Transcript ppt - KEK
スピル制御
2007年10月26日
素核研ハドロンビームラインSubGr. 清道明男
アウトライン
• スピル制御概要
• フィードバックQ電磁石
• DSPによるデジタルフィードバック装置
• HIMACビーム試験
• 今後のスケジュール
J-PARC遅い取り出しユーザー加速器連絡会 2007/10/26
スピル制御用機器
取り出しビームの平坦化、リップル除去を行う機器
Spill
• EQ(取り出し4極電磁石) [H20年度製作]
– ビーム成形、1kHz程度までのリップル除去
– EQの磁場を変える=Tuneを変える
– Spill Height = Intensity/Time となるように
IEQ
電流パターン(ΔIEQ)を調整
– コア:0.1mm 積層鋼板
– 磁場勾配~2T/m、 通常のQ磁石の1/10、応答時間重視
ビーム成形
Intensity
Time
Spill Height = Intensity/Time
リップル除去
• RQ(高速リップル除去用4極電磁石)
– 1kHz以上のリップル除去
– コア:積層鋼板or空芯orフェライト
– 磁場勾配 ~0.2T/m、 通常のQ磁石の1/100、応答時間重視
• フィードバック装置
– DSPによるデジタルフィードバック
– スピル信号、ビーム強度よりEQ,RQの電流パターンを変更
– EPICSによる遠隔操作
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Akio Kiyomichi
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機器の配置
Linac
• D2電源棟:
中央制御棟
– Q磁石電源、フィードバック装置
• 中央制御棟:
RCS
– タイミング、遠隔制御
• Q磁石:アーク部
• ビーム強度モニタ:MRリング中に設置
• スピルモニタ:
– ハドロンビームライン真空遮蔽膜に設置
Q磁石
MR
D2電源棟
ビーム強度
スピル信号は加速器側とハドロンホール側を仕切る
真空遮蔽膜からの散乱粒子の計測より作る
ロスモニタ
ビームダクト
スピルモニタ
真空遮蔽膜
ビーム
HDホール
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MR側
HD側
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フィードバックシステムの構成
LAN
PC
取り出しの
開始・終了
中央制御棟
ゲート信号
加速器内の
ビーム残量
通信部
制御部
DSP
ビーム強度信号
取り出した
ビームの量
スピル信号
電磁石制御信号
EQ,RQ電磁石
スピルモニタ
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EQ電磁石の仕様
Design of EQ using Tosca Simulation (3D approach)
• 中心磁場勾配
2.60 T/m
• ターン数
22 Turn/pole
• 電流
301 A
• 磁場長
0.7m
• ボア径
160cm
• インダクタンス
8.8 mH/m
• コイル抵抗
97 m
• 電圧
1.1 V/A @20 Hz
54 V/A @1000 Hz
• 鉄芯材料:0.1mm 積層鋼板
磁場勾配は通常のMR-Q磁石の1/10で応答時間重視
1kHz 程度のリップル除去能力
電磁石2台直列接続(電源1台)
-modulation をキャンセルし、Tune のみ変える
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EQ電磁石の運転パターン
• マクロスピル成形時の電流パターン
– FT 0.7 sec 、元ビームの分布がガウス型とフラットな場合に
スピル制御で予測される電流パターン。極端な2例
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DSPによるデジタルフィードバックの構成
電流パターン
取り出しゲート
Timing
MR
モニタ
D-IO E/O
ビーム強度
A/D E/O
O/E D-IO
スピル情報
スピルモニタ
Amp
D2ハドロンラック
KEK-VME と GP-IO
KEK オンラインG開発
フィードバック装置
DSP
(TI TMS320C6713)
O/E D-IO
or
O/E D/A
D-IO E/O
A/D D-IO
EQ
EPICS-IOC
(SZ130-SIL)
O/E D-IO
RQ
or
O/E D/A
LAN
中央制御棟より操作
開発項目
• DSPプログラム
• 入出力部:デジタルI/O、AD変換
• 通信部:EPICSによる遠隔制御
• 遠隔制御アプリ:モニタ、パラメータ変更など。
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取り出し制御アルゴリズム
取り出し
時間幅
ビーム残量信号
V (t 0 )
ゲート信号
1
目標値
差分
ref (t )
X (t )
制御信号
gain
T
1 sT 2
1 sT 3
1 sT 1
sT 4
