すざく衛星を用いたペルセウス座銀河団高温ガスのバルクモーションの探索

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すざく衛星を用いたペルセウス座
銀河団高温ガスのバルクモーション
の探索
大阪大学大学院 理学研究科
宇宙地球科学専攻 常深研究室
博士前期2年
蓮池 和人
輻射モデルの検討
P3
3つのモデルで、各ポジション、センサー毎にスペクトルフィット
P3’
P2 P2’
P1
P1’
P4’
P4
P8
Declination(J200
0)
2′
●連続成分+gaussian輝線モデル
●mekal(希薄高温プラズマからの輻射モデル)
●mkcflow ( cooling flow : ガスの温度
勾配によるガスの流れに対するモデル
4回の観測データを使用
20060201
20060829
20060829
(SCI54)
P0~P8
P0’~P8’
normalized counts/sec/keV
P5’
P5
P6’ P6 P7’ P7
Right Ascention(J2000)
H-like Fe-Kα
He-like Fe-Kα
He-like Fe-Kβ
+
NI-Kβ
20060829
(SCI108)
平均観測時間 33ks
赤方偏移
z =(E0-Eobs)/Eobs
測定値
6.677keV
XIS3
15
2 Energy(keV)
Energy(keV)
5
10
エネルギースケールの較正
セグメントA、DのMn-Kαの平均値
期待値5.895keV(Mn-Kα)
5.88
f gain 
E obs ( Mn  K α )
E 0 ( Mn  K α )
5.895 keV
20060201
20060829
20060829(SCI54)
20060829(SCI108)
5.84
line center(keV)
5.92
●エネルギー絶対値のズレ
XIS0
XIS1
XIS2
フィッティングにより求めた赤方偏移
XIS3
z true  f gain  ( z fit  1)  1
各センサーセグメントA、DのMn-Kαを測定
ゲイン補正した赤方偏移
redshift
0.016
XIS1
20060201
20060829
ACTY
600
700
300
400
ACTY
600
700
XIS3
●CCDの電荷読み出し方向
に対して、エネルギーのズレ
が見られた。
0.012
0.012
redshift
0.016
redshift
0.016
XIS2
通常の解析方法では、
0.02
400
0.02
300
0.012
0.012
redshift
0.016
XIS0
0.02
0.02
CTI誤差補正
300
400
モデル関数
ACTY
600
700
300
400
ACTY
600
700
fi,j = 1/(1 + zi ) + (ACTY – 896)×aj
j : XIS0~XIS3 i : P0~P8
zi ,aj : フリーパラメーター
55Feが照射されているCCD面の重心座標を各センサーで一律にACTY=896とする。
ACTY=896でのエネルギースケールは既に補正済みとして、それ以外のACTY座標でのエネル
ギースケールを1次関数として補正を行う。
fi,jとゲイン補正した赤方偏移が最小になる様に、各パラメーターを決める。
補正前、補正後の比較
redshift
0.018
センサー間での違いが小さくなり、全体的
な傾向が分かるようになった。
0.012
XIS0
XIS1
XIS2
XIS3
P1
P2
同じポジションにおける、セン
サー間でのばらつきが大きく、
全体的な傾向が分からない。
補正前
P3
P4
P5
P6
P7
P8
XIS0
XIS1
XIS2
XIS3
センサー間の補正から
求まった真の赤方偏移
P1
P2
P3
P4
P5
P6
補正後
P7
1/(1+z’i,j ) – (ACTY – 896)×aj = 1/(1+z’’i,j)
ゲイン補正した赤方偏移
P8
0.018
ペルセウス座銀河団高温ガスの速度差
5400
km/s
可視光の赤方偏移(0.0183)
redshift
0.014
P7
4200
km/s
417km/s
P1’
20060829
P6’
4回の観測データに対
して補正を行った赤方
偏移の分布。
609km/s
0.018
P1
P2
P3
P5
P4
20060201
P5
P6
P7
3000
km/s
P1’
P8
P2’
P3’
P4’
P5’
P6’
P7’
P8’
5400
km/s
redshift
0.014
誤差90%エラー P5’
4200
km/s
P1’
P3’
267km/s
60k
pc
P3’
P3
0.01
1053 km/s
P1’
P1’
P2’
P3’
P4’
P5’
P6’
P7’
P8’
km/s
P4’
20060831(SCI108)
20060829(SCI54) 3000
P1’
P2’
P3’
P4’
P5’
最大の速度差は、東西における速度勾配の
存在を示唆している。
P6’
P7’
P2
P2’
P1
P1’
P4
P8
P8
P5’
P5
P8’
P7
P6’
P7’
P6
Right Ascention(J2000)
Declination(J2000)
0.01
中心領域P0
の赤方偏移
すざく vs XMM-Newton
すざく
20060201
0.014
4800
km/s
XMM-Newton(MOS1+MOS2)
4200
km/s
609 km/s
0.012
redshift
0.016
XMM-Newtonと比較を行うため、すざくと
同じ領域で、同様の解析を行った。
中心領域P0
の赤方偏移
P1
P2
P3
933 km/s
3600
km/s
P4
P5
P6
P7
P8
P1
P2
P3
P4
P5
P6
赤方偏移の平均値はすざく、XMM-Newtonでほぼ等しいが、20060201の
データでは傾向が逆になっている。
系統誤差の範囲内で有意な速度差は得られない。
P7
P8
すざく vs XMM-Newton
20060201
4800
km/s
0.014
すざく
4200
km/s
1203 km/s
609 km/s
0.012
redshift
0.016
XMM-Newtonと比較を行うため、すざくと
同じ領域で、同様の解析を行った。
3600
km/s
中心領域P0
の赤方偏移
P1
P2
P3
P4
P5
P6
P7
P8
XMM-Newton(PN)
P1
P2
P3
P4
P5
P6
赤方偏移の平均値はすざく、XMM-Newtonでほぼ等しいが、20060201の
データでは傾向が逆になっている。
系統誤差の範囲内で有意な速度差は得られない。
P7
P8
解析結果のまとめ
すざく
●
後退速度(大)
km/s
後退速度(小)
km/s
速度分散
km/s
最大速度差
km/s
20060201
4278±168(P7)
3669±216(P5)
222
609±274
20060829
3888±204(P6’)
3471±228(P1’)
190
417±306
20060829(SCI54)
4689±228(P5’)
3816±294(P1’)
332
1053±372
20060831(SCI108)
4869±174(P3’)
4602±213(P1’)
88
267±275
データ
XMM-Newton
●
データ
後退速度(大)
km/s
後退速度(小)
km/s
速度分散
km/s
最大速度差
km/s
MOS
4506±216(P5)
3573±192(P1)
315
933±285
PN
5028±408(P4)
3825±258(P2)
360
1203±483
→すざくの結果より、速度差の上限値として 1000 km/s