Transcript SoC
集積回路
10.システムLSIとVLSIの今後
松澤 昭
2004年 9月
2004年 9月
新大VLSI工学
1
集積回路
1. VLSIとは?
2.VLSIの設計から製造まで
3. MOSトランジスタとCMOS論理回路
4.メモリー回路
5. アナログCMOS回路
6. 回路・レイアウト設計
7. 論理設計とテスト
8. アナログ・デジタル混載集積回路
9. スケーリング則と低消費電力化設計
10.システムLSIとVLSIの今後
2004年 9月
新大VLSI工学
2
現代のエレクトロニクスとVLSI
2004年 9月
新大VLSI工学
3
デジタル情報家電の時代
デジカメ、カメラ付携帯電話、DVDレコーダー、デジタルTV、フラットディスプレーなどの
デジタル情報家電機器が大成長。これらの機器には1~2個のシステムLSI (SoC)が使
用されている。
2004年 9月
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4
デジタル情報家電機器の急伸
デジタル情報家電機器が急伸し、従来のアナログ機器を完全に置き換えた
2004年 9月
新大VLSI工学
5
製品毎のマーケットサイズ
電子機器の最大の市場(台数)はPCではなく、携帯電話。
デジタル家電が急追。テレビもフラット化、デジタル化で市場創出。
M units
M units
Cell Phone (5%/year)
Printer (10%/year)
DVD (20%/year)
DSC (21%/year)
HDD (10%/year)
Desk Top PC (9%/year)
Game (?)
Note PC (11%/year) Navigation (22%/year)
DVC (12%/year)
PDA (8%/year)
Color TV
Server (18%/year)
Source: 2003 Japan Semiconductor almanac
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6
デジタル情報家電と半導体
携帯電話を入れるとデジタル情報家電の生産金額はPCの国内生産を上回った。
このため、SoC, Flashメモリ, CCDなどの半導体売り上げは米国を抜いた。
日経エレクトロニクス 2003.10.27号 pp.129-130
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デジタルHDTV用SoC
デジタルHDTVにおいてもメディアプロセッサー+マイクロプロセッサーによる
ワンチップSoCを用いて超高速画像処理が実現できる。
Front End
HDD
Flash
SDRAM
Tuner
Tuner
RDRAM
D-VHS
IEEE1394
DVC
HDD
0.13um CMOS, 6Cu
35M Trs.
CLK: 400MHz
2004年 9月
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8
DVD Recorderにみる部品削減効果
・VLSIの進展により従来3チップ必要だったものが1チップに集積可能になった。
・このためケース内部のボードは驚くほど簡単になっている。
・これが性能向上とコストダウンに寄与している。
2000年モデル
2003年モデル
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デジタル情報家電用機器のコスト構成
機器のデジタル化によりコスト構成はPCと殆ど同じになった。
半導体投入比率は倍増している。機器=半導体の時代になった。
Cost occupation (%)
Analog base
Digital base
100
80
60
40
30%
5%
15%
10% Labor cost
5%
10% Softoware & patent
40%
30% Components
40%
PC
5%
10%
30%
PCと殆ど変わらなくなった
55%
40%
20
50%
Semiconductor
25%
0
WideTV
2004年 9月
Internet TV
Digital TV
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PC
10
セットと半導体の役割分担
半導体側がシステムに入り込んで開発するようになった。
システムLSI時代
従来
セット部門
半導体部門
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商品企画
商品企画
システム
設 計
システム
設 計
回 路
設 計
回 路
設 計
レイアウト
設 計
レイアウト
設 計
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11
新たな半導体ビジネスの構図
従来の半導体技術オリエンティドなメーカーだけではなくアプリケーションオリエ
ンティドなSoCを主体とするメーカーが出現する。
Conventional semiconductor makers (semiconductor technology base )
System, Application
CPU
Maker
2004年 9月
DRAM ASIC
Maker Maker
Analog
Maker
PC
CPU
DRAM
Logic
(ASIC)
Network
Analog
DVD
CPU
DRAM
Logic
(ASIC)
Network
Analog
DTV
CPU
DRAM
Logic
(ASIC)
Network
Analog
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Not appeared yet
Future semiconductor
makers
(Application base)
12
主力半導体メーカー
・世界の半導体生産は約19兆円
・インテルはダントツのトップ約3兆円(2位の3倍)
・日本メーカーはトップテンに3社
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日本メーカーの売り上げ
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システムLSIの必要要件
• システムに必要な全ての機能の集積
– デジタル+メモリー+アナログ/ネットワーク
– ソフトウエアの完備
– モデュール化技術
• 高性能、短TAT、低コスト、安定供給
– システムノウハウの集積
– 全体最適化(設計からデバイスまで)
– 統合設計環境(性能と開発期間)
– SiPなどを含む最適な集積技術
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15
デジタル情報家電用SoCの分類
デジタル情報家電用SoCは3分野に分類できる。
・超高速メディアプロセッサー系
・ローパワー処理系
・アナ・デジ混載系
超高速メディアプロセッサー系
・デジタルTV
・超高速動作
ローパワー処理系
アナ・デジ混載系
・携帯機器
・低リーク/低電力
2004年 9月
・DVD, デジカメ
・アナログ混載
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16
超高速メディアプロセッサー型SoC
メディアプロセッサー+マイクロプロセッサーによるSoCを用いてデジタルHDTV
などの超高速画像処理ができる。
Front End
HDD
Flash
SDRAM
Tuner
Tuner
RDRAM
D-VHS
IEEE1394
DVC
HDD
AFE
IC
Card
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0.13um CMOS, 6Cu
35M Trs.
