医療情報標準化とIHE - IHE-J

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Integrating the Healthcare Enterprise in Japan
医療情報標準化と
浜松医科大学 医療情報部
木村通男
CyberRad 2003
1
IHEとは、
・ITを用いて、医療を効率的に行
うために
・診療施設のIT化のシステム導
入(調達)を簡単にするために
・PACSだけではダメ、上流
(HIS,RIS)から電子化、標準化し
ないと
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標準化への新たなアプローチ
Integrating the Healthcare Enterprise
CyberRad 2003
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標準化とは?
• ビデオの規格
– U-matic, V-CORD, β, VHS, 8mm(アナログ,
VHS-C, DV, DVD-video (DVD-R, -RW, +R,
+RW, -RAM)
• ディジタル音楽:MIDI
• 医療には?.
CyberRad 2003
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標準化がないために
• 診療施設間で患者情報をスムースに受け
渡しできない
• レセコンや病院情報システムのデータは、
メーカが替わって移行できるか?
• なぜ病院情報システムのデータから術式
別データ集計ができない?.
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人間の目とコンピュータの目
• γ-GTP=120 gamma-GTP=120
– まず、共通コードが必要
• 日本臨床検査医学会コード:3B0900000023271
• 3B035000002327201,50,U,6,38,H
– 次に、どこがコード、値、単位、基準値?
• HL7形式
• OBX||NM|3B035000002327201^GOT^JC10||50|U|6
-38|H||N|F
• EXCELファイル、とか、XML、というだけでは不十
分(=A4版B罫、というのと同じ).
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標準規格があればシステム構
築は可能か?
• 標準規格(HL7、DICOM) があればマル
チベンダによるシステム実装は十分
か?
– HL7,DICOMは実装上様々な解釈が可能
→ 行き違いの発生(つながらない?)
 標準規格をマルチベンダ・システム実装にお
→ コスト発生
いて効率的に利用するには?
– 共通の業務モデル(シナリオ)の確立
– シナリオを実現する標準規格適用ガイドライン
CyberRad
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Integrating the
Healthcare Enterprise
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IHEスペックとDICOM, HL7の関
係
• DICOM
– 医用画像、いまや画像検査関連すべて
– 「DICOMは遅い、高い」->間違い
– JJ1017指針:日本での検査予約、実施情報
の伝送
• HL7
– 主としてオーダ、結果、基本IDなど
– v.3 Object Modelへ
• IHE: HIMSS+RSNA
– 上記両者を使い、両情報システムの連携.
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HL7とは?
• 医療情報交換の為のプロトコルである
• (v2.2) 入退転院、診療受付、各種オーダ、結果
参照、会計、マスターメンテ
• (v2.3) 多バイト文字扱い、QL、免疫(予防接種)
情報、薬剤副作用、臨床試験、予約、紹介、プロ
ブレムリスト
• DICOMと並んで、もっとも成功した医療情報交換
規格
• JAHISが日本支部事務局
• ISO規格へ.
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HL7メッセージ例(検査結果)
MSH|^~\&||Hama-LIS||Hama-HIS|19980217||ORU^R01
|mn256|T|2.3||||||ISO IR14~ISO IR87|JP|ISO2022-1994
PID||MIA05|PID001||浜松^太郎^^^^L^I~はままつ^たろう
^^^^L^P||19571118|M
OBR||0217001|123^Hama-LAB|^生化学肝セット^L||
19980217|19980217|||||||19970217|023
OBX||NM|3B035000002327201^GOT^JC9||50|U|6-38|H||N|F
OBX||NM|3B045000002327201^GPT^JC9||15|U|3-35|N||N|F
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結局、IHEスペックとは?
• 例:HISと検査サブシステムで、オーダを送信す
るトリガは?
– 方法1:HISが送りつける
– 方法2:LISが聞きに行く
– どちらもHL7で書ける->どちらで運用するか決
めなければならない
• 結局、IHEスペックとは、それぞれの運用目的
(患者情報整合化、オーダの集約、など)のため
の、運用、コードなどの取り決め.
