介護保険制度改革の最新動向 2005.8.9

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介護保険制度改革の最新動向
平 成 1 7 年 8 月
厚生労働省 老健局 計画課
被保険者数・要介護認定者数の推移
○ 被保険者数の推移
65歳以上の被保険者数は、4年7ヶ月で約319万人(15%)増加
被保険者数
2000年4月末
2003年4月末
2004年11月末
2,165万人
2,398万人
2,484万人
(出典:介護保険事業状況報告)
○ 要介護認定を受けた人数の推移
要介護認定を受けた者は、4年7ヶ月で約187万人(86%)増加
認定者数
2000年4月末
2003年4月末
2004年11月末
218万人
348万人
405万人
(出典:介護保険事業状況報告)
-1-
介護保険の利用者数の推移
○
利用者数は、施行時の2.2倍に。在宅サービスの利用者数は、2.5倍に増加している。
○
要介護4・5については、利用者の半数以上が施設サービスを利用している。
平成12年4月
平成14年4月
平成16年12月
在宅サービス
97万人
172万人
248万人
施設サービス
52万人
69万人
77万人
介護老人福祉施設
25万人
32万人
36万人
介護老人保健施設
19万人
25万人
28万人
7万人
12万人
13万人
149万人
241万人
325万人
介護療養型医療施設
合 計
【要介護度別のサービスの利用状況(11月利用分)】
400
100%
325万人(118%増)
350
80%
300
39.6
在 宅 サ ー ビ ス
67
居宅サービス利用者数
60%
250
200
149万人
81.8
93
100
248万人
(156%増)
18.3
8.4
40%
3.2
150
97万人
1.2
9.4
0.4
3.4
0%
50
施設サービス
利用者数
52万人
77万人
(49%増)
0
平成12年4月サービス分
16年12月サービス分
要支援
2.3
要介護1
介護老人福祉施設
-2-2-
17.6
12.3
15.3
20%
100
49.3
7.3
要介護2
介護老人保健施設
出典:介護保険事業状況報告
25.5
30.4
施14.8 設 サ ー ビ ス
要介護3
要介護4
介護療養型医療施設
要介護5
居宅サービス
介護保険サービス別費用の伸び額
(平成12年4月→平成16年9月)
1200
億円
1000
800
600
400
200
0
居
宅
介
護
支
援
訪
問
介
護
訪
問
入
浴
介
護
訪
問
看
護
訪
問
リ
ハ
居
宅
療
養
管
理
通
所
介
護
通
所
リ
短
期
入
ハ 所
短
期
入
所
痴
呆
対
応
( ( 型
老 病
健 院
等
)
)
-3-
短
期
入
所
特
定
施
設
福
祉
用
具
貸
与
福
祉
用
具
購
入
住
宅
改
修
老
人
福
祉
施
設
老
人
保
健
施
設
療
養
型
医
療
施
設
在宅サービスでの民間事業者の参入
○ 介護保険制度により行政による措置から利用者によるサービスの選択に大きく転換。
宅サービスは提供主体に制限がなく、営利法人の指定事業者数も大きく伸びている。
在
主な居宅サービスにおける事業者数
66,255
(100%増)
事業所数
事業者の指定件数
55,660
H12年7月→17年4月
40,245
33,100
32,199
14,381
10,222
営利法人
10,222
(31%)
32,199
(49%)
215%増
社会福祉法人
17,452
(53%)
22,730
(34%)
130%増
NPO・農協・生協
1,307
(4%)
4,127
(16%)
216%増
地方公共団体
1,672
(5%)
1,001
(2%)
40%減
2,447(7%)
6,198
(9%)
153%増
33,100
(100%)
66,255
(100%)
100%増
(215%増)
24,795
営利法人の指定件数
その他
(医療法人等)
合計
平成12年7月
平成14年4月
平成16年4月
増減
平成17年4月
出典:WAMNETベース
※ 「主な居宅サービス」は、訪問介護、訪問入浴介護、通所介護、短期入所生活介護、痴呆対応型共同生活介護、特
定施設入所者生活介護、福祉用具貸与の7サービスの合計。
-4-6-
介護保険財政の現状
○ 介護保険の総費用、給付費は、年10%を超える伸び
○ 1号保険料も第1期(H12~14)から第2期(H15~17)で13%増
○ 総費用の伸び
3.6兆円
4.6兆円
6.3兆円
5.7兆円
5.2兆円
6.8兆円
(2000年度実績) (2001年度実績) (2002年度実績) (2003年度予算) (2004年度予算) (2005年度予算案)
※補正後
※補正予算案
○ 1号保険料〔全国平均(月額・加重平均)〕
第1期(H12~14年度)
2,911円
第2期(H15~17年度)
3,293円
(+13%)
-5-
第3期(H18~20年度)
現状のままで行くと
約4,300円に
将来展望(2015年の高齢者像)
◎ 2015年には「ベビーブーム世代」が高齢期に到達、 2025年にはさらに後期高齢者に
◎ 認知症(痴呆性)高齢者や一人暮らしの高齢者も今後増加。
高齢者人口(千人)
40,000
明治以前生まれ
大正生まれ
35,000
昭和ヒトケタ生まれ
昭和10年~終戦生まれ
30,000
終戦~1950年生まれ
25,000
1951年以降生まれ
20,000
2005年
昭和ヒトケタ~終戦生ま
れが高齢者の中心
15,000
1951年以降
生まれ
10,000
2015年
第1次ベビーブーム
世代が高齢者に
5,000
0
1950
1955
1960
1965
1970
1975
1980
1985
1990
1995
2000
2005
2010
2015
2020
2025
2030
2035
2040
2045
資料:2000年までは総務省統計局「国勢調査」、2005年以降は国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成14年1月推計)」
「介護」モデル⇒「介護+予防」モデル
-6-
2050
認知症高齢者の現状と将来推計
(
現
推状
計)
)
居宅
特別養護
老人
ホーム
老人保健
施設
介護療養型
医療施設
その他の
施設
314
210
32
25
12
34
自立度Ⅱ以上
149
73
27
20
10
19
自立度Ⅲ以上
79
(25)
28
(15)
20
(4)
13
(4)
8
(1)
11
(2)
要介護者の認知症高齢者
の自立度(痴呆性老人自立
度) (2002年9月末現在)
総
再
掲
数
要介護者
要支援者
※ 下表の下段は、65歳以上人口比(%)
2002
2015
2025
149
250
323
(参考)
