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第2章 『理由と結果 それに逆接』 理由や原因、結果などを表す接 続の表現を中心に勉強します。 2-1 どうして? • 理由や原因を説明するときの表現を集 めました。 • どの表現も「から」や「ので」に置き換え られますが、それぞれいろいろな気持ち や意味が入っています。 • どんな気持ちのときに使うのか、また、 後文にはどんな意味の文が来るのか確 認しながら、例文を読んでみましょう。 2-1 どうして? • • • • • ~ものだから ~もの/~もん ~おかげだ/~おかげで/~おかげか ~せいだ/~せいで/~せいか ~ばかりに 1 ~ものだから • (名詞修飾型+ものだから) • ※名詞は「+~なものだから」になる (実は)~から。話し手が「~」の内容を、普通 とは違う、特別なことだ、意外だと思っていると きに使う。言い訳で使うことも多い。(③) 就是因為:「由於事態的程度很厲害或重大、 因此而做了什麼」 ①きのうはとても疲れていたものだか ら、宿題もしないで寝てしまった。 ②彼が急に大声を出したものだから、 みんな驚いてしまった。 ③先生「また遅刻ですか」学生「す みません。バスがなかなか来な かったものですから 言い訳 2 ~もの/~もん • (普通体+もの • 「~から」。文末に使って、個人的な理由 を表す。親しい人との会話で使う。女性 や子供がよく使う表現 • 多用於為堅持自己的正當性時。 ①「遅い!」「だって、目覚まし時計が 鳴らなかったんだもの」 (-_-)zzz~ ②夫「また新しい服を買ったの?」妻 「だってほしかったんだもん」 ③「会議に出なかったんだって?」「9時か ら会議なんて聞いてなかったもん」 会議あった のよ。 9時! 真的嗎! 3 ~おかげだ/~おかげで/~ おかげか • 名詞修飾型+おかげで • 「~から、いい結果になった」「~の助けが あったから、いい結果になった。」というときに 使う。「おかげか」は、理由に確信がないこと を表す。(③)。また皮肉の意味、悪いことに使 うこともある(=せいで)(⑤)。 • 用於因為某種原因、理由導致好的結果。 ①友人が手伝ってくれたおかげで、引 越しが早く終わった。 ②大学時代に取った資格のおかげで、 新しい仕事を見つけることが出来た。 ③コーヒーを飲んだおかげか、眠気が 覚めてきた。 理由に確信は ない ④私が選挙に当選できたのは、支持 者の皆さんの応援のおかげです。 皆さんのおか げで当選しまし た。 ⑤お前のおかげで(=せいで)、おれま で先生に怒られちゃったじゃないか 4 ~せいだ/~せいで/~せいか (名詞修飾型+せいで) 「~から、悪い結果になった。」「~が悪 いから、悪い結果になった」ということを 表す。他人の行動に対して使う場合は、 非難(ひなん)の気持ちがある。 用於表示發生壊事的原因或責任的所 在。 ①近所に大型スーパーが出来たせい で、うちの客は減ってしまった。 お客さんが 多い 少ない(減った) ③隣の部屋のテレビの音のせいで、 勉強に集中できない。 ④部屋の空気が悪いせいか、ちょっと 頭が痛くなってきた ④彼が病気になったのは、人間関係 から来るストレスのせいだと思う。 5 ~ばかりに • 名詞修飾型+ばかりに • 名詞 「+なばかりに」「+であるばかりに」 • な形容詞「+であるばかりに」にもなる。 「~から、悪い結果になった」という時 に使う。不満、後悔の気持ちを表す。 表示就是因為那件事的縁故的意思。 ①暇だといったばかりに、引っ越しを 手伝わされることになってしまった。 じゃあ、引っ越し を手伝ってくれ。 いやあ、今週 はひまです。 ②車を持っているばかりに、友達にタ クシーがわりに使われている 横浜まで ③彼は意志が弱いばかりに、友人の 言葉に左右されることが多い。 2-1② どうして? • • • • • ~からには ~からこそ ~だけに ~だけあって ~ゆえ(に)/~がゆえ(に) 6 ~からには/ ~からは •(普通体+からには) •名詞・な形容詞 「+であるからには」 「~から、当然、絶対にという意味。後文 には「~べき」「~なければならない」など の義務や、「~たい」「~しよう」などの決 意を表す表現が来ることが多い。 既然… ①プロであるからには、仕事は責任を もってするべきだ。 最後までサポート します。 ②初めてのマラソン大会だが、参加す るからには、完走したいと思う。 最後まで走り たい。 なんとか完走 した。 ③絶対遅刻をしないとみんなに宣言し たからには、遅れることは出来ない。 もう、遅刻はしま せん。ご勘弁を。 