Y (t )
Gate (t )
Filter
リップル除去
取り出しビ
ーム信号
Spill (t )
スピルモニタ
取り出し電磁石
• KEK-PS運転での運用実績
– 2000年以降:アナログー>デジタル回路(点線内)
– デジタル化によりビーム状態の時間変化に対する最適なゲインの選択が
可能となった
• J-PARCでは同じアルゴリズムを踏襲、パラメータの最適化を行う
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EQ制御演算
ディジタル制御のために、連続時間系(s)で示された伝達関数を
Z変換によって離散時間系(z)の関数に変換する
アナログEQ制御の伝達関数
Y ( s)
1 sT 2 1 sT 3
1 sT 1
A3
X ( s)
R(n)
sT 4
X(n)
離散化
Y ( Z ) A1
1
1 Z
1
X (Z ) A2
1
1 Z
1
A1
ゲイン
Z
W(n)
X (Z ) A 3 X ( Z )
A2
α
T1:19.1
A1:0.76923
T2:7.44
T3:1.73
T4:1300
A2 :0.24954
A3 :0.00052
1
+ +
∑ Y(n)
-
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Z
1
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プログラムのフローチャート
Gainの時分割選択
ADCより入力信号
3ch同時取得
ビーム残量に応じて最適なgainを選択
max
gain1選択
gain2選択
gain3選択
50%
gain4選択
30%
gain5選択
90%
70%
ゲート信号確認
min
DACへ0
出力
電磁石制御演算
目標値ref(t)算出
誤差値X(n)算出
DACへ電磁石制御信号
出力
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フィードバック装置試作機(武蔵工大)
正面
ゲート
ビーム強度
スピル
Texas Instruments社製
DSPボード
平塚エンジニアリング社製
拡張インターフェース
C6713DSK(下のボード)
DSK6713IFA (上のボード)
RQ
EQ
中身
搭載DSPチップ
TMS320C6713
最小マシンサイクル(動作周波数)
4.44ns (255MHz)
サンプリング周波数
1kHz~200kHz
入力部
16ビット8ch
出力部
16ビット4ch
左:擬似信号発生器
右:DSPボード+拡張ボード
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フィードバック装置開発(Mark-II)
① DSP board: TMS320C6713 DSK
– 高性能32ビット浮動小数点DSP搭載
– プロセッサ性能:2400 MIPS, 1350MFLOPS
②
ADC
FPGA
(PSD, Memory)
DAC
② AD/DA card: ORS-112
–
–
–
–
16bit x4 ADC 2.5MSPS
16bit x4 DAC 625kSPS
デジタル I/O: GP-IOからの入出力に利用
パワースペクトル(PSD)を実時間処理
逐次周波数解析の開発
③
FPGA
(CPU, Linux)
Ethernet
①
③ Network I/O: SUZAKU-S
DSP
– Ethernet I/O
– OS:Linux
– EPICSによる遠隔制御に利用
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HIMAC ビーム試験
• 放射線医学総合研究所HIMAC
– J-PARCと同じ1/3共鳴の遅い取り出しビームライン
– EQに相当する取り出しビーム調整用Q磁石(QDS)が利用可能
• 2007年7月フィードバック装置試作機(Mark-I)のテスト
– KEK-PSのアルゴリズム・パラメータを用い、ゲインのみ調整
– マクロスピル成形のみを実施
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スピル測定
QDS(EQ) off
QF linear ramping
Beam
Intensity
DSPフィードバック
QDS(EQ)
Input Pattern
Beam
Intensity
Spill
Spill
Smoothing後のスピル
Timing
Gate
Smoothing後のスピル
デジタルフィードバックによるビーム成形に成功。
(高周波成分を無視して)フラットなビームを得られた
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スピル周波数解析
QDS(EQ) off
1.4kHz
DSPフィードバック
2.8kHz
600Hz
200Hz 400Hz 1200Hz
100Hz
300Hz
50Hz
高速フーリエ変換(FFT)による周波数解析
• リップル(50Hzとその倍数)とRFノイズ(1.4kHzとその倍数)
– 1.4kHzはHIMACのシンクロトロン振動数起源