自立度Ⅱ以上
(
将
来
※ 括弧内は、運動能力の低下していない認知症
高齢者の再掲(痴呆性(認知症)老人自立度が
「Ⅲ」、「Ⅳ」又は 「M」かつ、障害老人自立度が
「自立」、「J」又は「A」。)
6.3%
7.6%
9.3%
79
135
176
3.4%
4.1%
5.1%
自立度Ⅲ以上
自立度Ⅱ:日常生活に支障を来すような症状・行
動や意思疎通の困難さが多少みられ
ても、誰かが注意していれば自立でき
る。
自立度Ⅲ:日常生活に支障を来すような症状・行
動や意思疎通の困難さがときどき見ら
れ、介護を必要とする。
「身体ケア」モデル⇒「身体ケア+認知症ケア」モデル
-7-
高齢者の世帯形態の将来推計
単独
夫婦
のみ
2000
2005
2010
2015
2020
303
386
471
566
635
(27.2%) (28.9%) (30.6%) (32.2%) (34.4%)
385
470
542
614
631
(34.6%) (35.1%) (35.2%) (34.8%) (34.2%)
「家族同居」モデル⇒「同居+独居」モデル
-8-
2025
680
(36.9%)
609
(33.1%)
単位:世帯数(万世帯)
括弧内は高齢者世帯(世
帯主が65歳以上の世帯)
に占める割合
-9-
見直しの基本的視点
制度の「持続可能性」
→給付の効率化・重点化
「明るく活力ある超
高齢社会」の構築
社会保障の総合化
→効率的かつ効果的な
社会保障制度体系へ
→予防重視型システム
への転換
- 10 -
見直しの内容
1
2
3
4
5
6
予防を重視する
施設の食費・居住費は自分で払う
地域でサービスを創る
サービスの質を良くする
市町村が仕事をしやすくする
年齢問題は引き続き検討
- 11 -
財政試算
○介護給付費の見通し-ごく粗い試算-
○第1号保険料の見通し-ごく粗い試算-
(各期平均・年額)
(全国平均・各期平均1人当たり月額)
第5期
第4期
第3期
第2期
(平成15~17年度) (平成18~20年度) (平成21~23年度) (平成24~26年度)
現行制度のまま
推移した場合
(保険料)
第 2 期
第 3 期
第 4 期
第 5 期
(平成15~17年度)
(平成18~20年度)
(平成21~23年度)
(平成24~26年度)
6,000 円現行制度のまま
10.6兆円
(ケースⅡ)
9.2兆円
(ケースⅠ)
8.8兆円
給付の効率化・
重点化を図る場
合
推移した場合
6,000 円
(ケースⅡ)
8.7兆円
7.8兆円
7.2兆円
5,200円 給付の効率化・重
5,100 円
7.5兆円
点化を図る場合
5,000 円
(ケースⅠ)
6.6兆円
6.5兆円
4,500円
5.5兆円
4,900円
4,300 円
4,400円
4,000 円
3,900円
3,900円
3,300円
3,300 円
平成
1 5
1 6
1 7
1 8
1 9
2 0
2 1
2 2
2 3
2 4
2 5
2 6 年度
3,000 円
-14-
- 12 -
3,300円
3,300円
保険料水準を現状
のままとした場合
介護保険制度改革の経緯・スケジュール
平成
9年12月
介護保険法成立
(法附則において施行後5年後の見直しを規定)
第
1 平成12年
期
4月
介護保険法施行
平成15年
4月
第2期事業計画期間開始(~17年度)
1号保険料の見直し、介護報酬改定
平成16年
制度見直し案作成作業
(社会保障審議会・介護保険部会)
平成15年5月
介護保険部会設置
平成16年7月30日
介護保険部会意見取りまとめ
12月10日
被保険者・受給者の範囲について意見
とりまとめ
第
2
期
平成17年
第 平成18年
3
期
2月
6月
制度改正法案を通常国会に提出
成立
4月
第3期事業計画期間開始
1号保険料の見直し
- 13 介護報酬・診療報酬の改定
※平成18年4月施行
(施設の居住費・食費の見直しは平成17年10月から)
高齢者の機能低下の流れ(イメージ図)
要支援
要介護1
要介護2
要介護3
要介護4
要介護5
■立ち上がり ■起き上がり ■片足での立位
■歩行 ■洗身 ■金銭の管理 ■つめ切り
要
介
護
度
毎
の
特
徴
的
項
目
■ズボン等の着脱 ■移動
■日常の意思決定
■洗顔
■整髪 ■口腔清潔
■排尿/排便 ■移乗
■食事摂取
■意思の伝達
■嚥下
■記憶・理解
- 14 -
軽度者が増加する中、今後は廃用症候群を対象にした予防対策を早急
に行っていくことが必要。
要介護度別介護が必要となった原因割合
100%
17.2
12.0
11.6
4.3
5.2
5.3
16.3
15.7
13.1
14.8
24.3
4.3
認知症
8.1
10.9
6.7
14.8
12.4
7.2
3.5
19.2
14.7
16.1
21.1
50%
4.8
9.1
主として廃用
症候群に関連
する原疾患
12.7
6.2
6.5
13.9
8.5
16.4
11.7
9.6
13.8
14.5
12.3
34.9
31.4
脳卒中
14.0
39.2
43.2
要支援・要介護1
といった軽度の方
々においては、関
節疾患(リウマチ
等)や高齢による
衰弱といった「廃
用症候群」を原因
とする方が多く、
他方で、要介護4
以上の重度者に
おいては、脳血管
疾患(脳卒中等)
を原因とする方が
多い。
17.8
0%
要支援者
脳血管疾患(脳卒中など)
要介護 1
要介護 2
要介護 3
骨折 ・転倒
関節 疾患(リウマチ等)
高齢 による衰弱
要介護4
認知症
資料 厚生労働省「国民生活基礎調査」(2001年)から厚生労働省老健局老人保健課において特
別集計(調査対象者:4,534人)
- 15 -
要介護 5
パーキンソン
その他
介護が必要となった主な原因(年齢別)
○ 65歳以上75歳未満の前期高齢者は、脳卒中が多いが、75
歳以上の後期高齢者は、衰弱、転倒・骨折が多くなっている。
原 因
0%
20%
40%
60%
80%
100%
1.1
65-69
51.2
70-74
年
齢
29
80-84
90+
10.7
23.6
14
18.3
11
14.7
15.3
脳卒中 転倒・骨折
39.2
1.9
7.1
4.9
45.9
75-79
85-89
6.1 2.4
7.5
40.2
10.1
12
42.7
13.5
24.9
43.6
衰弱化
資料 厚生労働省「国民生活基礎調査」(2001年)
- 16 -
36.9
16.2
25.9
11.2
認知症
18.9
その他
3つのモデルに応じた対策
①
脳卒中モデル
急性に生活機能が低下するタイプ
(脳卒中、骨折など)
②
廃用症候群モデル
徐々に生活機能が低下するタイプ
(骨関節疾患など)
③ 認知症モデル
いずれにも属さないタイプ、環境の変化に
対応困難(認知症)
- 17 -
- 18 -
介護認定審査会における新予防給付
