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MAXIの開発作業の
現状
松岡 勝
ISAS ISSプロジェクト室
2004.10.19
火曜セミナー
筑波宇宙センター
MAXI - Monitor of All-sky X-ray Image
内容
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全天X線監視の科学的意義
全天X線監視装置の歴史
開発の経過と今後
全天X線監視装置の成果・観測例
MAXIの開発状況
・センサー(GSC,SSC)
・ミッション ・システム ・サポート装置
・地上データ処理
• 開発時及び将来の問題点
全天X線監視の科学的意義
• 活動的な宇宙、予測出来ない現象を調べる.
• X線新星、X線バースター、トランジェント天体、
ガンマ線バースト などが見つかってきた.
• 発見後、詳細な観測を狭視野望遠鏡で調査.
早い時期での多波長観測例はまだ少数.
• 地上の観測装置の増加で変動天体の情報要.
光の望遠鏡(含アマチュア)
超高エネルギーγ線望遠鏡
ニュートリノ観測装置
重力波観測装置
X-ray All Sky Monitorの比較・歴史
-- ASM はほぼ10年毎に進展があった が-感度
• Vela 5 a&b (USA)
late 1960 era
g-ray bursts, X-ray novae
> 100 mC
• Ariel 5 (UK)
late 1970 era
Systematic obs. of X-ray novae
> 50 mC
• Ginga (Japan)
late 1980 era
Spectral obs. of X-ray novae
> 30 mC
• RXTE (USA)
mid1990 and now
Systematic obs. of Galactic X-ray targets > 10 mC
・・・・・・・・・・ ブランク !! ・・・・・・・・・・・
• (2004.11 SWIFT (γ線バーストモニタ) ~ 2 str. Sky)
• MAXI (Japan)
~ 2008 AGN
> 1 mC
• Lobster-ISS (UK &) 2010以降 Syst. AGN ~ 0.1 mC
開発の経過と今後
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1997年度: MAXI開発チームスタート
1998年度: 概念設計完了
2000年度: 基本設計審査会完了
2001年度: 熱・構造モデル製作し試験実施
2002年度: ミッション系の詳細設計審査会完了
2003年度: システム系の詳細設計審査会完了
2003年度から: 搭載ミッション機器製作、JEM-EFとの調整
2004-5年度(現在): サブシステム製作・試験、安全審査等
地上データ処理装置の設計・試験
2006年度初め: 一次かみ合わせ
2007年度: 総合試験
2005-7年度: 地上データ処理・解析装置の製作
2008年度: HTVで打上げ?
全天X線監視装置の成果例
MAXIで期待される観測例
A Light Curve of An X-Ray Nova
during Rising
Phase
GS 2000+25
with Ginga-ASM
Advection–dominated
accretion flow!
Tsunemi et al . ApJ.L
337 (1989), L81
Mrk421とMrk501の
X線時間変動
1day
Mrk421の広バンドスペクトル
電波
光
X線
1012γ線
1015γ線
R-band and X-ray correlation
NGC3514
Smoothed R-band
(advanced)
sampling interval ~ 4.3 - 17 d
Maoz et al. 2002, AJ 124, 1988
Galactic OVII & VIII
Map with SSC
MAXI SSC expected counts:
80- 310 counts in 1.5°x1.5°
for 2 yr operation. Obs.eff.=0.7
Galactic Soft X-ray
Spectra correspond’g
to each Sky Region.
Markevitch et al. 2003 ApJ.
Snowden et al. 1997 ApJ.
