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国際的食糧需給について
2008年3月3日
丸紅経済研究所
所長 柴田明夫
[email protected]
TEL:03-5446-2481
(注)表紙図は米EIAレポート、新華通信ネッ
トジャパン他より
1
1. 国際商品市況は長期上昇トレンドへ
➢商品市況の10~15年サイクル。CRB指数は年明け史上最高値を更新中。
1960年代低位安定、70年代強い上昇、80~90年代長期低落、2002年~強い上昇
2
2.世界経済が直面する「2つの危機」と背景
(石油)資源の枯渇
地球温暖化
1. 安い資源時代の終焉:ここ数年の原油価格の高騰は、他
の資源に先駆けて「新たな均衡点」を模索する動き。
→
食糧も例外ではない
(水、土という資源も有限に)
2. 背景に人口30億人の地域(BRICs)の工業化がある:これ
までは8億人弱の成熟化した先進国が、世界経済を牽引
していた時代(成長しても資源需要増には直結せず)
地球規模の工業化への移行期で、
→ 世界経済成長が旺盛な資源・食糧
需要に直結する時代。
3. 適正価格はどこか:供給不安が強まる中、エネルギー・資
源価格は、限界コストをカバーするレベル。
→
地球温暖化
エネルギーと食糧市場の連動性が
強まる。
資源枯渇と地球温暖化の緩和策が喫緊の課題:省エネ・省資源・環
境、生産フロンティアへの挑戦、代替エネ(バイオ燃料)・材料の開発
3
3.原油100ドル時代の到来
●価格体系の上方シフト(安い原油時代の終焉)
⇒2000年以降、石油の需給構造が180度転換。
⇒「歪み」を突いた投機マネーの流入。90ドルでも世界の石油需要は拡大加速
WTI
原油価格(期近)の推移
100
90
O PEC の行動
70
価格
60
70ドル /B ?
誰もが現在の価格をマネー
ゲームとみれば、開発を行
わなくなる。供給曲線は後
方に屈折。
50
40
生産量
30
20
10
19
87
19
88
19
89
19
90
19
91
19
92
19
93
19
94
19
95
19
96
19
97
19
98
19
99
20
00
20
01
20
02
20
03
20
04
20
05
20
06
20
07
20
08
0
19
1985
86
ドル/バレル
80
年
4
(資料)NYMEX
4.全般的な価格体系上方シフト
天然ゴム(
タイ)
価格の推移
120
100
5年平均価格
56.87
60
47.46
45.25
40
20
36.42
18.74
40.38
44.07
37.10
33.97
20.12
0
19
65
19
67
19
69
19
71
19
73
19
75
19
77
19
79
19
81
19
83
19
85
19
87
19
89
19
91
19
93
19
95
19
97
19
99
20
01
20
03
20
05
20
07
セント/ポンド
80
5
5.名目価格での「均衡点の変化」は始まったばかり
●1980~2005年までに先進国の物価(CPI)(=工業製品価格)は2.5倍に上昇。
しかし、原油、非鉄、穀物などの一次産品価格指数(商品市況)はほとんど上昇せず、実質価格は
1/2以下に低迷してきた。
●2000年代に入って、新興国の急速な工業化を背景に、ようやく一次産品価格が一般物価に追い
つく動きが始まった。
●今後は、商品市況が高止まり・一段の上昇に向かうなか、製品価格への価格転嫁が進展すると
みられる(全般的なインフレ傾向へ)。
一般物価(
先進国CPI
)
と一次産品価格指数
300
一般物価
200
150
100
一次産品価格指数
50
0
19
80
19
81
19
82
19
83
19
84
19
85
19
86
19
87
19
88
19
89
19
90
19
91
19
92
19
93
19
94
19
95
19
96
19
97
19
98
19
99
20
00
20
01
20
02
20
03
20
04
20
05
1980年=100
250
年
6
6. 2008年も世界経済は5%弱の高成長を持続へ
世界経済見通し
2007/12/18 更新
世界
先進国
米国
ユーロ圏(13)
ドイツ
フランス
イタリア
日本
(年度)
英国
その他先進国
新興市場国
アフリカ
中東欧
CIS
ロシア
アジア
NIEs
中国
ASEAN5
インド
中近東
ラテンアメリカ
ブラジル
BRICs
世界GDP成長率と主要地域の寄与度
(% , 10億ドル) 06年末予測
構成比 2004 2005 2006 2007 2008 増加額
100.0
5.3
4.8
5.4
5.3
4.8 3,369
48.6
3.2
2.5
2.8
2.4
2.0 644
19.7
14.6
3.9
2.9
2.7
6.3
3.2
4.8
51.4
3.4
3.5
3.8
2.6
30.4
3.4
15.1
4.0
6.3
2.8
7.6
2.6
26.5
3.6
2.0
1.1
2.5
1.2
2.7
2.0
3.3
5.6
7.6
5.8
6.7
8.4
7.2
8.4
5.8
10.1
6.1
7.9
5.6
6.0
5.7
8.8
3.1
1.5
0.8
1.7
0.1
1.9
2.4
1.8
4.5
7.3
5.6
5.6
6.6
6.4
8.7
4.7
10.4
5.5
9.0
5.4
4.6
2.9
8.9
2.9
2.8
2.9
2.0
1.9
2.4
2.3
2.8
3.4
7.9
5.6
6.3
7.7
6.7
9.2
5.4
11.1
5.7
9.3
5.6
5.5
3.7
9.5
2.2
2.6
2.6
2.0
1.8
1.9
1.0
3.0
2.5
8.0
6.2
5.5
7.4
7.5
9.3
5.4
11.4
6.1
9.1
5.8
5.5
5.4
9.9
2.3
1.8
1.8
1.8
1.3
1.1
1.9
1.9
2.1
7.4
5.7
5.1
6.4
6.8
8.7
4.8
10.6
6.0
8.6
5.8
4.8
4.9
9.2
303
183
47
36
24
48
42
68
2,725
134
124
174
126
1,925
113
1,925
167
391
115
252
88
1,784
2007
4.7
2.4
2.7
2.0
1.8
2.0
1.5
1.8
2.0
2.6
3.0
6.8
5.5
5.0
6.1
6.0
7.9
4.5
9.5
5.5
7.2
5.4
4.5
3.5
8.1
( 注1) 構成比、増加額は、2005年の購買力平価換算の各国・地域 GDPに基づ く.増加額は08年の前年差.