保険給付と要介護状態
対象者選定のイメージ
区分のイメージ
介護認定審査会
新しい要介護認定
要介護状態区分の審査
+
状態の維持又は
改善可能性の審査
(新)要支援者
(新)要介護者
∥
∥
新予防給付
介護給付
※現行の認定調査項
目(79項目)に加え、
高齢者の生活機能を
評価する調査項目を
追加
※主治医意見書にお
いても、高齢者の生
活機能の評価を拡充
※「要支援」の方々及
び「要介護1」のうち
改善可能性の高い方
々を対象者として選
定
予防給付
介護給付
要支援者
要介護者
要支援1
(仮称)
要支援2
(仮称)
要介護2
要介護3
要介護4
要介護5
要介護4
要介護5
要介護1
現行区分: 要支援
- 19 -
要介護1
要介護2
要介護3
新予防給付のメニュー
新予防給付のメニューには、デイサービスやホームヘルプサービスなどの従来から
のサービスについても、内容の見直しを行い盛り込むとともに、筋力向上トレーニン
グなどの新しいサービスも新たに盛り込む予定。
①既存サービスの評価・検証
⇒生活機能の維持・向上の観点から内容・提供方法・提供期間等を見直し
訪問介護(ホームヘルプ)
通所介護(デイサービス)
通所リハビリテーション
福祉用具貸与
訪問看護
ショートステイ
グループホーム 等
内容・提供方法を見直し
※単に生活機能を低下させるような家事代行型の訪問介護については、原則行わないものとし、
例外的に行う場合でも、必要性について厳格に見直した上で、期間や提供方法等を限定する。
②新たなサービスの導入
⇒効果が明らかなサービスについて市町村モデル事業等を踏まえ導入
筋力向上
栄養改善
口腔機能向上
・新たにメニュー化
・既存サービスの中でも実施
※認知症(痴呆)予防、うつ予防、閉じこもり予防を地域支援事業において実施
- 20 -
介護予防事業の概要(イメージ案)
○対象:全高齢者
一般高齢者施策(仮称)
(ポピュレーションアプローチ)
○内容
:①介護予防に関する情報の提供
②地域におけるボランティア活動等を活用した介護予防
のための活動等の実施
③介護予防に資する活動を行おうとする地域住民に対す
る場の提供等の支援 など
※現行の老健事業の健康教育、介護予防・地域支え合い
事業における「いきがいと健康づくり推進事業」
、
「地
域住民グループ支援事業」等を念頭に事業を組立て予
定。
○対象:虚弱高齢者
(平成20年度以降は、高齢者人口の5%程度を対象。平成18年
特定高齢者施策(※)
(仮称)
(ハイリスクアプローチ)
度・平成19年度においては、おおむねその6~8割を実施。
)
○内容
:①地域における虚弱高齢者の把握のための事業
②虚弱高齢者に対して、介護予防の観点から、
「運動器の
機能向上」
、
「栄養改善」
、
「口腔機能の向上」
、
「閉じこも
り予防・支援」
、
「うつ予防・支援」
、
「認知症予防・支援」
等の事業を実施。
- 21 -
地域包括支援センター(地域包括ケアシステム)のイメージ
被保険者
多面的(制度横断的)支援の展開
行政機関、保健所、医療機関、児童相
談所など必要なサービスにつなぐ
総合相談・支援事業
虐待防止・早期発見、権利擁護
虐待防止
包括的・継続的マネジメント事業
長
期
継
続
ケ
ア
マ
ネ
ジ
メ
ン
ト
医療サービス
・日常的個別指導・相談
・支援困難事例等への指導・助言
・地域でのケアマネジャーのネットワークの構築
多職種協働・連携の実現
ケアチーム
連携
介護相談員
社会福祉士等
支援
主治医 ケアマネジャー
・センターの運営支援、評価
・地域資源のネットワーク化
ボランティア
ヘルスサービス
成年後見制度
地域権利擁護
民生委員
介護予防ケアマネジメント事業
ケアマネジメント
主任ケアマネ チームアプロー
ジャー(仮称)等 チ
介護サービス
保健師等
・中立性の確保
・人材確保支援
・アセスメントの実施
↓
・プランの策定
↓
・事業者による事業実施
↓
・再アセスメント
居宅介護支援
事業所
新
予
防
給
付
・
介
護
予
防
事
業
主治医
介護保険サービスの関係者
地域医師会、介護
支援専門員等の職
能団体
利用者、被保険者(老人クラブ等)
地域包括支援センター
運営協議会(仮称)
権利擁護・相談を担う関係者
-26-
NPO等の地域サー
ビスの関係者
⇒市区町村ごとに設置
(市区町村が事務局)
包括的支援事業の円滑な実
施、センターの中立性・公正
性の確保の観点から、地域
の実情を踏まえ、選定。
①認知症高齢者ケアの基本
ー「尊厳の保持」ー
認知症高齢者の特性
生活そのものをケアとして組み立てる
・記憶障害の進行と感情等の残存
・不安・焦燥感⇒行動障害の引き金
・環境適応能力の低下 (環境変化
に脆弱)
不安・不快
B
心身のストレス
※作られた障害
中核症状
無為
A
・環境の変化を避け、生活の継続性を尊重
・高齢者のペースでゆっくりと安心感を大事に
・心身の力を最大限に引き出して充実感のある
暮らしを構築
症状増悪、
自立度低下
体調悪化
その人らしさの消失
周辺症状
中核症状
C
その人らしさ
安心・快
中核症状
症状緩和
自立度向上
体調回復
リラックス
力の触発
その人らしさ
適切な環境とケアで不安と混乱を最小に導くこと
認知症介護研究・研修東京センター 永田久美子主任研究主幹による
- 23 -
②日常の生活圏域を基本としたサービス体系
・グループホーム
・小規模・多機能ケア
・施設機能の地域展開
・ユニットケアの普及
(認知症対応型ケアの普遍化)
・小規模な居住空間
・家庭的な雰囲気
・なじみのある安定的な
人間関係
・住み慣れた地域での生活
の継続
☆事業者・従事者の専門性・資質の
確保向上
ターミナルを視野に入れた
生活に配慮した医療サービス
- 24 -
地域密着型サービスの創設
要介護者の住み慣れた地域での生活を支えるため、身近な市町村で提
供されることが適当なサービス類型(=地域密着型サービス)を創設する。
1: A市の住民のみ
が利用可能
2:地域単位で適正な
サービス基盤整備
A市
・指定権限を市町村に
移譲
・その市町村の住民の
みがサービス利用可能
市町村(それをさらに細かく分け
た圏域)単位で必要整備量を定
めることで、
保険給付
指定、
指導・監督
利用
・サービス基盤の整備が遅
れているところでは、計画
的な整備が可能に。
・過剰な整備は抑制される。
地域密着型サービス事業所
地域密着型サービスに含まれるもの
① 認知症(痴呆性)高齢者グループホーム
② 認知症(痴呆性)高齢者専用デイサービス
③ 小規模多機能型居宅介護
④ 夜間対応型訪問介護
⑤ 小規模(定員30人未満)介護老人福祉施設
⑥ 小規模(定員30人未満)で介護専用型の特定施設
- 25 -
3:地域の実情に応じた指定
基準、介護報酬の設定(※)
(※)国が定める報酬の水準が上
限
4:公平・公正透明な仕組み
指定(拒否)、指定基準、報酬設定には、地域
