み
等利用者が増え
る時期の前や類
似施設で事故が
発生した場合に、
指定管理者が、
点検を実施
補修
再塗装の必要がない
部分的に塗装が必要
全体的に塗装が必要
A
B
C
D
健全
軽微な劣化がある状態
重度の劣化がある状態
最重要部材に重度の劣化がある状態
0
1
2
3
障害をもたらす物的ハザードがない状態
軽度の障害をもたらす状態
重大であるが障害が恒久的ではない状態
生命に危険があるか、重度の障害
あるいは恒久的な障害をもたらす状態
計画的補修
優先度に応じ
て補修工事を
実施
修繕
▶事故等の危険性のある異常の有無
劣化箇所の ▶主要箇所の消耗部材の劣化の確認
経過観察
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早急に修繕を必
要とする場合から
実施
3.維持管理手法の検証
3-2 現在の維持管理手法
【公園】
検討項目
遊具
現在の
保全手法
状態監視
現状の保全手法の考え方
毎年実施する精密点検結果から、総合判定(劣化・塗装・ハ
ザード)し、補修を実施
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3.維持管理手法の検証
3-3 遊具の事故事例
【木製ぶら下がり遊具】
要因:支柱根元の腐食
【スプリング遊具】
要因:スプリングの金属疲労
【複合遊具】
【ブランコ】
要因:木製デッキの腐食による破損
要因:吊金具の摩耗による破壊
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3.維持管理手法の検証
3-4 長寿命化に向けた維持管理の方向性
① 点検 (日常点検・精密点検)
日常点検
② 補強
③ 補修改修
塗替・劣化部材の交換・不適合箇所の改修による長寿命化
精密点検(評価)
(長寿命化対策)
(長寿命化対策)
④ リニューアル
健康遊具(ハード)への更新と運動教室(ソフト)の実施
構造材の補強・延命
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大型遊具の更新
3.維持管理手法の検証
3-5 現在の課題からみた今後の維持管理手法
【遊具】
課題
遊具
更新時期の見極め
利用者ニーズの反
映
目指すべき
維持管理手法
状態監視型
(劣化診断・利用者
ニーズの把握)
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把握すべき事項
劣化損傷の
進行要因・状態
取得すべき
データ
精密点検データ
定期点検データ
遊具の利用実態調査
遊具のニーズ調査
4. 重点化指標
重点化指標(優先順位)の設定
【遊具】
《機能的・社会的影響の要因》
利用頻度の高い遊具
木製遊具の補修の繰返しは
LCC低下につながる
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5. 更新時期の見極めの検討
更新判定フロー(案)
【遊具】
総合判定でD判定の遊具に
ついて、更新の有無を含めた
対応方針の検討
(更新or撤去・廃止など)
START
物理的要因
(老朽化状況)
を考慮した判断
Yes
撤 去
更 新
撤 去
更 新
No
機能的・社会的要因
を考慮した判断
Yes
No
更新以外の補修・改修により対応
【課題】 利用者ニーズによる更新が求められる中
・物理的寿命(耐用年数超過)をどこまで維持すべきか?
・利用者ニーズの把握・反映の仕方はどうすべきか?
(更新タイミングの判断基準)
■利用者ニーズを踏まえた施設の更新
利用者ニーズによる 健康遊具への更新(機能転換)、プールからの遊戯広場への更新、新たな遊具への更新
健康遊具
プールから遊具への転換
22
新たな遊具に更新