( 注2) 予測は丸紅経済研究所によ る .
5.3
6
4.8
5.4
5.3
4.8
5
3.9
4
3
2
1
0
2.6
1.7
1.3
0.6
0.9
3.1
2.1
2.2
2.4
2.6
2.6
0.8
0.6
0.6
0.4
0.4
2004
2005
2006
2007F
2008F
1.5
0.4
1991-95 1996-00 2001-03
その他
日本
ユーロ圏
BRICs
米国
世界
サブプライム問題を発端とする金融不安は、08年前半に金融機関の
損失処理の進展を経て、同年後半にも解消。
米国経済は07年Q4から08年Q1まで低迷。Q2からは金融不安の鎮静
化とともに回復へ。ただ、 08年の成長率は2.3%にとどまる。
住宅市場の調整は08年後半まで続く。消費は同年前半まで鈍化するが、堅調
な雇用環境が支えとなり失速は回避。
欧州・日本の景気は減速するが、後退のリスクは小さい。
欧州は住宅市場の調整、日本は所得環境の悪化から、それぞれ個人消費が鈍
化。ただ、両地域とも輸出と設備投資主導で緩やかながら景気拡大を持続。
中国を中心に新興国が内外需バランスとれた安定成長を実現、
( 資料) IMF, 米商務省, 欧州委員会, 内閣府.
内需が拡大する中国とインド。世界的に旺盛なエネルギー・資源需要続き、ロシ
ア・ブラジルは堅調な経済発展を持続、中東やアフリカも安定成長を確保へ。
米国・日本は、07年予測よりも下振れしたが、
BRICsがそろって期待以上の高成長を実現、世
界経済も予測を上回り、06年に続く5%超の成長
実現へ。
世界経済は新興国主導で5%弱の高成長を持続
米国が伸び悩んでも新興国は順調という「デカップリング」は、08年も続く。
7
巻末に重要な注意事項を記載していますので、ご参照下さい。
7
7.穀物:世界的供給不足から相場が急騰
●シカゴ小麦相場は、11ドルを突破し史上最高値。大豆も14ドル台を付け、1973年の12ドル台以来
の高値へ。➢世界の穀物需給は1970年代前半の食糧危機レベルにあり要注意。
8
8.世界の食糧需給をみる上での視点
1.
2.
3.
4.
5.
6.
「均衡点の変化」(量と価格)
世界食糧在庫の減少(1970年との類似)
中国のインパクト(臨界点を超えた)
特定作物に依存する世界の食料
遺伝子組み換え作物をどうみるか
バイオエタノールの急増で3つの争奪戦
–
国家間、市場間(エネルギーと食料)、農業と工
業(水と土を巡る争奪戦)
食糧も資源化
9
9.長期的に見た穀物、原油価格
穀物および原油価格の推移
7
穀物運賃の推移(
ガルフ~日本 5~8万トン級)
140
90
120
80
100
ドル/トン
6
80
70
60
40
60
20
1987 88
89
90
91
92
93
94
95
96
97
98
99 2000 01
02
03
04
05
06
07
50
シカゴ小麦、
トウモロコシ
(左目盛)
年
4
40
3
30
20
2
原油(右目盛:アラビアンライト、83年よりW TI
)
10
(資料)世銀、IMF
2006
2000
年
1990
1980
1970
0
1960
1
10
ドル/バレル
0
1950
ドル/ブッシェル
5
65
/
66 66
/
67 67
/
68 68
/
69 69
/
70 70
/
71 71
/
72 72
/
73 73
/
74 74
/
75 75
/
76 76
/
77 77
/
78 78
/
79 79
/
80 80
/
81 81
/
82 82
/
83 83
/
84 84
/
85 85
/
86 86
/
87 87
/
88 88
/
89 89
/
90 90
/
91 91
/
92 92
/
93 93
/
94 94
/
95 95
/
96 96
/
97 97
/
98 98
/
99 99
/
00 00
/
01 01
/
02 02
/
03 03
/
04 04
/
05 05
/
06 06
/
07 07
/0
8
100万トン
2,300
2,100
1,100
900
35.6%
1,900
30.0%
1,700
25.0%
1,500
24.2%
20.0%
1,300
15.3%
15.0%
14.7%
期末在庫率
10.0%
700
5.0%
500
0.0%
%(
期末在庫量/年間消費量)
10.1970年代初めに酷似する世界の穀物需給
●世界の穀物の07/08年度期末庫率
は14.7%と再び低下し、1970 年代
初低水準。
(米農務省報告2008年1月11日)
世界の穀物需給およ び在庫率
40.0%
生産量(
左)
・
消費量(
右)
35.0%
30.2%
11
米国の小麦需給見通し
年度
2003/04 2004/05
生産量
消費量
輸出量
期末在庫量
期末在庫率
63.8
32.5
31.5
14.9
23.2%
58.7
31.9
28.9
14.7
24.1%
2005/06
57.3
31.4
27.3
15.5
26.5%
単位:100万トン
2006/07 2007/08 前年度比 12月差 12月予測
見込み
予想
% 100万トン 100万トン
49.3
56.3
14.1
0.0
56.3
31.1
31.1
0.0
(0.3)
31.3
24.7
32.7
32.1
1.4
31.3
12.4
7.4
-40.3
(1.1)
8.5
22.2%
11.6%
-10.6%
-1.9%
13.6%
(資料)USDA World Agricultural Supply and Demand Estimates 2008.2.8より作成
12
11.旺盛な需要に供給が追い付けない小麦
世界の小麦需給の推移
カナダの小麦生産および輸出
650000
45
3,500
生産量 (1000トン)
生産
輸出
600000
全消費量 (1000トン)
550000
40
在消比率 (%)
2,500
万トン
期末在庫/全消費量量 %
500000
35
450000
千トン
3,000
2,000
400000