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JJ1017画像検査項目コード
• 項目数約1000
JJ1017委員会・2003/2/21:報告資料
No
大部位 臓器系 小部位
部位名称
区分
Mo
大分類
小分類
1
55
1
100
頭部・脳
0
CT
単純CT
01
NOS
00
2
55
1
100
頭部・脳
0
CT
造影CT
02
NOS
00
3
55
1
100
頭部・脳
0
CT
造影CT
02
CTA
01
4
55
1
100
頭部・脳
0
MR
単純MR
01
NOS
00
5
55
1
100
頭部・脳
0
MR
造影MR
02
NOS
00
6
55
1
100
頭部・脳
0
MR
MRA
03
NOS
00
7
55
1
100
頭部・脳
0
MR
MRA
03
2D
01
8
55
1
100
頭部・脳
0
MR
MRA
03
3D
02
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JJ1017画像検査項目コード
• 標準画像検査マスターとして採用へ
検査項目名称
検査項目コード
頭部・脳.単純CT
CT0100001000000
頭部・脳.造影CT
CT0200001000000
頭部・脳.造影CT.CTA
CT0201001000000
頭部・脳.単純MR
MR0100001000000
頭部・脳.造影MR
MR0200001000000
頭部・脳.MRA
MR0300001000000
頭部・脳.MRA.2D
MR0301001000000
頭部・脳.MRA.3D
MR0302001000000
頭部・脳.単純検査
GX0100001000000
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電子カルテと
Integrating the Healthcare Enterprise
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よく聞かれる問題点
• 費用が高い
– 500+床で15~25億
• 診療に時間がかかる
– 所見を記述しにくい
– レスポンスが遅い
• データが出てこない
– 経営指標、臨床支援、教育
• そもそも将来メーカが替わっても、折角入
れたデータは大丈夫か?.
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福岡市医師会ネットワーク電子カルテ事業での患者
アンケート「電子カルテに何を期待するか?」
•
•
•
•
•
•
65%:どの病院でも同じ水準の医療が受けられる
56%:病気に対する説明がきちんと受けられる
56%:処方、検査などの重複抑制
55%:地域での医療の連携促進
40%:いろいろな施設でのチーム診療ネットワーク
32%:わざわざ遠くに行かなくても近くの病院を利用
できる
• 27%:1患者1カルテ
• 22%:医療費の削減
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FAQ
電子カルテ失敗の理由は?
• ペーパーレスはまだ技術的に、既設の大
病院では無理だった
• 電子カルテ、という言葉の定義があいまい
だった
– 病院側:当然物流も、、
– ベンダ側:契約書にない
• 各種用語、コードが標準化されてない間は、
役立つデータは出てこない
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FAQ:現状での落し所は?
• まずはデータ入手簡単なもの(検査結果、
処方、画像、各種レポート)から迅速な参
照を
– そのための改造(HL7出力など)
• 物流、業務改善は、どこまで徹底できるか
にかかる
• まずはオーダシステムの安全な移行を
– オーダシステムと参照系はあまり密でない方
が安全
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「日本医療情報学会の電子カ
ルテに関する見解」の要約
• ペーパーレスでなくても電子カルテ
• 但し
– 患者説明の向上
– 迅速に、十分古いデータも参照
• 物品管理、業務フロー改善、各種データ
(経営、研究、)は、必須ではない
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前にやるべきこと(1):
オーダエントリの充実
• オーダや結果もろくにまともなレスポンスで動か
せないのに、所見を入れようとするか?
• 結果照会もろくに昔のデータが出せないのに、そ
んなところに診療録を託せるか?
• そもそも、院外処方箋の疑義照会後の変更後調
剤情報の受け取りもできないのに、診療記録と
言えるのか?
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前にやるべきこと(2):
標準化
• 人が見てわかる情報伝達と、DB間情報交
換の違い
– 文法、コードが相互に理解可能でなければ、
DBには取り込めない
– 換言すれば、他院からの電子紹介状で患者
基本が起こせるか? 他院からの画像と読影
レポートが、今後の自院での読影用に、検索
参照可能か?
