講義ファイル(PowerPoint)のダウンロード

Download Report

Transcript 講義ファイル(PowerPoint)のダウンロード

加速器の基本概念と構成
May 17, 2006
KEK加速器 佐藤康太郎
加速可能な粒子
電荷を持った安定な粒子
電子、陽電子
陽子、反陽子
正、負イオン、アルファ
ミュオン 短寿命
相対論的効果による延命、将来計画の加速器(muon factory)
中性子 スピンによる磁気モーメント
加速器のエネルギー
非相対論的:運動エネルギー
T 
1
2
相対論的:
T 
m 0v
c p  m 0 c  m 0c
2
2
2
 m 0
c  m 0c
2
4
2
2
2
p  m v  m 0v
荷電粒子への力:

Lorentz力

pÝ  F  e ( E  v  B )

エネルギー増減
エネルギー増減率
2
2
TÝ c p pÝ/( m 0  c )
 v  e( E  v  B )  eE 
dr
dt
よく知られているように、電場のみ寄与する
エネルギー変化量

T 
 TÝdt
e

E d r  eU
U:電圧(volt, MKSA)
エネルギー単位

1eV  1.6  10
19
Joule
小さな量にも見えるが、温度に換算すると超高温

kT  1eV ,
T 1.2  10 K
4
粒子の偏向
Lorentz力の比較
E 
30 kV
pÝ  F  e ( E  v  B )
 3  10
6
V / m,
1cm
B 
 1T ( normal
v  c  3  10
8
conducting ), [  5T ( super )],
m / s,
v  B equiv . 3  10
8
V /m
高エネルギーではBの効果はEの約100倍

低エネルギーではEも有効、CRT
初期の加速器開発
高電圧発生装置+粒子源
1932年
Cockcroft-Walton 500keV pによるLiの核破砕
Cockcroft-Walton型整流型高圧発生機
1933年
Van de Graaff
1MV イオン加速
ベルト式静電起電機
Tandem型:負イオンを高圧部で正イオンへ変換
加速電圧を2倍
制限:絶縁破壊、
粒子源を高圧部に設置、電力、信号の伝送の課題
繰り返し加速のアイデア
サイクロトロン
一様、一定磁場
p  mv  eB  ,
f rev 
v
2

m
2  eB
加速は2台のD電極間のRF電場
加速とともに円軌道が大きくなる.

非相対論領域では回転周波数は一定
サイクロトロン周波数
RF周波数の繰り返しで連続的に加速可能
陽子で20MeV程度
現在でも大出力加速器として有用、産業、医療
繰り返し加速:線型加速器1
Drift tube linac
加速によって速度が変わる粒子、
陽子、イオン
一定のRF周波数
drift tube間のgapでのRF電場による加速.
加速によって速度が速くなるにつれ、
drift tubeを長くして、gapでの同期を取る.
RF周波数の繰り返しで連続加速が原理的に可能
中エネルギーの陽子、イオン加速に現在でも有用
繰り返し加速:線型加速器2
Disk loaded linac
光速に近い粒子の加速
電子
一定周波数
一様なwave guide中の電波の伝播では、
phase velocity > c, 同期がとれない
Wave guide中にiris diskを挿入し、電波を散乱させ、
phase velocity = cに調整
Microwaveの繰り返しで連続加速が原理的に可能
Room temp. linear colliderで採用
医療用電子加速器、X線発生用
SC linear colliderも加速原理は同じ(disk loadedではないが)
円型繰り返し加速の発展1
サイクロトロンの限界1
相対論的効果が見え始めると、回転周波数が低下し、
同期が外れることによる最高エネルギーの制限.
最高エネルギー増加のアイデア
1.加速周波数を変えて、同期をとる.
synchro-cyclotron 800MeV
ただし、連続加速は不可能.
周波数変調による断続的加速.
2.回転周波数が一定となる磁場分布、
(実際には収束作用を持たせるため、
半径及び周方向にも磁場が変化)
AVF cyclotron 100MeV
円型繰り返し加速の発展2
サイクロトロン(型)の限界2
加速とともに軌道半径が増加するため、
すべての軌道を含む面積の磁場が必要.
最高エネルギー増加とともに磁石が巨大となる.
加速途中の軌道を一定にするアイデア
磁場も加速電場周波数も互いにエネルギーと同期をとって変動
1.ベータトロン
磁場変化で発生する誘導電場で加速.
2.シンクロトロン
磁石が軌道上のみ、磁石の最小化
軌道上のRF空洞で加速
高エネルギー円型加速器の定番
ベータトロン
加速電場を必要としない特殊な加速器、電子用
E 
誘導電場
半径の円で積分
pÝ  eE ( t ) 
 e
B
t
Ý( t ),  ( t ) 
2   E ( t )   
Ý