30
1,500
350000
25
300000
1,000
21.2
250000
20
500
200000
150000
15
1960
1965
1970
1975
1980
1985
年度
1990
1995
2000
0
1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007
年度
2005
米国の小麦生産および輸出
生産
生産
7,000
オーストラリアの小麦生産および輸出
3,000
8,000
輸出
輸出
2,500
6,000
2,000
万トン
万トン
5,000
4,000
1,500
3,000
1,050
1,000
2,000
1,000
500
0
1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007
年度
0
13
2007予
1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006
年度
12.世界の食糧需給の現状と展望
•
需要の現状(1人当たり消費量*人口)
–
–
–
–
世界人口は70年の37億人→05年65億人へ1.8
倍
世界の穀物需要量は、70年の11億トン→05年20
億トンへ1.8倍に増加(1人当たり年間 308kg)。
小麦3.3→6.2億トン、トウモロコシ2.7→7.2億トン、大豆
0.46→2.28億トン、米(精米)2.1→4.2億トン
所得向上に伴う食肉需要の増加:畜産物1kgの
生産に必要な穀物量は、牛11kg、豚7kg、鶏肉
4kg、鶏卵3kg
• 供給の現状(生産=収穫面積*単収)
–
–
–
• 供給の見通し
–
–
•
バイオ燃料の急増:さとうきび、トウモロコシを原
料とするバイオエタノールの生産は、01年3,132
kl→07年6,256kl(推計)へと倍増。この73%を米
国、ブラジルが占める。
–
–
–
–
需要の見通し
世界人口は、65億人→2050年90億人へ1.8倍
(中国1.1倍、インド1.5倍、アフリカ2.1倍)
バイオ燃料は、2030年には07年現在の6倍へ
1人当たり収穫面積は、1962年の20.8a→03年
10.7aに半減。
穀物単収は、1.4トン/ha→3.2トン/haへと2.3倍に
拡大。但し、その伸び率は60年代の年3%→70
年代2%→80年代後半以降1.5%へと低下。
近年、主産地での干ばつの影響もあり生産量
は伸び悩んでいる。
–
–
世界人口は70年の37億人→05年65億人へ1.8
倍
OECD-FAO予測:2015年の穀物収穫面積は、
02~04年比6%増の7.1億haへ。単収は、2.9トン
/ha→3.3トン/haへ13%増加。ただ、年率では
1.1%増に止まる。
遺伝子組み換え作物は、単収の向上よりも生
産コスト削減が狙い。
世界の穀物収穫面積の約3割を占める灌漑農
業においては、地下水枯渇などが問題。
新たなリスク要因としての地球温暖化、水不足
問題
世界の食糧需給は一段とひっ迫傾向が強まる
14
13.途上国を中心に増加する世界人口
世界の人口推移(国連「世界人口推計2004」)
10,000
9,075
世界
9,000
中国
8,000
インド
7,000
6,464
100万人
6,000
5,279
5,000
3,696
4,000
3,000
2,519
2,000
1,000
0
1500
1600
1700
1820
1913
1950
1960
1970
1980
年
1990
2000
2005
2010
2020
2030
2040
2050
15
65
/
66 66
/
67 67
/
68 68
/
69 69
/
70 70
/
71 71
/
72 72
/
73 73
/
74 74
/
75 75
/
76 76
/
77 77
/
78 78
/
79 79
/
80 80
/
81 81
/
82 82
/
83 83
/
84 84
/
85 85
/
86 86
/
87 87
/
88 88
/
89 89
/
90 90
/
91 91
/
92 92
/
93 93
/
94 94
/
95 95
/
96 96
/
97 97
/
98 98
/
99 99
/
00 00
/
01 01
/
02 02
/
03 03
/
04 04
/
05 05
/
06 06
/0
7
100万ha
740
640
732.2
720
680
2.50
660
2.00
1.38
収穫面積(
左目盛)
653.4
1.50
620
600
1.00
16
トン/ha
14.収穫面積は減少傾向。生産は単収の伸びに依る
世界の穀物収穫面積および単収
3.50
単収(
右目盛)
3.05
3.00
700
15.背景にある中国:一段と加速する経済発展スピード
中国のGDPの推移
改革開放路線へと転換
南巡講話
15.2
14.2
13.5
11.3
10.9 10.0
平均実質経済成長率⇒9.8%
9.3
7.8
8.8
9.2
4.1
3.8
15
14
13
12
11
10
09
08
07
06
東京オリンピック
4,481ドル
(64)
1人当たりGDP(中国) 2,040
↓
↑1人当たりGDP(日本)
0.0
(年)
05
96
95
94
93
92
91
90
89
88
87
86
85
84
83
82
81
80
79
5000
1978
円変動相場制
(73)
大阪万博(70)
04
5.2
9.1
8.4 8.3
7.6
アジア通貨危機
天安門事件
10000
9.8
01
9.1
7.6
0
上海万博
11.5
11.1
(2010)
北京オリンピック
10.4
(2008)
10.0 10.1
2000
7.8
99
10.9
15000
13.1
98
20000
2005年2.3兆ドルで
米日独に続く世界第4位
%
へ
14.0
11.6
11.7
日本の1人当たりGDP(ドル/人)
WTO加盟
03
25000
1当たり名目GDP(ドル/人)
97