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前にやるべきこと(2):
標準化(続)
• 整備されているもの
– 文法:HL7, DICOM
– コード:薬剤(HOT)、臨床検査項目(JLAC-10)、画像
検査項目(JJ1017)
• 整備されつつあるもの
– コード:病名(MEDIS2.1)、医療材料(EAN-128)
– 運用:PKI(公開鍵方式)
• これからのもの
– コード:手術・処置名
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前にやるべきこと(3):
マルチベンダ化
• 画像の世界では、進んでいる
• しかし、なぜ、浜松医大ですら、内視鏡の
システムが病院情報システムから患者基
本、オーダ情報を得るために、両メーカの
SE,営業が揃わなければならないのか?
• お得な買い物、だけでなく、患者データの
安全保障でもある
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電子カルテの目的と
そのための要件
• A.患者情報DBが確立し、患
者説明、病診連携、臨床支
援(即座に、古いのも参照)
• B.ペーパーレスで搬送人、
場所要らず
• C.物品管理自動化
• D.疾患別、科別、個人別収
支のリアルタイム把握
• 1.多くのオーダが実施、標準
化された形式での結合
• 2.全オーダ実施、結果、所見
(Dr, Ns)が電子化
• 3.処置、物品なども実施入力
• 4.更に行為時すべてで行為
者実施入力、支出仕分け項目
の明確化
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病院用電子カルテ構築論
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適合部品を集めて作る
「静岡県版電子カルテ構築事
業」
Integrating the Healthcare Enterprise
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静岡県版電子カルテシステムの定義
•
医事とオーダの運用方法は、各病院毎に異なる
医事とオーダまでの共同利用型は、現状困難
•
ペーパーレスには、こだわらない
電子カルテ運用にペーパーレスである必要は全くない
•
迅速にデータの参照が可能、患者に説明が出来る事
過去データ(処方・検査結果・画像)・レポートも参照可能
•
画像(DICOM)・検査(HL7)は標準規格により、共同利用
を可能
レポートの部品化が可能(必須条件)
標準規格のインタフェースを持つ事を県が指導
•
物流システム(物流管理)の共通化
県からの指導で進められる部門系(必須条件)
標準規格のインタフェースを持つ事を県が指導
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静岡県版電子カルテシステム導入イメージ
現在
各
病
院
独
自
シ
ス
テ
ム
オ
ー
シダ
スエ
テン
ムト
リ
部
門
シ
ス
テ
ム
システム導入後
会医
計事
シ・
ス経
テ理
ム管
理
標準規格による電子カルテシステム
・画像システム
・検査結果システム
・処方システム
・所見
etc
部
門
シ
ス
テ
ム
オ
ー
シダ
スエ
テン
ムト
リ
会医
計事
シ・
ス経
テ理
ム管
理
検
査
結
果
画
像
所
処
方
各病院独自シス
テムに、標準的
出力機能を追加
して利用
HL7、DICOM等
の標準インタ
フェースによる既
存システムとの連
携
見
◆ 既存システム(医事及びオーダエントリシステム)を引き続き利用するため、運用を変更する必要がない。
◆ 部品として静岡県版電子カルテシステムを順次導入する事により、段階的な投資が可能となる。
◆ 大幅なコスト削減が図れ
る
いては、既に安価な部品が存在
発・共同利用
・画像や検査結果につ
・所見などは共同開
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◆ 標準規格による電子カルテシステムを利用することで、他医療機関との連携がスムーズになる。
3
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電子カルテシステムのコストダウン実現
電子カルテシステムを部品として導入し、共同開発・共同利用することで、大幅なコストダウンを図ることができる
A病院
C病院
B病院
医事システム
検査システム
医事システム
検査システム
医事システム
検査システム
薬剤システム
リハビリシステム
薬剤システム
手術システム
薬剤システム
リハビリシステム
放射線システム
給食システム
放射線システム
給食システム
放射線システム
経営システム
●画像
▲検査
+処方
+画像
■検査
★所見
■病理
◆看護
◎所見
▲病理
A社電子カルテシステム
十数億円・・・
●処方
■画像
◆処方
▲所見
B社電子カルテシステム
C社電子カルテシステム
十数億円・・・
十数億円・・・
A病院
★検査
C病院
B病院
医事システム
検査システム
医事システム
検査システム
医事システム
検査システム
薬剤システム
リハビリシステム
薬剤システム
手術リシステム
薬剤システム
リハビリシステム
放射線システム
給食システム
放射線システム
給食システム
放射線システム
経営システム
●画像
★検査
+処方
●画像
★検査
▲所見
■病理
◆看護
▲所見
■病理
+処方
●画像
★検査
▲所見
+処方
3D画像