住民、高齢者、経営者、保健・医療・福祉関係 者
等が関与
小規模多機能型居宅介護のイメージ
基本的な考え方:「通い」を中心として、要介護者の様態や希望に応じて、随時「訪問」や「泊まり」を
組み合わせてサービスを提供することで、在宅での生活継続を支援する。
利用者の自宅
小規模多機能型居宅介護事業所
様態や希望により、
「訪問」
「訪問」
併設事業所で
「居住」
人員配置は固定にせず、
柔軟な業務遂行を可能に。
+
(併設)
「居住」
○グループホーム
在宅生活の支援
「通い」を中心
とした利用
地域に開かれた透明な運営
サービス水準・職員の資質の確保
管理者等の研修
外部評価・情報開示
地域の他のケア資源や
地域包括支援センター
との連携
様態や希望に
より、「泊まり」
○「通い」の利用者15名程度
○1事業所の登録者は25名程度
○「泊まり」は「通い」の利用者に限
定
○「泊まり」の利用は5名までを基本
○どのサービスを利用しても、なじ
み の職員によるサービスが受けら
れる。
- 26 -
○小規模な介護専用型
の特定施設
○小規模介護老人福祉
施設(サテライト特養等)
○有床診療所 等
○小規模多機能型居宅
介護事業所と連続的、
一体的にサービス提供
○職員の兼務を可能に。
サテライト型居住施設について
(特養のサテライト展開)
ユニット
居宅に近い居住環境へ
30人
50人
定員減
1
0
人
改修
従来型(多床室)
本体施設
1
0
人
1
0
人
ー20人
密接連携
20人
本体施設との密接な関係を考慮し、規制緩和
○廊下幅 → 既存施設の改修利用を可能に
(片廊下 1.5m → 1.2m)
○医務室・調理室
→ 本体施設の利用を条件に簡易な設備で足り
ることとする。
サテライト居住型施設
個室・ユニットケア
ユニット
ユニット
1
0
人
1
0
人
1
0
人
1
0
人
併設
+
- 27 -
(定員20人以
下)
建物貸与可
○管理者(施設長)
→ 本体施設と兼務可
○生活相談員
→ 併設事業所との兼務可
○看護職員
→ 非常勤でも可
施設給付の見直し
○ 施設における居住費、食費は在宅と同様、保険外(利用者負担)とする
〈居 住 費〉 個 室:室料+光熱水費相当
多床室:光熱水費相当
〈食 費〉 食材料費+調理コスト相当
○ 低所得者対策
・市町村民税非課税の世帯には、負担の軽減措置(介護保険制度で補足給付)
・基礎年金以下の層には特に配慮
高齢者
在宅の場合
計 約29.1万円
年金支給
特養の場合
基礎年金水準 6.7万円/月
⇒低所得者への配慮が必要
厚生年金水準 16.8万円/月
計 約36.5万円
一部負担5.6万円
(うち食材料費2.6万円)
自己負担
約10.4万円
食
費
居住費用
約3.1万円
約5.2万円
(光熱水費を含む)
一部負担
(注)単身の要
介護5の高齢
者について比
較したもの
2.1万円
保険給付分
約18.7万円
保険給付分
約30.9万円
支給限度額まで利用した場合
約33.4万円
在宅と施設のバランス
- 28 -
食費、居住費用
介
護
保
険
と
年
金
の
調
整
居住系サービスにおける利用者負担
厚生労働省調べ
有料老人ホーム
合計19万円程度
利用料(管理費+食費)
約17万円
介護サービス利用者負担
約2万円(要介護度3)
ケアハウス
食材料費、光熱水費
事務費
管理費
介護サービス利用者負担
合計10~14万円程度
約4.5万円
平均2.3万円
1~5万円
約2万円(要介護度3)
合計11万円程度
認知症高齢者グループホーム
家 賃
光熱水費
食材料費
介護サービス利用者負担
約3.6万円
約1.2万円
約3.4万円
約2.5万円(要介護度3)
- 29 -
施設介護サービス費の見直し
(1)居住費の水準の考え方
○今回の見直しにおいては、報酬から控除する「居住費」については、居住環境に応じて設定。
○居住環境という観点から見ると、「多床室」と「個室」とは相当の差異があることから、報酬から
控除する「居住費」の水準については、個室については、「室料相当+光熱水費相当」を、多床
床室については、「光熱水費相当」を、それぞれ「居住費」の水準として設定。
★介護保険三施設における居住費用
(単位:円)
個室
多床室
67,794
53,931
46,248
減価償却費
49,071
37,688
32,319
光熱水費
18,723
16,243
13,929
-
60,509
52,878
減価償却費
-
44,428
38,825
光熱水費
-
16,081
14,053
-
63,936
56,483
減価償却費
-
50,827
44,902
光熱水費
-
13,109
11,581
ユニットケア
個室
介護老人福祉施設
介護老人保健施設
介護療養型医療施設
※1
※2
※3
合計
合計
合計
現在集計中の介護事業経営概況調査(平成16年10月実施)のうち、居住費用についてのみ特別に集計したもの。(速報値であり数字は精査中)
介護老人福祉施設については国庫負担補助取り崩しを除かない分
減価償却費、光熱水費には食事サービス部門を含んでいる。
- 30 -
(2)食費に係る負担水準の考え方
○ 現行、介護保険施設が行う食事の提供については、介護報酬上、基本食事サービス費と
して、1日につき、2,120円の評価を行っているところである。
○ 今般、介護保険法の改正により、従来の基本食事サービス費を廃止し、
① 食材料費及び調理コストは利用者負担に、
② 栄養管理については、評価の在り方を見直しつつ、保険給付の対象にすることとしている。
③ 光熱水費等相当分は、居住費相当の介護報酬の減額の際に考慮。
★介護保険三施設における食費
材料費等
調理員等
栄養士
光熱水費等
介護保険3施設平均
16,891円
25,339円
4,536円
4,650円
介護老人福祉施設
24,936円
20,401円
5,270円
4,633円
介護老人保健施設
13,778円
28,728円
3,966円
5,236円
介護療養型医療施設
11,959円
26,887円
4,372円
4,079円
※ 現在集計中の介護事業経営概況調査(平成16年10月実施)のうち、食費についてのみ特別に集計したもの。
- 31 -
(3)栄養ケア関連の介護報酬の骨格
○ 介護保険施設における栄養管理については、以下の4つの点から介護報酬上評価すること
とする。
① 栄養管理体制に対する評価 (12単位・10単位)
常勤の管理栄養士又は栄養士を1名以上配置した場合に、評価することとする。
② 栄養ケア・マネジメントに対する評価 (12単位)
以下の要件を満たした場合に評価することとする。
・ 常勤の管理栄養士を1名以上配置していること。
・ 医師、管理栄養士等が協働して、利用者ごとに栄養状態をアセスメントし、栄養ケア
計画(仮称)を作成すること。