30000
実質成長率(右目盛、%)
02
名目GDP(億ドル)
1 9 6 0 1 9 6 5 1 9 7 0 1 9 7 5
(出所)中国国家統計局編『中国統計年鑑(各年版)』中国統計出版社、中国国家統計局公表データ。
2007年の中国のGDP成長率は同第1-3四半期の前年同期比。日本内閣府『経済財政白書(各年版)』国立印刷局のデータより作成。
17日本
16.都市化に伴う食料消費パターンの変化
中国のケース
食生活変化の4パターン
•
第1段階
•
– 社会主義原始蓄積期
– 「ぜいたくは敵」政策
– 主食では何とか満腹できる段階
– 主食の中で雑穀・イモ類の急速な減少(コ
メ・小麦の増加「白色革命」)
•
第2段階
– 主食(コメ・小麦)の減少と副食比率の増
•
第3段階
– 副食の内、動物性タンパク食品の増加と
アルコール飲料の増加
•
第4段階
– 食の簡便化の浸透(レトルト食品、外食、
中食の増加と伝統食品の高級化、グルメ
化)
第2期(鄧小平時代 1980~90年代初め)
– 市場経済導入期
– 「ぜいたくは素敵」
– 配給品の廃止、都市化の進展
加(肉、卵、水産物、植物油)
•
第1期(毛沢東時代 1949~70年代末)
•
第3期(江・胡時代 1990年代~現在)
– 市場経済の浸透
– 主食消費量の減少
– レトルト食品、外食、飲料消費拡大
– 食の流通広域化
– 「緑色食品(安全安心)」
18
(参考)小島麗逸著「中国の伝統的食文化の変化」日本貿易会月報2003年2月号を参考に作成
◇中国の畜産物生産量
8個/500gで試算すると 4,607億個
13億人で割ると 354個(1人1日1個)
卵
豚肉 牛肉 羊肉
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
4584.0
5268.8
5723.8
5949.0
6125.4
6333.9
6586.5
6932.9
7244.8
7743.1
3694.7 3158.0
4249.9 3596.3
4598.2 3883.7
4762.3 4005.6
4838.2 4031.4
5026.0 4184.5
5228.9 4326.6
5506.3 4518.6
5776.8 4701.6
6157.6 5010.6
355.7
440.9
479.9
505.4
532.8
548.8
584.6
630.4
675.9
711.5
181.0
212.8
234.6
251.3
274.0
292.7
316.7
357.2
399.3
435.5
#
牛乳
735.8 629.4
681.1 601.1
745.4 662.9
806.9 717.6
919.1 827.4
1122.9 1025.5
1400.4 1299.8
1848.6 1746.3
2368.4 2260.6
2864.8 2753.4
禽 蛋
(万トン)
中国の卵生産量
3,100
5,000
2,900
1965.2
1897.1
2021.3
2134.7
2243.3
2336.7
2462.7
2606.7
2723.7
2879.5
4,607
生産個数(右目盛)
2,700
4,171
3,739
3,589
2,300
3,234
3,144
3,035
3,000
生産重量(左目盛)
1,900
2,500
1,700
1,500
2,000
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
年
河
湖
湖
广
广
海
南
北
南
东
西
南
685.9
327.3
523.5
384.3
242.9
58.2
588.3
278.7
466.8
264.2
206.6
41.3
440.8
256.3
437.0
256.3
186.0
37.0
100.8 46.7
16.3 6.0
18.2 11.6
7.2 0.7
16.9 3.8
3.0 1.3
143.8
513.7
136.7
244.2
1.2
5.8 3.6
28.5 20.0
12.5 5.5
21.7 10.1
12.8 7.5
66.7
57.8
571.9
68.2
229.5
39.7 31.3 4.4 4.0
44.9 35.6 6.2 3.0
458.0 337.4 86.9 33.7
62.2 47.9 6.9 7.4
193.6 87.6 33.6 72.4
64.2 64.2
63.4 63.4
348.6 340.3
73.8 71.3
696.9 691.0
16.0
23.5
459.0
56.9
46.2
辽 宁
吉 林
黑龙江
347.9
260.2
173.5
240.6 191.2 42.2 7.1
163.3 108.2 51.0 4.2
142.3 100.4 31.1 10.7
78.8 74.9
30.0 29.4
444.2 440.2
224.0
100.0
102.7
重
四
贵
云
西
庆
川
州
南
藏
178.0
653.6
167.5
298.6
21.5
153.3
562.2
154.7
276.0
21.5
上
江
浙
安
福
江
山
31.3
352.3
165.3
340.1
165.9
237.1
753.9
18.7
242.1
130.4
265.0
138.5
187.7
484.1
23.8 23.8
57.9 56.6
26.7 26.7
11.0 11.0
19.8 19.4
12.5 12.5
221.0 187.1
8.4
182.0
44.5
122.1
43.9
42.1
441.8
陕
甘
青
宁
新
西
肃
海
夏
疆
102.8
82.1
25.8
26.2
143.3
89.6
75.7
25.1
22.3
120.3
18.0 0.1 0.6
218.5 5.7 17.9
125.1 1.4 3.9
215.6 33.0 16.4
133.5 2.9 2.1
175.9 10.2 1.6
367.1 80.7 36.4
3,500
3,415
北 京
天 津
河 北
山 西