静岡県版電子カルテシステム
共同開発費用(1/10) + 導入費用 + 予算に応じた部門システム
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静岡県版電子カルテシステム開発スケジュール
物流システム
電子カルテ(レポート・所見)
●医療情報のみならず、病
院内における物流システム
の充実化
●診療部門(外来や病棟)において発生
する患者の主訴、症状、治療計画等
の情報を電子化
●病院内全体で情報の共有化
レベル1
部門間をまたがる電子化
レベル4
レベル3
レベル2
複数の医療機関をまたがる
患者情報を扱う
ほとんどの医療機関内
患者情報を扱う
物流システム連動
治験・病病・病診連携
処方・検査結果・画像・患者基本
・紹介状
●患者情報を複数医療機関で相
互に利用できる形態で電子化
●複数の医療機関における情報
の共有化
●病院内全体の情報共有に備える
●検査部門・放射線部門等、病院内
の複数部門で伝達される患者情報
を電子化
●複数部門間における情報の共有化
●標準化された情報によって、
CD-Rに紹介状とともに添付
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診療所における静岡県版電子カルテシステム
各種レセコンへの機能追加
静岡県版電子カルテシステムプロジェクト(仮称)が、
診療所システムを、更なる病診連携の道へ
•
•
•
•
検査結果(HL7形式)の取り込み
処方歴・検査結果の時系列表示
所見入力機能
紹介状に反映、患者用に出力
FD
検査会社
病院
診療所
検査結果登録の効率化
紹介状の充実
患者への情報提供
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各ベンダへの
部品情報提供要請
• 部品として組み込み可能(標準化)されて
いれば
– オーダシステムから画像ブラウザまで
– CTからPDAまで
• 報告書に収載
– 調達の基礎資料
• 冊子体として出版
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画像ブラウザでの例
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Integrating the Healthcare Enterprise in Japan
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の発足 (2001 7)
• 学会、行政、工業会など各団体の連携
• ユーザ側、ベンダ側からなるオープンな組織
医療情報システム開発センタ
後援:経済産業省(事業予算)、厚生労働省
医学放射線学会(JRS)
放射線技術学会(JSRT)
医療情報学会(JAMI)
IHEの趣旨に沿って、我国の臨床
現場で適用可能な医療情報の利用
のあり方を検討し、ユーザやベン
ダーに具体的な情報システム設計ガ
イドラインとして示す。
画像医療システム工業会(JIRA)
事務局
保健福祉医療情報システム工業会
(JAHIS)
と
-J
の違い
• 日本の画像検査部門のワークフロー
– 救急患者の処置(患者情報の一貫性)
– JJ1017の検査情報の構造
– モダリティワークリストは、プルかプッ
シュか
• LIS(臨床検査システム)ワークフ
ローの提案
– 通常検査のワークフロー開発
• アクタとトランズアクション
etc.....
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デモンストレーションなど
への今後の取り組み
2001年 7月 IHE-J 発足 放射線画像検査部門から
2002年 4月 JRC
2003年
6月
7月
11月
12月
ー患者中心の医療サービスの提供を目指してー
IHE international meeting (Paris)
モダンホスピタルショウ2002
JAMI (医療情報学連合大会)
IHE international meeting (Chicago)
IHE AO meeting
4月 JRC2003
7月 モダンホスピタルショウ2003
2004年 Security対応(個人情報保護法、HIPAA)
循環器部門、臨床検査部門、医事会計へ順次拡大
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JRC2003
統合プロファイル
1. 通常運用(日常検査)のワークフロー SWF
2. 患者情報の整合性確保(予定外の運用) PIR
3. チャージポスティング CHG
4. ポストプロセッシングワークフロー PWF
5. 画像表示の一貫性確保 CPI
6. 放射線部門情報の利用 ARI
7. グループ化されたプロシージャの表現 PGP
8. キー画像ノート KIN
9. 画像および数値を含むレポート SINR
10. 基本セキュリティ SEC
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2002年医療情報学連合大会
におけるIHE-Jデモ
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2003年放射線医学コンベンション
におけるIHE-J デモ in English
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End of presentation
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