遅れるわけには いかん。 7 ~からこそ • (普通体+からこそ) • 「~という理由があるから…になる(~で なければ…にならない)」という意味で使 う。理由を強調する。 正是因為… ①健康だからこそ、幸せな生活が送 れるのだと思う。 健康 幸せ ②家族のみんなが支えてくれたからこ そ、最後までがんばることができた。 家族の「はげまし」と 「支え」 最後まで ③彼は自信があるからこそ、今度の企 画の担当に名乗りをあげたのだろう。 私がやります。 8 ~だけに • (名詞修飾型+だけに) • ※名詞は「の」がつかない。 • 「~という理由があるから、普通以上に …」という意味。「その理由があるから、 ますます…」という気持ちを表す。 • 到底是、正因為是 ①一生懸命努力してきただけに、合格 の知らせを聞いたときはうれしかった。 一生懸命努力した 合格してうれしい ②この町は電車などの交通機関がな いだけに、人々にとっては車が大切な のです。 ③旅行中にカメラをなくしてしまった。 買ったばかりだっただけに、非常に がっかりした。 あれ、どこだ? がっかり ④あしたは休み。久しぶりの休みだけ に、うれしい。 9 ~だけあって • (名詞修飾型+だけあって) • ※名詞は「の」がつかない。 • 「~から、やっぱりいい」という意味。 期待通りいいと、プラスの評価をす るときに使う。 • 表示與其做的努力、所處地位、處 経歴的事情等相稱的意思。 ①高かっただけあって、このワインは おいしい。 期待通りで ある。 ②田中さんは4年間イギリスに留学し ていただけあって、英語が上手だ。 ③このホテルは一流だけあって、設備 もサービスもすばらしい。 10 ~ゆえ(に)/~がゆえに • (名詞修飾型+ゆえに • ※名詞・な形容詞は「の」「な」がつかない。 • または「+であるがゆえに」 • 「~ために」。理由・原因を表す。古い言い方 なので、硬い文章などで使う。形容詞は①の ように「~さゆえに」の形で使うことが多い。 ①若さ(が)ゆえに、失敗や過ちを犯し てしまうこともある。 ②昔は女性であるがゆえに 差別を受けることがあった。 ③有名人には、有名人であるが故の 悩みがあるということだ。 2-2 最後は? • ここでは「いろいろしたけど、結局、最後はこう なった」というような、「結果」を表す表現を勉 強します。 • その結果になるまで、大変だった、時間がか かったということを前文で述べ、後文で「結 果」を述べます。 • また、「~過ぎて、その結果…」という意味の 表現もあります。 2-2 最後は? • ~あげく(に) • ~た末(に)/~の末(に) • ~あまり 1 ~あげく(に) 動詞タ形+たあげく 名詞+のあげく 「いろいろしたけれども、長い時間~した けれども、結局…」という意味。後文には 悪い結果や期待外れの結果がくることが 多い。 ①新しい靴を買おうと思って出かけた が、いろいろな店を回ったあげく、何 も買わないで帰ってきてしまった。 ②電話口で長い間待たされたあげく、 結局責任者と話すことは出来なかった。 責任者はい ないのか? 席をはずしており ます ③彼は、進路について悩みに悩ん だあげく、進学はあきらめ、就職す ることに決めた。 ④毎日遅くまで働かされたあげく、景 気が悪くなるとリストラされたなんて同 情してしまう。 クビだ! ⑤今読んでいる小説は、口論のあげく に妻を殺してしまった男が主人公で、 これからどういう展開になるのか楽し みだ。 2 ~た末(に)/ ~の末(に) 動詞タ形+た末 名詞+の末 「長い間~した後、最後に… 」 という 意味の表現。 ①一年間の苦労の末に、やっと論 文が完成した。 勉強の末、 論文が完成 ②今回の結論は、いろいろ悩んだ末、 出したものなので、だれにも文句は言 わせない。 結論 ③激闘の末、一点差でAチームが勝 利した。 ④真剣に考えた末の結論だから、後 悔はしません。 考え抜いて 後悔しない 3 ~あまり 動詞辞書形+あまり な形容詞+なあまり 名詞+のあまり 「~過ぎて、その結果こうなった」という意味。 「名詞+のあまり」の場合、「驚き・興奮・うれ しさ・くやしさ・怖さ」など、感情・感覚の意味 の名詞を使う。また、い形容詞は「~さ」の形 にして使う。 ①大勢の前でスピーチをしなければな らなくなり、彼女は緊張のあまり、倒れ てしまった。 緊張! ②彼女は念願の賞を取り、感激のあ まり、泣き出した。 ③そのニュースを聞いて、彼はうれし さのあまり、飛び上がった。 ④過去の失敗談をみんなの前で暴露 され、彼女は恥ずかしさのあまり、そ の場から逃げ出してしまった。 ⑤相手のことを思うあまり、言いたい ことが言えないことがある。 ずれてる