CLK: 400MHz
17
0.01
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Real time
3D Graphics
Video
3D Graphics
1
HDTV Encoder
Audio
MPEG-1
Encoder
MPEG-2
Decoder
MPEG-2
Encoder
HDTV Decoder
MPEG-1
Decoder
TV-Conference
10,000
Sound
Voice
Recognition
FAX/Modem
Performance (GOPS)
メディアプロセッサーの処理能力
メディアプロセッサーは汎用プロセッサーの1桁以上上の処理能力が求められる。
Virtual
Reality
1000
100
10
Pentium III
0. 1
18
応用システムに特化したアーキテクチャ
Architecture optimization based on system analysis is a key.
Dedicated parallel bus
FLASH
SDRAM
Ext. bus
Cont.
SDRAM
Cont.
Cash optimization
Short period interruption
SoC for digital TV
SRAM
8KB
I-Cache
Instruction
4way,8KB
buss
Crossbar
Data bus
D-Cache
switch
MCU
(AM33)
121MHz
4way,4KB
DMA cont.
I/O bus
Stream bus
Front
End
Transport
Decoder
STB peripheral I/O
Video
AV Decoder
(Media PU)
Audio
SDRAM
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専用バス構造
Occupation of external bus (%)
Occupation of external bus (%)
通常のPC処理に比べてAV処理ではバスの占有率が高く、処理速度が上がらない。
そこで、クロスバースイッチから構成される専用バス構成にしている。
これにより処理速度は70%程度向上した。
100
EPG process( non AV replay)
Data
Instruction
50
MCU
Inst. access
Crossbar
switch
MCU
Data access
MCU
I/O access
0
100
5
10
15
20
25
at AV replay
DMA
transport dec.
Bus-master
50
0
DMA
controller
5
10
15
20
Main Memory External
Device
(SDRAM)
MCP
Transport Periphera
ls
Decoder
25
Time (msec)
2004年 9月
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20
ローパワー処理用SoC
携帯型デジタル情報家電機器には超低電力・低リークのSoCが求められる。
MPEG4 Codec
0.18um e-DRAM
31M Tr
90 mW@54MHz
MPEG4 Decoder
1.5 GOPS: Simple@L1
12 GOPS: Simple@L3
6 GOPS: Core@L1
15fps (Core@L1 decode)
30 fps (Simple@L3 decode)
2004年 9月
0.18um CMOS
11M Tr
11 mW@27/54MHz
15fps (Core@L1 decode)
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21
低電力化技術
低電力化のためには素子の微細化・低電圧化の他にクロックあたりの処理能力を
上げるために並列処理技術、専用ハードウエア処理回路・クロックゲートなどのシ
ステム・アーキテクチャ・回路技術が総動員される。
1.5 GOPS: Simple@L1
12 GOPS: Simple@L3
6 GOPS: Core@L1
ブロック図
VCE (Video Codec Engines)
ME
LM
VLC DCT
LM IDCT
VLD PNR
LM
PAD
LM
ハードウエア処理の効果
CAD COMP
LM
CAD
Programmable DSP
DSP Core
Inst. Mem
Data Mem
PAD
HIF
(Host I/F)
COMP
6.8%
63%
Kcycles
0
5
40
