Transcript プレゼンテーション
日本におけるベンチャー企業の動向 学籍番号 98121836 伊藤 武晴 目次 • Ⅰ 序論 ベンチャー企業を取り巻く環境 • Ⅱ ベンチャー企業の特徴 • • • 戦略 組織 資金調達 • Ⅲ ベンチャー企業の形態 • ①独立(新規に起業された)ベンチャー *ケーススタディ ハイパーネット戦略、資金 • ②一般中小企業から脱却したベンチャー • ③CV(コーポレートベンチャー) *ケーススタディ 雪国まいたけの戦略 *ケーススタディ もしもしホットライン • Ⅳアメリカと比較する日本ベンチャーの問題点 • 社会的認識の相違 • 法律の相違 • Ⅴ まとめ Ⅰ 序論 ベンチャー企業とは • リスクを恐れず高い成長を目標とし、急成長する市場を見つ け出し、大企業が真似できない技術、経営ノウハウ、商品の 独創性などを持って市場に参入する中小企業企業 ベンチャー企業を取り巻く環境 • 支援、制度とも確立していない • 昨今様々な支援策が打ち出される • ハイリスク、ハイリターン Ⅰ ベンチャー企業の特徴 戦略と組織 戦略 • ニッチ市場、革新される市場 • 他企業に真似をされない技術、経営 ノウハウ • 高い利益率 組織 ・ トップダウン ・ 風通しのよい組織 Ⅰ ベンチャー企業の特徴 資金調達 • 主な調達方法 • 民間金融機関 • 銀行 • ベンチャーキャピタル • 政府系金融機関 • 中小企業金融公庫 98年以降貸し渋り 投資に消極的 支援策が多い Ⅱベンチャー企業の形態 ①独立ベンチャー企業 • ほとんど支援を受けず、新規に設立された ベンチャー企業 • • • • • 会社として信用がほとんどない 商品化、マーケティングに時間がかかる 経営者の資質が大きく問われる アメリカではこの形態が一般的 資金調達が難しい 株式会社ハイパーネット会社概要 • 代表取締役社長 板倉 雄一郎 • 設立 1991年6月 • 売上高 7億8500万円 • 経常利益 9億8400万円 1997年決算時 • 破産申請時負債 約37億円 参考 著書「社長失格」 ハイパーネット社の売上と経常利益の推移 (単位 百万円) ハイパーネット社の売上高と経常利益の推移 (百万円) 売上高 経常利益 1000 800 600 400 200 0 -200 -400 -600 -800 -1000 -1200 1992 1993 1994 1995 年 1996 1997 ハイパーネット社の事業内容 • ハイパーダイヤル 92年~ 電話回線を利用した多人数の会話、会議 伝言サービス • IMS(Interactive Marketing Service) 93年~ 懸賞やプレゼントの申込みを電話で行うシステム • ハイパーシステム 95年~ • プロバイダ事業 インターネットに広告を載せることに よって無料化 ハイパーネット社の資金の流れ • 設立時91年 • 個人投資家、経営者が出資 (1760万円) • IMS開始時 94年 • VC 日本合同ファイナンス(JAFCO)が出資 ハイパーネット社 売上高5400万円 • ハイパーシステム開始前 • 住友銀行(現三井住友銀行)をメインに融資20億円 リース10億円 ハイパーネット社 売上高1億6300万円 結論 なぜ失敗したのか • 多額の融資と98年からの銀行の貸し渋り • 市場が予想より拡大しなかった • NASDAQ公開を睨んだアメリカ進出の失敗 Ⅱベンチャー企業の形態 ②一般中小企業から脱却 • 既存の中小企業が現在の事業または新た な事業に新しい技術、ノウハウを持って参 入する • 既存の経営資源を生かせる • スタート時のリスクが比較的少ない 株式会社雪国まいたけ 会社概要 • • • • • • • 代表取締役社長 設立 売上高 経常利益 資本金 従業員数 株式 • 主な事業 大平 喜信 1983年7月21日 222億4700万円 7億2500万円 16億500万円 920名(パート、アルバイト528名) 東京証券取引所 市場第2部 まいたけの製造、販売(シェア7割) 2001年3月現在 参考 有価証券報告書 雪国まいたけ社の売上高と経常利益の推移 (単位 億円) 売上高 経常利益 雪国まいたけ売上高(億円 ) 250 雪国まいたけ経常利益 (億円) 25 200 20 150 15 100 10 50 5 0 0 1997 1998 1999 2000 2001 1997 1998 1999 2000 2001 雪国まいたけの戦略 • 設立当初 もやし事業の経営資源(技術、取引先)を 生かし当時高価だったまいたけを味、品 質の変わらない人工栽培されたまいたけ を研究、低価格で販売 • 大量生産によるコスト削減、農協を通さず 小売店で直販。 急成長期 • まいたけ市場に参入してくる他企業との 競争。新たな事業(エリンギ、健康食品) 現在 への参入 結論なぜ成功したのか • 経営資源を持っていたため製品化してから 市場に出回るスピードのが早かった。 • 過剰ともいえる大量生産下体制により急 速な勢いでシェアを広げた Ⅱベンチャー企業の形態 CV(コーポレートベンチャー) • 親会社(既存企業)またはその支援を受けて設立され た ベンチャー企業 特徴 • スタート時の資金、人材、取引先不足の問題がほとん どない • 大企業の論理が働く 親会社と同じような人事、組織の考え方 サラリーマン社長 株式会社もしもしホットライン 会社概要 • • • • • • • • 代表取締役社長 高木 尚二 設立 1987年6月23日 売上高 243億400万円 経常利益 33億200万円 資本金 9億9800万円 従業員数 436名(パート、アルバイト5207名) 株式 東京証券取引所 市場第2部 主要株主 中央三井信託銀行 197万5000株 ( 総発行株式の34.89%) 2001年3月現在 参考 有価証券報告書 もしもしホットライン社の売上高と経常利益の推移 (単位 億円) 売上高 経常利益 もしもしホットライン経常利益(億円) もしもしホットライン売上高(億円) 35 300 30 250 25 200 20 150 15 100 10 5 50 0 0 1997 1998 1999 2000 2001 1997 1998 1999 2000 2001 もしもしホットラインの事業内容 • 受信業務 • プレゼントや通信販売の窓口 • クレームや問い合わせの窓口(集計、分析されクライアント企業に報告される) • 送信業務 • クライアントからのデータベースによる顧客情報を下にクライアントのキャン ペーンなどをダイレクトメール、電話等の媒体で案内する。 • どちらもクライアントの企業名を借りて行うものなので実際に応対 するマーケッターの力量がこの事業の重要な鍵となっている。 • マーケッターの力量によって大きく信用が変わる事業である。 もしもしホットライン社の戦略 • ニッチ市場 アメリカでは40兆円をこえる巨大市場 急成長が予想される市場 • マーケッターの育成 • アルバイトに社員並みの教育、(役職) • 人事制度 • 完全実力主義 降格、昇給は取締役会で決定 もしもしホットライン社組織図 株主総会 取締役会 2001年現在 経営企画室 社 長 業務推進室 監査役会 出 所 も し も し ホ ッ ト ラ イ ン ホ ー ム ペ ー ジ 世論調査室 法務室 管理本部 経理室 人事室 札幌支店 総務室 仙台支店 情報システム室 みなとみらい支店 営業推進本部 企画推進室 名古屋支店 システム企画室 大阪支店 CRMソリューソン室 広島支店 教育研修室 福岡支店 クォリティコントロール室 採用室 マーケティングサイエンス 研究所 マーケティング第2本部 マーケティング第3本部 システム開発室 マーケティング第1本部 Eコマース事業室 もしもしホットライン社組織の特長 • 教育研修室 • 年間4000人近くのアルバイトのマーケッターを採用。 • ステップアップ研修 導入研修 OJT レベルアップ研修 • クォリティコントロール室 • 俗に言う品質管理室。テレマーケティング事業でいう品質とはマーケッターの 質である • 5000人以上のマーケッターの仕事ぶりを厳しい基準をもって調査 結論 成功の理由 • CVにとって成長の妨げとなる事が多かっ たあった組織、人事問題を親会社とある程 度距離を保つ事によって独自性を保つこと が出来た。 • 事業で最も重要と考えられるノウハウ (マーケッターの育成)をしっかり行った Ⅳアメリカと比較する日本のベンチャー 企業をとりまく問題点 • 社会的認識の違い • 経営、起業、リスク、雇用 • 法律の違い • 設立、株式 • 資金の違い • VC、投資家 日米相違のまとめ 設立時株式 資本金 倒産時の 社会的受容 主要取引先 融資、投資 株式公開 労働者 の条件 日本 1株5万円 1000万円以上 なし(ほとんどが個人 政府系金融機関 将来性+実績 難しい(証券市場の 固定的 (1982年以降 保証による自己破産) 銀行 条件、審査が厳しい) (終身雇用) 設立会社のみ) 再び起業する事は困難 VC 慎重 米国 規定無し 規定無し あり 個人投資家 将来性 すぐに起業,再就職 VC 積極的 する事ができる。失敗 政府系金融機関 経験は重要なキャリア 比較的容易 流動的 証券市場(NASDAQ等) の基準が緩い。 例え赤字であっても 上場可能 Ⅴ まとめ • ベンチャー経営者、投資家のリスクを抑えリター ンを増やす体制作り • 社会的認識(人材の流動化) • 投資、資金(個人投資家の育成、VCの積極的な支援) • 法律(株式額面、株式市場の公開基準の改正) 参考文献 • 社長失格 板倉雄一郎 日経BP社 • シリコンバレーアドベンチャー ジェリー、カプラン • ベンチャー企業の経営と支援 早稲田大学アントレプレヌール研究会 日経BP社 日本経済新聞社 • ディジタル・エコノミー2000 米国商務省 • 会社特殊会計 片岡泰彦 • 現代経営学入門 土屋 守章 東洋経済新報社 白桃書房 • 日本経済新聞、日経ビジネス • 有価証券報告書(雪国まいたけ、もしもしホットライン) 新世社