スピンはめぐる 2 Stern-Gerlachの実験を知っていますか?

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Transcript スピンはめぐる 2 Stern-Gerlachの実験を知っていますか?

1. はじめに LabVIEWとの遭遇
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1990年頃:工学部応用物理学実験法第1−3の刷新。
早川教授、前田助教授(当時)の英断
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グラフィカルプログラミングを3年生に紹介する。
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高価なMacintoshの導入。
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旧来の命令文方式を離れることへの不安。
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実験室の装置がLAN上でヴァーチュアルな機器になる。
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実験装置に直接触れない学生実験になる。 ⇒私は反対派
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学生実験だけではもったいない。
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卒業する学生の遺産は負になりがちであったが、LabVIEWな
ら継続可能で、時間短縮、高効率。
⇒私も賛成に転向
2. 実験装置の状況とLabVIEWとの相性
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通信ポート(RS232C、GPIB、USBなど)があるか。
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コンピュータに通信ポートがあるか。
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文字列:従来のコマンド文のエッセンス。
9600bps、8ビット、1Stop Bit、パリティ有無などの設定情報が判って
いるか。
通信ケーブルがストレートかクロスか。
COMポートの有無。プラグの形状は(サンワサプライなど)。
GPIBカード入れられるか。
LAN-GPIBの可能性。
LAN-TCP/IPの可能性
実験機器そのものをTTLレベルや低電圧源で制御できるか。
3. 例1:1980年代の四重極質量分析計の
LabVIEWによる復活
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BALZERS社製QMG064
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インターフェースの付いた初期の四重極質量分析計。
従来の全機能前面パネルよりはスッキリしたデザイン。
20m以上のRS232Cケーブルで離れたところから制御可。
PC98シリーズではTurboPascal でも1200bps。指導教員(私)に
習う気力なし。
3. 例1:続き1
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通信ポートRS232C(Dsub25Male)がある。
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PowerMacG4PCI または PowerMac7600G3改造を使用。
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9600bps、7ビット、2Stop Bits、パリティ無。
スキャンパラメータの設定(質量数、幅、感度、速さ)。
8ガス種の質量数、測定感度、信号強度/圧力値変換設定。
測定モードを与えた後、測定実行、測定値読み上げ要求。
最近の同等の市販品に劣らない新機能を加えたい。
USB-RS232C変換アダプタ(Dsub9Male) または DIN8ピンFemale
モデム/プリンタポートあり。
MacOSX10.3.9 + LabVIEW8.0
クロス結線ケーブル自作。
3. 例1:続き2(LabVIEWフロントパネル)
3. 例1:続き3(動作設定中)
3. 例1:続き4(ブロック図)
ポートの初期化
各測定モードの設定
バッファークリア
テスト文字列の送信
クラスタースイッチ
の表示色設定
例1:続き5(残留ガス質量スペクトル測定)
従来のよくある測定結果
同じ状態を感度を換えなが
ら測定した結果
例1:続き6(残留ガス圧時間変化測定)
水蒸気(主成分)のみの測定
複数成分の測定
例1:続き7(新機能クイックスキャン棒モード)
測定したい質量数をタッチ
簡易質量スペクトル
4. 例2:水晶振動子摩擦膜厚計
XTM/2 水晶振動子膜厚計 (インフィコン社製)
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通信ポートRS232C(Dsub9Female)がある。
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PowerMacG4MT を用いる。
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19200bps、8ビット、1Stop Bit、パリティ無、チェックサムフォー
マット。
パラメータの設定(薄膜の密度、音響インピーダンス、センサー
位置)。
測定実行、測定値読み上げ要求。
DIN8ピンFemaleモデム/プリンタポートあり。
MacOSX10.2.8 + LabVIEW7.1
ストレート結線ケーブル自作。
例2.続き (CheckSumフォーマット)
誤通信を避ける目的。
通常の文字にCheckSum情
報を付けるためのサブルー
チン。
書き込み用(上)と読み取り
用(下)のvi。
R5:タイマーを0にセット。
Q6:薄膜種類番号を問う。
S0:レート、膜厚、時間送信せよ。
例2.続き (真空蒸着中の薄膜の膜厚計測)
5.例3:古い分光器(機械精度は高い)
リツー社製:回折格子+フォトマル方式
オプションでステッピングモーターと減
速ギアが取り付けられている。
例3:続き(分光測定系略図)
回折格子の角度を決める。
光電流を電圧に変換し測定する。
NI-4350USBの採用
8chのディジタル出力
1パルス=0.01nm、 ラッチ、正(逆)回転
24ビットAD
例3:続き(LabVIEWで制御する)
NI-4350USBはWindowsのみ
NI社のExpress.vi や NI-DAQ base (要ダウンロード) を組
み合わせるだけ。
例3:続き(LabVIEWで制御する)
スペクトル計測部
ステッピングモータ
にパルスを送る
データ読み出し表示保存
NI-4350のAD部の初期化
波長設定部
手動/自動設定部
NI-4350USBはWindowsのみ
NI社のExpress.vi や NI-DAQ base (要ダウンロード) を組
み合わせるだけ。
6. 例4:直流電圧で更に大型装置を制御する

外部機器USB6008

8チャンネルアナログ入力
(+-10V、12ビット、10kS/秒)

2チャンネルアナログ出力
(0-5V、12ビット、最大150 Hz)

12本のデジタルI/O

ゲームパッドを大型装置の各ツマミそのものに見立
てる。

マイクロ波0-500W ⇔ アナログ出力0-5V
6.外部に電圧を出力し、電圧と電流を測定するvi
6.外部に電圧を出力し、電圧と電流を測定する

電圧設定ノブは
ひとりでに徐々に
右回りしていく

が、手動で戻すこ
とも可能。

2つの電圧をグラ
フ上に表示し、

結果をXYグラフ
上に電流vs電圧
表示する。
7.実験室装置の統合化

ほとんどの装置をPC+LabVIEWでモダン化できる。
⇒最新状態をキープ
時間短縮、省人力
ヴァーチュアルな機器 ≠ シミュレータ。

独自ソフトでしか動作しない機器の方が厄介。
⇒最新状態をキープできない。継続性悪い。非経済的。
ActiveXなどが対応できるらしい。TXTファイルは最低限可。

LAN(TCP/IP) によって中心的PC(好みMacOSXあるいは自宅
PC)に各サテライトPC+装置からデータ集約。

いつの間にか昔巨費科学実験で用いられていたCAMAC
(Computer Automated Measurement And Control)をカスタマイ
ズしたような実験室を実現している。