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H22年度創造工学研修
失われゆくアナログの良さを再認識しよう
電気系 山田・大寺研究室
H22年度創造工学研修
電気系 山田・大寺研究室
失われゆくアナログの良さを再認識しよう
担当教員: 山田 博仁 教授
大寺 康夫 准教授
北 智洋 助教
TA: 齋藤 修徳(M1)
受講者: 小金澤 明由(B0TB1098) 機械知能・航空工学科
遠藤 力(B0TB2042) 情報知能システム総合学科
杉田 久哉(B0TB2124) 情報知能システム総合学科
平山 絵里子(B0TB2197) 情報知能システム総合学科
松崎 智也(B0TB2216) 情報知能システム総合学科
松本 怜(B0TB2217) 情報知能システム総合学科
研修日時: 毎週木曜日の午後 (10/7開講)
研修場所: 青葉山電気系2号館2階 202号室および創造工学センター
研修内容
真空管のしくみや動作原理を理解し、真空管アンプを設計し、実際に真空管アンプを製作してもら
います。回路設計や部品集めから、シャーシーの加工、半田付けなどを実際に自分で行ってもら
います。また、スピーカーのエンクロージャーを製作し、市販のフルレンジスピーカードライバーを
納めて、スピーカーシステムも製作します。最後に、製作した真空管アンプとスピーカーで好きな
音楽を楽しんでみたいと思います。
H22年度創造工学研修テーマ
電気系 山田・大寺研究室
失われゆくアナログの良さを再認識しよう
・真空管アンプやスピーカーユニットを自作しながら、そのしく 担当教員: 山田 博仁 教授
大寺 康夫 准教授
みを理解し、自作のセットで好きな音楽を楽しみませんか?
北 智洋 助教
・銀塩フィルムで写真を撮影し、現像や定着を自分で体験し
ながら、印画紙に引き伸ばしてみませんか?
受入人数: 最大6名
実施日時: 曜日・講時は相談による
実施場所: 電気系2号館202号室と
創造工学センター
・ 真空管のしくみや、それによる増幅原理を理解する
・ スピーカーのしくみと動作を理解する
・ 実際に真空管アンプやスピーカーユニットを製作
・ 製作したアンプとスピーカーで好きな音楽を楽しむ
・ 銀塩写真のしくみを理解する
・ 銀塩写真フィルムを使って写真を撮る
・ フィルムや印画紙の現像、引き伸ばしを体験する
・ ホログラムの原理の理解と作製
製作する真空管アンプの例
写真引き伸ばし機
エンクロージャー(ドライバー
ユニットを収納する箱)をベ
ニヤ合板から切り出して自
作してもらいます。工作には、
創造工学センターの木工機
械類を使用します
H22年度創造工学研修
電気系 山田・大寺研究室
回
第0回
第1回
第2回
第3回
第4回
第5回
第6回
第7回
第8回
第9回
第10回
第11回
第12回
第13回
H22年度研修スケジュール
日時
9/30(木)13:00~14:30
10/7(木) 午後
10/14(木) 午後14:00~
10/21(木) 午後
10/28(木) 午後
11/4(木) 午後
11/11(木)
11/18(木) 午後
11/25(木) 午後
12/2(木) 午後
12/9(木) 午後14:00~
12/16(木) 午後
1/6(木) 午後
1/13(木) 午後14:00~
1/20(木) 午後
研修内容
オリエンテーション
製作するものを検討し、決定
製作準備(回路図、部品リスト等作成)
製作(創造工学センターなど)
製作(創造工学センターなど)
製作(創造工学センターなど)
休講(研究室配属見学会のため)
製作(創造工学センターなど)
製作(創造工学センターなど)
製作および電子管工学等講義
製作および電子管工学等講義
市販高級オーディオの観賞会?*
製作
製作
作製したオーディオセットの試聴会
* Count (一番町)などのジャズ喫茶に行き、高級オーディオ機器から流れる
ジャズを鑑賞してみましょう
集合写真
(H22年度受講生)
電子管工学基礎
H22年度創造工学研修
電気系 山田・大寺研究室
熱電子放出効果
熱電子放出効果(エジソン効果)
加熱されたフィラメントから電子が放出される現象、いわゆる熱電子放出現象。
これは、金属内の電子の熱エネルギーが仕事関数よりも大きくなり、金属表面
を飛び出す現象。
電子のエネルギー
真空
真空準位
電子
熱エネルギー
仕事関数: ϕ
伝導帯
金属
加熱された
フィラメント
熱電子
エジソン効果
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電気系 山田・大寺研究室
エジソン効果
白熱電球のフィラメントを加熱し、フィラメント近傍に金属板を配置すると、金
属板とフィラメント間に電流が流れる現象をエジソンが発見。フィラメントに対す
る金属板の電位によっては、電流が流れたり、流れなかったりする。
プレート
(アノード)
I
熱電子
熱電子
プレート
(アノード)
A
A
金属板
金属板
金属板がフィラメントより高い電位の時
金属板とフィラメント間に電流が流れる
金属板がフィラメントより低い電位の時
金属板とフィラメント間に電流は流れない
二極管