内蒙古
海
苏
江
徽
建
西
东
4,000
3,940
2,500
2,100
4,500
4,358
68.4 11.9 9.3
50.5 12.8 12.5
8.6 7.4 9.2
10.7 5.2 6.4
26.2 34.2 59.9
108.5 104.0
12.2 12.2
6.9
6.9
11.9 11.6
5.4
5.4
0.1
0.1
8.6
59.0
3.8
32.7
27.0
375.3
121.3
92.1
33.2
17.7
2.7
8.6
58.6
3.8
30.9
21.2
39.1
157.2
11.1
19.0
0.4
141.7 113.3
31.7 31.2
25.0 23.6
57.9 57.9
159.8 152.2
48.7
14.5
1.4
7.8
25.0
19
(出所)中国国家統計局『中国統計年鑑2006年版』
億個
ミルク類
(万トン)
万トン
肉類生産
(万トン) #猪牛羊肉
17.中国におけるトウモロコシ、大豆の生産&貿易
万トン
中国のトウモロコシ生産、輸出
160000
1,600
18000
輸出
140000
輸出
16000
1,100
14000
120000
12000
600
10000
80000
8000
千トン
千トン
100000
60000
100
6000
40000
4000
生産
20000
0
0
0
0
-44
0
-400
0
-25
-7
-9 -5
-10 -10 -15
輸入
-518
2000
0
1985 1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007
年
中国の大豆生産推移
2,000
-900
1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007
万トン
111 66
37
83
38
19
19
17 20
21 30
27 30
42
輸出
38
0
1,800
-500
1,600
-1000
-1500
1,200
-2000
1,000
-2500
800
-3000
600
-3500
400
-4000
19
75
19
76
19
77
19
78
19
79
19
80
19
81
19
82
19
83
19
84
19
85
19
86
19
87
19
88
19
89
19
90
19
91
19
92
19
93
19
94
19
95
19
96
19
97
19
98
19
99
20
00
20
01
20
02
20
03
20
04
20
05
20
06
20
07
万トン
1,400
輸入
1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007
年
20
(資料)米農務省需給報告
18.米穀物需給は、大豆の在庫・在庫率が半減
(資料)米農務省報告2008.1.11
米国トウモロコシ生産および期末在庫率
14,000
期末在庫率%
13,000
%
13,074 70
60
12,000
11,000
50
生産高
10,000
9,000
40
8,000
30
7,000
6,000
20
5,000
4,000
11.1
10
3,000
0
1985
1986
1987
1988
1989
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2,000
年度
米国大豆の生産高・期末在庫率
3,500
100万ブッシェル
30.0
期末在庫率(右目盛%)
3,000
25.0
2,500
20.0
2,000
15.0
1,500
10.0
1,000
5.0
生産量(左目盛)
21
2007
2008
2005
2006
2003
2004
2001
2002
1999
2000
1997
1998
1995
1996
1993
1994
1991
1992
0.0
1989
1990
500
1987
1988
07/08年度のトウモロコシ生産は、作付け
面積の拡大を受けて、過去最高水準へ。
しかし、在庫は低水準。大豆在庫は半減
100万ブッシェル
1985
1986
米国農務省需給報告
100万BU
100万BU
ト ウ モロ コ シ
大豆
年度
生産 期末在庫 在庫率
生産 期末在庫 在庫率
1985
7, 674
1, 648
23. 4
1, 861
316
18. 4
1986
8, 877
4, 040
62. 2
2, 099
536
28. 5
1987
8, 250
4, 882
65. 9
1, 943
436
21. 3
1988
7, 131
4, 259
54. 9
1, 935
302
14. 6
1989
4, 929
1, 930
26. 6
1, 549
182
10. 9
1990
7, 525
1, 345
16. 6
1, 924
239
12. 8
1991
7, 934
1, 521
19. 6
1, 926
329
17. 9
1992
7, 454
1, 100
13. 9
1, 987
278
13. 6
1993
9, 482
2, 113
24. 9
2, 188
292
13. 4
1994
6, 336
850
11. 2
1, 871
209
10. 7
1995 10, 103
1, 588
16. 6
2, 517
335
14. 0
1996
7, 374
426
5. 0
2, 177
183
7. 8
1997
9, 293
883
10. 3
2, 382
130
5. 4
1998
9, 366
1, 259
13. 9
2, 727
240
9. 1
1999
9, 761
1, 799
19. 4
2, 750
430
16. 9
2000
9, 431
1, 718
18. 0
2, 654
290
10. 6
2001
9, 915
1, 899
19. 5
2, 758
248
8. 8
2002
9, 507
1, 621
16. 5
2, 891