ROSAT all-sky map of CXB
MAXIの開発状況
ミッションチームの作業
MAXI チーム(2003年9月)
ミッションチーム
と担当メーカ
JEM-EF
MAXI
HTV
JAXA-OCS
ミッション
系
GSC/RBM
明星
電気
Swales
NT
スペース
SSC/
LHP
JAXA
JAXA
理研
東工大
青学大
JAXA
阪大
MAXIバス
系
DTU
ミッション
素子
オンボード
ソフト
星姿勢計
GPS
JAXA
Metorex
GSC素子
浜ホト
SSC素子
理研
JAXA
阪大
東工大
青学大
日大
理研
東工大
青学大
JAXA
阪大
JAXA
地上データ
解析システム
SEC
MAXI Payload
Radiator for X-ray CCDs
Grapple Fixture for a robot arm
Electronics
Optical Star Sensor
PIU
100cm
GPS
ATCS
80cm
RLG
180cm
Gas Slit Camera (GSC)
: X-ray gas proportional counter
Solid-state Slit
Camera (SSC)
: X-ray CCD
Total weight: 490 kg
音響試験中のMAXI-TMM
2002.9
MAXIの感度とシミュレーションの結果
X線バーストの検出
検出感度
Systematic error
1周
1周のマップ
1日
1週
2ヶ月のマップ
検出器(GSC)の製作前作業
GSCカーボン芯線取り(理研)
使用前
使用後
キーエンス顕微鏡の導入
本体 VH-5000
レンズ VH-Z75 (倍率 75-750倍)
シグマ X-ステージ
トリクロルエチレンを含ませた
キムワイプでふき取る。
GSC受け入れ振動試験(筑波)
小型衛星試験棟
GGSC-ND線問題経過(理研)
2001年12月 EM03 カウンターでGND線の緩みが
発見された。その後の試験(斜め入射試験)で
EM003
EM01、EM02 でも同様の問題が見つかった。
•
電場
斜め入射試験
C0
Xray
X線
電子
2.5mm
C0 芯線ゲインマップ
C1
芯線
C0 と C1 の境界で
Grid線 の緩みが確認された。
セルの深さごとのゲインを
芯線の一次元座標で表す
C1芯線ゲインマップ
GSC-GRW弛みの原因
電子ビーム溶接
ガス封入に
よる膨らみ
受け入れ検査体制(理研)
FM008
放医研にてX線写真撮影
撮影条件
120[sec]
真空ポンプで~3mbarまで引く
120[kV] 20[mA]
スぺーサー(8.5°)
カウンターのゲインマップ(理研)
C0セルのゲインマップ
Cu 1650V
2DMap、2mm、3s
X=-80mm
Xscan、1mm、30s
ゲイン分布
ゲイン変化
最大10%程度
位置分解能
1.4mm@8keV
GSCエネルギー校正試験 (青学大・筑波)
2次ターゲット
チェンバー
GSCカウンター
R
On-Wire
Off-wire
L
(P3)
(P3+10)
10mm
5mm
印加電圧
GSCの観測領域は2-30keVである。
S(2.31keV), Cl(2.62keV), Ca(3.69keV),
Ti(4.51keV), V(4.95keV), Cr(5.41keV),
Fe(6.40keV), Cu(8.05keV),
Zn(8.69keV),Se(11.22keV), Y(14.96keV),
Mo(17.48keV), Ag(22.16keV)
1400V:E vs PH ほとんど線形
1650V:実際にGSCを使用
13種類
GSCのエネルギーの線形性の試験データ
Xe-L edge
コリメーター試験(筑波)
エンジニアリングモデル
GSC用コリメータ
材質 : 燐青銅
厚さ : 100μm
間隔 : 3.1mm
枚数 : 128枚
(1カウンターに64枚)
1.5°FWHM 相当
collimator set
= 64sheets
64枚
1 collimator unit
= 4sheets
X線ビーム
スリット
三角レスポンスデータ
Scan 方向
HIC回路 [Amp+Peak Hold]
(理研)
OUT
IN
ピークホールド部
SD215
ゲイン部
DG442
放射線照射試験
HIC
1mの円
60Co
1krad/30分 @1m
都立産業技術研究所
CCD [48個の選定(阪大)]
• X線の光子を検出し、電気信号に変換する。
• 優れたエネルギー分解能、位置分解能と適度な
時間分解能を併せ持つバランスのよい検出器
SSC用CCDの仕様
浜松ホトニクス社製
画素数 : 1024×1024
画素サイズ : 24mm×24mm
SSC用CCDの外観
真空チェンバー内部(阪大)
冷却板(-60℃~-100℃)
CCD
CCD
X線源
シャッター
左図:CCD取り付け治具 全体図
上図:正面図
・CCD2素子を同時に駆動する
・CCDの受光面は常に下向き
・X線はCCDの下側から照射する
全素子性能分布(1)
素
子
数
読み出し雑音 [e-]
エネルギー分解能 [eV]
全素子性能分布(2)
素
子
数
60
65
70
80
空乏層厚 [mm]
検出効率 [%]
(XISの空乏層厚は68mm)
暗電流(-50℃) [e-/画素/秒]
SSC回路のノイズ調整(JAXA)
CCD
読
出
し
雑
音
改良方法の種類
RBM:筑波での 電子線照射実験
(東工大・筑波)
放射線モニター(RBM) (東工大)
400 keV の電子照射
1.5 MeV の電子照射
106 cts/s までは正常
6
● >10 cts/s では“窒息”と
“生還”を繰り返す
●
107 cts/s までは正常
7
● >10 cts/s では“窒息”と
“生還”を繰り返す
●
窒息?