– 実際の運転では取り出し時にRFをオフにするのでこの成分は現れない
• フィードバック時には50Hz,100Hz成分が消えている
– QDSのマクロ成形だけでもある程度のリップル除去が可能
– フィルタ処理の追加:次の実験項目
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スピル制御関係のスケジュール
• フィードバックQ磁石、電源
–
–
–
–
Q磁石、電源設計
Q磁石、電源製作
Q磁石通電試験、磁場測定
Q磁石、電源インストール
H19年度
H20年度
H21年春
H21年夏
• フィードバック制御装置
–
–
–
–
–
DSP部試作、動作試験
Done
IO部・通信部開発
H19年度
EPICSアプリ開発
H20年度
フィードバック制御ボード試作・試験、実機製作
HIMACにおけるビーム試験:
-->H20年9月
• 年に数回マシンタイム取得、各開発タイミングに適宜実施
• スピル制御システム
– スピル測定系準備
-->H20年秋
– スピルフィードバックビームコミッショニング開始:H21年10月
遅い取り出し開始:H20年12月、スピル制御ビーム:H21年10月
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メンバー
•
•
•
•
清道、中川、冨澤、佐藤(KEK)
:スピル制御全般
安達、染谷(KEK)
:電磁石、電源
市川、上遠野、持木(武蔵工大)
:フィードバック装置
武藤(KEK)、野田、渋谷(放医研):実験協力者
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予備
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DSPボード TMS320C6713 DSK
概要
高性能32ビット浮動小数点DSP搭載
Xilinx SPARTAN 3 FPGA搭載
CPU
TMS320C6713
プロセッサの最高性能
2400 MIPS , 1350 MFLOPS
クロック周波数
225 MHz
RAMのタイプと容量
8 MバイトSDRAM
ブート用フラッシュメモリー
0.5 Mバイト
ソフト
C、CCS(Cコンパイラ、アセンブラ、リンカ)
AD/DA ボード ORS-112
入力 4ch
16 bit [AD9260 x 4] , Up to 2.5 MSPS
4Vpp, 200 Ohm inputs
AC or DC coupled inputs
出力 4ch
16 bit [LTC2602 (2ch 内蔵) x 2] Up to 625kSPS/ch
FPGA VartexⅡ1000-4C
パワースペクトル(PSD)を実時間処理
内部にメモリを確保
通信用IO ボードSUZAKU SZ130-SIL
FPGAの中にCPUコアを搭載
FPGA :XC3S1200E-4FG320C
CPUコア:MicroBlaze
DRAM
: 16MB x 2
フラッシュメモリ: 8MB (SPI)
LAN : 100 BASE-TX / 10 BASE-T
OS: μCLinux 2.6
Mark-Ⅲ
オリジナル品、専用
システム構成
①マザーボード
②ADCボード コネクタ接続
③DACボード コネクタ接続
④ドーターボード1(DSP C6713) コネクタ接続
⑤ドーターボード2(FPGA SPARTAN3) コネクタ接続
⑥メモリ(RAM、SIMM) 一部ソケット接続
⑦I/Oボード(イーサネット、パラレルtoPC) コネクタ接続
①
④
DSP
ADC
③
DAC
②
⑦
FPGA
⑤
SIMM
⑥
Ethernet
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GP-IOモジュール
• KEK Online Group で開発されているモジュール群
• スピル信号伝搬に使用
• GP-IO
– KEK-VME で用いるVME型モジュール
• GP-IO2
– 通常のVMEクレートで使えるタイプ。
– 開発はpending。強い要求が無い限り再開されない模様。
• Daughter card
–
–
–
–
–
ADC card :
DAC card :
AD/DA card : ADC1ch+DAC1ch 開発中
Opt card :
D-IO card : 我々の依頼で開発、完成
GP-IO
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GP-IO LVDS D-io card
五十嵐(洋)氏のトラペより
40
pin flat connector
• GP-IO daughter card
• LVDS (入出力)
• 40pin flat connector
– 1/2 GND
– 3/4 CLK
(D-in 側は CLK は GP-IO2 で決め
られた GCK-pin へ)
–
–
–
–
5/6 DATA00
7/8 DATA01
…..
19/20 DATA17
• LED x3
– FPGA から制御
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