命を粗末にする一方で「安心」を求めても、神仏は応えないだろう。

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Transcript 命を粗末にする一方で「安心」を求めても、神仏は応えないだろう。

平成17年度「鹿児島市食生活改善推進委員」研修会
平成17年6月2日
BSE問題の正しい理解
安全は、国民生活総体を見渡したものでなくてはならない
鹿児島大学教授
岡本嘉六
食品は動物や植物
などの生き物であり、
「命をいただく」感
謝の気持ちを忘れて
はならない。
命を粗末にする一
方で「安心」を求め
ても、神仏は応えな
いだろう。
市民公開フォーラム
農場から食卓までの食の安全システム
●●● 地域における取組み ●●●
主催:
日時:
会場:
日本獣医学会、九州地区獣医公衆衛生学会
10月2日(日) 10時~12時30分
鹿児島県民交流センター
総合司会者:小橋 清氏 九州地区獣医公衆衛生学会会長
基調講演:20分、鹿児島大学 岡本嘉六
生産者代表:10分、農業組合法人 旭ファーム 代表理事 大迫昭蔵氏
家畜保健衛生所:10分、熊本県 川邊久浩氏
食肉センター:10分、末吉食肉検査所 山口学氏
保健所:10分、大分県 本山秀樹氏
消費者代表:10分、福岡県消費者協会 秋田志賀子氏
報道機関:10分、西日本新聞経済部編集委員 佐藤 弘氏
第三者認証機関:10分、鹿児島大学SQF 鹿児島産業貿易 坂本文男氏
総合討論:30分、司会者 小橋 清会長
平成17年度「鹿児島市食生活改善推進委員」研修会
平成17年6月2日
BSE問題の正しい理解
安全は、国民生活総体を見渡したものでなくてはならない
鹿児島大学教授
岡本嘉六
食品は動物や植物
などの生き物であり、
「命をいただく」感
謝の気持ちを忘れて
はならない。
命を粗末にする一
方で「安心」を求め
ても、神仏は応えな
いだろう。
安心立命(あんじん りゅうみょう)
【意味】 仏教で、信仰によって天命を悟り、不動の境地を得、生死や
利害などを超越すること。
【構成】 「安心」は、もと仏教で、信仰によって心を落ちつけること。「立
命」は、儒教で、天から与えられた本性を全うして損なわないこと。
【用例】 即(すなわ)ち所謂(いわゆる)「悠々自適」の境に達し、安心
立命して暮らすことができるのだ。〈萩原朔太郎、病床生活からの一発見〉
【用法】 「安心立命を得る」という形で、心の安定した状態を保てるよ
うになることをいう。
【注意】 (1)「安心」を「あんじん」と読むのは、仏教用語の慣用だが、
最近では「あんしん」とも読む。(2)「立命」は、本来は「りゅうみょう」と
読むのが仏教用語の慣用だが、現在では「りつめい」の方が一般的。
『大修館四字熟語辞典』より
「安全・安心」がセットで使われるが、科学的には何を意味するか?
“Food Safety” とセットされた表現が英語であるか?
安全
科学に基づかない大衆心理は、
古代へのノスタルジアか?
それとも、
21世紀のファシズムか?
安心信頼性
品質・安全性保証
健康障害の発生確率
「消費者の機嫌取り」は、科学に反する!
「ナチュラル=安心」は、フグ、キノコによる死亡事故を生んでいる!
「食品の品質と安全性システム(FAO、1998)」の付属文書2。
Understanding
the association between a reduction in hazards
「危害を減らすこととリスクを減らすことの関係を理解することは、適切
that may be associated with a food and the reduction in the risk of
な食品の安全性制御を発展させる上でとくに重要である。
不幸なこと
adverse health effects to consumers is of particular importance
in
に、食品について『ゼロ・リスク』のような事態はありえない(その他の
development of appropriate food safety controls. Unfortunately,
何についても言えることだが)。」
there is no such thing as "zero risk" for food (or for anything else).
平成17年度「鹿児島市食生活改善推進委員」研修会
平成17年6月2日
BSE問題の正しい理解
安全は、国民生活総体を見渡したものでなくてはならない
鹿児島大学教授
岡本嘉六
食品は動物や植物
などの生き物であり、
「命をいただく」感
謝の気持ちを忘れて
はならない。
命を粗末にする一
方で「安心」を求め
ても、神仏は応えな
いだろう。
安心立命
罪が判明(わか)り、これを滅ぼすの道が判明り、
神が判明り、彼と和らぐ道が判明り、永生が判明り、
これに達するの道が判明って、ここに初めて安心立命があるのである。
そうして罪を滅ぼすの道は信仰である。
神と和らぐの道は信仰である。
そうしてまた永生に達するの道は信仰である。
この事を知って、われらは、安心立命の道たる、全く信仰にあることを
さとるのである。
信仰に始まって信仰に終わる。易(やす)き事この上なし。
されども易きがゆえに、これに依(よ)る人少なし。
(1913年8月『聖書之研究』)(信7/155)
内村鑑三語録より
http://uchimurakorea.hp.infoseek.co.jp/uchimura/goroku/goroku.htm
「100%安全」のような「ゼロ・リスク」はあり得ないが、食品による健康
障害の発生を抑えるために、安全性向上のための社会システムを構
築する必要がある = 品質・安全性保証
安全性
信頼性
品質・安全性保証
健康障害の発生確率
「安心立命(あんじんりゅうみょう)」は、宗教によってしか得られない境
地であり、戦後教育で宗教を排斥した結果として、家庭からも宗教が
消え、社会生活全てにおいて「不安」が充満している。食に対する「不
安」もその一部であり、「安心」を得るためには、ヒトが生かされている
ことの意味を説く宗教の力を復活させなくてはならない。
平成17年度「鹿児島市食生活改善推進委員」研修会
平成17年6月2日
BSE問題の正しい理解
安全は、国民生活総体を見渡したものでなくてはならない
鹿児島大学教授
岡本嘉六
食品は動物や植物
などの生き物であり、
「命をいただく」感
謝の気持ちを忘れて
はならない。
命を粗末にする一
方で「安心」を求め
ても、神仏は応えな
いだろう。