Transcript 神経伝達物質
脳と神経 今日の予定 1. 神経 ①脳は電気信号の海 ②精神薬の効く仕組み 重要用語 • • • • • • 神経細胞(ニューロン) グリア細胞 樹状突起 軸索 シナプス 神経伝達物質 神経① 脳は電気信号の海 • 神経細胞(ニューロン)の仕組み • 神経インパルス概論 • 脳は主に2種類の細胞から成っている 1. 神経細胞(ニューロン) 2. グリア細胞 • • 主役はニューロン グリア細胞は、不要な化学物質を取り込 んだり、栄養物の補給などをして、ニュー ロンのはたらきを助ける • 神経細胞(ニューロン)の構造(しくみ)と機 能(はたらき) • ニューロンのおもな構成要素は、 樹状突起 →他のニューロンから情報を受け取る 細胞体 →細胞としての本体。 軸索 →ここを電気信号が伝わる シナプス →他のニューロンに情報を伝える • 神経インパルス(神経を伝わる電気信号) が発生するしくみ • おおまかに言えば、細胞膜の内側と外側と でプラスやマイナスのイオンをやりとりする ことで、細胞膜の内と外に電位差を発生さ せている →イオンチャンネルと呼ばれる 仕組み • その電位差が伝わっていく ⇒ これが信号になっているらしい • なんで「電流」じゃなくて「インパルス」と呼 ばれるのか? • ビーーーッと電流を流す感じではなく、短 い電気的刺激をパッパッパッパッパッ・・・と 連射するような感じで信号を送るから • 信号の強さは、流れる電流の強さではなく、 いわば瞬間的な電気の衝撃波の連射速 度によって決まる • 反応が弱いときはパッ・・・パッ・・・パ • 反応が強いときはパッパッパッパッパ • 脳内では無数の神経細胞がネットワークを 形成している • そのネットワーク上を行き交うのは電気信 号。この電気信号のやりとりに伴って、私 たちの意識が生じているらしい • では、神経に直接電気刺激を与えたら、私 たちは見えていないはずのものが見えたり するのか? • 実際にそれをやった脳科学者がいた • ペンフィールドの脳内電気刺激実験 • 1933年頃、カナダの神経科学者ペンフィー ルド • 脳の適当な表面に電極をあてて微弱な電 流を流すと、 • 患者の意識に昔の思い出の断片などが現 れたりした • 意識⇔脳内電気の関係を示唆するものと して、現在まで続く論争を巻き起こす • 私たちの意識は電気信号に過ぎないの か? • 哲学者、物理学者、神経科学者・・・etcを 巻きこんだ論争 • その論争の答えはまだ出ていない 神経② 精神薬が効くしくみ • シナプス • 神経伝達物質 • ニューロンとニューロンのつなぎめの隙間 =シナプス • 電気信号はここを越えられない • じゃあどうするか? • 化学物質(神経伝達物質)を発射して、受 け手のニューロンに送る • 受け手ニューロンはこれを受け取ると、次 のシナプスに向けて電気信号を送信する • つまり・・・ • シナプス ・・・神経と神経の間の隙間 • 神経伝達物質 ・・・シナプス間で電気の代わりに信号を伝 えるメッセンジャー物質 • たとえれば、軸索の末端まではネット回線 で連絡して、その先は手紙を出す、ような もの • 多くの精神薬(正確には向精神薬)は、こ のシナプスに作用する薬であることが知ら れている • 例:うつ病の症状をやわらげる抗うつ薬 • 神経伝達物質の一種セロトニンに関係す るものが多い • シナプスにおけるセロトニンのやりとりを邪 魔したり促進したりする • うつは神経伝達物質セロトニンと深い関係 があるらしい • どんな関係かは不明。 • ただ、アルコールで生物が酔っ払うメカニ ズムはどうもよく分かっていないらしい • 脳の全体的な働きを鎮める? • イオンチャンネルに影響?