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変化に強い企業
…
転
ば
ぬ
先
の
杖
6期生 teamWARC
甘利、浅井、ろろ、宙太
1
なぜ、変化に強い企業か
上
06
20
上
05
20
上
04
20
上
03
20
上
02
20
上
5000
4000
3000
2000
1000
0
01
化やIT化によって、企業
を取り巻く環境の変化の
スピードは増している。
 そんな中、変化に対応で
きない企業は倒産を余儀
なくされる。
 さらに、好況型倒産の増
加が目立つ。
倒産件数
20
 近年、急激なグローバル
増加が目立つ倒産の主因
・その他経営計画の失敗
(120件、前期比+27.7%)
・設備投資の失敗
(101件、同+23.2%)
・放漫経営
(282件、同+12.8%)。
帝国データバンク 全国企業倒産より
2
なぜ、変化に強い企業か②
 現代には、経営計画、
コメリ
15000
10000
5000
営業利益
経常利益
20
05
20
03
20
01
19
99
19
97
19
95
19
93
0
19
91
100万円
設備投資計画について
認識の甘い企業が多い
のではないか。
 急激な変化に対応し、
安定して成長できる企
業は、優良企業と言える
はずだ。
 また、安定的に利益を
出すことで、株主の信頼
を得て、長期的な企業
価値を高めることができ
る。
当期利益
※今回は、非製造業でのため研究対象外
3
目次
さぁ、プレゼンスタート!
• 第1章 安定成長企業
安定成長企業とは
• 第2章 変化に強い、その要因
29社の分析を通して
• 第3章 研究開発型
聞
き
捨
て
な
ら
な
い
な
。
そ
り
ゃ
ぁ
、
・第二のキヤノン ウシオ電機、
・日本版3M 日東電工
• 第4章 固定費変動費化型
・アウトソーシングのスズキ
・業績連動のリコー
• 第5章 まとめ
4
腹
が
い
っ
ぱ
い
で
眠
い
っ
て
?
第一章 安定成長企業
始
め
る
ぞ
。
お
い
、
あ
ま
と
し
!
~日経NEEDSからのスクリーニング~
5
安定成長企業
 変化に強い企業とはどのような企業だろうか。
 常に成長を続ける企業、つまり継続的に成長している企
業であると考えた。景気に左右されることなく安定して利
益を出せる企業をスクリーニングする。
定義:変化に強い企業=安定成長企業
 対象企業:売上高1000億円以上の製造業
かつ、16期分のデータが揃う
・小規模で初期の成長段階である場合、
継続的成長が起こりやすいため除外
6
絶対利益成長率と相対利益成長率
 1991年度から2005年度の16期間で、各年の経常利
益の成長率をとり、これを絶対成長率とする。
 絶対成長率から各企業の所属業界の平均成長率を差引
き、これを相対成長率とする。
景気に対して敏感/鈍感な業界特性が相殺される。
(景気に敏感:鉄鋼、化学など 鈍感:食品、医療などとされる)
絶対成長率= (今期の経常利益-前期の経常利益)
前期の経常利益
相対成長率=絶対成長率―業界の平均成長率
7
相対成長率のイメージ
A業界に属するa社の成長率が下表の時
a社の
絶対利益率
A業界の成長率
の平均 -①
a社の
相対成長率
X年
10%
5%
5%
Y年
10%
-5%
15%
①が、その年のA業界の景気動向を表しており、
差し引くことで業界内でのa社の動向がわかる。
各業界の平均成長率の出所:法人企業統計年報
※非公開企業もソースに含まれる
8
評価点
 景気動向に対して、いかに安定的に絶対成長できるかを
重視し、以下のように配点した。
業界平均成長率>0のとき、絶対成長率>0かつ相対成長率≦0 1点
業界平均成長率>0のとき、相対成長率>0
2点
業界平均成長率≦0のとき、相対成長率>0かつ絶対成長率≦0 2点
業界平均成長率≦0のとき、絶対成長率>0
4点
業界平均成長率>0のとき、絶対成長率≦0
