発表資料 - JAXA AEROSPACE Biz

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小型衛星 「かがやき」
2007年7月23日
ソラン株式会社
「かがやき」打ち上げの目的
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ソラン株式会社は、難病や障がいをもつ子どもの家族支援プログラム「ソ
ラン・キッズ」の活動を行っています。
今回は、JAXA様のH-ⅡAロケット無償相乗りの機会を利用し小型衛星を
開発することにより、子どもたちの夢を宇宙につなげる活動を計画しまし
た。
子どもたちに夢を与えるミッションとして、自律型宇宙写真撮影技術によ
る宇宙からのオーロラ撮影や、記念となる作品の宇宙での展示(宇宙
キャンバス)などを考えています。
これらの活動を通じ、宇宙開発が無縁と考えていた子どもたちや家族の
方々に宇宙を身近なものと感じてもらうことにより宇宙開発の底辺が広
がるものと期待しています。
また、今まで技術優先(シーズ)であった宇宙開発を「利用者の立場
(ニーズ)」から見ることにより、すでに宇宙開発に携わっている企業及び
学生達が新たな視点から宇宙開発を見直せる機会となることを狙ってい
ます。
「かがやき」打ち上げの目的
◆経緯
【小型衛星応募前】
毎年行われる家族キャンプには、社員がボラン
ティアとして参加し支援しています。
車椅子でも搭乗出来る熱気球をソランで製作し
これらの活動に提供しています。
【小型衛星応募後】
2006年12月、子どもたちと共に筑波宇宙セン
ター所長を表敬訪問しました。
2007年4月、筑波宇宙センターの一般公開に参
加しました。
開発体制
(1)サイズ:約30㎝×30㎝×30㎝(立方体)
「かがやき」の開発体制
(2)質量
: 約20Kg
(3)発生電力 : 約15W
(4)通信
: 衛星側受信周波数: 144MHz帯
衛星側送信周波数: 430MHz帯
(アマチュア無線バンド)
テレメトリモード
・変調方式:PCM-FSK(FM)
ウェルリサーチ
東海大学
ソラン
・通信方式:パケット方式(CCSDS準拠方式、AX.25)
・通信速度:アップ/ダウン 9600bps
ビーコンモード
・変調方式:CW(FM)
(5)ミッション期間: 1年
プロジェクト管理
(6)軌道
: 太陽同期準回帰軌道
オーロラ電流観測
バス部設計・製作
E-MAXの開発
スペースデブリ観測
(7)姿勢制御 :追跡管制
重力傾斜方式
宇宙用部品調達
ソラン・キッズ
残留磁気モーメント低減対策
ソランキッズの「夢」ミッション
【ふれあいミッション】
◇キッズ・ファクトリ
◇キッズ・セミナー
◇キッズ打上げ隊
【衛星利用ミッション】
◇オーロラ撮影
◇宇宙キャンバス
◇宇宙ボトル
ソランキッズの「夢」ミッション
◆キッズ打上げ隊
ソラン・キッズに参加してもらった子どもたちと、その家
族のうち数名を選んで、「かがやき」打上げ隊として種
子島宇宙センターに派遣します。
また、現地に行くことのできない子どもたち
と家族は、筑波宇宙センターに招いて
打上げを視聴してもらい打上げ隊と
連携したイベントを企画します。
ソランキッズの「夢」ミッション
◆宇宙ボトル
打ち上げ前の「かがやき」に子どもたちの
声を記録することができます。
子どもたちが「かがやき」に託した
夢や希望は、打ち上げられたのち
宇宙から世界中のアマチュア
無線家が聞くことができます。
あたかも、手紙を入れたボトルを
大海原に放流するような
ロマンを求めて・・・。
ソランキッズの「夢」ミッション
◆宇宙キャンバス
子どもたちが、“デ・オービット用パラシュート”に描いた
絵をパラシュート展開時、ブーム先端に搭載されたカメラ
で、地球を背景にして
撮影します。
壮大なる宇宙展示・・・。
「かがやき」の概要
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サイズ
質量
発生電力
通信
ミッション期間
軌道
姿勢制御
: 約30㎝×30㎝×30㎝(立方体)
: 約20Kg
: 約15W
: 衛星側受信周波数: 144MHz帯
衛星側送信周波数: 430MHz帯
(アマチュア無線バンド)
テレメトリモード
・変調方式:PCM-FSK(FM)
・通信方式:CCSDS準拠方式、および AX.25
・通信速度:アップ/ダウン 9600bps
ビーコンモード
・変調方式:CW(FM)
: 1年
: 太陽同期準回帰軌道
: 重力傾斜方式
「かがやき」の概要
SAP
太陽電池パドル
ANTーT
ANT-R
送信アンテナ
受信アンテナ
Tx
Rx
送信機(435MHz帯)
受信機(144MHz帯)
BAT
E-MAX
二次電池
自律型オンボード管制シス
テム
ICU
ICU
統合制御ユニット
統合制御ユニット
PDU
電力分配器
SAP
ANT
MGS
GPS
SAP展開機構 ANT伸展機構 磁気観測装置 GPS受信機
CSS
CIF
INFC
THE
MTQ
太陽センサ
映像信号I/F
インフレータブル
温度計測
磁気トルカ
MOIS
MGF
デブリ
検知装置
オーロラ電流
観測装置
自律型オンボード管制システム
E-MAX(Embedded - tlm Monitor And cmd eXecute
system)は、人工衛星内にある各機器からデータを収
集・編集し、それをテレメトリとして通信装置を経由し
て地上に送信します。また、地上からの指令(コマン
ド)に基づき各機器を制御するための仕組みを提供し
ます。E-MAXは、地上の衛星管制システム(Space
MAX)の技術を応用して開発しています。
これまでは、このようなコントローラは衛星毎に作られ
ていましたが、E-MAXはどのような衛星でも使える汎
用的なコントローラです。
また、自律運用のための仕組みを備えています。
地上の衛星管制システム
の技術を宇宙へ!
