少年犯罪の増加を止められるか ~原因と対応策に関する要因分析~

Download Report

Transcript 少年犯罪の増加を止められるか ~原因と対応策に関する要因分析~

少年犯罪の要因分析
~抑止に向けて原因と対策を探る~
大阪大学経済学部
山内直人研究室
豊増 智美
浅井 聡子
馬場 仁美
宮内 麻央
発表の構成
①少年犯罪の動向
②法、処罰の抑止効果の分析
③少年犯罪の要因分析
④政策提言
少年・成人刑法犯検挙人口比
20.0
18.0
16.0
14.0
12.0
10.0
8.0
6.0
4.0
2.0
0.0
第1
の
ピー
ク
第2
の
ピー
ク
第4
の
ピー
ク
第3
の
ピー
ク
少年人口比
成人人口比
1946 1952 1958 1964 1970 1976 1982 1988 1994 2000
少年犯罪の現状
現在・・・
第4のピーク
約20万人の少年検挙人員
少年人口の減少
成人による犯罪の減少
警察による検挙率の低下
実数値で見るより
はるかに深刻
少年法改正
2000年少年法改正
①少年事件の処分等の在り方の見直し
適用年齢を14歳に引き下げ
②少年審判の事実認定手続の適正化
③被害者への配慮の充実
Beckerの犯罪の経済学理論
(1968)
「個人は、犯罪行為における費用と便益に
応じて効用を最大にする合理的選択をお
こなう」
EU=pU(Y-f)+(1-p)U(Y)
p:捕まり罰せられる確率
U:効用
EU:期待効用
f:罰の重さ
Y:捕まらなかった場合の収益
法・処罰の抑止効果の実証分析
アメリカ州別クロスセクションデータを用いた回帰分析
少年犯罪発生率=F(処罰の厳しさ、少年法対象年齢、他の変
数)
処罰の厳しさ
少年院収容人数/少年凶悪犯検挙人員
少年法対象年齢
少年法 対象年齢
影響しない
処罰の厳しさ
死刑年齢適用最少年齢
少年犯罪
発生率
少年犯罪の要因分析
犯罪発生率
=F(罰則、労働、教育、家庭、生活環境)
犯罪発生率≒刑法犯少年検挙人員/14歳~19歳人口
罰則:警察官数、検挙率
労働:失業率、求人倍率
教育:教育費
家庭:核家族世帯割合、離婚率、平均世帯人員
生活環境:生活水準、都市化
分析結果①
警察官数・検挙率は正に影響。
警察官数↑、検挙率↑⇒検挙人員↑
労働市場の逼迫
家族と接する機会の
低下
犯罪発生率
分析結果②
教育に対する姿勢の
強さ
殺人
強盗・窃盗
生活環境
傷害
政策提言
1.適正な処罰の実施
2.警察活動の効率化
3.学校教育環境の整備
4.生活環境の整備
適正な処罰の実施
安易な少年法適用年齢引き下げ
犯罪を犯した少年全員に対する
十分な処罰の実施
警察活動の効率化①
政策評価の継続
取り締まり強化
・警察官数の増加
・空き交番の減少
・街頭補導活動の強化
学校での犯罪防止講話の活発化
警察活動の効率化②
少年を取り巻く環境の改善
非行少年や潜在的非行少年に対す
る
継続的な街頭補導活動・支援活動
Eメールによるお悩み相談コーナーの
設置
学校教育環境の整備
地方財政に占める学校教育費の増加
生徒一人当たり教員数の増加
道徳教育の充実
親子での犯罪防止講話の実施
生活環境の整備
2003年11月28日 厚生労働省
生活保護費の削減を提案。
児童福祉費の増加
放課後児童対策の強化
延長保育促進事業の活発化
→子どもの環境整備・労働環境の整備
御清聴ありがとうございました。