-1点
絶
対
成
長
率
2点
1点
-1
点
業界平均成長率=景気動向
4点
2点
1回の景気の循環
景気が悪いときに絶
対成長している企業
を、最も評価
9
スクリーニング結果
 16期間(15回)の合計点で採点
マイナス成長の期間数が異なるため、業界によって満点が異なる
 業界ごとに、平均以上の点数を獲得
 16期間経常赤字なし
スクリーニング結果は、次スライド…
10
電気機器
化学・医療品
食料品
キヤノン(株)
28
花王(株)
35
ヱスビー食品(株)
38
ローム(株)
28
武田薬品工業(株)
34
(株)伊藤園
37
ウシオ電機(株)
27
中外製薬(株)
34
日清食品(株)
29
イビデン(株)
27
エア・ウォーター(株)
30
森永乳業(株)
29
スタンレー電気(株)
26
テルモ(株)
30
米久(株)
29
ファナック(株)
26
信越化学工業(株)
28
味の素(株)
28
アルパイン(株)
25
エーザイ(株)
26
東洋水産(株)
28
(株)デンソー
24
協和醗酵工業(株)
25
カルピス(株)
28
日東電工(株)
24
ダイセル化学工業(株)
24
(株)加ト吉
27
(株)村田製作所
24
日立化成工業(株)
24
不二製油(株)
25
シャープ(株)
23
チッソ(株)
24
アサヒビール(株)
25
京セラ(株)
21
田辺製薬(株)
24
キユーピー(株)
25
住友電装(株)
21
日本油脂(株)
24
(株)日清製粉グループ本社
25
11
輸送機器
窯業
(株)ショーワ
33
日本碍子(株)
32
カルソニックカンセイ(株)
28
(株)ノリタケカンパニーリミテド
30
(株)タチエス
27
日本特殊陶業(株)
29
愛知機械工業(株)
27
旭硝子(株)
28
日本精機(株)
26
日本電気硝子(株)
28
スズキ(株)
26
精密機器
トヨタ自動車(株)
26
(株)リコー
27
スタンレー電気(株)
24
シチズン時計(株)
25
愛三工業(株)
23
HOYA(株)
24
(株)デンソー
23
(株)シマノ
23
これら企業を優良安定成長企業とし、
次章以降で分析する。
12
第2章 変化に強い、その要因
そ
う
、
だ
か
ら
強
い
ん
だ
よ
。
~29社からの分析~
13
変化に強い企業の共通要因は何?
 変化に強い企業には業界の特性を壁を越えた共
通点があるのではないだろうか?
ex)収益性、効率性 etc
業界特性を無視できるような分析方法が必要
14
相対経営指標(1)
業界の平均値に対しての比率を比較すれば、業種
に関係なく分析できるのではないだろうか?
相対経営指標
= 各企業の経営指標 ÷ 各業界の経営指標
A業界平均RO
A
4%
B業界平均RO
A
2%
A社ROA
8%
B社ROA
4%
・A社相対ROA=8÷4=2.0
・B社相対ROA=4÷2=2.0
⇒比較結果:同じ収益性を持つ。
業界特性を無視した比較
が可能になる
15
分析対象企業
 1990~2005年度までの経常利益で一度も赤字を出していない企業
 第二章のスクリーニング結果より、業界を考慮して29社を選出。
ヱスビー食品
伊藤園
日清食品
味の素
東洋水産
不二製油
クラレ
ワコールHD
花王
武田薬品工業
中外製薬
エア・ウォーター
テルモ
アステラス製薬
日本碍子
ノリタケ
日本特殊陶業
旭硝子
ローム
スタンレー電気
アルパイン
リコー
ウシオ電機
ファナック
日東電工
デンソー
ショーワ
タチエス
スズキ
16
分析経営指標
 財務分析ピラミッドを参考に、
安全性、効率・生産性、収益性、成長性
↑(今回はスクリーニングによりすでに満たしている)
4つの視点から分析する。
安全性
効率・生産性
収益性
当座比率
棚卸資産回転期間(月)
総資本営業利益率
流動比率
売掛金回転期間(月)
総資本経常利益率
固定比率
買掛金回転期間(月)
売上高営業利益率
