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作業管理システムにおける
携帯電話入力のコード化
○島田 博海(東洋大学)
匡 中黎 (東洋大学)
後藤 隆彰(東洋大学)
土田 賢省(東洋大学)
中川 良隆(東洋大学)
1
発表内容
1
2
3
4
5
はじめに
作業管理システム
評価
コード表の自動レイアウト
まとめ
2
1 はじめに
1.1 背景
1.2 目的
3
1 はじめに(1/3)
1.1 背景

最近,様々な分野で携帯電話を用いた応用システ
ムの研究開発が盛んである

我々の研究室でも建設現場における携帯電話を用
いた作業管理システムを開発

位置情報登録ツールを実装し,コード表編集管理シ
ステムの設計,システムへの実装を行った
4
1 はじめに(2/3)

PDAや携帯電話など,機器の小型化は場所を問わ
ず動的に情報を得ることができることなどの利便性
を高める

入力操作に著しい制限がありそのユーザ入力が問
題である
5
1 はじめに(3/3)
1.2 目的

本研究では,建設現場向け作業管理システムにお
いて,特にユーザインタフェースの操作の効率化を
目的とする


コード表編集管理システムの設計・開発
コード入力方式の提案・評価
6
2 作業管理システム
2.1 システム概要
2.2 主な機能
2.3 アンケート調査
7
2 作業管理システム(1/8)
2.1 システム概要

利用形態を図1に示す
協力業者
職長A
データ入力・閲覧
データ入力・閲覧
協力業者
職長B
サーバ
図1 システム利用形態
8
2 作業管理システム(2/8)

本システムを用いることによって,建設工事
の関係者がリアルタイムで情報を共有するこ
とが可能

作業の効率化が図れると推察される
9
2 作業管理システム(3/8)
2.2 主な機能
本システムは以下の機能を持つ
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
認証
データの登録
データの検索,更新・削除
作業進捗状況のグラフ表示
Excel形式でのデータ出力(PC版のみ対応)
10
2 作業管理システム(4/8)
2.3 アンケート調査

建設会社である福田組の関連会社(45社)
に対してアンケートを行った

35社からの回答を得た
11
2 作業管理システム(5/8)
「携帯電話ツールを用い、職長が情報を入
力することが出来るか」という質問に対
する回答
出来ないと答えた企業の理由
出来る :14件
 出来ない :17件
 その他
:4件

「年齢の高い職長が
携帯を使いこなせる
か不安」という意見が
12件
12
2 作業管理システム(6/8)

携帯電話からの入力操作の負担の軽減が必要

全角文字入力を使用せず、主に半角数字による
入力を行う

作業管理システムにおけるコード入力を提案
13
2 作業管理システム(7/8)

システムのコード化を行う際に,企業のシステム管
理者がコード表の作成を行い,またその管理できる
ツールが必要という要求があった

コードの設定を効率的に行えるようなユーザインタ
フェースを考慮し,コード表編集管理システムの設
計・開発を行った
14
2 作業管理システム(8/8)
15
図2 作業管理システムの構成図
3 評価
16
3 評価(1/17)
今回行った評価実験
個人の入力スピードを測る評価実験
 H19年度版作業管理システムを用いた
評価実験

17
3 評価(2/17)
被験者構成
個人の入力スピードを測る評価実験・・・10人
 H19年度版を用いた評価実験・・・・・・・・・9人

全員本研究室の学生である
18
3 評価(3/17)
個人の入力スピードを測る評価実験



指定された100文字程度の文章を入力し,そのスピードを計
測した
入力は原則として左手
予測変換機能は使用しない
19
3 評価(4/17)
表1 入力スピード測定結果
被験者No
年齢
常用or非常用
文字入力スピード(秒)
A
24
常用者
179
B
34
非常用者
339
C
24
非常用者
410
D
23
常用者
132
E
21
常用者
153
F
23
常用者
243
G
25
常用者
149
H
23
常用者
186
I
26
常用者
289
J
29
常用者
210
20
3 評価(5/17)
H19年度版を用いた評価実験