・ 栄養ケア計画(仮称)に基づき、管理栄養士が栄養管理を行い、その成果を定期的
に評価すること。
③ 経口摂取への移行に対する評価 (28単位)
経管により食事を摂取する利用者を経口摂取に移行するために、医師の指示に基づく
栄養管理を行う場合に180日を限度として評価することとする。
④ 療養食に対する評価 (23単位)
食事の提供が管理栄養士又は栄養士によって管理され、医師の食事せんに基づく腎臓
病食等の療養食を提供した場合に評価することとする。
- 32 -
居住費・食費負担導入に伴う利用者負担軽減措置
1
補足給付(特定入所者介護サービス費)の創設
〈補足給付の創設〉
○
利用者負担段階が第1段階~第3段階の者(市町村民税世帯非課税以下)に
ついては、介護保険制度において、負担上限額を定め、補足給付(特定入所者
介護サービス費)を支給。
<補足給付基準費用額>
多床室居住費
1万円
既存個室居住費
5万円(介護老人福祉施設は3.5万円)
準個室ユニット居住費
5万円
個室ユニット居住費
6万円
食費
4.2万円
- 33 -
補足給付の仕組み
(1)居住費に係る補足給付(個室ユニットの例)
第1段階
第2段階
第3段階
第4段階以上
(生活保護受給者)
(年金80万円以下)
(年金80万円超266万円以下)
(年金266万円以上)
補足給付
3.5万円
1.0万円
3.5万円
利用者負担
5.0万円
利用者負担
2.5万円
※利用者と施設の契約
2.5万円
(2)食費に係る補足給付
補足給付
3.2万円
3.0万円
2.2万円
利用者負担
利用者負担
1.0万円
1.2万円
2.0万円
- 34 -
※利用者と施設の契約
〔介護保険施設〕保険料段階別入所(院)者割合
特 養
老 健
療養型
第1段階
5%
新第4段
階以上
16%
新第3段
階
38%
新第2段
階
13%
第1段階
20%
新第2段
階
25%
第1段階
6%
新第4段
階以上
63%
新第3段
階
19%
新第2段階
13%
新第4段階
以上
62%
新第3段階
19%
出典)「介護サービス施設・事業所調査結果」等に基づき
厚生労働省老健局において試算
- 35 -
居住費、食費の見直しに伴う利用者負担の変化
特別養護老人ホームの入所者における利用者負担の変化
(単位 万円/月)
〔 現 行 〕
改 正 後 の
保険料段階
利用者
負担計
第1段階
2.5
(4.5-5.5)
例)生活保護
受給者等
第2段階
例)年金80万
円以下の者
第3段階
例)年金80万
円超266万円
以下の者
第4段階例)年金266
万円超の
者
⇒
〔 見直し後 〕
保険外に
1割
居住費 食費
負担
利用者
負担計
1割
負担
居住費
食費
-
(2.0-3.0)
2.5
(5.0)
1.5
0
(2.5)
1.0
1.5
1.0
4.0
(7.0-8.0)
2.5
-
(3.0-4.0)
1.5
3.7
(5.2)
1.5
1.0
(2.5)
1.2
4.0
(7.0-8.0)
2.5
-
(3.0-4.0)
1.5
5.5
(9.5)
2.5
1.0
(5.0)
2.0
5.6
(9.7-10.7)
3.0
(3.1)
-
(4.0-5.0)
2.6
利用者と施設の
契約により設定
(実際に要した
( 参 考 ) 標 準 的 な費ケ
ー ス
用を勘
案)
8.1
(12.8)
2.9
(2.6)
1.0
(6.0)
4.2
注1)表中の()内は、ユニット型の個室の場合
注2)要介護5・甲地のケース
注3)改正後の1割負担については現行の介護報酬を基に機械的に試算したものである。
注4)「例」には、収入が年金のみで他に課税されるべき収入がないケースを記載。
- 36 -
利
用
者
負
担
の
上
限
を
設
定
介護保険施設の居室類型について
種 別
居室の要件
その他の要件
介護老人福祉
施設
介護老人保健
施設
介護療養型
医療施設
-
-
-
-
一定以上の窓
個 室
固定壁で天井とのすき間なし
共同生活室(リビング)必置
19,000人
(※1)
広さ13.2㎡(8畳)以上
ユニット型
一定以上の窓
(※3)
294施設
準個室
固定壁だが天井とのすき間あり
共同生活室(リビング)必置
-
広さ10.65㎡(6畳)以上
一定以上の窓
個 室
固定壁で天井とのすき間なし
-
42,665室
30,360室
9,310室
(※2)
(※2)
(※2)
86, 470室
68,144室
37,594室
(※2)
(※2)
(※2)
従来型
(※3)
5,093施設
多 床 室
定員2人以上の部屋
-
(※1)介護給付費実態調査月報(平成17年3月審査分)による利用者数
(※2)平成15年介護サービス施設・事業所調査による居室数
(※3)平成17年1月現在の介護老人福祉施設についての区分。一部ユニット型は双方に計上。
個 室:固定壁で天井との隙間なし
準個室:固定壁だが天井との隙間あり
個 室:広さ13.2㎡(8畳)以上
準個室:広さ10.65㎡(6畳)以上
個室
多床室
- 38 -
従来型個室の経過措置の概要
○ 従来型個室に対する報酬の適用については、現行の特別な室料の基準や実態等を踏ま
え、既入所者について、一定期間、多床室と同額の報酬を適用し、利用者負担については
光熱水費相当とするなど、一定の経過措置を講ずることとする。
(1)従来型個室の既入所者について
対象者の範囲 : 平成17年10月1日時点において現に個室に入所している者のうち、過去
1ヶ月間にわたり、継続して個室を利用し、かつ、特別な室料を支払ってい
ない者
報
酬 : 多床室と同額の報酬を適用
利 用 者 負 担 : 光熱水費相当
特 別 な 室 料 : 支払いを求められない
- 39 -
(2)従来型個室の新規入所者について
対象者の範囲 : ①感染症や治療上の必要など、施設側の事情により個室の入所が必要な場
合であって、個室への入所期間が30日以内である者
②居住する居室の居住面積が、一定以下(※)である者
※ 特養は10.65㎡、老健は8㎡、介護療養型医療施設は6.4㎡
③著しい精神症状等により、多床室では同室者の心身の状況に重大な影響
を及ぼすおそれが高く、個室以外での対応が不可能である者
報
酬 : 多床室と同額の報酬を適用
利 用 者 負 担 : 光熱水費相当
特 別 な 室 料 : 支払いを求められない
※ 上記の措置の在り方については、実施状況等を踏まえ、平成21年度の介護報酬改定
時に改めて検討
- 40 -
施設介護サービス費の見直し等に伴う報酬単位設定の考え方
(考え方)
(1)ユニットケア
・ ユニットケアの居住費は6.0万円
・ 平成 15 年 4 月の報酬設定で居住費用の導入に伴って 1.2 万円を既に報酬から切り出している。
・ 今回の報酬設定については、6.0万円―1.2万円=4.8万円を介護報酬から切り出し報酬をセット。
(2)従来型個室
・ 従来型個室の居住費は5.0万円