自己資本比率
総資本回転率(回)
売上高経常利益率
信用供与率
労働装備率
自己資本経常利益率
手元流動性
有形固定資産回転率(回)
減価償却率
借入金利子率
内部保留率
1990~2005年度にかけて算出、平均値をとる
17
分析結果(安全性)
当座比率
2.5
すべての指標が業界平均を
上回っている。
2
借入金利子率
(固定比率は低いほうが望
ましい)
流動比率
1.5
1
0.5
0
短・長期支払い能力が
高い
手元流動性
注目点:手元流動性、固定比率
信用供与率
固定比率
自己資本比率
売上高に対する現金保有量が高い
投資を返済不要の資産で賄っている。
固定資産の割合が少ない
18
分析結果(効率性、生産性)
棚卸資産回転期間(月)
効率性・生産性に関して
は業界平均とそれほど 有形固定資産回転率
差はない
労働装備率
1.4
1.2
1
0.8
0.6
0.4
0.2
0
売掛金回転期間(月)
買掛金回転期間(月)
総資本回転率(月)
⇒平均を上回る
19
分析結果(収益性)
総資本営業利益率
4
収益性が極めて高い
内部保留率
3
総資本経常利益率
2
1
同業他社に比べ、高付加価値
をつけたり、コスト削減をうまく
行っている。
0
減価償却率
売上高営業
利益率
着目点:内部保留率
自己資本経常利益率
売上高経常利益率
⇒稼ぎ出した利益の多くを、株主に還元することなく、次の投
資に使っている
20
分析結果まとめ
タダの優良企業に見られず、変化に強い企業に見られる特
徴は以下
 コスト管理を上手く行っている
 現金を多く保有している
 固定費率が低い
 内部留保率が低く、投資を行いやすい環境にある
変化に強い企業は、固定費を抑えることで、環境の変
化に対応したり、コストを削減するなどをして利幅を増
やし、次期以降への投資を積極的に行っているので
はないだろうか…
21
第3章
第1節 変化に強い、個別分析
…
経
営
に
正
解
は
、
な
い
内部留保率大+固定比率小=?
22
前章をふまえ
 そもそも赤字を出さない優良企業が各経営指標において
秀でているのは当たり前。
 その中で、必ずしも優良企業の要件とされない指標こそ、
変化に強い企業の特徴である。
その指標とは
・内部留保率 大
・固定比率 小
これらの指標から分析を深めていく。
23
内部留保率が高い
日東電
工
78.48%
花王
リコー
72.89%
スズキ
伊藤園
86.09%
69.8 %
80.46%
日本碍子
ウシオ電
機
66.04%
売上高1000円億以上の上場企業平均
63.08 %
40.20%
任意の7社の内部留保率は、かなり
高いことが分かる。
出所:日経NEEDS
24
内部留保率が高いということ
 内部留保率が高いということは、当期利益を配当せず、
次期の投資に向けるということである。
 しかし、設備投資を行えば固定資産の割合は漸増する。
(いくら償却期間が短くても限界がある)
固定比率小に矛盾
 では、赤字を出さないために減らない内部留保を何に回
しているのだろうか。
25
研究開発積極度
仮説:
将来の競争力の原資とな
る、研究開発費に回して
いるのではないか。
研究開発費/
売上高
(研究開発費は一括費用処理)
確かに研究開発
費率が高い
研究開発費/
売上高
ウシオ電機
3.67%
電気機器平
均
2.80%
日東電工
3.48%
電気機器平
均
2.80%
花王
4.25%
ライオン
0.52%
スズキ
2.82%
ダイハツ工業
1.14%
伊藤園
0.66%
キリン
1.15%
リコー
5.29%
キヤノン
1.10%
日本碍子
5.41%
東陶機器
0.86%
研究開発積極度:研究開発費/売上高 過去8年平均
出所:企業活動基本調査(通産省)
26
研究開発の成果
 変化に強い企業は、研究開発に積極的である。
 しかし、配当にではなく研究開発費に回している
以上、一定の成果を上げなければ市場の信頼を
失い、継続的な成長は望めない。