携帯電話での入力時間を測定
入力は原則として左手
コードに対応している項目のみを入力対象とする
予測変換機能は使用しない
21
3 評価(6/17)
今回の評価実験で採用した入力方式案を以下に示す
コード化案1
コード化案2
コード化案3
コード化案4
:
:
:
:
1番から順番にコード化
感覚的に入力できるようにコード化
同じ番号を多く使用してコード化
押しやすい番号を多く使用してコード化
22
3 評価(7/17)
コード化案1 : 1番から順番にコード化

コードの桁数は最小となる
作業所名称コード
コード番号
作業所名称
10
東洋大学作業所
20
ソフトウェア科学研究室
25
東洋大学川越校舎
23
3 評価(8/17)
コード化案2 : 感覚的に入力できるようにコード化

携帯電話の,アルファベット入力に対応した数字キーを
押すことで入力できる

コード化案2はローマ字の訓令式,ヘボン式,平仮名に
対応したコードを作成した
24
3 評価(9/17)
作業所名称コード(ローマ字対応)
コード番号
8696
作業所名称
東洋大学作業所
764886932
86965292463
ソフトウェア科学研究室
東洋大学川越校舎
T→8 O→6 Y→9 O→6
MNO
TUV
25
3 評価(10/17)
作業所名称コード(平仮名対応)
コード番号
4181
作業所名称
東洋大学作業所
364111
41812021
ソフトウェア科学研究室
東洋大学川越校舎
あ行
T→4 O→1 Y→8 O→1
た行
や行
26
3 評価(11/17)
コード化案3 : 同じ番号を多く使用してコード化

1つの操作にかかる時間が少なければ,キーストロー
クが多くても時間がかからないため
作業所名称コード
コード番号
作業所名称
00
東洋大学作業所
000
ソフトウェア科学研究室
555
東洋大学川越校舎
27
3 評価(12/17)
コード化案4 : 押しやすい番号を多く使用してコード化

ユーザが左手で携帯を使用すると仮定した場合,3,6,9
キーが押しやすく親指の移動距離も短くなると考え,その番
号を多く使用してコード化を行う
28
3 評価(13/17)
コード化案4 : 押しやすい番号を多く使用してコード化

コード化案4では右手での入力も行った
作業所名称コード
コード番号
作業所名称
39
東洋大学作業所
69
ソフトウェア科学研究室
93
東洋大学川越校舎
29
3 評価(14/17)
表2 コード化案の実験結果
No
A
B
C
D
E
F
H
I
J
常用
or
非常用
年齢
(才)
コード化なし
(秒)
コード1
(秒)
コード2(訓)
(秒)
コード2(へ)
(秒)
コード2(仮名)
(秒)
コード3
(秒)
コード4
(秒)
コード4(右)
(秒)
常用者
24
61
48
64
60
48
40
36
42
非常用
34
121
62
104
87
71
53
64
71
非常用
24
162
55
126
101
100
46
43
46
常用者
23
63
33
54
44
28
25
30
20
常用者
21
100
47
56
49
36
45
38
30
常用者
23
76
37
61
52
46
47
45
53
常用者
23
68
67
71
80
41
48
44
30
常用者
26
83
61
87
52
37
40
42
34
常用者
29
80
41
49
43
42
36
37
45
30
3 評価(15/17)
160
全体
140
常用者
120
非常用者
100
(
秒 80
) 60
32.8675
8
40
20
0
なし
①
②(訓)
②(ヘ)
②(仮名)
③
④(左)
④(右)
図 3 常用者・非常用者・全体で分けた平均値のグラフ
表3 被験者全員の入力スピードの標準偏差
コード化なし
標準偏差
32.9
コード化1
9.9
コード化2
(訓令)
20.7
コード化2
(ヘボン)
17.5
コード化2
(平仮名)
15.8
コード化3
6.2
コード化4
(左)
6.1
コード化4
(右)
11.3
31
3 評価(16/17)
評価結果

コード化案2の場合は,全体的に仮名入力の方が効
率的である

コード化案3の場合は,ボタンを押す回数は増える
が,入力時間のバラツキも少なく,平均入力時間も
短縮されている

入力文字数が少なければ,入力の得手不得手に関
係なく,入力時間のバラツキが少ない
32
3 評価(17/17)
複数の被験者から出された主な意見

コード化案2では,m(メートル)等の単位など
はローマ字対応の方が入力しやすい

コード化案3と4を組み合わせ,押しやすい番
号を多く使用してコード化すれば,さらに効率
的な入力が可能
33
4 コード表の自動レイアウト
34
4 コード表の自動レイアウト(1/8)
コード表編集管理システム