・ 特養については、建設費用の一定割合が公費で負担されていたことを考慮し、3.5万円を介護報酬から切り出し
報酬をセット
(3)多床室
・ 多床室の居住費は光熱水費相当1.0万円
※ 上記の居住費は、食事部門の光熱水費を含めたものであるため、切り出し水準の設定に当たっては、基本食事サー
ビス費の廃止により既に切り出している食事部門に係る光熱水費 4.6 千円を調整した(従って、光熱水費の切り出
し額は施設全体で見ると1.0万円となる。
)
。
(介護老人福祉施設の場合)
ユニットケア
(特養)
従来型個室
(特養)
多床室
要介護 5
現行単位
特養
974 単位
特養
959 単位
特養
959 単位
▲
居住費
光熱水費
▲ 158
(48,000÷30.4)
+15
(4650÷30.4)
▲ 143
要介護 5 居住費導
入後の単位
特養
831 単位
▲ 115
(35,000÷30.4)
▲
33
(10,000÷30.4)
+15
(4650÷30.4)
+15
(4650÷30.4)
▲ 100
特養
859 単位
▲
特養
941 単位
- 41 -
合計
18
利用者負担の変化(特別養護老人ホームの場合)①
〈利用者負担第1段階〉
現 行
負担合計
多床室(相部屋)
従来型個室※
ユニット型準個室
ユニット型個室
2.5
1.5
0.0
1.0
3.5※
1.5
1.0※
1.0
-
4.0
1.5
1.5
1.0
4.5~5.5
5.0
1.5
2.5
1.0
2.5
〈利用者負担第2段階〉
現 行
負担合計
多床室(相部屋)
従来型個室※
ユニット型準個室
ユニット型個室
1.5
1.0
1.2
4.0※
1.5
1.3※
1.2
-
4.2
1.5
1.5
1.2
7.0~8.0
5.2
1.5
2.5
1.2
現 行
負担合計
ユニット型準個室
ユニット型個室
[単位:万円・月額概数]
平成 17 年 10 月~
負担合計 1割負担 居住費
食費
3.7
4.0
〈利用者負担第3段階〉
多床室(相部屋)
従来型個室※
[単位:万円・月額概数]
平成17 年10 月~
負担合計 1割負担 居住費
食費
4.0
[単位:万円・月額概数]
平成 17 年 10 月~
負担合計 1割負担 居住費
食費
5.5
2.5
1.0
2.0
7.0※
2.5
2.5※
2.0
-
8.5
2.5
4.0
2.0
7.0~8.0
9.5
2.5
5.0
2.0
※ 従来型個室については、経過措置対象者は多床室(相部屋)の取扱いとなる。
- 42 -
利用者負担の変化(特別養護老人ホームの場合)②
〈利用者負担第4段階〉
☆ 利用者負担第4段階の方は、利用者と施設の契約により水準が決まりますが、
平均的な費用額は次のとおりです。
[単位:万円・月額概数]
現 行
平成17 年10 月~
負担合計
負担合計 1割負担 居住費
食費
多床室(相部屋)
8.1
2.9
1.0
4.2
5.6
従来型個室※
10.4※
2.7
3.5※
4.2
ユニット型準個室
ユニット型個室
-
11.8
2.6
5.0
4.2
9.7~10.7
12.8
2.6
6.0
4.2
- 43 -
「補足給付」以外の低所得者対策
①
①社会福祉法人減免の運用改善
利用者負担第3段階のうち、所得の低い層についても社会福祉法人による
利用者負担の軽減措置の対象となるよう、収入要件を150万円に引き上げる
など、よりきめ細かい対応が図れるように運用を改善する。
②第4段階以上の世帯に関する特例
利用者負担第4段階(市町村民税課税層)であっても、高齢夫婦二人暮ら
しで一方が個室に入った場合で、残された配偶者の収入が年額80万円以下
であり、預貯金等の資産が450万円以下となるなど一定の場合には、第3段
階とみなして補足給付を適用する。
③高額介護サービス費の見直し
利用者負担第2段階については、高額介護サービス費の上限を月額15,000
円に引下げ(従来は24,6000円/月)。この措置は、施設、在宅サービスいずれ
も平成17年10月から施行する。
- 44 -
「補足給付」以外の低所得者対策
②
④旧措置入所者への対応
介護保険法施行前に入所していた者(旧措置入所者)については、平成17
年10月からの居住費・食費に関する見直し後も、措置時代の費用徴収額を上
回らないように負担を軽減する。
⑤境界層該当者への対応
介護保険制度における保険料、特定入所者介護サービス費、高額介護サー
ビス費の自己負担上限額について、より低い基準を適用すれば生活保護を必
要としない状態となる者については、当該低い額を適用する。
⑥税制改正に伴う対応
平成17年度税制改正(高齢者の非課税措置の廃止)については、介護保険
の保険料、利用料について平成18年度から次の経過措置を検討する。
・保険料:段階的な引き上げが可能となるようにする。
・利用料:利用者負担段階が2段階上昇→1段階の上昇に止める。
利用者負担段階が1段階上昇→社会福祉法人減免により対応。
- 45 -
社会福祉法人減免制度の見直しについて
①
(1)対象者の要件
○ 市町村民税世帯非課税者であって、次の要件の全てを満たす者のうち、その者の
収入や世帯の状況、利用料負担を総合的に勘案し、特に生計が困難な者として市町
村が認めた者とする(生活保護受給者及び旧措置入所者として実質的に負担軽減を
受けている者を除く。)。
① 年間収入が単身世帯で150万円、世帯員が1人増えるごとに50万円を加
算した額以下であること。
② 預貯金等の額が単身世帯で350万円、世帯員が1人増えるごとに100万
円を加算した額以下であること。
③日常生活に供する資産以外に活用できる資産がないこと
④負担能力のある親族等に扶養されていないこと。
⑤介護保険料を滞納していないこと。
- 46 -
社会福祉法人減免制度の見直しについて
②
(2)減額割合
○ 減額割合は1/4(利用者負担第1段階の者は1/2)を原則とする。(全額免除は
行わない)
(3)対象となる費用
○ 指定介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)における施設サービス、訪問介護、
通所介護及び短期入所生活介護並びにこれに伴う食費、居住費(滞在費)を減額の
対象とする。(日常生活費は含まない。)
(4)公費助成の内容
○ 助成の対象は、社会福祉法人等が利用者負担を減免した総額のうち、当該法人
の本来受領すべき利用者負担収入の1%を越えた部分とし、当該法人の収支状況
等を踏まえ、その1/2を基本としてそれ以下の範囲内で行うことができるものとす
る。
なお、指定介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)に係る利用者負担を減免
する社会福祉法人等については、減免総額のうち、当該施設の運営に関し本来受
領すべき利用者負担収入に対する割合が10%を超える部分について、全額を助