 研究開発に積極的で、かつ成果を上げている企
業とは、どのような企業だろうか。
27
研究開発資産と研究開発効率
 研究開発費の資産化
研究開発の効果が現れるまでにかかるとされる期間(医療で10年、
その他製造業で6年)前の年と、その前後2年の5年分の研究開発
費の平均を研究開発資産とする。
 研究開発効率
さらに、研究開発資産に対してどれだけの利益を上げられたかに
よって研究開発効率を測定。
X軸:研究開発積極度=研究開発費/売上高の15年平均×100(%)
Y軸:研究開発効率=営業利益3年平均/研究開発資産×100(%)
として、売上高1000億円以上の製造業(519社)をプロット
28
研究開発積極度と研究開発効率
売上高1000億以上製
造業
ウシオ電機(株)
25
研究開発効率(%)
20
日東電工(株)
15
花王(株)
10
スズキ(株)
5
(株)ショーワ
0
0
5
-5
10
(株)伊藤園
(株)リコー
研究開発積極度(%)
HOYA(株)
JSR(株)
29
散布図の意味
 基本的に研究開発資産が高ければ、分母が大きくなるため、研究開
発効率と研究開発積極度は反比例関係となる。
 y軸を3、x軸を3に平行移動すると以下のようになる。
研究開発に積極的
ではない企業群
研
究
開
発
効 変化に強い企業群?
率
10社
ウシオ電機
日東電工
花王
など7社中6社
研究開発積極度
研究開発に積極的
だが、効率の悪い
企業群
※ただし、研究開発費(分母)そのものが大きすぎる場合、
必ずしも効率が悪いとは言えない。
30
次節へ
 変化に強い要素を備えていると想定される日東
電工と、ウシオ電機の詳細をおって、両者が本
当に研究開発力を活用して、継続的に利益を生
み出せているのかを検証する 。
31
持
つ
べ
き
も
の
は
、
大と
臣も
第3章
第2節 ウシオ電機
(c)うっしー
32
ウシオ電機の収益性
ROS(経常利益)の推移
20
売上高総利益率(%)
45
40
35
10
30
電気機器平均
仮説:高収益性を維持
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
1997
20
1996
0
ウシオ電機
25
1995
5
ウシオ電機
リコー
スズキ
日東電工
19
91
19 年
93
19 年
95
19 年
97
19 年
99
20 年
01
20 年
03
20 年
05
年
%
15
利幅の大きい新製品を継続的に
開発できている
研究開発力が高い
33
ウシオの売り物
 では、ウシオ電機は実際にどの程度新製品を開発し、そ
れを利益に結びつけているのか。
 研究開発の成果を独自にセグメンテーションし、開発、商
品化の状況を追った。
 さらに2000年以降は売上の増減についても記載した。
技術開発、商品化をセグメントごとに記入、そして
売上が伸びたセグメント:青色
売上が落ちたセグメント:オレンジ色
落ちた商品、伸びた商品両方あるセグメント:黄色
34
で色分け
1994年~1999年
洗
浄
あああ
あ
測
定
1994年
開発
開発
1995年
開発
商品
化
開発
照
明
あああ
あ
開発
商品
化
開発
ト
プ あああ
液
あああ
あああ
あ
あ リ あ
機 基
晶
器 板ン
提他
あああ
携
業
あ
種
シデ
ネジ
あああ
あ
マタ
ル
産
業
あああ
あ機
械
商品
化
開発
開発
1998年
1999年
映
写
開発
1996年
1997年
あああ
あ
レ
あああ
あー
ザ
OA
あああ
あ
半
あああ
あ導
体
開発
開発
開発
開発
開発
開発
開発
35
2000年~2005年
測
定
あああ
あ
2000年
2001年
開発
2002年
開発
2003年
開発
2004年
開発
あああ
あ
映
写
開発
開発
照
明
あああ
あ
レ
あああ
あー
ザ
開発
ト
プ あああ
液
あああ
あああ
あ
あ リ あ
