Transcript 年齢別現在推計人口
地域別年齢別推計人口の地方 自治体による公表状況 日本人口学会(お茶の水女子大学) 2010年6月13日 国士舘大学 山田 茂 1 地域別年齢別人口データ ・静態:①国勢調査:5年ごと10月 ②住民基本台帳人口:全国は3月末 ③外国人登録:全国は12月末 ④年齢別現在推計人口 ⑤年齢別将来推計人口 ・動態:人口動態統計・出入国管理統計 2 人口推計の対象時点 ・将来推計人口:今回除外 次回国調以降・5年ごと 方法:コーホート要因法 直近国調間の変化継続 ・現在推計人口:次回国調結果の判明まで代用 直近から次回国調までの期間 方法:国調に移動・出生・死亡等のデータを加減 3 地域別現在人口推計の概念図 死亡 出生 転出 転入 前回 国勢 調査 結果 ↑ 現在 人口 推計 プラス要因 実地調査 ↑ マイナス要因 期間中の届出など 時間→ 次回 国勢 調査 結果 ↑ 実地調査 4 地域別現在推計人口に関する先行研究 • 広嶋 清志・ 白石 紀子(1991) 「都道府県別現在人 口推計の現状」 『人口問題研究』199 • 廣嶋・白石(1993) 「都道府県別人口推計の現状」 法政大日本統計研究所『研究所報』No.19 • 白石(1997)「地域人口分析のための基本資料」濱 英彦・山口喜一『地域人口分析の基礎』古今書院 • 1990年代までの都道府県による調査の冊子体の報 告書をカバー 5 1 年齢別現在人口推計の公表 北海道 :作成せず 高知県 :2006年3月まで作成 13都府県: 「年齢区分なし」作成 6 年齢別現在推計人口の公表 ・総務省統計局: 国調年以外の10月1日 統計としての名称さまざま ・32県:多くは早くから高齢化・若年層流出 ・9都市: ・政令市 横浜・川崎・名古屋・京都・大阪 行政区まで ・一般の市 伊丹・長崎・宮崎・秋田 大字別は秋田だけ *基準日:神奈川県・横浜市以外10月1日を含む 7 公表時期: 統計局は6ヵ月半後 作成周期: 統計局は1年 6か 月, 2 月, 2 四半 期, 8 5か 月, 6 半年, 1 年, 21 3/4か 月, 8 ~2か 月, 16 8 一括表示年齢層の下限 85歳, 5 90歳, 2 95歳, 2 98歳, 1 年齢区分 100歳, 22 統計局 推計 85歳以上 84~80歳 ・・・ 9~5歳 4~0歳 2006年まで80歳以上一括 県による推計:32県のうち29県が1歳刻み 100 99 86 85 84 83 82 81 80 9 8 7 6 5 歳 ・・・ ・・・ 4歳 3歳 2歳 1歳 0歳 歳 歳 歳 歳 歳 歳 歳 歳 歳歳歳 歳歳 以上 1995年以降11県が細分化 9 統計局推計vs.県推計 •公表周期:年 vs. 月・四半期 •公表時期:6ヵ月半後 vs. 当月末~5カ月後 •原データ:人口動態統計・出入国管理統計 利用 vs. 非利用 •公表内容 地域区分:都道府県 vs. 市町村・行政区 年齢区分:5歳階級 vs. 各歳 細分化 日本人・外国人区分: なし vs. 静岡など4県 単位:1000人 vs. 1人 世帯数: なし vs. あり 岡山以外 10 独自作成の必要性 • 統計局推計では不十分 都道府県・千人単位、5歳階級、年1回、遅い • 地域別年齢別に細分された実数 市町村の1歳刻みデータ:保育 介護保険 高齢者医療 • 頻繁に早期にネットで提供 00年~周期短縮:福島・岐阜・愛知・名古屋 速報集計開始:秋田・愛知・島根 11 現在人口推計:必要性の傍証 • 住基台帳人口の公表 大都市ほど充実:経費など制約 「過去から」 最新分だけでなく 「頻繁に」 短周期 「細分・合算して」 年齢 