「もったいない」の意味空間分析

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Transcript 「もったいない」の意味空間分析

「もったいない」の精神
環境情報学部2年 浦上みちる
総合政策学部1年 堀惇
目的
私たち日本人が何気ない発話の中で、
「もったいない」という言葉の中に、どういう
意味を込めているのかを分析する。
先行研究(1)
「もったいない」は、消費削減(リデュース)、
再使用(リユース)、資源再利用(リサイク
ル)、修理(リペア)の4つの『R』を表してい
る。
 「もったいない」の本質は、限られた資源を
大切にすることだ。
ワンガリ・マータイ

日本人の反応
多くの人が共感
 「もったいない」の議論
1)日米比較
2)「もったいない」精神を思い出すことの重要
性

注目のされ方についての疑問
「もったいない」の意味はそんなに単純か?
 本当に物質的な欠乏・有限性の認識だけ
が「もったいない」精神を支えているのか?

「もったいない」の語源
「物体」・・・「物の形」「物のあるべき姿」
→「重要な部分」「本質的なもの」
→「勿体」・・・「重々しさ」「威厳さ」
→「勿体無い」・・・「妥当でない」「不届きだ」
→「自分には不相応である」
→「ありがたい」「粗末に扱われて惜しい」
「もったいない」の定義
広辞苑では・・・
「物の本体を失する意」
①神仏・貴人などに対して不都合である。不
届きである。
②過分のことで畏れ多い。かたじけない。あり
がたい。
③そのものの値打ちが生かされず無駄になる
のが惜しい。
分析対象
朝日新聞の投書欄より3000件
 「もったいない」が含まれるテクストのみ

着眼点
物質の欠乏や有限性を意識しているために
感じる「もったいなさ」がどの程度の割合で
表現されているのか。
 そうでない場合、一体何が語られているの
か。

有限なものに対する「もったいない」
「捨てる」を含むセンテンス231件
 「残す」を含むセンテンス38件
 「使い捨て」を含むセンテンス11件
 「資源」を含むセンテンス10件
 「無駄(むだ)」を含むセンテンス6件


その他含めた分類の合計308件
有限なものに対する「もったいない」2
「時間」についてのセンテンス88件
 「場所」についてのセンテンス86件
 「お金」についてのセンテンス36件

「もったいない」の背後に、「限りがある」もの
という意識が読み取れるテクストは
合計518件
“もったいない”の精神的な事柄に対しての
使い方
“もったいない”という言葉には、物理的な事
柄に対して以外に使い方があります。
 そこで、基礎意味チャンクを使って具体的に
どのような使い方があるのか、分析してみ
ました。

“もったいない”の使用意味別の頻度
250
200
150
頻度
100
50
0
能力
心
地位、職
まとめ
“もったいない”には、物質的なことに関して
の他に、精神的なことに関しての使い方も
ある。
 物質的な事に関しての使い方ばかりではな
い。
 精神的なことに使われる“もったいない”に
は、日本人独特の心意気が見られる。