260
9. 0
2003
9, 008
1, 084
11. 4
2, 749
169
6. 1
2004 10, 089
985
9. 4
2, 454
112
4. 4
2005 11, 807
2, 215
21. 0
3, 141
355
12. 2
2006 11, 112
2, 176
19. 6
3, 086
570
20. 5
2007 10, 535
752
6. 3
3, 188
595
19. 5
2008 13, 074
1, 438
11. 1
2, 585
175
5. 9
( 注) 米農務省2008年1月11日発表。 年度は 9月ー8
19.大豆生産は、南米と米国が逆転
米国および南米(
ブラジル、アルゼンチン)
の大豆生産
予測
12,000
南米
10,000
8,000
万トン
6,000
米国
4,000
2,000
0
90/91
92/93
94/95
96/97
98/99
00/01
02/03
04/05
06/07
(
資料)
米農務省
22
20.米国のエタノールブーム
• ブッシュ大統領一般教書演説:エネルギー政策(07.1.23)
– ①エタノールなど代替燃料の利用拡大:エタノール生産を05年35→ 2012年75→2017年
350億ガロン(20%in10Y)に大幅拡大。ガソリンの消費量を15%削減。
– ②自動車の燃費規制強化(現行、1ガロン27.5マイル(1リッター11.1km))→5%ガソリン消
費量削減(CO2排出を10年間横ばいへ)
– ③戦略石油備蓄の強化:現行6億9,100万バレル(輸入量の55日分)→20年間で15億バレルへ
米国トウモロコシの輸出およびFSI
/エタノール需要
予測
4,000
3,500
3,400
輸出
100万ブッシェル
3,000
2,500
2,000
1,600
2,150
1,325
1,500
1,000
429
500
FSI
の内、エタノール
0
1975 1980 1985 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007
(資料)米農務省2007.6.11
2017年ま
でにエタノ
ール生産
を06年の
50億ガロン(
1ガロン
=3.79L)か
ら350億ガ
ロンに10倍
増させる。
●エタノール100ガロ
ン生産→トウモロコ
シ35ブッシェル
23
21.米国のエタノールはどこまで増えるのか
能力
予測
米国のエタノール生産
14000
12000
13,655
(億ガロン)
160
140
その他
フランス
インド
中国
ブラジル
米国
120
10000
100
60
8000
40
20
6000
→129工場68.8億ガロン
→建設/増設中86工場
67.7億ガロン
6,800
0
2004
2005
2006
4,800
3,904
4000
2000
0
19
80
19
81
19
82
19
83
19
84
19
85
19
86
19
87
19
88
19
89
19
90
19
91
19
92
19
93
19
94
19
95
19
96
19
97
19
98
19
99
20
00
20
01
20
02
20
03
20
04
20
05
20
06
20
07
20
08
100万ガロン
80
全米のエタノール工場
数07年9月現在
年
(資料)Renwable Fuels Association
24
22.脆弱な国際穀物マーケット
トウモロコシ
万トン
輸出国
00/01年度06/07年度 差
米国
4921
5715
794
アルゼンチン
1196
1150
-46
中国
994
400 -594
アセアン
13
20
7
メキシコ
1
1
0
日本
0
0
0
韓国
0
0
0
その他
1460
842 -618
計
8585
8128 -457
輸入国
日本
韓国
メキシコ
アセアン
EU25
米国
中国
その他
大豆
万トン
輸出国
00/01年度06/07年度 差
米国
2895
3116
221
ブラジル
1500
2590 1090
アルゼンチン
600
710
110
中国
30
35
5
EU15
6
1
-5
日本
0
0
0
その他
333
615
282
計
5364
7067 1703
輸入国
EU15
日本
アルゼンチン
中国
米国
ブラジル
その他
00/01年度06/07年度
1830
1410
502
405
30
93
1038
3200
6
11
110
10
1908
1840
5424
6969
輸入国
アルジェリア
エジプト
ブラジル
日本
インドネシア
ナイジェリア
メキシコ
韓国
その他
計
00/01年度06/07年度 差
608
950
342
633
720
87
663
700
37
558
560
2
398
480
82
230
430
200
316
370
54
405
360
-45
7202
6500 -702
11013
11070
57
小麦
万トン
輸出国
00/01年度06/07年度
米国
2283
2517
カナダ
939
2050
オーストラリア
1095
1150
EU25
1994
1600
アルゼンチン
628
850
ロシア
1261
750
その他
2322
1979
計
10522
10896
差
234
1111
55
-394
222
-511
-343
374
8917
(資料)米農務省需給報告
(
万トン)
00/01年度06/07年度 差
1612
1650
38
869
890
21
491
630
139
450
405
-45
1087
300 -787
37
25
-12
7
10
3
3449
3986
537
8002
7896 -106
差
-420
-97
63
2162
5
-100
-68
1545
1.
食糧という性格から、
国内市場が優先さ
れる。このため、生
産量に対して貿易に
供されるのは約1/
8。
2.
主な輸出国が米国、
カナダ、オーストラリ
ア、南米に限られる。
3.