機 基
晶
器 板ン
開発
2005年
開発
開発
2005年
開発
開発
シデ
ネジ
あああ
あ
マタ
ル
産
業
あああ
あ機
械
開発
開発
開発
開発
開発
開発
開発
商品
化
開発
開発
開発
提他
あああ
携業
あ
種
開発
商品
化
開発
OA
洗
浄
あああ
あ
半
あああ
あ導
体
開発
開発
開発
開発
開発
開発
開発
開発
36
移り変わる牽引役
 時代によって主力商品は遷移し、特定の商品に依存する
ことなく継続的に売上を伸ばしている。
 これは研究開発力の高さに裏付けられている。
売上高(百万円)
20
04
20
02
20
00
19
98
19
96
19
94
19
92
19
90
140000
120000
100000
80000
60000
40000
20000
0
37
ウシオ電機の利益モデル
 得意分野である「光」に特化して進出
 専門分野の近辺の研究開発に力を注ぎ、それま
での技術の蓄積の利を最大限に活用
 キヤノンに類似した、専門家利益と言える
38
第3章
第3節 日東電工
ち
ょ
っ
と
だ
け
よ
エレクトロニクス、光学、エネルギー、環境
39
グローバル・ニッチ・トップ
成長市場の選択
次の市場分析に活かす
業界No1の地位を利用して
優良な顧客・情報をGet!!
その中でニッチ市場を選択
独自技術で差別化が図れるか検証
研究開発に活かす
業界No1の地位を獲得
研究開発はどのように活かされているのだろうか?
40
製品の高付加価値化
0.75
既存の技術を重ね合わ
せる(技術の複合化)を利
用することにより、商品の
付加価値を高めている。
0.74
売上原価/売上高
売上原価/売上高が電気機
器平均よりも全体的に低い
0.73
0.72
日東電工
電気機器平均
0.71
0.7
0.69
0.68
2000
2001
2002
2003
2004
会計年度
2005
2006
大きな利幅を得ることができる
研究開発へ再投資
41
製造技術の確立
製造技術を評価するた
めに
を用いた
電気機器業界平均
に比べ製造コスト
がかなり低い
日東電工では、研究開発
にあたって描くパテント
マップにコストに対する項
目を明記している。
1
製造技術評価
売上高-売上原価
有形固定資産
1.2
0.8
日東電工
電気機器平均
0.6
0.4
0.2
0
2000
2001
2002
2003
2004
会計年度
コスト削減に
より大きな利
幅を得る
2005
2006
次の研究開発
へ再投資
42
日東電工まとめ
技術複合による研究開発は製品の高付加価値化
に、製造技術と開発の一体化による研究開発は
コストの削減に寄与している。それにより業界
No1の地位を得て、業界の優良な顧客・情報を
いち早く入手し、次の研究開発に活かしている。
43
第4章 固定費変動費化型
第一節 スズキ
新たな予感‥
44
新たな見解‥‥
25
ウシオ、日東電工は研
究開発に強いことが分
かるが‥
営業利益/研究開発資産
20
15
10
5
0
0
0.02
0.04
0.06
0.08
0.1
系列1
ウシオ電機(株)
日東電工(株)
花王(株)
スズキ(株)
(株)ショーワ
(株)伊藤園
(株)リコー
-5
-10
研究開発費積極度
スズキとリコーが変化に強い要因はなんだろうか‥‥
45
とりあえず、分析‥
20
18
16
14
12
10
8
6
4
2
0
ウシオ電機
リコー
スズキ
日東電工
19
91
年
19
93
年
19
95
年
19
97
年
19
99
年
20
01
年
20
03
年
20
05
年
%
ウシオ電機、日東電工、リコー、スズキのROS(経常利益)を比
較検証した。
ROS(経常利益)の推移
スズキ、リコーはROSが下であるが、ぶれがない
変動費率を高くし、固定費率が低い費用構成にすることで、安定
46
して黒字化できる構造なのではないだろうか?
本当に変動費率?