窒息?
アナログ出力
RBMトリガ
MAXI搭載用GPS受信機(JAXA)
・絶対時刻データ取得/正時クロックパルス生成用に使用。
・民生品(鯨衛星で搭載実績のある車載用受信機)の改修によりコストダウン。
・JAXA宇宙実証研究共同センターと共同で開発中。
受信アンテナ
重量
: 約250g
消費電力: 1.56W
正時パルス:精度1msec以
下(1PPS)
時刻精度: 0.1msec以下
受信機
MAXI用GPS受信機/アンテナ(EM)
LHPRS
(LHP and Radiator System)(JAXA)
+X Panel
-Z Panel
-Z Panel
Evaporator
Honeycomb panels
with embedded LHP
condenser lines and
aluminum facesheets
Accumulator
Condenser Lines
+X Panel
LHPRS概観図1
LHPRS概観図2
LHP Steady State Performance
(JAXA)
目的:
– 定常状態におけるLHP動作の確認
• HOT, NOMINAL, COLDの3モード
• CCDカメラの温度状態確認
• ラディエータにおける放熱状態確認
Vapor
Liquid
0
HOT Case
-20
NOMINAL Case
-40
-60
COLD Case
Temperature [deg C]
Temperature [deg C]
Vapor
Liquid
0
HOT Case
-20
NOMINAL Case
-40
-60
COLD Case
-80
Thermocouple Positions
Thermocouple Positions
-Z Radiator
+X Radiator
機上データプロセッサー(EM)の試験(理研/筑波)
地上データ処理システムの開発
(理研・日大・JAXA)
ISS-JEM
通信
OCS(筑波)
MAXI
試験のため
U-BIS(筑波)
ISS/MAXI-QLチェック
2003~4試験実施
低速系DPシステム
2005~6製作
データ解析
システム
観測シミュレータ
中速系DPシステム
速報システム
2003~4基本ソフト開発
公開システム
MAXI開発の現在、将来の問題
• ISS-JEMのデータ処理システムと即時性の開発
JEMの通信系、運用系とMAXIとの整合性
• MAXI遅延によるサイエンスチーム体制の維持
理研、大阪大、東工大、青学大、日大
大学院教育問題
• MAXI遅延による外部(外国含む)への信用問題
• 遅延による科学的意義、装置の改良・発展
• 遅延による予算の増加の抑制努力
• ESA-Lobster-ISS(2010年以降)との競合の調整
まとめ
• 全天X線監視装置は宇宙物理学にとってどの
時期にも要求され、重要な役割を果たせる。
• 2008年の前後に同様な競合装置はない。
• 但し、装置、チームには賞味期限がある。
• MAXIの開発にはJAXA以外に、理研、阪大、
青学大、東工大、日大、(筑波大)の研究者、
大学院生の協力で作業中。
• 装置の試験には2~3年の時間を要する。
• LHP, VSC, GPSはJAXAが深く関与して開発。
有難うございました。
MAXIの全天X線監視の役割
• ブラックホールや活動銀河核など動的宇宙の監視
・ RXTE(米)のASMと引き継ぐ
・ 主な活動銀河核の長期変動の監視
• 多波長観測分野のミッションに情報提供と交換
・ 光、電波、X線、超高エネルギーγ線
• 当該時期での宇宙の全天X線マップの作成
・ 銀河内の高温ガスを酸素、珪素、鉄などのX線
輝線で分布
・ 遠い活動銀河核の全天分布をX線で調査