インフレータブル方式伸展ブーム
「かがやき」の重力傾斜方式による姿勢制御に用いられます。
打上げ時にはスプールに巻き付けて収納し軌道上にてインフレータブル
方式で伸展されます。
機構が単純で部品も少なく、伸展部の重さは1メートルあたりわずか8グ
ラムと超軽量化を実現しました。この伸展技術は、将来の衛星搭載用大
型展開構造物への適用が期待されており、世界初となる「かがやき」での
実用は、技術的にも注目されています。
ブーム
伸展前
伸展後
スペースデブリの計測
デブリが「かがやき」に衝突した際に発生
する衝撃波およびプラズマを検出し、衝突
した時刻と回数からデブリの空間分布を求
めます。最近のデブリ増加の状況を世界
に先駆けて計測します。
検出装置:Micro Meteoroid / Orbital Debris Impact Sensor (MOIS)
デブリが衛星に衝突した際に発生する衝撃波、プラズマを3つのセンサを使っ
て検出します。衝突した時刻と回数からデブリの空間分布を求めます。
- PVDFセンサ(衝撃波)
しきい値を設定し、100μm以上の大きさの
- ダイポールアンテナ(電場)
デブリ衝突の有無を情報として記録
- コイル(磁場)
オーロラ電流の観測
学生の開発した磁気センサを「かが
やき」に搭載して地球周辺の磁場を
観測します。オーロラは、地球の極
域に流れ込んできた電気を帯びた粒
子(プラズマ)が地球の大気と衝突し
発光する現象です。電気を帯びた粒
子の流れ(電流)は、磁場を発生させ
るため、この磁場を観測してオーロラ
発生原因となる電流構造の解明を行
います。
宇宙からみたオーロライメージ(NASA提供)
残留磁気モーメント低減対策
人工衛星は、棒磁石のような磁場を持っ
ています。このため、方位磁石のように
地球の磁場に引きつけられて、衛星の
姿勢が変わってしまいます。この低減対
策では、できるだけ衛星の持つ磁場を
小さくできるように、開発の手助けを行
います。また、世界初の試みとして宇宙
空間で衛星の磁場を観測し、今後の人
工衛星開発にとって重要なデータを収
集します。
衛星の周りの磁場分布
また、オーロラ電流の観測で使用するフラックスゲート磁力計を用い、ブー
ム伸展時に衛星本体の磁気モーメントを計測します。飛翔に伴う磁場発生、
運用モードにおける電流磁場の変化などの計測を目的としており、地上での
計測結果との比較を行います。
「かがやき」の地上局
地上の各局から「かがやき」の見える時間は最大でも15分程度です。した
がって、追跡用のアンテナは東京のソラン本社の他に全国展開されているソ
ラングループの中から、北海道・松本・宮崎の各会社に設置する予定です。
ソラン地上局ネットワーク(SGN)構想
松
本
宮
崎
インターネット
東京(管制センター)
札
幌
「かがやき」打ち上げまでのスケジュール(予定)
2006年度
7
10
2007年度
1
4
7
概念・基本設計
詳細設計
構体系
設計・製作
4
7
射場作業
リハービッシュ
熱制御系
設計・製作
姿勢/軌道制御系
設計・製作
電源系
設計・製作
通信系
設計・製作
データ処理系
設計・製作
計装計
設計・製作
モニタ系
設計・製作
大学ミッション系
1
10
維持設計
EM試験
システム組立/試験
10
2008年度
設計・製作
FM試験
FM組立
▽輸送
打上
1
ご清聴ありがとうございました。