2 


B ( r, t ) dS
,
  constant
,

Ý 2  2 BÝ  2 S BÝ,
 pÝ  e  BÝ, 

 ( t )   i  2 S  ( B (  , t )  B (  ) i ))
ベータトロン条件
シンクロトロン
一定軌道
2つの同期条件が必要
運動量と磁場との同期
p( t )  e  B (t )
運動量と加速周波数の同期
v (t)
p(t)
1

f rev ( t ) 

2 
m 0 ( t ) 2  
(実際には加速周波数はfrev(t)の整数倍)

収束作用
粒子の加速の安定化、収束作用が必須
収束作用:変位に応じた(比例した)復元力
最も簡単な例:一次元調和振動子
振動数が振幅に依存しない.
加速器の場合は3自由度
1.進行方向(縦方向)
高周波電場の加速位相との同期のずれ
2.横方向(2自由度)
設計軌道からの水平、垂直方向のずれ
3自由度すべてに、収束作用が必要
縦方向の収束、位相安定の原理
原点:平衡粒子
決められた加速量が正確に得られる位相で
常に加速装置を通過する.
単振動子との比較
変位 ー>f平衡粒子の位相からのずれ、
速度 ー>E平衡粒子からのエネルギーのずれ
Eとfの関係(符号)が加速器によって異なる
平衡粒子の位相は2カ所ある.
f
符号によって片方が安定(stable fixed point)、
他方が不安定(unstable fixed point)
安定点の周りの振動:シンクロトロン振動
fがEに依存しないと位相安定はない
1.円型加速器のtransition energy
2.高エネルギー電子線型加速器 光速で位相安定は不必要
円型、
相対論的
E
非相対論的
横方向の収束1
弱収束
一様磁場:
水平方向の設計軌道からのずれは
1周すると戻る、振動数1.
垂直方向は収束がない.
傾斜(外側で低下)磁場:
垂直方向の収束作用が発生.
水平方向の収束が低下.傾斜が大きすぎると発散作用
弱収束:水平、垂直とも収束できる傾斜磁場
設計軌道からずれた粒子は設計軌道の周りを振動
ー> ベータトロン振動
一周あたりの振動数は、水平、垂直方向とも1以下.
横方向の収束2
強収束
光線の場合には凸レンズが存在.
水平、垂直の両方で収束.
中心からのずれに比例して中心方向へ偏向.
荷電粒子への対応物は存在するか?
同心円状の磁場方向で、半径に比例した強度.
物理的にほとんど不可能.
B(r)
傾斜磁場
弱収束の例では、水平発散、垂直収束.
逆の傾斜では、作用が逆.
同時に収束は物理的に不可.
弱収束
r
横方向の収束2(続)
光学レンズからのヒント:
凸と凹レンズを適当に離したレンズ系は収束作用
強収束の原理(革命的)
向きの違う傾斜磁場を適当に離しておくと、
水平垂直の両方で収束作用.
傾きを大きくすると、さらに収束作用を強くできる.
収束作用が強くなったことにより、
粒子の広がりが小さくなり、磁石が最小化.
ベータトロン振動数を大きくできる.
KEKB 〜40、KEK-PS ~7
線型を含むほとんどすべての加速器の収束
横方向の収束2(補)
機能分離型(separated function):
傾斜磁場を一様な部分(偏向)と、傾きの部分(収束)とに分け、
それぞれを別な磁石.
B
偏向と独立に収束を
調整できる.
r
=
偏向(2極)磁石
機能複合型(combined function):
偏向と収束の両方の機能を持つ磁石、加速器の小型化
円型の高エネルギー加速器 機能分離型シンクロトロン
+
4極磁石
KEK PS Linac, Booster
KEK PS Booster
KEK PS MR, Booster
KEK PS Booster bunch 1
KEK PS Booster bunch 2
KEK PS MR, Booster