ポートフォリオ・アプローチ

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ポートフォリオ・アプローチ
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1
ポートフォリオ・アプローチの特徴
• 内外資産が不完全代替(←外国為替リスク)
• 分散投資(ポートフォリオ)によってリスクを軽減
可能。
• 経常収支黒字累積→外国資産流入→国際ポー
トフォリオ→為替相場
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外国為替リスクと内外資産の不完全代替
• リスク中立⇒内外資産が完全代替⇒カバーなし
金利平価式
⇒自国通貨建て収益率=外国通貨建て予想収益率
it  i  s
• リスク回避(外国為替リスク)⇒内外資産が不完
全代替
⇒自国通貨建て収益率<外国通貨建て予想収益率
*
e
it    it  st ,t 1 ; : risk premium
*
t
e
t ,t 1
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分散投資によるリスク軽減
• 収益率が異なる動きを示す複数の資産に分散
投資すると、ポートフォリオ全体のリスクが逓減
する。
• 最適な分散投資比率が存在する。
• 最適な分散投資比率が、①各資産の予想収益
率、②各資産のリスク(予想収益率の標準偏
差)、③資産間の相関係数に依存する。
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資産市場と経常収支
資産価格
為替相場
資産残高
実質富
実質為替相場
経常収支
外国資産の変化
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内外資産のポートフォリオ・バランス(供給面)
• ポートフォリオ・バランス供給
Bt
St Ft
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内外資産のポートフォリオ・バランス(需要面)
• ポートフォリオ・バランス需要
*
e
D(it  it  st ,t 1 ,  t )
ste,t 1  ste1  st
• ポートフォリオ・バランス需要式の特定化
D  exp  t   (it  i  s
*
t
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e
t ,t 1
)
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ポートフォリオ・バランス需給均衡式
• 需給均衡式
Bt
 D(it  it*  ste,t 1 ,  t )
St Ft
Bt
 exp  t   (it  it*  ste,t 1 )
St Ft
log Bt  log St  log Ft   t   (it  it*  ste,t 1 )
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ポートフォリオ・アプローチにおける金利決定式(1)
• 金利決定式
it  i  s
*
t
e
t ,t 1
1   Bt
 log 
   St Ft


  t 


• (参照)カバーなし金利平価式
it  it*  ste,t 1
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ポートフォリオ・アプローチにおける金利決定式(2)
• 国内資産に対するリスク・プレミアム
it  (i  s
*
t
e
t ,t 1
1   Bt
)  log 
   St Ft


  t 


• 外国資産に対するリスク・プレミアム
(i  s
*
t
e
t ,t 1
 Bt
1 
)  it   t  log 
 
 St Ft
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 

 
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内外資産のリスク・プレミアム
• 為替リスク
• 内外資産供給残高
↑
ポートフォリオ・バランス需要とポートフォリオ・バ
ランス供給の相違
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ポートフォリオ・アプローチにおける為替相場決定式
• 為替相場決定式
log Bt  log St  log Ft   t   it  it*  (log Ste1  log St )
bt  st  f t   t   it  it*  ( ste1  st )