輸入国が日本、韓国
などアジアに偏重。
最近は新たな輸入
国として中国が登場。
25
65
/
66 66
/
67 67
/
68 68
/
69 69
/
70 70
/
71 71
/
72 72
/
73 73
/
74 74
/
75 75
/
76 76
/
77 77
/
78 78
/
79 79
/
80 80
/
81 81
/
82 82
/
83 83
/
84 84
/
85 85
/
86 86
/
87 87
/
88 88
/
89 89
/
90 90
/
91 91
/
92 92
/
93 93
/
94 94
/
95 95
/
96 96
/
97 97
/
98 98
/
99 99
/
00 00
/
01 01
/
02 02
/
03 03
/
04 04
/
05 05
/
06 06
/
07 07
/0
8
百万トン
300
250
200
10
150
8
100
6
4
50
2
0
0
年度
26
%(
貿易量/消費量)
23.穀物貿易量は2億トン強→2.5億トン弱へ
世界の穀物貿易量および貿易比率
16
14
12
24.特定の作物に依存する世界の食糧供給
※歴史上食用に供されたことのある植物約3,000種の内、商業ベースで栽培されてい
る植物は約150種。これらの内、小麦、コメ、トウモロコシ、ポテト、大豆などの数種で
、全生産量の過半を占める。
世 界 の 食 糧 生 産
年
100万トン
%
2000 00/90年率
1990
1991
1992
1996
1997
1998
1999
1,945
1,875
1,958
2,070
2,094
2,085
2,086
2,059
根菜類
ポテト
野菜・メロン
果物計
ブドウ
バナナ
リンゴ
柑橘類
592
519
834
477
177
574
267
460
354
60
48
41
76
546
517
812
488
168
568
257
463
353
57
49
36
80
564
526
868
528
164
590
277
470
380
62
51
44
83
584
569
917
589
155
658
310
594
425
59
55
56
96
613
577
904
585
155
634
302
610
441
59
60
58
104
593
581
911
615
138
651
300
634
432
57
57
57
99
588
612
886
607
128
673
300
683
457
61
64
58
103
585
598
876
593
134
699
328
734
468
64
67
60
101
油糧(大豆)
108
103
114
130
144
160
158
161
砂糖
コーヒー
茶
タバコ
合計
111
6
3
7
112
6
3
7
117
6
2
8
123
6
3
7
128
6
3
9
128
7
3
7
134
7
3
7
134
7
3
7
穀物計
小麦
米(籾)
粗粒穀物
トウモロコシ
バーレー小麦
3,644 3,570 3,728 4,112 4,173 4,206 4,311 4,373
0.6
-0.1
1.4
0.5
2.2
-2.7
2.0
2.1
4.8
2.8
0.6
3.4
3.9
2.9
4.1
1.9
1.0
0.0
0.0
1.8
100万トン
2002
2,032
568
579
884
602
132
686
308
773
471
62
70
58
103
180
136
8
3
6
4,398
作物の多様性
の維持という
面では極めて
脆弱な
供給構造
にある
野菜、
果物、
嗜好飲料
などの
換金作物の
生産が
拡大
(資料)FAO:Production Yearbook 他より作成。
(注)砂糖は、粗糖ベース生産量
27
25.遺伝子組換え作物(GMO)はどこまで期待できるか
米国産トウモロコシおよび大豆の単収(ブッシェル/エーカー)160.4
138.6
39.6
130
39
8,000
35
110
33
100
トレンドイールド(傾向単収)
31
大豆(右)
90
29
80
27
70
25
79
80
81
82
83
84
85
86
87
88
89
90
91
92
93
94
95
96
97
98
99
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
年度
%
米国における遺伝子組み換え(
GM)
作物の栽培比率
81
綿花
80
68
70
69
68
大豆
75
55
60
50
52
46
40
38
30
21
1996
34
25
25
13
40
35
26
20
54
26
トウモロコシ
13
7
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
万ヘクタール
37
120
0
10,000
41
140
10
12,000
43
149.1
150
90
G M 作物の栽培面積の推移
45
トウモロコシ(左)
160
6,000
4,000
2,000
0
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
年
GM作物の主要国別導入状況(2005年)
国名
栽培面積
栽培作物
米国
4980万ha
トウモロコシ
大豆
ワタ、ナタネ
アルゼンチン
1,710万ha
トウモロコシ
ワタ
ブラジル
940万ha
大豆
ナタネ
カナダ
580万ha
トウモロコシ
大豆
中国
330万ha
ワタ
パラグアイ
180万ha
大豆
インド
130万ha
ワタ
南アフリカ
50万ha
大豆
ワタ
備考
世界のGM作物の55%
世界のGM作物の19%
世界のGM作物の10%
世界のGM作物の6%
国内ワタ栽培の66%
国内大豆栽培の55%
推定100万人の農業者が利用
その他:ウルグアイ(30万ha)、オーストラリア(30)、メキシコ(10)、ルーマニア(12)、フィリピン(7)
スペイン、コロンビア、イラン、ホンジェラス、ポルトガル、フランス、ドイツ、チェコ
(資料)バイテク情報普及会ホームページより
28
26.進む地球温暖化
 07年2月気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が第4次評価報告書
を発表。温暖化の進展が明らかに。
 人為起源の温室効果ガスの増加が温暖化の原因とほぼ断定。
 20世紀後半の北半球の平均気温は、過去1300年間の内で最も高温で、
最近12年(1995~2006年)のうち、1996年を除く11年の世界の地上気
温は、1850年以降で最も温暖な12年の中に入る。
⇒ 京都議定書で温室効果ガス削減の取り組みが進む。
世界の年平均気温上昇
・ 2008~12年に、1990年比で日本6%、
欧州8%など、先進国全体で少なくとも
5%の削減を目指す。
棒グラフ: 各年の平均気温の平年