校区・町丁・自治会別 外国人 12 2 精度の検討 1)住基台帳:転居届遅れ・非登録 2)国調:未提出・「年齢不詳」・事後調査 3)住基台帳と国調 4)国調と現在人口推計 5)統計局現在人口推計と県推計 6)現在推計人口のマイナス値 13 1)住民基本台帳:転居届の遅れ (→選挙人名簿) 3ヶ月以上東京在住者の投票 朝日新聞「首相動静」掲載日 • • • • • • • 横須賀市長選挙 2005年6月22日 衆議院神奈川11区 2005年9月6日 参議院神奈川補欠 2005年10月18日 下関市議選挙 2007年2月2日 山口県議選挙 2007年4月5日 参議院山口選挙区 2007年7月23日 衆議院福岡8区 2009年8月26日 14 出生届提出に至らない子の住民票記載 • 件数不明: • 総務省自治行政局 2008年7月付通知 • 「嫡出推定の規定の関係上、出生届の提出に至らず、 住民票が作成されない事例が生じ 市区町村長の判断により、職権で住民票の記載」可能 • 「(職権による記載を含む)その他」住基台帳記載 増えていない 大半国籍変更 07年度:9.8万件 08年度:8.9万件 15 住基台帳の住所の精度 1.4 % 1.2 外国人を含む世帯主に09年4月上旬までに9割発送 6月29日時点 定額給付金書類未到達率 転送は1年間 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 16 1.2% 裁判員通知宛先不明率:成人3ヶ月以上住基台帳に登録 1.0% 2009年11月発送 選挙人名簿登録者個人宛 0.8% 0.6% 0.4% 0.2% 0.0% 17 7 % 2)国勢調査の実施時の問題 未提出率 年齢不詳率 6 10月時点の現在人口推計を公表している31県のうち未提出率上位7県 5 2005年 4 3 2 1 0 福岡県 愛知県 (全国) 栃木県 福島県 石川県 滋賀県 鳥取県 18 35 % 2005年国調 未提出率 読売新聞 30 25 20 15 10 5 0 *年齢別推計公表県所在 19 2000年国勢調査の事後調査 • 川崎茂ほか(2003)「国勢調査及び家計調査 の精度と利用上の留意点」統計学会チュートリアルセミナー • 事後調査 同年12月15日 約5.8万世帯(約15万人) ①国勢調査時に住んでいた場所 番地まで ②①以外に寝泊まりしていた場所 ③(調査を受けたと回答した場合)受けた場所 20 4 % 確認されなかった 複数箇所で確認された 照合不能 3.5 3 2.5 2 1.5 1 0.5 0 一般調査区 社会施設・病院地区 寮・寄宿舎地区 21 2 1.8 % 事後調査と国勢調査の照合 確認されなかった 複数箇所で確認された 照合不能 1.6 1.4 1.2 1 0.8 0.6 0.4 0.2 0 22 3)05年住基台帳人口と国調人口 • 性別年齢別10月1日(東京の大部分・神奈川だけ年初)時点 • 大学所在地周辺など 高校卒業後数年の年齢層で大幅な相違 年齢計でも福岡市城南区 7% 横浜市神奈川区六角橋4丁目 18% • その他の地域 東京都区部・市部:上記ほど差なし(差は18~30歳前後) 政令指定都市・準大都市:同上 東京都以外の中小都市:大学所在地と逆 確認中 23 140 福岡市城南区 男 日本人 05年 国調 対住基台帳 上回り率% 120 100 ← 国 調 が 多 い 80 60 全年齢 上回り率 6.9% 40 20 0 10歳 -20 12歳 14歳 16歳 18歳 20歳 22歳 24歳 26歳 28歳 30歳 24 10 秋田県湯沢市 男 日本人 05年 国調対住基台帳上回り率 % 国 調 が 