成措置の対象とするものとする。
- 47 -
指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準の改正
(1)指定介護老人福祉施設について、ユニット型準個室の設備の基準を定めること。
(2)利用料等の受領ができる費用として、居住費及び食費を規定すること。
(3)利用者が支払う居住費及び食費については、利用者の書面による同意を得ること。
利用者が支払う居住費・食費に関する指針
利用者が支払う居住費や食費については、次に定めるところにより取り扱うこと。
(1)居住費(滞在費を含む。以下同じ。
)
利用者が支払う居住費の範囲は、居住環境の違い(個室、準個室、多床室)に応じ
て、ユニット型個室、ユニット型準個室及び従来型個室については室料及び光熱水費
相当、多床室については光熱水費相当を基本とし、施設等と利用者との契約により定
めることとすること。その際、当該施設における建設費用(修繕・維持費用等を含み、
公的助成の有無についても勘案すること。
)や近隣の類似施設の家賃、光熱水費の平
均的な水準等を勘案すること。
(2)食費
利用者が支払う食費の範囲は、食材料費及び調理に係る費用を基本とし、施設等と
利用者との契約により定めることとすること。
(3)特別な室料や特別な食費等との関係
利用者の選定に基づく特別な室料及び特別な食費については、一般の居住費(滞在
費を含む。
)及び食費に対する追加的費用であることを明確化した上で利用料を受領
することとすること。
- 48 -
医療と介護の機能分担と連携強化
○ 医療と介護の機能分担と連携強化を図る観点から、平成
18年4月に予定されている介護報酬の改定において、必
要な対応を行う。
【主な課題】
①地域における医療と介護の包括的・継続的マネジメント
・地域における主治医とケアマネジャー等の連携強化
・介護予防における医療との連携
②重度者に対応した医療型多機能サービス
・医療ニーズの高い重度者の在宅生活を支援するサービスの在り方
③施設や居住系サービスにおける医療と介護の機能分担と連携
・日常的な健康管理や緊急時の対応の在り方
・ターミナルケアの在り方
・外部の専門医療機関や訪問看護等を利用する場合の報酬等の在り方
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社会保障審議会答申(平成17年7月15日)
平成17年7月14日厚生労働省発老第0714001号をもって社会保障審議会
に諮問のあった標記については了承する。
今回の介護報酬の見直しは、介護保険法等の一部を改正する法律(平成
17年法律第77号)に基づき、平成17年10月1日より介護保険施設等における居
住費(滞在費)及び食費が保険給付の対象外となることに伴うものである。当分
科会においては、今後、平成18年4月に予定されている次期介護報酬の見直し
に向けた検討を進めていくが、その中では在宅ケアの推進に関する課題をはじ
め、今回の見直しに関する当分科会の審議の中で提起されたユニット型個室等
と多床室との介護報酬設計のバランス、質の向上の観点からの人員配置の在
り方、利用者の居住環境の改善等の諸課題についても検討することが必要であ
ると考える。
なお、今回の見直しは、施行までの準備期間が短期間であることから、
施設等の現場における円滑な実施が進み、また利用者への配慮が確保される
よう、厚生労働省は保険者等と協力して十分な準備支援体制を早急に確保する
ことを強く要請する。
- 50 -
ケア付き高齢者住宅の整備状況
○介護施設とケア付き高齢者住宅の高齢者人口に対する割合は、諸外国が8%を超える水準であ
るのに対して、我が国では4%に過ぎない。特に、ケア付き高齢者住宅の不足が際だっている。
各国の高齢者の居住状況(65歳以上人口に対する定員の比率)
国名
(年度)
介護施設
ケア付き高齢者住宅
英国
1984
(老人ホーム)3.0%
(リタイアメント・ハウジング)5.0%
スウェーデン
1990
(老人ホーム)3.0%
(サービス・ハウス)5.6%
デンマーク
1989
(老人ホーム(プライエム))5.0%
(サービス付き高齢者住宅・高齢者住宅)3.7%
米国
1992
(ナーシングホーム)5.0%
(リタイアメント・ハウジング)5.0%
日本
2002
(介護3施設)3.2%
0.8%
資料:園田真理子「世界の高齢者住宅」(日本建築センター)より厚生労働省老健局振興課作成
日本における高齢者向けの住まいの定員数
万人
8
6
4
2
0
シ
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ウ
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賃
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宅
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- 51 -
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ケア付き居住施設の充実
高齢期の住み替えニーズの拡大
(背景)・高齢者の一人暮らし又は夫婦のみの世帯の増加から日常生活面での困難や不安
・家屋の構造が要介護者の生活に適さない
・高齢者のライフスタイルの多様化
高齢者が安心して住める「住まい」への住み替え
(自宅、施設以外の新しい「住まい」)
(要件) ・バリアフリー、住まいにふさわしい居住水準・住み続けの保障
・安心のための生活支援サービス
・「早めの住み替え」、「要介護状態になってからの住み替え」各々の形態に対応した
多様な介護サービス提供
- 52 -
介護が付いている住まいの一般化
○特定施設の対象を、現行の有料老人ホームと軽費老人ホームに加え、高齢者向け優良賃
貸住宅等の一定の要件を満たした「住まい」にまで拡大。
○このような「住まい」を特定施設の対象とする一方で、利用者保護の観点から、情報開
示、登録・届出制度等により、行政が適切に関与することが必要。
現行の特定施設
特定施設の対象の拡大
有料老人ホーム
+
軽費老人ホーム
(ケアハウス)
<次の要件を満たす住まいにまで対象を拡大>
○住まい:
バリアフリー
住まいとしてふさわしい居住水準
住み続けの保障
○生活支援サービス:
365日24時間の安心を保障
○介護サービス:
「早めの住み替え」「要介護になってか
らの住み替え」それぞれの形態に対応し
た多様なサービス提供形態
- 53 -
行政の適切な
関与
◇情報開示の
ルール
◇登録・届出
制度等
介護サービスの提供体制の多様化
○現行の特定施設の介護サービス提供形態・提供体制の基準や報酬体系は、特別養護老人
ホームと近似しており、「要介護状態になってからの住み替え」を想定した構造であり、
