世界遺産に対するその地域の人々の価値観

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Transcript 世界遺産に対するその地域の人々の価値観

What is World
Heritage?
藤原研究室
1DS04180Y 阪本 真一郎
1DS04209M 吉村 康宏
1DS04210Y 渡 瑛人
調査の目的
 世界遺産は良い面ばかりが注目さ
れている。果たして実状はどうなの
か、現状を調査する。
世界遺産の始まり

1959年、エジプトのナイル川にアスワン・ハイ・
ダムを建設する計画浮上、ヌビア遺跡がダム
に水没する危険が起こる

ユネスコが世界中に、遺跡の保護を呼びかけ、
遺跡の移築に成功
世界遺産の概念が生まれる
ICOMOS
IUCN
自然遺産
160
文化遺産
628
危機遺産
複合遺産
24
世界遺産登録
ICOMOS
IUCN
ユネスコ世界遺産委員会
世界遺産に対するその地域の人々の価値観
その世界遺産が周囲の人々にとって
どのようなものか?
↓
812個の遺産それぞれ異なるはず
↓
地域、経済水準、紛争などを考慮し、
三つの遺産を調査
三つの異なる地域を調査

ケルン大聖堂・・・・ヨーロッパ、先進国ドイツ

バーミヤン遺跡・・・・アジア、破壊問題

ナスカの地上絵・・・・南米、謎が多い
ドイツ~ケルン大聖堂
ケルン

世界最大のゴシック様式の建築物

現在の大聖堂は3代目で1248年~1880年

第二次世界大戦でケルンの街は壊滅、大聖堂もス
テンドグラスなどが大幅に破壊

工業化による酸性雨に破壊されている

1996年ユネスコ世界
遺産に登録

周辺の新建築物による
景観破壊の危機にさら
され、2004年に危機遺
産に指定
バイエルンの窓
大聖堂内陣
ケルン大聖堂

大聖堂からライン川を挟んだ対岸に多くの高
層ビル計画
↓
ケルン市はユネスコと交渉、計画縮小案
↓
テナント入らず計画白紙撤回
1
2
3
先進国と危機遺産

危機遺産は大抵その物件、風景自体に問題がある
↓
しかし
ケルン大聖堂など欧州の遺産は周辺景観が問題
↓
つまり先進国で多い問題が
歴史的建造物と都市開発バランス
バーミヤン渓谷の文化的景観と古代
遺跡群
バーミヤン遺跡
高さ約150メートルの崖に石窟が1,300メートル亘って
750も存在し、西と東には大仏像が存在する
東の大仏像
西の大仏像
石窟
バーミヤン遺跡の歴史
1世紀 バクトリアにより石窟仏教寺院
 4,5世紀 高さ55、38mの2対の大仏、石窟
内には多くの壁画→仏教文化は繁栄
 ムスリム(イスラム教徒)勢力が力を持つよう
になる
 11世紀初頭 ガスナ朝マフムードにより略奪
を受ける
 1979年ソビエトのアフガン侵攻→アフガン紛
争

タリバンによる大仏像の破壊
2001年2月26日
イスラムの偶像崇拝
禁止の規定に反す
るとし、タリバンが大
仏を破壊。
大仏像の破壊
破壊以前
破壊後
遺産登録までの経緯
1983年 「バーミヤン渓谷の建造物群」の名
で文化遺産に推薦
→戦争のため保存事業が進まず審議延期
 2001年 米のアフガン侵攻でタリバン崩壊
→修復と保全に世界的支援
 2002年 ユネスコ信託基金を設立
→ユネスコと共同で修復と保全
 2003年 危機遺産として世界遺産に登録

遺産保護活動
01年,3~5月 バーミヤン遺跡救済基金
 03年,6月
カブール博物館文化財写真展
 04年,8月 文化財不法流出防止ビデオ製作
 05年,6月 バーミヤン教育文化センター設立

文化財保護活動の拠点となる施設
バーミヤン遺跡が抱える問題
 戦争、紛争で受けた被害
 文化財の盗掘や、不法売買
 遺産に対する意識のズレ
貧困克服か?遺産保護か?
優先すべきなのは?
ナスカの地上絵

ペルーのアンデス山脈の
西方の平原に位置

B.C.2世紀~6世紀に描かれた?

動植物の絵や幾何学模様、直線やらせんな
ど大小700以上が確認されている
地上絵に関しての諸説

天文観測のカレンダー説
~地上絵は天体や星座を示している

宗教的な儀式説
~儀式の時に地上絵の上を練り歩いた

宇宙船の発着場説
~宇宙船の滑走路のために描かれた
地上絵を取り巻く危機の数々
パンパ灌漑計画
 パン・アメリカンハイウェイ
建設
 観光客増による車両の行き来
 ゴミ収集車が地上絵の上を往来
 貧困層が立ち入り禁止区域の中で居住
 悪質なマナーの観光客



地上絵のすぐ真横を
通るパン・パシフィッ
ク・ハイウェイ

ハイウェイの真横に
残る轍(わだち)の後
地上絵のすぐ真横を通
るパン・パシフィック・ハ
イウェイ
 何故、地上絵は次々と危機に瀕
するのか?
 それらに対して保護活動はなさ
れないのか?
貧しい南米の現実
1990年代ペルー失業率7割、超インフレ、超
赤字、相次ぐテロ行為
 2000年、ペルーの貧困率54.1%(1日1ドル未
満で生活する人が貧困層)
 ペルーの経済状況は深刻

遺産保護をする金銭的余裕がない
ナスカ平原開発の可能性も
保護活動の実状


ペルー政府や文化財保護局は予算
不足、500平方kmに監視員9人
マリア・ライへ
地上絵保護の
第一人者
ボランティア団体や研究、保護プロジェクトも存在
保護活動はとても充分とは言えない
調査した3つの遺産から

ケルン大聖堂~遺産と都市開発のバランス

バーミヤン遺跡~宗教的相違からの紛争
貧困克服?遺産保護?

ナスカの地上絵~不十分な保護活動と土地
開発、貧困
遺産ごとによって様々ではあるが、世界遺産
は何らかの問題を抱えている
世界遺産が抱える問題
世界遺産に登録されると・・・
知名度UP
 観光客UP
 観光収益UP

しかし・・・
観光客の増加により遺産が傷つくことも
 UNESCOからの遺産に対する資金援助なし

矛盾する世界遺産
 遺産の保護と、現地の人々の暮らしとに
優先順位をつけることはできない
 保護されるべき遺産が、観光事業や知
名度の上昇のために使われている場合
がある
世界遺産の持つ意味

世界遺産自体は何の力も持たない
・ 登録されれば保護されるわけではない
・ UNESCOが保護を強制することもできない
しかし・・・登録されることでその存在を世界中
に知ってもらうことができる
世界遺産が必要としているもの
メディアによる報道の力
→遺産の状況を正しく知ってもらう

個人のモラル
→遺産を傷つけない

遺産を守るきちんとした保護プラン
→安易な遺産登録は逆効果

参考資料



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

ユネスコホームページhttp://www.unesco.jp/
TBS 「世界遺産」ホームページ
http://www.tbs.co.jp/heritage/
NHK「世界遺産の旅」ホームページ
http://www.nhk.or.jp/sekaiisan/
世界遺産資料館
http://homepage1.nifty.com/uraisan/
ナスカの地上絵http://www.t-latino.com/nazca/
「ナスカ 砂の王国」
楠田枝里子著