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フィラメントと金属板を真空容器に封入したものが二極管
プレート
ガラスなどに
真空封入
雲母(プレートを固定のため)
プレート
P
F1
F2
F1 F2
P
二極管の構造
国産二極管の写真
二極管の回路記号
二極管と整流作用
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電気系 山田・大寺研究室
二極管(ダイオード)では、プレートがフィラメントに対してプラスの電位となった
時にのみ電流が流れ、これを用いて整流(交流を直流に変換すること)ができる
I
I
t
I
+
+
-
E
-
+
二極管による整流作用
-
直熱型と傍熱型
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電気系 山田・大寺研究室
直熱型はフィラメント自体がカソードを兼ねており、傍熱型はフィラメント(ヒーター)
とは別に電気的に絶縁されたカソードを有し、ヒーターにより加熱される構造
カソード
プレート
プレート
P
K
K
P
P
F1 F2
F1 F2
H1H2
構造
回路記号
構造
直熱型真空管
P
H1 H2
回路記号
傍熱型真空管
三極管
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プレートとカソードの間に、格子状の電極(グリッド)を設けた構造
カソード
グリッドに印加する負電圧の大
きさにより、プレート電流を制御
I
ガラスなどに
真空封入
グリッド
プレート
P
G
K
K
H1H2
G
P
三極管の構造
H1 H2
三極管の回路記号
三極管の動作
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三極管による電圧増幅
グリッドに印加した小さな振幅の電圧が、プレートには大きな振幅となって現れる
RL
Vout
Ip
Vin
Vout
t Vin
t
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多極管の構造と記号
その他にも、四極管、五極管、七極管などもある
カソード
コントロール
グリッド
G1: コントロールグリッド
G2: スクリーングリッド
G3: サプレッサグリッド
スクリーン
グリッド
プレート
P
G3
G2
G1
SG
CG
K
SG H1H2
K
CG P
四極管の構造
P
K
H1 H2
四極管の回路記号
H1 H2
五極管の回路記号
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真空管形状の変遷
ST管
GT管
mT(ミニチュア)管 サブミニチュア管
(1930年代~1950年代) (1940年代~1950年代) (1950年代~末期) (1960年代~末期)
複合管
一本の管の中に複数の真空管が詰め込まれた複合管もある
三極管が2個入っている12AX7
三極管と五極管が一本になった6BM8
6BM8を用いた真空管アンプの例
前段増幅部
ライン入力
後段増幅部
出力部
スピーカーへ
電源部
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6BM8真空管5極管部の特性
5kΩ負荷時のload line
DCバイアス点
配線完了
配線を完了した6BM8超三結ステレオアンプ (小金澤 明由さん作)
製作した6BM8シングル ステレオアンプ
(H22年度受講生 平山 絵里子さん作)
シャーシ穴あけ作業の様子
(H22年度受講生)
半田付け作業の様子
(H22年度受講生)
ステレオ用スピーカーの製作
使用したドライバーユニット (Fostex FE83En)
周波数特性 (標準エンクロージャー使用)
(H22年度受講生 杉田 久哉君作)
完成品の試聴の様子
音源 SONYポータブルCDプレーヤー
6BM8超三結ステレオアンプ 小金澤 明由さん作 (右のもの)
6BM8シングルステレオアンプ 平山 絵里子さん作 (左のもの)
スピーカー 杉田 久哉君作
製作したギターアンプの回路図
完成品の音出しの様子
コピーしたFender CHAMPギターアンプ
(H22年度受講生 松本 怜君作)
(H22年度受講生 遠藤 力君作)
ギターを繋いで音出しをする松本 怜君
創造工学研修発表会スケジュール
日時: 2月3日(木) 15:00~18:30
場所: 電気系2号館2階202号室
15:00~15:15
15:15~15:45
15:45~16:15
16:15~16:45
16:45~16:55
16:55~17:25
17:25~17:55
17:55~18:25
18:25~18:30
発表会開催にあたって 山田 博仁
わたしだけのスピーカー 杉田 久哉
6BM8シングルステレオアンプの製作 平山 絵里子
真空管アンプ製作記 小金澤 明由
休憩
真空管ギターアンプを作る 遠藤 力
真空管ギターアンプを作製 松崎 智也
真空管ギターアンプを製作 松本 怜
総括 山田 博仁
各自の持ち時間は30分(プレゼン10分、実演10分、質疑応答10分)です。
研修発表会の様子
研修発表会の様子
皆さん、お疲れ様でした