WITH the EnginesWITHOUT the Engines
DRAM
(16Mb)
24%
0
2004年 9月
6.1%
26.5%
Core@L1
Decoding
Video Input
Software
Texture
Decoding
MIF (Memory I/F)
DRAM Main Sub Graph. DRAM
(2Mb)
(2Mb)
Filter
HW
Engine
Mcycles
100
200
Video Output
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22
LSI構成と消費電力
LSIの構成の違いにより同一の処理能力でも消費電力は3桁違う。
汎用プロセッサーが最も電力を消費する。
DSP
MPU
Clock (MHz)
Dedicated LSI
450
50
25
2
16
96
0.9
0.8
2.4
Pd (mW)
7000
110
12
Pd (mW)/GOPS
7800
138
5
Parallelism
GOPS
3 order’s difference
Courtesy,
Prof. Brodersen,
UCB
2004年 9月
新大VLSI工学
23
MPU/MCUにおける処理能力と消費電力
同じ処理能力でも情報家電系のプロセッサーは汎用プロセッサー
に比べ1桁程度消費電力が小さい
Trend of Performance/Power on 32-bit MPU/MCU
1000
PPC750/400
700
Embedded
Alpha/600
UltraSPARCII/300
Pentium II/450
Celeron/400
Mobile Pentium II/300
AM34
/500
500
Performance (MIPS)
PPC750/266
MMX Pentium/233
300
200
0
10
AM33
S/W
/200
EWS/PC
AM33
/150
100
70
AM32
AM31
Core /80
/66
50
30
IP
1M
10
S/W
AM30 /33
W
S/
IP
0M
10
20
2004年 9月
IP
0M
0.07 0.1
0.2
W
S/
IP
M
10
0.3
0.5 0.7
Game Oriented
MobileOriented
1
2
3
5
Power Consumption (W)
新大VLSI工学
7
10
Controller Oriented
PC/EWS Oriented
20
30
50
24
デジタル情報家電用SoCの開発方向
分野共通のメディア処理の台頭、開発コスト・TATの短縮などの理由から、
SoC品種は統一される方向に向かう。汎用CPUに近い技術が要求される。
・分野毎SoC
・統一メディアプロセッサー
・ソフトウエア処理化の促進(様々な用途に対応)
・ダウンローダブル(出荷後の仕様変更可能)
・動的再構成回路の使用(様々な用途に対応)
・SiPにより多様なメモリーサイズと高速化に対応
・分野毎・製品毎のSoC
デジカメ用
デジカメ用
SoC
デジカメ用
SoC
デジカメ用
SoC
SoC
DTV用
DTV用
SoC
DTV用
SoC
SoC
DTV用
SoC
DVD用
DVD用
SoC
DVD用
SoC
DVD用
SoC
SoC
携帯電話用
携帯電話用
SoC
携帯電話用
SoC
携帯電話用
SoC
SoC
2004年 9月
今後の方向
デジカメ用
SoC
SoCの構成
アナログ
DTV用
SoC
統一
動的再構成
メディア
回路
プロセッサー
DVD用
SoC
携帯電話用
SoC
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メモリー(SiP)
25
開発期間の短縮
デジタル情報家電機器の開発サイクルは短い。
→短期間で確実な開発が求められる。
12 Mon
12 Mon
12 Mon
Sales (A.U)
Combo
8x
DVD ROM
16x
DVD
ROM
12x
DVD ROM
First
DVD ROM
‘97
Combo
2nd G
2.6G
RAM
6x DVD ROM
2004年 9月
6 Mon 6 Mon 3 Mon
4.7G
RAM
2.6G
RAM
Time
‘00
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26
SoC開発における様々な技術分野の力の結集
デジタル情報家電機器向けSoCの開発はシステムから工場までの最適化が必要である。
Mixed signal
Clocking
Power routing
Cell height
HP Analog
HP I/O
SoC Design
Cell Lib.