「早めの住み替え」のケースにあてはめにくいという指摘がある。
○このため、現行のルールに加え、早めの住み替えにも適切に対応した人員配置、報酬体系
のルールを検討することが必要。
〈居住と介護サービスの関係〉
パターン1
(自 宅)
居宅
高齢者住宅
(自宅と同じ)
外部サービス(訪問・通
所介護や看護、小規模
多機能サービス等)
パターン2
ケア
特 定 施設 の 新し い
サービス提供形態
アウトソーシング
ケア
ケアのアウトソーシング
パターン3
現行の特定施設
高齢者住宅がケアを行う
ケア
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情報開示の標準化の仕組み
すべての介護保険事業者
《介護サービス情報》
介護サービスの内容及び運営状況に関する情報であって、要介護者等が適切かつ
円滑に介護サービスを利用することができる機会を確保するために公表されるこ
とが必要なもの(厚生労働省令で定める)。
《基本情報》
《調査情報》
○ 基本的な事実情報であり、公表だけで
足りるもの
○ 事実かどうかを客観的に調査することが
必要な情報
(例)事業所の職員の体制、サービス提供時間
機能訓練室等の設備、利用料金 等
(例)介護サービスに関するマニュアルの有無、
身体拘束を廃止する取組の有無 等
そのまま報告
(年に1回程度)
都道府県知事 又は 指定調査機関
(都道府県知事が指定)
○ 中立性・公平性の確保
○ 調査の均質性の確保
都道府県知事 又は 指定情報公表センター
(都道府県知事が指定)
《介護サービス情報を公表≫
○ 基本情報及び調査情報を公表
参照
利用者(高齢者)
介護サービス情報に基づく比較検討を通じて、介護保険事業者を選択
報告内容について
事実かどうか調査
報告
(年に1回程度)
事業者規制の見直し
1.指定の欠格事由、指定の取消要件の追加
指定の欠格事由に、申請者又は法人役員(施設長含む)が以下のような事項に該当する場合を追
加(更新時も同様)
①指定取消から5年を経過しない者であるとき(指定取消手続中に自ら廃止した者を含む)
②禁錮以上の刑を受けて、その執行を終わるまでの者であるとき
③介護保険法その他保健医療福祉に関する法律により罰金刑を受けて、その執行を終わる
までの者であるとき
④5年以内に介護保険サービスに関し不正又は著しく不適当な行為をした者であるとき
2.指定の更新制の導入
・事業者の指定に有効期間(6年程度)を設ける。
・更新時に、基準への適合状況や改善命令を受けた履歴等を確認するので、基準に従って適正な事
業の運営をすることができないと認められるときは、指定の更新を拒否できる。(現行も新規の指
定申請について、同様の場合には拒否できる)
3.勧告、命令等の追加
・都道府県、市町村(地域密着型サービス)が、より実態に即した指導監督や処分を行うことができ
るよう、事業者に対する、①業務改善勧告、②業務改善命令、③指定の停止命令、④当該処分
の公表、の権限を追加する。
- 56 -
地域介護・福祉空間整備等交付金について
1 目的
国民が住み慣れた地域で暮らし続けることができるようにするため、また、地域再生や三位一体改
革の観点なども踏まえ、各地方公共団体が地域の実情に合わせて裁量や自主性を生かしながら介
護サービス基盤を整備することを支援する交付金(「地域介護・福祉空間整備等交付金」)を創設す
る。
(「地域における公的介護施設等の計画的な整備等の促進に関する法律」※に規定。)
※ 「民間事業者による老後の保健及び福祉のための総合施設の整備の促進に関する法律」を「国民の補助金等の整理及
び合理化等に伴う国民健康保険法等の一部を改正する法律)」により改正。
2 地域介護・福祉空間整備等交付金の内容
① 市町村交付金
・・・地域密着型サービス、介護予防拠点など市町村内の日常生活圏域で利用されるサー
ビス拠点を整備するための交付金
② 都道府県交付金
・・・特別養護老人ホームなど広域型の施設を整備するための交付金
3 平成17年度予算額
866億円
4 国の基本方針
国は、公的介護施設等の整備に関する基本方針を策定する。
・ 公的介護施設等の整備の意義及び目標
・ 市町村整備計画及び施設生活環境改善計画の作成に係る基本的な事項
・ 市町村交付金及び都道府県交付金に係る基本的な事項 等
市町村整備計画及び都道府県整備計画のイメージ
今後3年以内にA日常生活圏域で整備
すべきサービス基盤に関する
左のサービス見込量を確保するため
に必要なサービス基盤の
「面的な配置構想」
市町村内のA日常生活圏域のサービス
見込量
小規模特養
○訪問介護
回
○通所介護
回
・
・
・
・
・
・
・
・
○特別養護老人ホーム
人
○介護老人保健施設
人
・
・
デイサービス
センター
デイサービス
センター
地域包括支援セ
ンター
介護予防拠点
グループホーム
小規模多機能型居宅介護事業
・
・
は既存施設
→ □のサービスが不足
「市町村整備計画」
●小規模多機能型居宅介護
●小規模特養
●小規模老健
●小規模特定施設(ケアハウス)
●認知症高齢者グループホーム
●認知症対応型デイサービス
●夜間対応型訪問介護事業
●介護予防拠点
●地域包括支援センター
●生活支援ハウス
●高齢者の在宅生活を支えるた
めの基盤形成
毎年度策定する広域的な介護サービス基盤に
関する
「都道府県整備計画」
●特養
●老健
●特定施設(ケアハウス )
●訪問看護ステーション
●養護老人ホーム
●補装具製作施設
●盲導犬訓練施設
●点字図書館
●聴覚障害者情報提供施設
広域的な介護サービス基盤
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5 交付金について
(1) 市町村整備計画の策定、評価等
市町村(特別区を含む。)は、
① 日常生活圏域を単位として、
② 様々な介護サービスの面的な配置構想を基に、
③ 今後3年以内に実施する基盤整備事業を明らかにした
「市町村整備計画」を策定し、国に提出。
※ 平成17年度においては、介護予防拠点の整備のみを盛り込んだ市町村整備計画を策定することも差し支えない。
計画全体に対し、交付金を交付
(2) 都道府県整備計画の策定
都道府県(指定都市及び中核市を含む。)は、毎年度、施設生活環境改善(創設、個室・ユニット
化改修など)のための基盤整備を行うための「施設生活環境改善計画」を策定し、国に提出。
計画全体に対し、交付金を交付
(3) 交付金は、各市町村・都道府県で弾力的な運用が可能
① 地域におけるサービス基盤の整備状況や既存の建物の活用状況などを踏まえて、各事業者への
助成の程度を柔軟に変更可能
② 交付金総額の範囲内で、整備量を増やすことが可能
等
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