H10-Code表エディタを基にして開発
※H10-Codeとは,汎用の表をグラフでモデル化した
ものをXMLファイル形式で表したものである
Y.Shiono et al., “XML Representation Based on Octagrid for Table Processing”, AICT2006, pp.225-232,
August 8, 2006
35
4 コード表の自動レイアウト(2/8)
機能
(1) データベースとの連携
(2) 複数の表の管理
(3) H10-Codeで出力
(4) 出力時の自動レイアウト
※(1),(2),(3)は実装済み
※(4)は実装予定
36
4 コード表の自動レイアウト(3/8)
37
図4 コード表編集管理システム
4 コード表の自動レイアウト(4/8)
個人により
 コード入力方式が異なる
 入力する内容が異なる

使用するコード表の数が異なる

出力時の自動レイアウトが必要
38
4 コード表の自動レイアウト(5/8)
レイアウトの方法
 H10-Codeを使用している為,出力された
H10-CodeにXSLTスタイルシートを適用する
ことで自動レイアウトを行う
39
4 コード表の自動レイアウト(6/8)
図5 レイアウト結果(1×1)
40
4 コード表の自動レイアウト(7/8)
図6 レイアウト結果(1×4)
41
4 コード表の自動レイアウト(8/8)
図8 レイアウト結果(2×2)
図7 レイアウト結果(4×1)
42
5 まとめ
43
5 まとめ(1/2)

作業管理システムにおいて,携帯電話の入
力方式の提案,評価を行った

コード化は有効であることが確認され,非常
用者には特にコード化は有効であることが確
認された

コード表の自動レイアウトの試作を行った
44
5 まとめ(2/2)
今後の課題
 さらに入力の効率化や運用での評価が必要

コード表の自動レイアウトの実現
45
46
研究の流れ
作業管理システムの設計・開発
(H18年度版)
アンケートの実施と結果分析
コード表編集管理システムの設計・開発
(H19年度版)
コード入力方式の評価実験
47
1
48
2 H18年度版作業管理システム
(5/8)
2.3 アンケート調査
 建設会社である福田組の関連会社(45社)
に対してアンケートを行い、現在35社からの
回収を終えた.

支援ツールについて興味があり、詳しく話を
聞いてみたいと回答した企業は25社であっ
た.
49
2 H18年度版作業管理システム
(6/8)
「携帯電話ツールを用い、職長が情報を入
力することが出来るか」という質問に対
する回答
出来る :14件
 出来ない :17件
 その他
:4件

50
2 H18年度版作業管理システム
(7/8)
出来ないと答えた企業の理由
表 1 アンケート結果
年齢の高い職長が携帯を使いこなせるか不安
12件
TEL連絡の方が良い
3件
情報入力している時間さえ惜しむのではないか
1件
パソコンにおけるメールでの情報交換が可能だから
1件
51
2 H18年度版作業管理システム
(8/8)

携帯電話からの入力操作の負担の軽減が必要.

全角文字入力を使用せず、主に半角数字による
入力を行う.

JITシステムにおけるコード入力を提案.
52
53
18年版はコード未対応19年度版はコード対
応
 コード管理エディタの開発

54
55
3.1 Rectangular dissection graph
表のグラフ表現である
 表の周囲に基準となるperimeterセルを持つ
 セルをノードで表し,隣のセルとの接続をエッ
ジによって定義している
 ノードの最大次数は8となる
 非スライス構造を含む汎用な表を表現できる

56
3.3Rectangular dissection graphの例

不均一なセルの大きさを持つ表構造図(表の罫
線図)とそれに対応するrectangular dissection
graph

例
Vd
d
c
表構造図(表の罫線図)
d
Vc
Rectangular dissection graph
57
歩掛とは 『ぶがかり』

ある作業を行う為に、必要とする人数、機材、資材、
時間の数量、個人の能力、機械の性能などによって
も様々で、会社によって違ってくる。

建設業での意味:「建設工事の作業別単価を求める
ために、その作業に必要な作業員、使用材料、建設
機械及び関連経費などの各種データをとりまとめた
もの。その標準的な単位作業量当たり作業能力、適
用範囲などを作業種別ごとにまとめたものを標準歩
掛りという。」と定義されている。
58
JIT