Reliability
High Idd
Low Ioff
Low-k
Cu
STI
Analog
Device
Mixed signal
Large system’s verification
System
技術ロードマップ
の作成
Test
Process
High yield
Quick ramp-up
Analog control
EDA
Fab
Package
EMI sim
Cross-talk sim
Mixed signal sim
Iddq test
Wafer burn-in
Mixed signal
POE
Low inductance
Future demands, issues, and solutions
2004年 9月
新大VLSI工学
27
SoCの開発プラットホーム
SoCはシステム・ソフトウエアから回路・デバイスまでの開発プラットホームが必要
SoC
Software
Platform
SoCs
for Digital TVs
SoCs
for DVDs
SoCs
for DSC
For Digital TVs For DVDs
For DSCs
SoCs
for Mobil
For Mibile
Development
System
AM
MCU
SD I/F
IP
Functional
IP cores
IEEE
1394
USB
Mixed
Signal
Semiconductor
Technologies
Device
Process
2004年 9月
MPE
G-4
MPE
G-2
Media
Processor
IEEE
802.1
1
ARM
Bluetooth
OFDM
e-Flash
e-DRAM
Functional
Low power
High speed
Devices
Technology
High freq.
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28
デジタルTV用システムデザインキット
ソフトウェア開発支援環境を含むトータルソリューションを半導体から提供
リファレンス ボード
外部拡張サブ
カード
(IEEE1394
LSI)
外部拡張サブカード
(V.34 modem
etc.)
CS/BS用
チューナカード
地上波用
チューナーカード
CATV用
チューナーカード
Flashメモリ slot
最大 8MB
展開サブボード
SDRAM
2MB
(AVデコード)
シリアル x 3
STB
システム
LSI
ASIC
IC カード
外部拡張コネクタ
周辺
SDRAM
8MB
(CPU&TDDS)
サポートツール I/F
(ソフト開発用)
フロントパネル
IR入力・Key入力
・7-Seg LED 4 桁
・DIP-SW 16個
EPG
・Flash/SRAM メモリ slot 最大 32MB
・ROM デバッガ I/F
・JTAG デバッガ I/F
・Trace ユニット I/F
リファレンスファームウェア
チューナー
(地上波)
D/D
チューナー
(CATV)
D/D
MPEG (HD版)
Lib
簡易アプリケーション(デモソフトウェア)
XML/HTML
アプリケーションのカスタマイズ化
展開ファームウェア
HD-MCP
サブカード
選局
Lib
MPEG (SD版)
Lib
Graphic (SD版)
Lib
Graphic (HD版)
Lib
PiE-カーネル
チューナー
(CS/BS)
D/D
リモコン
D/D
VLSI工学
Audio
D/D
TDDS
D/D
Video
(SD版)
D/D
Video
(HD版)
D/D
今後のデジタル情報家電
殆どの機能は携帯電話に集積されていく
データ端末
電話・ファクシミリ
PDA=携帯電話
電卓・電子手帳
ワードプロセッサー
パーソナルコンピューター
ワークステーション
映像機器
音声機器
システム機能実装のすべて(畑田賢造 / 工業調査会,98)より
2004年 9月
新大VLSI工学
30
携帯電話システム
現代の携帯電話は画像処理回路やデジカメ機能まで集積している。
2004年 9月
新大VLSI工学
31
今後の集積技術の方向性
不揮発性メモリーの大容量化への爆発的増加(1年で2倍)
微細化(3年で2倍)では追いつかない
→ 平面集積から立体集積への進展が必要
従来: 平面集積
集積度:
2004年 9月
今後: 立体集積
素子数
集積度:
面積
素子数
体積
新大VLSI工学
32
3次元集積技術
機能集積の加速はムーアの法則をしのぐ。3次元集積が必要である。
Chip On Chip 技術を用いた
CPU・メモリー間の高速・大容量接続
メモリーの積層集積
携帯電話では限られた面積に大量のメモ
リーを集積する必要がある。
また不揮発メモリーだけでなくSRAM,
DRAMなど各種メモリーの組み合わさった
システムになるため混載では難しい。
高密度化・多層化は加速されるものと思わ
れる。
30um 径、60umピッチのCoC
接続点の電気特性は1mmの配線長と同等
160Gb/s @123MHz
T. Ezaki, et al., ISSCC 2004, pp.140
2004年 9月
新大VLSI工学
33
各種3次元集積技術
資料提供: ASET盆子原氏
2004年 9月
新大VLSI工学
34
デバイス・プロセス技術
• 微細MOSトランジスタの開発
– リーク電流課題
– 新たなトランジスタ構造
– 様々な微細化限界
• VLSIの新たな発展
–
–
–
–
2004年 9月
RF-TAGチップ
有機VLSI
DNA検査チップ
視覚障害者用ビジョンチップ
新大VLSI工学
35
消費電力の危機
プロセッサーの消費電力は100Wに達し、限界に直面している。
しかもリーク電流が急速な伸びを示している。
2004年 9月
Gordon E. Moore, ISSCC 2003.
