固体電子物性特論09-1

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固体電子物性特論
第4回
石橋隆幸
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http://mst.nagaokaut.ac.jp/~t_bashi/ppt/ppt2009.html
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固体電子物性特論
第1回 結晶と逆格子 (2009.4.20)固体電子物性特論09-1.ppt
第2回 フォノン (2009.4.27)固体電子物性特論09-2.ppt
第3回 エネルギーバンド (2008.5.1)固体電子物性特論09-3.ppt
第4回 金属、半導体の電子分布 (2008.5.11)
第5回 p-n接合 (2008.5.18)
第6回 光学特性、磁気特性 (2008.5.25)
第7回 超伝導 (2008.6.1)
今日の内容
• エネルギーバンド
– バンドの形成
• 状態密度
• フェルミ分布関数
– 金属のバンド
– 半導体のバンド
• 真性半導体
• 外因性半導体
ブロッホ関数
  uk (k)eikr
n=1, 2, 3,
….
N
a

1次元の場合を考えてみる
周期ポテンシャル V(x) V(x  na)

(x  Na) (x) (周期的境界条件を考慮)
波動関数
演習
波動関数を

(x  a) C(x)

とすると
(x)
はどのような関数になるか
金属、半導体、絶縁体
導電率
(conductivity)
抵抗率
(resistivity)



 1  cm1
  cm
1

エネルギーバンドの構造
金属の場合
電子が取
りうる準位
がある
準位がない
許容帯
禁制帯
許容帯
E
電子が
つまっている
エネルギーバンドの構造
半導体、絶縁体の場合
E
許容帯
電子がない
禁制帯
許容帯
電子がつまっ
ている
禁制帯の幅の大きさに
よって分類
例
Si : 1.1 eV
ダイヤモンド : 5.6 eV
半導体と絶縁体
おおよそ3 eVが目安
電子分布
どのように電子が分布するか
分布関数
電子が占める確率
状態密度関数
単位体積当たりの電子密度
分布関数と状態密度関数を掛け合わせたものが
電子分布を表す。

フェルミディラック分布関数
1
f () 
   f 
1 exp

 kB T 
f
フェルミエネルギー
  f
のとき
1
f () 
2

状態密度関数
統計量子力学より
とdの間にある状態密度は
32


V 2m
12
g()d  2  2   d
2  
g()
状態密度関数
金属の場合
N


0
g() f ()d
32


V 2m f 0
 2  2 
3 

n  N V  5 1022cm3
とすると

 f 0  4.9 eV

58000Kの温度に相当
自由に動き回れる電子の
もつエネルギーは
フェルミエネルギー

半導体の場合
下側の許容帯は電子
が詰まっている
電子・正孔対
正孔ができる
フェルミレベルは
禁制帯の中
正孔、電子ともに動き回る
ことができる。
ただし有効質量が異なる
バンドギャップと色
  1240/ h
1.5 eV
2.0 eV
2.5 eV
3.0 eV
3.5 eV
コニカミノルタのホームページより
ダイヤ 5.6 eV
ZnS 3.5 eV
CdS 2.6 eV
GaP 2.2 eV
HgS 2.0 eV
GaAs 1.5 eV
Si 1.1 eV
半導体の色
• 透過光の色
diamond
http://www.sei.co.jp/
Ge
http://www.ii-vi.com/
– バンドギャップより低
いエネルギーの光を
全部通す
– Eg>3.3eV:無色透明
ZnSe, ZnS
– Eg=2.6eV:黄色
Si
http://www.ii-vi.com/
http://www.anstro.gov.au/
– Eg=2.3eV:橙色
– Eg=2.0eV:赤色
– Eg<1.7eV:不透明
• 反射光の色
GaAs
http://www.ii-vi.com/
HgS
www.lotzorox.co
m/cinn3b.JPG
真性半導体の電子分布
(不純物を添加していない)
電子
* 3 2

V 2m
12
ge  2  2e    c 
2 

    f 
f ()  exp
 ボルツマン分布
k
T
 B 
正孔
* 3 2

V 2mh
12
gh  2  2  v  
2 

   f 
*
*
1 f ()  exp

m
,
m
は電子、正孔の有効質量
e
h
 kB T 
真性半導体の伝導帯の電子密度
* 3 2

    f 

V 2me
12
n  2  2     c  exp
d
c
2 
 kBT 


 c   f 
n  Nc exp

 kB T 
me*kB T 3 2
Nc  2
2 
2





Nc 伝導帯の電子に対する
実効状態密度
真性半導体の
価電子帯のホール密度
* 3 2

   f 
v
V 2mh
12
p  2  2  v   exp
d
2 
 kBT 

v   f 
p  Nv exp

 kB T 

mh*kB T 3 2
Nv  2
2 
 2 


Nv 価電子帯のホールに対する
実行状態密度

真性半導体の伝導帯の電子密度
 c   f 
n  Nc exp

 kB T 
v   f 
p  Nv exp

 kB T 
me*kB T 3 2
Nc  2
2 
2



mh*kB T 3 2
Nv  2
2 
2



Nc 伝導帯の電子に対する
実効状態密度

Nv 価電子帯のホールに対する
実行状態密度

半導体中の伝導体の電子と価電子帯の正孔の密度は
実効状態密度と温度およびフェルミ準位で決まる。
演習
* 3 2

    f 

V 2me
12
n  2  2     c  exp
d

2 
 kBT 
 c
この積分を実行して、
 c   f 
n  Nc exp

 kB T 

me*kB T 3 2
Nc  2
2 
2



ヒント
 f
x
変数変換
kBT

を導きなさい。
 12
0
t expt dt 

2
真性キャリア密度
真性半導体ではn=pなので
 g 
12
p  n  ni  Nc Nv  exp

 2kB T 
また

np  ni2
真性キャリア密度は
電子、正孔の有効質
量、温度、バンド
ギャップで決まる
半導体
禁制帯幅
電子の有効質量 正孔の有効質量
Si
1.11
0.32
0.64
Ge
0.67
0.22
0.29
GaAs
1.43
0.067
0.48
GaP
2.26
0.37
0.60
ni  Nc Nv 
12
 g 
exp

 2kB T 
アレニウスの式
 E 
k  Aexp

 kB T 

E 活性化エネルギー


化学反応など熱活性に
関する多くの現象に
見られる関係
真性フェルミ準位
 f  i 
c  v
2
kB T Nv 

ln 
2 Nc 
me  mh のとき Nv  Nc なので


フェルミ準位はバンドギャップの中央

外因性半導体
n型
ドナー
p型
アクセプタ
Si結晶に
5つの価電子を持つPやAs
を添加した場合
5つの電子のうち4つは共有
結合に使われ、1つ余る。
この電子は伝導電子となる。
n型半導体
3つの価電子を持つBなどを
添加した場合、共有結合に使
われる電子が一つ足りない。
これが正孔となる。 p型半導体