固定費=減価償却費++労務費+販売管理費中の
人件費、福利厚生費+その他販売管理費
変動費=材料費+外注加工費+運送費
固定費比率推移
0.4
0.35
0.3
本田技研
ダイハツ
トヨタ
スズキ
0.25
0.2
0.15
0.1
やはり、スズキの
固定費率は小さい
0.05
0
2000年 2001年 2002年 2003年 2004年 2005年
CVP分析!
47
売上高線
費用
変動費比率高くなる
⇒角度が小さくなる
総費用線
損益分岐点
変動費
変動費線
固定費線
固定費
売上高
48
損益分岐点分析~トヨタ~
費
用
固定費
変動費
売上高
(百万円)
変動比率
固定比率
トヨタ
0.607364187
0.298053998
14.04°
5529357
売上高
49
損益分岐点分析~スズキ~
費
用
固定費 変動費 売上高
(百万円)
変動比率
固定比率
スズキ
0.707878986
0.245818451
損益分岐点
は低くなる
営業利益の弾力性は少なく
なる
9.71°
固定費が少ない
581501
売上高
50
損益分岐点分析~ダイハツ~
費
用
固定費
(百万円)
変動比率
固定比率
変動費
ダイハツ
0.618314212
0.347544942
売上高
13.62°
408798
売上高
51
なぜ、固定費比率が低いの?
本田
17% 1% 8% 4% 1%
0%
4%
ダイハツ 2% 9% 1%
22%
0%
2%
65%
トヨタ
2% 8% 2%
17%
2%
61%
スズキ
0%
0%
69%
3%
14%
2% 5% 1% 4%
0%
3%
71%
52
固定費比率が低い理由はこれだ!!
人件費/総費用
12
10
8
6
4
2
0
スズキ
ダイハツ
本田
トヨタ
スズキは総費用に対する人件費(労働コスト)の割
合が著しく低い。これが固定費比率を下げている一
番の要因と考えられる。
53
スズキの人件費はなぜ安く済むの?
2005年3月期の一人当たり人件費
本田
1232万
スズキ
725万
本田とスズキの一人当たり人件費の差は1.5倍
仮に、一人当たり人件費が同じだとしても、総費用に対す
る人件費(労働コスト)の割合は3%違う。
スズキが、ホンダが要している労働コストの75%の労働コストで事
業を運営できるということである
スズキの労働コストが低いことは、一人当たり人件費が低いことだ
けが、要因ではないといえる。
なぜ、労働コストが少なくてすむのだろうか?
54
なぜ、労働コストが少くてよいのか?
120
100
80
100
100
100
71
61
100
65
69
総費用
材料費
60
40
20
0
スズキ
ダイハツ
本田
トヨタ
スズキは自動車四社の中で最も総費用に占める材料費の割合が高く、材料費が
高い変わりにスズキの労務費はもっとも安い。
スズキはこの四社の中で最も完成度の高い材料を購入し、そのかわり、労務費の55
割合が低くなっているはず!
スズキは材料費が高くて労務費が低
い!