新大VLSI工学
36
超微細MOSトランジスタ
ゲート長 6nmのMOSトランジスタも試作されているが、、、、
2004年 9月
新大VLSI工学
37
様々な限界
集積回路技術はすでに様々な限界に直面している。
10 2
Size (mm), Voltage(V)
10 1
1.2 ~1.5V Analog limit
10 0
0.6V Error Rate limit (Digital)
10 -1
Electric energy vs. Thermal energy
10 -2
10 nm Wave length of electron
3 nm Direct-tunneling limit in SiO2
10 -3
0.3 nmDistance between Si atoms
10 -4
10 -5
1970
2004年 9月
1990
2010
2030
2050 Year
新大VLSI工学
38
超高速動作の課題
・ 配線遅延時間が短縮される目処は殆どなさそうである。
・ リピーターの面積・消費電力が急増し、許容限界を超える。
・ メモリー間のデータ転送時間が70%程度となりCPU単体の速度向上効果が少ない
→ 今後クロック周波数増加による高速化は飽和する
並列化やメモリーインターフェースの見直しで処理能力向上の方向へ
ITRS 2001 Edition, pp. 261.
2004年 9月
新大VLSI工学
日経マイクロデバイス: 2003年8月号, pp.26
39
シリコンに貫通穴を開けて接続する
Conv. SiP
TCV
ワイヤボンディング+基板上の配線
貫通電極+バンプ
数mm~数10mm
(写真では約10mm)
100 µm以下
(写真では60 µm )
配線のインダクタンス
10 nH
19 pH
配線のキャパシタンス
8 pF
0.1 pF
最小パッケージサイズ
チップサイズ+5 mm以上
チップサイズ
490 µm
240 µm
外観
接続方法
チップ間配線長さ
厚さ(4チップ)
2004年 9月
新大VLSI工学
40
ISSCC論文数推移
・VLSI開発に関する世界最大の学会 ISSCCでの発表件数
・米国の大学は日本企業並みの発表件数。日本の大学はまだ少ない。
90
80
論 70
文 60
数 50
40
30
20
10
0
2004年 9月
米国企業
日本企業
米国大学
78
80
82
日本・大学
84
86
88
90
新大VLSI工学
92
94
96
98
00 02 04
年
41
VLSI研究・開発における産学連携
VLSI開発の産学連携は国家、企業ともに力を入れている。
2. VDEC
1. STARC
電機メーカー10社の大学でのVLSI研究への支援組織
VLSIに関する研究テーマに数1000万円単位の補助を
行っている。
出資会社
ク
ラ
イ
ア
ン
ト
10社
出資・運営支援
研究計画
研究委託
研究成果
現状:12社
新規募集予定
2004年 9月
研究提案
半導体理工学
研究センター
STARC
第三者
大学でのVLSI研究に関する文科省の支援プログラム
VLSIの設計・試作・評価が格安の費用でできるように
なっている。
東大が本部、東工大は拠点校。
大学
共同研究 A
B
研究成果 C
・
成果有償開示
新大VLSI工学
42
ユビキタスネット:RF-TAG
微細化一辺倒ではなく、VLSI技術を用いて新たな機能や新たな市場を作り出そう
という試みが始まった。
このような「ゴマ粒チップ」が全ての物に入りネットワークを形成しようとしている
0.4mm角, 厚さ0.1mmの小さなチップでは
あるが、2.4GHzの電波を用いてデータ通
信が可能。動作電力も電波を整流して作り
出す。お札に入れることも可能。
RF-TAGチップ
リーダー・ライター
RF・アナログ
回路
アンテナ
アンテナ
RF
整流
電源回路
データ
MCU
クロック
メモリ
日経エレクトロニクス
2002. 2. 25, pp. 132
2004年 9月
新大VLSI工学
43
VLSIの新たな発展
柔らかい有機トランジスタを用いたVLSI, DNA検査チップ、生体埋めこみの視覚障害者
用のビジョンチップなど、VLSIの新たな発展が模索され始めている。
日経マイクロデバイス 2004年1月号
2004年 9月
新大VLSI工学
44