値との差
太線(青):平年差の5年移動平均
直線(赤):長期的な変化傾向
平年値は1971~2000年の30年平
均。
(出所)気象庁
29
27.有限性を強める水資源
●人口増加を背景に今後、効率的な水利用、適
切な水管理が重要になる(特にアジア地域)。
●食料自給率が低い日本は、食料輸入を通じて
間接的に大量の水を利用しており、水不足が農
業に与えるダメージの影響を受け易い。
30
(出所)農水省:国際食料問題研究会
28.食糧生産に必要な水(バーチャルウォーター)
●農畜産物や加工食品生産には大量の水を使用
●日本は食料自給率が低く、大量の食料を輸入
⇒大量のバーチャル・ウォーターを輸入(年間約640億m3超)
●実際の使用量839億m3(前ページ)の約3/4に相当
主要農産物1kgの生産に必要な水量
18,000
15,977
16,000
14,000
10,000
8,000
5,906
6,000
牛
乳
卵
豚
肉
大
豆
0
米
トウ
モロ
コシ
865
160
チー
ズ
450
牛
肉
1,150
2,828
2,300
鶏
肉
2,656
ジャ
ガイ
モ
4,000
2,000
5,288
4,657
小
麦
リット
ル/KG
12,000
(資料)UNESCO「Water-a shared responsibility 」
2006.3
31あsx
29.リスクのグローバル化:異常気象
世界の主な異常気象と穀物市場
(●エルニーニョ現象発生、○ラニーニャ現象発生)
年
1970
1971
1972
米 国
1973
1974 中西部干ばつ
1975
1976 中西部干ばつ
1977
1978
1979
1980 南部熱波・干ばつ
セントヘレンズ火山噴火
1981
1982
1983 中西部熱波・大干ばつ
1984
1985
1986
1987
その他 世 界
穀物市場の動向
○
● 大干ばつ(ソ連、インド、中国)
ソ連大凶作
シカゴ大豆12.9ドル史上最高値
○ 干ばつ(ソ連)
ソ連大凶作
●
シカゴ穀物急騰
干ばつ(中国)
米国・対ソ穀物禁輸
米国穀物大減産
干ばつ(ソ連)
● 史上最大のエルニーニョ
メキシコ・エルチチョン火山噴火
ソ連大凶作
米国穀物大減産・相場急騰
○
●
1988 中西部今世紀最大の干ばつ
1989
1990
1991
1992
○
1993 ミシシッピ川大洪水
1994
1995 長雨
1996
1997
1998
1999 米国東部干ばつ
2000 105年来の暖冬、干ばつ
2001 ミシシッピ川洪水
2002 北米大干ばつ
2003
2004 世界的な高温
2005 中西部(イリノイ)干ばつ
●
ハリケーン襲来頻発
2006 北半球・南半球同時干ばつ
2007
ミシシッピ河口港湾機能停止
●エルニーニョ発生
◯
米国穀物大減産・相場急騰
●
豪州、中国、南アなどの干ばつ
○
●史上最大のエルニーニョ
米国穀物大減産・相場急騰
米国穀物史上最高の豊作
米国穀物大減産・相場急騰
東南アジア干ばつ
◯
◯
米国で高温乾燥懸念
●
●エルニーニョ発生
旧ソ連、東欧、欧州熱波
大豆10ドル台に急騰
日本への台風本土上陸新記録10個
穀物価格下落
32
30.スケールアップして1970年代と類似
するコモディティを巡る環境
商品市況環境をめぐる時代比較
1965~1970年代
1 ドル・ポンド危機、ゴールドラッシュ
(EC、中東は脱ドル→金購入)
2 米国の国際収支悪化
( 1971 年に赤字転落)
3 金資産の世界的なシフト
(中東オイルダラーが金吸収)
4 資源ナショナリズムと米国の中東政策
(OPECの結束、イラン封じ込め)
5 日本、西独の高度成長
(重厚長大型経済発展)
6 旧ソ連の国際商品市場への参入
(大穀物泥棒)
7 世界的な食糧需給ひっ迫
( 73 年の世界穀物在庫率15 %へ)
8 ニューヨーク株価調整
(ニフティ・フィフティ)
9 資源不足、公害問題
(ローマクラブの警告)
※ 東西冷戦構造
2002年~
ドル安懸念、ユーロ高・人民元切り上げ観測
(ドルの対円・ユーロ戦後最安値)
米国の双子赤字拡大・対外純債務拡大
( 90 年代に投資収益収支も赤字に)
金・外貨資産の世界的シフト
(中国の金・外貨準備急拡大)
資源ナショナリズムと米国の中東政策
(OPECの結束、イラク戦争、対イラン封じ込め)
中国などBRICs,東アジアの台頭
(量産化・産業化の進展)
中国の国際商品市場への参入
(一次産品輸入大国へ)
世界的な食糧需給ひっ迫
( 04 年の世界穀物在庫率16 %台へ)
ニューヨーク株価調整
( IT バブル崩壊)
地球環境問題の深刻化
(ワールドウォッチ研究所の警告)
テロ と の戦争
33
31.日本の食料・農業市場をめぐる動向:鳥瞰図
フェアトレード
農政改革
食糧法改正
農業
食品産業
食料・農業・農村基本法
・耕作者主義
①農業経営強化
・株式会社参入
食の安全・安心(国際標準化政策)
②農業構造・農地
制度改革
③農業の多面的機
能発揮
高齢化
WTO
FTA、EPA
中国爆食
世界穀物需給ひっ迫
BSE
「食」と「農」の再生プラン
鳥インフルエンザ
・構造改革特区
農協改革(未曾有の危機)
食のグローバリ
ゼーション
・HACCP(ハサップ)
・トレーサビリティ
・リスク・アナリシス(評価と管理の分離)
・食品表示
地球環境問題
アジアの水不足
CO2
食のニーズ変化
中食・外食の普及
バイオマス日本
食を巡る
技術革新
ICタグ
GMO、バイオ
SCM
グリーンツーリズム
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32.食の安全性を巡る状況の変化
■リスク要因の多様化(3つの安全性)
ー ①目に見える安全性(ex.鮮度)、②食後の安全性(ex.O-157、
BSE(狂牛病)、中国餃子)、③目に見えない安全性(ex.GMO)
■食サービスへの依存度の高まり、流通の広域化・複雑化
ー 中食・外食の普及、原料調達のグローバル化(離れる農業・
くっ付く農業)、供給プロセスの分業化など
■社会全体の情報化の進展
ー マスメディアの活動、インターネットの普及など
■科学進歩と不確実性の増大
ー 環境ホルモン等の新たなリスク、GM食品の安全性、BSE
の人への感染性など
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33.農業は先進国産業である
土壌学、化学(肥料・農薬)、気象学
、機械工学、電子技術、土木工学、
情報工学、動植物学、経済学、農学
、経営学、遺伝子工学
4つの革命
市場革命
価格低下
社会・経済の萃点としての農業
技術革命
南方熊楠の萃点 イ
土地革命
ロ
萃点
人材革命
ハ
(
出所)
総合研究開発機構『
農業自立戦略の研究』
1981年8月より筆者作成
ニ
ホ
へ
ご清聴ありがとうございました。
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