1
st 
i  it  s  
 bt  ft   t 

1 
1 
*
t
e
t 1
• (参照)カバーなし金利平価
st  it*  it  ste1
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ポートフォリオ・アプローチにおける為替相場決定
要因
•
•
•
•
内外金利差
将来の予想為替相場
為替リスク
内外資産供給残高
↑
ポートフォリオ・バランス需要とポートフォリオ・
バランス供給の相違
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世界金融危機以前の米国の経常収支赤字
とドル相場
• 1990年後半の米国の経常収支赤字は、ドル
高を伴い、2002年以降の米国の経常収支赤
字は、ドル安を伴っている。
• 米国の経常収支赤字の原因:過剰投資
(1990年代後半)⇒財政赤字(2001年以降)⇒
過剰住宅投資(2004-2005年)
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1985:1
1983:1
1981:1
1979:1
1977:1
1975:1
1973:1
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2005:1
2003:1
2001:1
1999:1
1997:1
130
Exchange R ate (left)
C urrent A ccount (right)
110
-1
-2
100
-3
-4
90
-5
80
70
P ercent of G D P
120
1995:1
1993:1
1991:1
1989:1
1987:1
C Y2000=100
最近の米国の経常収支とドル
2
1
0
-6
-7
-8
15
1985:1
1983:1
1981:1
1979:1
1977:1
1975:1
1973:1
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2005:1
2003:1
2001:1
6
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1997:1
1995:1
1993:1
1991:1
1989:1
1987:1
P ercent of G D P
米国の貯蓄投資バランス
Figure 3: The US Saving-Investment Balance
8
P rivate
G overnm ent
4
2
0
-2
-4
-6
-8
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アメリカの経常収支赤字は持続可能か?
• 経常収支赤字だけをみると、経常収支赤字は持続不
可能。
• しかし、持続不可能な経常収支赤字をファイナンスす
るに十分なだけのアメリカへの資本流入があれば、国
際収支全体(経常収支赤字+資本収支黒字)は持続
可能。
• したがって、アメリカの経常収支赤字の持続不可能性
がいかにファイナンス(資本流入)されるが問題。
• アメリカへの資本流入が先細りとなったのは、2001年
(9.11同時多発テロ事件)にあったが、2007年夏以降
のサブプライム危機がアメリカへの資本流入を抑制し
ている。
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グローバル・インバランス
•
グローバル・インバランス(世界的な経常収支
不均衡)
(1) アメリカの経常収支赤字(←ITブームの中の
設備投資、財政赤字、住宅投資(その後、サ
ブプライム問題に発展))
(2) 日本、中国、東アジアの経常収支黒字(←過
剰貯蓄(Bernanke))
(3) 原油産油諸国の経常収支黒字(←原油高、ソ
ブリン・ウェルス・ファンド(SWF))
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各国の経常収支不均衡
(billions)
1200
1000
800
600
400
200
0
-200
-400
-600
-800
-1000
90
U.S
91
U.K
92
93
Japan
94
95
96
97
98
99
00
01
Newly industrialized Asian economies
02
03
China
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04
05
06
07
Resource-rich nation
08
09
(year)
Europe
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ポートフォリオ・アプローチの実証分析
• 予想為替相場変化率
s
e
t 1
  ( s  st )  (p
e
t 1
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 p )
*e
t 1
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ポートフォリオ・アプローチの実証分析(1)
• 両辺から内外金利差を差し引く
s
  ( s  st )  (p
s
 it  i   ( s  st )  (p
e
t 1
e
t 1
e
t 1
st  s 
 p )
*e
t 1
*
t
e
t 1
(i  p


1
t
e
t 1
 p )  it  i
*e
t 1
*
t
)  (i  p )
*
t
*e
t 1
1
 (it  i  s )

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*
t
e
t 1
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ポートフォリオ・アプローチの実証分析(2)
• 長期均衡為替相場
st  mt  m   ( yt  y )   (p
*
t
*
t
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e
t 1
 p )
*e
t 1
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ポートフォリオ・アプローチの実証分析(3)
• 為替相場決定式
1

1
*
*
st 
(mt  mt ) 
( yt  yt ) 
(it  it* )
1  
1  
 (1   )
  1
1
e
*e

(pt 1  pt 1 ) 
(bt  f t )
 (1   )
 (1   )
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ポートフォリオ・アプローチの実証分析(4)
• 回帰式
st  a0  a1 (mt  mt* )  a2 ( yt  yt* )  a3 (it  it* )
a4 (pt 1  p )  a5 (bt  ft )   t
*
t 1
• 係数の符号
a1  0, a2  0, a3  0, a4  0, a5  0
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