少 な い 10歳 11歳 12歳 13歳 14歳 15歳 16歳 17歳 18歳 19歳 20歳 21歳 22歳 23歳 24歳 25歳 26歳 27歳 28歳 29歳 30歳 0 -10 -20 -30 → -40 全年齢上回り率 -3.6% -50 25 4)2005年国調と現在人口推計 • 同時点の7県の性別年齢別推計人口 • 18歳~20代前半:かなり大きな差 特に男性 滋賀(彦根・草津・大津):推計人口が下回り 青森・岩手・秋田・鳥取・大分(・佐賀):推計人口が上回り ・統計局の全国推計:20代では国調を上回る →05年国調漏れ・届出遅れ:滋賀は転入 その他は転出 26 2 -1 0歳 1歳 2歳 3歳 4歳 ・・・ 15歳 16歳 17歳 18歳 19歳 20歳 21歳 22歳 23歳 24歳 25歳 26歳 27歳 28歳 29歳 ・・・ 75~79歳 80~84歳 85~89歳 90歳以上 3 % 滋賀 男 05年 1 0 -2 -3 -4 推計人口の上回り率 対国調 -5 -6 27 10 -2 -4 0歳 1歳 2歳 3歳 4歳 ・・・ 15歳 16歳 17歳 18歳 19歳 20歳 21歳 22歳 23歳 24歳 25歳 26歳 27歳 28歳 29歳 ・・・ 75~79歳 80~84歳 85~89歳 90歳以上 12 % 青森 男 05年 8 6 4 2 0 推計人口の上回り率 対国調 28 5)同時点の統計局推計との相違 2009年10月の31県による現在人口推計 (各推計とも外国人を含む) 5歳階級の10代・20代:やや差 愛知・福岡:県推計は20代が多い 青森など29県:県推計は20代が少ない →出入国管理統計・人口動態統計の利用 29 85~ 80~84 75~79 愛知県 70~74 65~69 60~64 55~59 50~54 45~49 40~44 35~39 30~34 千人 25~29 20~24 15~19 10~14 -2 5~9 0~4 6 統計局と県の推計 09年10月 男性 4 青森県 2 0 -4 プラスは県推計が統計局推計より多い -6 -8 30 6)性・年齢別人口のマイナス値 • 少人口の市町村・各歳別集計に発生 5歳階級では隣接年齢のプラス値と相殺 • 最高年齢層・20歳代などに発生 滋賀県全域分でも男性106歳、女性110歳・112歳に発生 • 前回国調から経過するにつれて拡大 →国調の把握漏れ・転出届遅れ、死亡等発生 31 12 人 鳥取県岩美町 男性コーホート 各年10月 10 8 6 4 2 0 -2 2004年に88歳→ 32 30 人 大分県姫島村 女性コーホート 各年10月 25 20 15 10 5 0 -5 -10 -15 2000年に14歳→ 33 40 35 マイナス値発生年齢数 20~30歳と85歳以上 30 85歳以上だけ 25 20~30歳だけ 20 上記以外の 年齢層を含む 15 10 5 0 男女別各歳別にカウント 34 80 マイナス値発生年齢数 70 60 2006年 2007年 2008年 2009年 50 40 30 20 10 0 男女別にカウント 徳島・福岡は市町村ごとにカウント 35 秋田市大字別現在推計人口 2009年10月 05年国調基準 大字 保戸野 楢山 茨島 東通 泉(旭川) 牛島東 飯島 所在 中央 中央 中央 東部 東部 南部 北部 性 男 女 女 女 女 男 女 性別総数 2658 5283 2505 3310 1651 2715 8499 95~99歳 -1 7 -1 7 -2 1 18 100歳~ 1 -1 -1 -1 0 -1 -1 年齢不詳 4 1 5 14 0 3 2 36