2% 9% 1%
17% 1% 8% 4% 1% 22%
0%
4%
3%
0%
2%
ダイハツ
本田
65%
2% 8% 2%
17%
2%
61%
0%
0%
14%
2% 5% 1% 4%
0%
3%
スズキ
トヨタ
69%
71%
固定費の労務費を、変動費の材料費に変換している
56
スズキのまとめ
スズキのROSが安定している理由はCVP分析
で見てきたように、スズキが低固定比率、高変動
比率の費用構成であることから、利益の弾力性
はないものの、利益が常に出続ける構造である
からである。そして、低固定費比率である原因は、
完成部品の活用(外注加工の利用)による、人件
費の変動費化であるといえる。
57
第4章
第2節 リコー
ヒューマンキャピタル
58
再びROS比較
ROS(経常利益)の推移
20
10
5
0
様安定している。
 スズキ同様固変分解で固
定費比率を算出する。
 リコーの固定比率も低い
ウシオ電機 はずである。
リコー
スズキ
日東電工
19
91
19 年
93
19 年
95
19 年
97
19 年
99
20 年
01
20 年
03
20 年
05
年
%
15
 リコーのROSもスズキ同
59
固変分解
 リコーの固定費比率は低
固定費比率
いが、2005年を除けば
開きは小さい。
年
20
05
年
04
20
年
03
20
年
02
20
20
01
年
50
40
30
20
10
0
セイコーエプソン
リコー
変動費:減価償却費+労務費+販管費中人件費、福利厚生費+その他販管費
変動費:材料費+外注加工費+運送費
60
リコー、セイコーエプソン比較
ROS推移
10
 しかし、ROSの安定度の
8
4
2
0
-2
19
91
年
19
93
年
19
95
年
19
97
年
19
99
年
20
01
年
20
03
年
20
05
年
%
6
-4
リコー
差は明らかである。
 費用の固変分解からリ
コーの安定した収益性を
説明することはできない
のだろうか。
セイコーエプソン
61
業績連動型の給与体系
 リコーの特徴である業績連動型の給与体系に着目
62
業績連動型の給与体系②
売上高人件費比率
16%
14%
12%
10%
8%
6%
4%
2%
0%
 エプソンを含め、一般に
電気機器の売上高人件
費比率は、あまり変動し
ない。
 一方、リコーは、最大で2
倍近い開きがある。
年
年
年
年
年
年
年
99 000 001 002 003 004 005
9
1
2
2
2
2
2
2
リコー
エプソン
電気機器平均
何の業績に連動しているのだろう
63
180000
14%
160000
12%
140000
10%
8%
6%
120000
100000
80000
 経常利益と給与は連動し
ていない。
経常利益
16%
60000
4%
40000
2%
20000
0%
0
19
99
年
20
00
年
20
01
年
20
02
年
20
03
年
20
04
年
20
05
年
20
06
年
人件費/売上高
経常利益と売上高人件費比率
人件費/売上高
経常利益
64
50%
40%
30%
20%
10%
0%
-10%
-20%
-30%
 リコーの給与体系は、経
経常利益成長率
16%
14%
12%
10%
8%
6%
4%
2%
0%
19
9
20 9年
0
20 0年
0
20 1年
0
20 2年
0
20 3年
0
20 4年
05
年
人件費/売上高
経常利益成長率と売上高人件費比
率
常利益成長率に連動して
いる。
 利益成長に合わせて人
件費を積み増している。
 利益成長が負の時は、人
件費を抑えている。
人件費/売上高
成長率
65
50%
40%
30%
20%
10%
0%
-10%
-20%
-30%
人件費/売上高
成長率
 1999年=人件費/売上高率約8%
経常利益成長率
16%
14%
12%
10%
8%
6%
4%
2%
0%
19
99
年
20
00
年
20
01
年
20
02
年
20
03
年
20
04
年
20
05
年
人件費/売上高
経常利益成長率と売上高人件費率
②具体検証
 2005年=人件費/売上高率約7%
 30%以上利益成長を達成した
(2000、2001)人件費/売上高は
14%
 利益の伸びにあわせて人件費用
を積みまし!
 30%成長時 人件費 370億円↑
人件費を増減させることで、利益成長をコント
ロールしている!!
66
従業員の満足度をどう維持するか?
るのか?
 それを維持するために毎
期、賞与引当金を計上し
減益したときに、取り崩し
ている!
50.00%
14.00%
12.00%
40.00%
30.00%
10.00%
8.00%
20.00%
10.00%
6.00%
4.00%
0.00%
-10.00%
2.00%
0.00%
-20.00%
-30.00%
人件費/売上高
成長率
67
経常利益成長率
 従業員満足度は維持でき
16.00%
19
99
年
20
00
年
20
01
年
20
02
年
20
03
年
20
04
年
20
05
年
件費を抑えて目立たない
程度の減益にする
人件費/売上高
 利益が減ったときに、人
人件費のうち賞与引当金の積み上げ
 リコーは人件費の構成のうち
16000
14000
12000
10000
8000
6000
4000
2000
0
賞与引
当金
経常利
益
160000
140000
120000
100000
80000
60000
40000
20000
0
の賞与引当金がかなり含ま
れている。
 経常利益が伸び余裕がある
ときに賞与引当金を積みまし
ている。
 賞与引当金
20
00
20 年
01
20 年
02
20 年
03
20 年
04
20 年
05
年
減益食止め効果
従業員満足維持効果
賞与引当金は人件費資産(Hcapital)では?
