ナレッジワーカー時代の R&Dマネジメント

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ナレッジワーカー時代の R&Dマネジメント

佐藤広大

「知の総合力」に向けて

 知識の創造とは何か?  知識創造のための知の必要性  クリエイティブ・ルーティーン(創造的な知の 型)  知識創造のパターン

求められる高次の思考

      タスク主義  研究の目的は何かを主体に考える 自律性  研究者自身が生産性向上の責任を負う。自らをマネジメントする。自律性を持つ 継続的イノベーション  継続してイノベーションを行う 継続的学習とコーチング  自ら継続して学び、人に教える 量より質  知識労働の生産性は、量よりも質の問題であることを理解する 自己選択  知識労働者は、組織にとってのコストではなく資本財であることを理解する

求められている新たな知

コンセプト創造力 ビジョン構想力 論理的思考法 効率よく管理する体系的な思考法

知の「型」に目を向ける

 プラトン:イデアと対話の知  デカルト:分析と構築の知  デューイ:行動と実証の知  西田幾多郎:純粋経験と「場」の知

プラトンの知の要素

 対話を重視する問答形式の知  「○○は何か」といった本質追求型の知  「アポリア(行き詰まり)」を知的飛躍の原点とする  「無知の知」で示される思考の次元の展開が新たな 知を産む  5 感の知を超えたところにある理念・理想を見る理性  真・美・善の追求  個別性ではなく普遍性こそ価値の源である  知識への情熱的な姿勢

デカルトの知の要素

 方法的懐疑に示される事象への分析的アプ ローチ  理性による事象、現象の概念化や観念化、 原則発見としての知  明晰かつ判明を旨とする合理的主義的な価 値判断  迅速な誤の修正

デューイの知の要素

 知識の形成過程における信念、習慣、行動 の重要性  物事に対する実証的なアプローチ  「知識」の動的、主体的な把握  「知識」道具説、仮説としての知識  行動・経験・結果を通じた知識の内面化  マニュアル化・「知識」の身体化

西田幾多郎の知の要素

 現実をありのままに見る直感  「知識」形成の母体としての「経験」の場  「直感」 → 「反省」 → 「自覚」という知識の弁証 法的な発展  「知識」創造を可能にする「場」重要性  自己と忘我の循環プロセスが「知識」を生み 出す

暗黙知と形式知の比較

    暗黙知( tacit knowledge )  言語化しえない、言語化しがたい 知識    経験や五感から得られる直接的 知識 現時点(今、ここ)の知識 身体的な勘どころ、コツと結びつ いいた技能 主観的・個人的 情緒的・情念的 アナログ知、現場の知 特定の人間、場所、対象に特定・ 限定されることが多い  身体的経験をともなう共同作業 により共有、発展増殖が可能          形式知( explicit knowledge ) 暗黙知から分節される体系的知 識 過去の知識 明示的な方法・手順・物事につい ての情報を理解するための辞書 的構造 客観的・社会的 理性的・論理的 デジタル知、コードの知 情報システムによる補完などに より時空間を越えた移転、再利 用が可能 言語的媒体を通じて共有、編集 が可能

知識創造の一般原理モデル

身体・五感を駆使 直接経験を通じた 暗黙知の獲得、共 有、創出 E 暗黙知 共同化(S) I I I 暗黙知 差出化(E) E I G I I I E G O E 連結化(C) G G G G 形式知を行動実践 を通じて具現化、新 たな暗黙知として理 解・学習 形式知 形式知 対話・思索による 概念図像の創造 (暗黙知の形式知 化) I=個人 G=集団 O=組織 E=環境 形式知の組み合わ せによる情報活用と 知識の体系化