補足資料

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医療安全基礎講座2008 2008.6.26
RCA 出来事流れ図の作成例
医師は看護師にボス
ミン1筒を注射筒に
用意するよう指示し
た。
看護師はフェ
ノバール1筒
を注射筒に詰
めた。
看護師はフェノ
バールを詰めた
注射筒を医師に
渡した。
なぜ,看護師はボスミ
ンとフェノバールを間
違ったのか?
なぜ看護師はシリンジに詰
める前・詰めた後にアンプル
を確認しなかったのか?
ボスミンの場所に
フェノバールが入っ
ていたから。
医療行為施行前の「確認」が
習慣となっていなかったから。
なぜ,フェノバールが
ボスミンのところに
入っていたのか?
なぜ看護師はフェノバー
ルであることに気づかな
かったのか?
ボスミンとフェノ
バールの場所が隣
りだったから。
ボスミンとフェノバール
のアンプル形状が似て
いたから。
根本原因1
なぜ看護師は医療行為施
行前の「確認」が習慣と
なっていなかったのか?
医療行為施行前の「確認」
について,教育・指導を受
けていないから。
なぜ,「確認」についての教
育・指導が行われていない
のか?
医師は手渡さ
れた注射液を
投与した。
患 者 は
死亡した。
頂上事象
医師に「いいから速く
持ってこい!」とせかさ
れたから
なぜ医師は,「確
認」を軽視したの
か?
医師の卒前・卒後何れの教育で
も,「安全な医療」という概念や
「確認」の重要性に関する教育が
行われていないから
「確認」に関しての標準的な方法
が決められていないから(マニュ
アルがないから)
根
本
原
因
2
医療安全基礎講座2008 2008.6.26
RCA 報告書(1)の例
形状が似たアンプルどうしが隣り合わせになるような救急カート
根本原因1に
関する因果連鎖 内のレイアウトでは,薬剤の取り違いを誘発しやすいので,それに
よる死亡事故が起こる可能性がある。
対策案
救急カート内のレイアウトを 事故のあった病棟についてのみ,
見直し,院内統一の救急カート 救急カートのレイアウトを見直
を整備する。
す。
実施期限
3か月以内にレイアウト案を作成し,半年 1か月以内に試案を作成。2か月のテ
以内に院内配備を行う。
スト期間をおき,実施可能かを検討。
実施担当
救急カート整備委員会を作成
病棟医長・病棟師長
実施の追跡確認方法
広報活動は医療安全管理室が担当。
各病棟での実施状況調査は,医療安全管
理委員会が巡視してチェック。
医療安全管理室に対し,毎月新着状況を報
告 。 医 療安 全 管理 室は 毎 月 ,実 施 状況 を
チェック。
追跡確認の期間・頻度
院内配備後半年間は,毎月
それ以降は,年に3回
1年間
(責任者・委員会等)
病院長・執行部の認可
医療安全基礎講座2008 2008.6.26
RCA 報告書(2)の例
根本原因2に
関する因果連鎖
医療行為に対する確認方法についてマニュアルが整備されて
いないために,現場でその重要性が軽んじられ,確認を行っ
ていれば防げるような死亡事故が発生する可能性がある。
対策案
医療行為に関して,院内で確認
法を統一し,医療安全ポケット
マニュアルに,医療行為の確認
法に関するページを新たにおこ
す。
病棟内での実施マニュアルを
整備する。
実施期限
来年9月までにマニュアル化
1か月以内にマニュアル原案を作成。2ヶ月
間のテスト期間後,実施に移る。
実施担当
(責任者・委員会等)
多職種で構成するワーキンググループを作り,そ
こで確認の方法を検討する(半年)。それ以降,モ
デル病棟に於いて問題点を洗い出し,次年度のマ
ニュアルに載せる。
各グループネーベン医,看護リーダーによ
る検討委員会を設置。原案造りから実施の環
指までを担当する。
実施の追跡確認方法
各病棟医長・病棟師長が実施についての責任を持
つ。評価は医療安全管理委員会が行う。
上記委員会が計画。
追跡確認の期間・頻度
半年間は毎月抜き打ちで巡視をする。必要に応じ,
病棟にペナルティを課す。
上記委員会が計画。2か月に一度,医療安全管理委員
会が巡視。
病院長・執行部の認可
医療安全基礎講座2008 2008.6.26
FMEAの例
例題:診察室へ患者を呼び入れる際の手順(初診時)
作業手順
目 的
医師は診察
の患者名を
アナウンスす
る
診察する患者
を診察室へ呼
び入れるため
医師は自己
紹介をする
良好なコミュニ
ケーションを図
るため
入室した患
者の名前を
確認する
患者誤認を起
こさないため
診察(問診)
を開始する
診察をするため
エラーモード
(失敗モード・
故障モード)
影響解析
影 響
頻
度
影
響
度
検知の
容易さ
原
因
別の患者の名前
を呼ぶ
別の患者の診察
をする
4
10
2
80
アナウンスの音
量が小さい
患者が聞き間違
える
5
6
1
30
自己紹介を省く
患者に与える印
象がよくない
4
4
3
48
同姓同名に気づか
ない
別の患者を診察
する
2
10
3
60
患者確認を省く
別の患者を診察
する
5
10
2
100
患者の顔を見ない
で話をする・聞く
患者に与える印
象がよくない
4
4
3
48
対策
RCAの参考図書と同じシリーズで,
FMEA版も出ております。
内ヶ﨑 問合わせ先 :03-3972-8111(内線2277)
[email protected]