68
Human capital効果の検証
 賞与引当金を使わずに、毎期同じ人件費/売上高の
場合を想定し過去の利益を調整してみる
1999年
人件費/売上高
平均 人件費率
売上高
差額
2000年 2001年 2002年 2003年 2004年 2005年
8%
15%
14%
9%
8%
10%
7%
10%
10%
10%
10%
10%
10%
10%
776453 777501 855499 860149 855024 876336 897217
-15587 37028 33044 -5914 -16908 -1468 -31201
となり、各年に差額が出てくる。
これを実際の経常利益に付け足すと……….
69
Human capital効果検証
 付け足すと…
リコーのH capital効果
160000
140000
120000
100000
80000
60000
差額調整経常利益
40000
20000
経常利益
0
1999年 2000年 2001年 2002年 2003年 2004年 2005年
利益のブレが顕在化
70
リコー結論
 リコーの変化への強み
 成長するときに急に成長せずに利益を人件費資産
(ヒューマンキャピタル)に投資し、従業員満足を高める。
 減益したときに人件費を減少させ、減益を縮小し、資本
市場株主満足度を維持し
かつ人件費資産を取り崩し、従業員給与も維持
固定(人)費用を、経常利益の成長率に連動する費用とし
て、変動費用化することによって変化への強みを手にし
た会社!
71
終章:ダイアローグ
72
 ダルマ先生とあまとしの会話が聞こえてきます。
73
わ
か
っ
た
だ
ろ
う
。
少
し
は
変
化
に
強
い
企
業
が
ど
う
だ
い
あ
ま
と
し
、
74
はい、ダルマ先生。
変化に強い企業には大きく分けて2つのパターンが
あります。
1つは研究開発型、もう一つは固定費変動費化型
です。
75
後
者
に
は
ス
ズ
キ
、
リ
コ
ー
が
あ
っ
た
な
。
前
者
に
は
ウ
シ
オ
電
機
、
日
東
電
工
が
、
そ
の
と
お
り
だ
。
76
はい。
ウシオ電機は内部留保率を高めることで得た資
金を研究開発に回すことで稼ぎ頭を次々と生み
出しています。
日東電工は、グローバルニッチトップ戦略で顧客
と情報の求心力を効かせ、設備投資効率を向上
させ、コストダウンを図っています。
77
るど
なち
。ら
も
研
究
開
発
力
の
高
さ
を
生
か
し
て
い
な
か
な
か
や
る
じ
ゃ
な
い
か
。
78
あ
ま
と
し
、
い
や
甘
利
友
也
。
先生、いま僕を名前で呼んでくれましたね。
うれしいです。
79
ス
ズ
キ
と
リ
コ
ー
の
こ
と
も
聞
か
せ
て
お
く
れ
。
さ
ぁ
さ
ぁ
、
浮
か
れ
て
な
い
で
80
お
前
も
1
人
前
に
な
っ
た
と
い
う
こ
と
だ
。
は、はい!!
スズキは、外注加工を積極的に行うことで固定費
である労務費を変動費化し、損益分岐点売上高を
下げて利益を生み出しやすい構成にしました。
81
(
…)
感
動
し
て
言
葉
が
出
な
い
82
 リコーは、利益成長率と給与額を連動させること
で成長をコントロールしています。不況時にも賞
与引当金を取り崩し従業員の効用を高めていま
す。賞与引当金は、HumanCapitalと呼ぶことが
できます。
83
 先生、変化に強い企業の共通点が見えました!

研究開発費、賞与引当金など利益の費用化
こそが変化に強い要因ではないでしょうか?
84
・・・・・・・!
ご静聴ありがと
うございました。
85