第二章 最強の競争企業を打ち負かす方法

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Transcript 第二章 最強の競争企業を打ち負かす方法

第二章
最強の競合企業を打ち負かす方法
競合企業を打ち負かす方法はあるか
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なぜ破壊的戦略を実行すると、強力な既存
企業は逃走せざるを得なくなるか?
事業案をそのような破壊的戦略として形成
するには?
イノベーションによる成長競争の勝者を予測
できるか?
確実に勝てる競争を自分で選ぶことはでき
るか?
競争の帰結を予測する方法

競合企業の属性に注目
より多くの資源を投入できる大企業が小規模
な企業に打ち勝つ、という考え
↓
実際には、投入される資源の水準と成果は
ほとんど無関係である
イノベーションのジレンマ

イノベーションの状況に基づき2つの全く異な
る区分に分けられる
持続的イノベーション、破壊的イノベー
ションの2つである


持続的イノベーションの状況・・・一定の顧客
に高く売れる、より良い製品をつくることで競
い合う状況⇒既存企業が勝つ
破壊的イノベーションの状況・・・新規顧客な
どに安く売れる、シンプルで便利な製品を製
品化することが課題である状況⇒新規参入
が勝つ
破壊的イノベーションのモデル
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三つの重要な要素
①どの市場にも顧客が利用できる改良のス
ペースがある
②企業が提供する改良のペースが、顧客の
利用能力を超えていない
③持続イノベーションとの区別
成長を生み出す上で持続イノベーション
が果たす役割

筆者は持続イノベーションを積極的に推進
することに反対してるわけではない
なぜなら↓
持続イノベーションの軌跡を他社よりも果断
に上っていくことは、破壊的イノベーションの
機会を活用する上で極めて重要であるから
である
しかし・・・このことがジレンマを生む
持続的イノベーションは破壊的イノベーショ
ンに比べてあまりにも重要で魅力的である
そのため↓
持続的イノベーションに卓越した企業は破
壊的な脅威や機会を無視し続ける
だが↓
持続的技術は新成長企業を構築する有効
な手段にはなり得ない
破壊は相対的な概念である

ある企業にとって破壊的イノベーションとなる
アイデアが、別の既存企業にとっては持続的
イノベーションととらえられる場合がある
EX.あるアイデアが一部の既存企業にとっ
ては破壊的イノベーションであっても一部に
とっては持続的イノベーションだったとする
↓
もしそれが大手の企業にとって持続的イノ
ベーションであれば勝つ見込みが全くない
ので白紙に戻すべきである
新市場型破壊
新市場型破壊・・・打倒すべき相手が既存企業
ではなく「無償費」、つまり消費のない状況で
あるような、新しいバリュー・ネットワークを
生み出すことにある
EX.キャノンの卓上コピー機
顧客はそれまで会社のコピーセンターに原
稿持ち込んでいた→自分でコピーできる
ローエンド型破壊
ローエンド型破壊・・・本来の、つまり主流の
バリュー・ネットワークのローエンドに端を発
する破壊
もともと既存のものなので、新しい市場を生
み出さない
新市場破壊とローエンド破壊がもたらす
影響
新市場破壊とローエンド破壊は形こそ違え、
どちらも既存企業に厄介なジレンマ突きつ
ける
既存企業は新市場破壊に直面すると攻撃
者を無視するように仕向けられ、ローエンド
破壊に直面すると攻撃から逃走するよう動
機付けられる