2-1-2010UDM報告会PPT(西川).

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研究テーマ 2
建築機能維持の効果的な耐震補強・
改修法の開発と推進
小課題 2.1)
非構造部材・建築設備の耐震補強と改修
○西川豊宏(建築学部 まちづくり学科 准教授)
○山下哲郎(建築学部 建築学科 准教授)
○久保智弘(建築学部 TKK助け合いセンター特任教授)
○大橋一正(建築学部 名誉教授)
○三好勝則(建築学部 特任教授)
○田中 孝((有)タナカ建築設備)
1
研究背景
Kogakuin Univ.
【研究背景】
1990年以前に建設された建物のスプリンクラー(以降 SP)
設備は、可とう性の低い配管材料を使用した事例が多く、地
震時において消火機能の停止や、漏水よる2次被害を生じ
る危険性がある。
また、天井材等の非構造部材との振動性状の違いによる
被害が報告されており、建築設備を含む非構造部材の耐震
補強、改修の必要性が指摘されている。
2
兵庫県南部地震における被害
自動火災報知設備
約 11[%]
SP 設備
約 24[%]
0%
20%
屋内消火栓設備
約 11[%]
防火戸
約 17[%]
誘導灯
約 10[%]
その他
約 27[%]
40%
60%
80%
図1 消防用設備の被害割合参文1)
加圧送水装置
約 11[%]
SP 配管
約 37[%]
0%
20%
Kogakuin Univ.
SP ヘッド
約 32[%]
100%
SP配管は地震の揺れにより
配管接続部が損傷した
写真1 SP配管の被害事例出典1)
水槽
約 20[%]
40%
60%
80%
図2 SP設備の被害割合参文2)
100%
地震の揺れにより
天井材と衝突した
写真2 SPヘッドの被害事例出典2)
3
本学のSP設備施工状況
Kogakuin Univ.
SPヘッド
SP配管
写真3 工学院大学SPヘッド
写真4 工学院大学天井内SP配管
SPヘッドへは、配管用炭素鋼
フラッシュ型
①金属板に設置されている。
鋼管(以降 SGP)のねじ接続で
②天井に直接組み込まれている。施工されていた。
4
研究目的
Kogakuin Univ.
□静的加力実験による基礎データの蓄積
・SP配管の破断に関する基礎データの収集。
・耐力特性の調査。
・配管の経年利用による劣化特性の調査。
□静的加力実験による予備実験
振動台を利用し、SP配管と天井材等を再現した静的水平
加力実験から、破断に関する基礎データを収集。
築後20年以上を経過している工学院大学新宿校舎を対象
に、被害想定及び対策の検討を行う。
5
研究進捗状況(要旨)
Kogakuin Univ.
【平成22年度】
SP配管の接続部を中心に静的加力実験を実施し、破断限界における強度
及び変形量など、耐震性能評価に必要な基礎データを収集した。
【平成23年度】
・平成22年度の成果を基に、基礎データの蓄積を行う。
・スプリンクラ設備と天井材を組み合わせた試験体に、振動台を用いた予備
的実験を実施し、耐震補強や改修に必要な要件を整理する。
6
実験の概要
Kogakuin Univ.
ロードセル
変位計
圧力センサ
表示アンプ
圧力計
コンプレッサー
7
試験体配管の概要
メイン配管
L2
L3
L1
天井材
図3 試験体配管寸法[mm]
試験体
番号
L1
L2
L3
①
355
400
80
②
385
440
90
③
425
460
90
④
850
240
80
⑤
365
515
80
⑥
425
480
90
⑦
395
600
80
⑧
420
255
120
⑨
455
270
120
表1 経年試験体配管の設置建物概要
メイン配管
Sビル
天井材
写真5 経年試験体配管
Kogakuin Univ.
所在地
東京都千代田区大手町
竣工年月
1970年2月
規模
地上20階・地下5階
8
試験体配管の損傷
写真9 加力前
Kogakuin Univ.
写真10 加力後
損傷部
・損傷は全て配管のねじ切り部(露出部)
で発生。
・かみ合いねじ部においては、雄ねじと
雌ねじが固定されているため、強度が
高い。
図4 試験体配管の損傷部
9
試験体配管の限界荷重と変位量
160
140
4.0
3.0
2.0
1.0
0
実験
(1)
2.0
1.0
0
実験 新品
(2)
試験体配管
経年試験体配管
①
① ②1
③
①
① ⑨
2 ④
3① ⑤
4① ⑥
5① ⑦
6① 7⑧
短ニップル番号
試験体番号
番号
限界荷重
図図6
12 限界荷重
変位量[mm]
3.0
荷重 [kN]
荷重 [kN]
4.0
5.0
120
100
80
変位量[mm]
5.0
60
40
20
0
160
140
120
100
80
60
40
20
0
Kogakuin Univ.
実験
実験(2)
(1) ④① ⑤① ⑥① ⑦① ⑧①
①① ② ③
①
1
3
4
2
5
6
7
)
試験体番号
短ニップル番号
①
① ①
限界変位量(Y)
図 図7
13 限界変位量(Y)
⑨
10
平成22年度の成果
Kogakuin Univ.
平成22年度においては、SP設備の巻出し配管を想定した基
礎実験を行った。得られた知見を以下に示す。
・限界荷重は試験体毎のばらつきが見られたが、 概ね3.0~
4.0kNであった。
・本年度の静的加力実験の測定精度の中では、新品と経年配
管の実験結果に大きな差異は確認できなかった。
(※)平成22年度のこれら研究成果は、
「既存建物におけるスプリンクラ設備の地震リスク分析に関する研究」と題し、
平成23年度 空気調和衛生工学会学術講演会(名古屋)にて口頭発表の予定である。
11
平成23年度の予定
Kogakuin Univ.
□静的加力実験による基礎データの蓄積
①SP配管の破断に関する基礎データの収集を継続し、
耐力特性をより明確にする。
②実験精度の改善を図り、配管の経年利用による劣化
特性や継ぎ手部の施工要領・施工誤差による特性変
化を調査する。
□静的加力実験による予備実験
振動台を利用し、SP配管と天井材等を
再現した静的水平加力実験から、耐震
補強や改修要領を検討するための基礎
データを収集する。
写真12 振動台
12