「必要なものを必要な時に必要な量だけ生産
する」システム/方式のことで、トヨタ自動車
が採用して日本および世界に広めた工場生
産方式である。ジット(jit)と略される。
59
J2SE
 Sun
Microsystems社のプログラミング
言語「Java 2」の機能セットの一つで、基
礎となる標準的な機能をまとめたもの。
60
Tomcat

Jakartaプロジェクトのサブプロジェクトとして
開発されているオープンソースのソフトウェア
で、Javaサーブレット・JSPを処理するアプリ
ケーションサーバ。

サーブレットやJSPを実行するには,インターネッ
トに接続してホームページを呼び出すときと同じよう
に,WebブラウザにURLを入力して,サーブレットや
JSPを呼び出す.Tomcatはその呼び出しを受けつ
け,URLの内容を判別して必要となるプログラムを
実行し,そこから生成されたHTMLをWebブラウザ
に送信する.
61
サーブレット

サーバ上で動作するJavaプログラムである.
一般的なWebの世界においては,クライアン
トとサーバという両者があり,クライアントが
サーバに対してあるページの要求を行うこと
で,サーバ側では要求されたページを返す.
62
JSP


JSPとサーブレットが行っていることはほとんど同じ
である.
JSPはサーブレットで長々と書いていたプログラムを
より簡単に作成するために考案された技術である.
簡単化するためにサーブレットで行えてもJSPで行
えない処理はあるがJSPがあればたいていのもの
は作成できる.また,正確にはJSPのプログラムは
自動的にサーブレットに変換されてから実行が行わ
れている.つまり,JSPはサーブレットの複雑さを簡
略化し使いやすくしたものだといえる.
63
MySQL

TCX DataKonsultAB社などが開発している、
オープンソースのリレーショナルデータベース
管理システム(RDBMS)。

シンプルながら,高速で安定性のあるDBMSで,
データベースサーバーとして動作する.Webとの親
和性も高く,ネット上でのサービスやECサイトのバッ
クエンドシステムとして定評がある.
レコード数は5000万件規模というとてつもない
データ量での運用も行える.

64
コネクション・プーリング
 アプリケーションからデータベースに対
する接続が必要になったときに、その都
度、接続しに行くのではなく、予め用意さ
れた保管から接続を取り出すこと。
65
PostgreSQL

本格的なRDBMSである.問い合わせ言語と
してSQLが使えるのはもちろんのこと,トラン
ザクション,行レベルロック,副問い合わせな
どの重要な機能もサポートしている. また,
数千万件規模のデータも扱うことができるの
で,大量のデータ処理が必要な業務にも応用
できる.
66
JDBC

Javaプログラムからリレーショナルデータ
ベースにアクセスするためのAPI。SQL言語
による命令を発行してデータベースの操作を
行なうことができる。データベースの種類によ
らない汎用性の高いプログラムを開発するこ
とが可能だが、実際に稼動させるためには
個々のデータベースに対応したドライバ
(JDBCドライバ)を導入する必要がある。
67
68
69
70
71
72

http://jit.tsu.cs.toyo.ac.jp/jsp10/cell/index.ht
ml
73
3.1 システム要求イメージ(2/4)
図2 作業の時系列のエクセルデータ
74
3.1 システム要求イメージ(3/4)
図3 当日結果グラフ表示
75
3.1 システム要求イメージ(4/4)
図4 計画実施率と異常要因の時系列のグラフ
76
3.2.3 デモ


画面はPC版と携帯版の2種類を作成
以下の5つの機能を実装した
1.
2.
3.
4.
5.
認証
データ入力
データの更新/削除
データのグラフ表示
データのExcel出力(PC版にのみ対応)
77
デモ(PC版)
78
3.2.3 デモ(携帯版)
79
4.1.1 コード化のイメージ
図7 コード化イメージ図
80
81
82
3.2.1 コード化支援・管理ツール(4/4)
H10-Code表エディタを用いた理由
 内部データが明確でシステム全体に透過性
がある
 コード表エディタに特化したものが作成できる
ので,スリムで軽いシステムとなる
83