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メーカーの脅威となりつつある トップバリュの躍進 日本大学 D班 佐々木 博也 浅野 貴文 横井 大樹 目次 1、はじめに 2、NBとPBの違い 3、トップバリュについて ①会社概要 ②トップバリュとは ③トップバリュ売上高推移 4、PBについて ①どうして安い? ②PB商品のメリット・デメリット 5、トップバリュの取り組み ①PB≠低品質 ②トレードオフによる低価格 6、小売りとメーカーの関係 メーカーがPB製造を受諾するワケ 7、展望 8、参考文献 1、はじめに プライベートブランド 購入経験 プライベートブランドの 購入頻度の増減 (一年前との比較) 購入経験なし かなり減った 13.80% 0.20% やや減った 3.30% かなり増えた 34.40% 購入経験あり 86.20% やや増えた 59.30% 2008年12月15日(月)~12月16日(火) ヤフーバリューインサイト株式会社 2、NBとPBの違い ナショナルブランド(NB) メーカーが開発し、卸を通して全国の小売店で販売される商品 強み ・消費者の信頼 ・マーケティング力、ブランド力 プライベートブランド(PB) 小売りが商品を企画し、メーカーや工場に製造を委託した商品 強み ・ナショナルブランドより10~50%安い ・計画的に生産することができる 3、トップバリュについて ①会社概要 社名 イオン株式会社 設立 1926年(大正15年)9月 本社 〒261-8515 千葉県千葉市美浜区中瀬1-5-1 資本金 1,990億54百万円 連結売上高 約5兆2,300億円(2009年2月期) 連結従業員数 73,653人(2008年8月20日現在) 取締役 代表執行役社長 岡田元也 3、トップバリュについて ②トップバリュとは 1994年に誕生した衣食住ブランド ・水不足 ・平成米騒動 ・円レートが戦後初めて100円を突破 ・ キャッチフレーズ:「確かな品質、この安さ」 ・ パッケージの販売者欄に「イオン(株)」とのみ表記 →商品に関する意見・感想が全てダイレクトに届く。 →素早く商品の改善や新商品の開発に生かせる。 ・ 食料品や衣料品など約5,000品目をそろえる。 ・ ジャスコやサティなど国内約7,500店舗で販売。 3、トップバリュについて ③トップバリュの売上高推移 (億円) ・世界的な原材料価格の高騰 によるNBの値上げ 約1,000億円 ・ガソリン価格の高騰 4 000 3 500 3 000 2 647 2 500 2 000 1 500 3 687 2 037 2 040 2004 2005 2 201 1 632 1 390 1 000 500 0 2002 2003 2006 2007 2008 (年) 4、プライベートブランドについて ①どうして安い? PB商品(70円) NB商品(100円) 小売りの利益 20円 卸業者の利益 15円 メーカーの利益 15円 物流費 10円 宣伝販促費など 15円 製造原価 30円 NB商品より安く抑えられる 小売りの利益 メーカーの利益 24円 7円 物流費など 11円 製造原価 28円 4、プライベートブランドについて ②PB商品のメリット・デメリット 小売り側 • メリット ・・・ NBより利幅が大きい。 PBを使って店のオリジナリティを表現できる。 広告費を削減できる。 • デメリット・・・ 顧客ニーズや売れ行き管理による手間。 在庫リスクがあり、販売責任が伴う。 製造側 • メリット ・・・ 一定量の販売が確保される。 →生産ラインの稼働率が向上し、売り上げが安定。 • デメリット・・・ NBとしての自社商品とPBが競合してしまう。 メーカーにとって利益率が低い。 5、トップバリュの取り組み ①プライベートブランド≠低品質 <高品質> ・旨味成分の分析 ・原料へのこだわり PB食品=安い、おいしくな い、安全なの? <低価格> ・自社物流によるコストダウン ・麺の小麦の開発 ・製造工程の見直し トップバリュ ヌードル しょうゆ味 代表的なNB商品と同等以上の味・品質にする必要 NB商品と同等以上の品質とボリュームでありながら低価格を実現 5、トップバリュの取り組み ②トレードオフによる低価格 トレードオフ商品とは・・・ 必要とされない機能や包材を省いた商品 Ex. 「ティシューは中身だけあればよい」 1ケースごとの紙箱をなくして、フィルム包装に変更 消費者の声を参考に商品を開発 「計量スプーンは既にあるから必要ない」 計量スプーンをなくし、パッケージを簡素化 6、小売りとメーカーの関係 メーカーがPB製造を受託するワケ これまで サントリーの場合 ・ 利益率が低い PB生産 低価格のため利益が期待できない ・ 自社のNB商品と競合する恐れ なぜ、サントリーはPB生産を受託したのか? ビール系飲料はPBに向かない ・ 寡占化しているメーカー側の発言力が強い PB生産から一線を画すメーカー多数 売り場確保の困難さ ・ 消費者の味へのこだわり スーパーの売り場・・・ ・ 自社のNB商品と競合する恐れ 現在 ・ 消費者の低価格志向 マーケットシェアの比率に合わせてスペース配分される NB商品 ・ 消費不振 → 商品を売るスペースを確保できない恐れ 売り場確保のための手段 売り場の目立つ場所に陳列される PB商品 収益を維持するための苦肉の策 トップバリュ 麦の薫り 7、展望 今後メーカーは小売りとどう付き合っていくのか 「PBブーム」の行方 ・ 「PB製造を断れば、自社のNBを外して他社に切り替えられる恐れがある」 ・ 一過性で終わる? ・ PB製造を始めたが、原材料高騰による損失で民事再生法を申請 ・ 普及期に入り、スーパーの品揃えの2~5割がPB? ・ PB商品に売り場を侵食され、NB商品が棚から消える 「PBブーム」がさらに過熱したら・・・ メーカーの寡占化 ブランド力や商品力の弱いメーカーは、より強いメーカーに飲み込まれる トップシェア同士の共同販促や異業種との連携で小売り側へ売り方を提案 「特売頼みではなく、小売りが利益を出せる売り方を考えろ」 メーカーは、 メーカーが適正と考える価格でNB商品を売ってもらう ・ 国際的な規模の企業 努力が不可欠 ・ 他社には作れない圧倒的な競争力を持つNB商品を抱える企業 になる必要 8、参考文献 PB「格安・高品質」競争の最前線(日本経済新聞社・編) PB商品 企画・開発・販売のしくみ(藤野香織著、同文館出版) イオン株式会社ホームページ http://www.aeon.info/ トップバリュホームページ http://www.topvalu.net/