大学間連携事業

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Transcript 大学間連携事業

大学共同利用機関と大学間連携による研究・教育協力の強化
国立天文台
東京大学
京都大学
光・赤外線天文学
研究・教育ネットワーク
広島大学
鹿児島大学
名古屋大学
北海道大学
東京工業大学
事業名:
大学間連携による光・赤外線天文学研究教育拠点のネットワーク構築
- 最先端天文学課題の解決に向けた大学間連携共同研究 -
大学間連携観測ネットワークを使ったサイエンス
中小望遠鏡でも可能な
天文学の比較的未開拓な次元である
「時間軸」に焦点を当てる
多地点連携即応観測による
宇宙の爆発現象の解明
・ガンマ線バースト
・超新星爆発
・X線新星爆発(X線連星)
・新星・矮新星爆発
・等
ガンマ線バースト
宇宙最大の爆発現象
ガンマ線での突発的爆発現象
・すぐにX線や可視でも光るが、どんどん暗くなる。
・重い星の一生の最期の爆発の一種。
・ブラックホール形成の瞬間。
極めて明るい現象で、75億光年彼方の爆発が肉眼
でも見える明るさのため、遠方の宇宙も見通せる。
ガンマ線バーストの想像図(ESO)
X線連星
中性子星やブラックホール連星系
物質の極限状態の物理を探る
超新星爆発
銀河の距離を測る基礎指標
元素の生成源
激変星
近接連星系と降着円盤
地球経度にそった観測点

近赤外線による世界初の多地点24時間観測体制の構築
⇒ 超遠方ガンマ線バースト検出
(宇宙誕生後2億年までさかのぼる)
より広い波長帯、偏光、タイムスケール

これまでになかった多波長多モード連携観測
⇒ 未知の物理に迫る
偏光観測 ⇒ 磁場によるジェット構造の形成
(ブラックホール周辺の物理)
高速測光 ⇒ 極短時間スケールの変動現象の検出
(降着円盤の物理)
地球規模の即応観測ネットワーク拠点
東京大学1m望遠鏡
名古屋大学1.4m望遠鏡
国内望遠鏡ネットワーク
日本国内の即応観測ネットワーク拠点
国立天文台石垣島天文台
1m望遠鏡
京都大学 岡山観測所
3.8m望遠鏡
国立天文台 岡山観測所
1.8m望遠鏡
北海道大学名寄1.6m望遠鏡
東京工業大学明野50cm望遠鏡
広島大学1.5m望遠鏡
鹿児島大学 1m望遠鏡
活動

24時間体制近赤外線即応観測ネットワーク
→突発的な現象を直ぐに観測、重要な初期観測が可能
→連続観測で重要な変化を逃さない

ガンマ線、X線衛星との連携
→今なら直ぐにMAXI等の既存の衛星との連携が可能

多機能協調観測による研究
→重複をなくし、お互いの足りない部分を補い合う

中小口径望遠鏡を使った最先端研究で学生の教育
→世界レベルで活躍できる若手人材育成

大学共同利用研究所と大学間の双方向研究者交流
→研究教育活動を活発化
大学共同利用機関と大学間の連携共同研究
国立天文台
連携
研究支援
大学
観測協力
光・赤外線天文学研究・教育ネットワーク
突発天体即応観測研究協力
国立天文台
の研究者
連携講座
客員研究員
大学
の研究者
中小望遠鏡による共同観測成果の例 (1)
超新星SN 2011by
全国の大学が連携し、それぞれが所有する望遠鏡施設(北海道から沖縄、さらに南米チリ、南
アフリカ)を、一つの天体に向けて観測する取り組みは初めてである。この枠組みを利用して、
Ia型超新星の中でも見かけの明るさが最も明るいクラスの超新星SN 2011by を発見直後から
観測した。またこの超新星は最も明るい日の10日前に発見されたことが判明している。これほ
どの好条件が揃うことはたいへん珍しく、科学的に価値あるデータが取得できた。特に爆発機
構の解明にとって最も有益な情報となるであろう、膨張速度が変化する様子を密な観測で明ら
かにすることができた。
Ia型超新星 SN 2011by と母銀河NGC 3972。左は、Skyviewによる爆発前の写真。右
は、東京大学木曾観測所シュミットカメラによる、3色合成カラー写真。矢印で示されてい
るのが超新星SN 2011by
中小望遠鏡による共同観測成果の例 (2)
SN 2011byのスペクトル
赤が京都産業大学1.3mあらき望遠鏡で4/29に取得されたスペクトル
黒が広島大学1.5mかなた望遠鏡で5/17に取得されたスペクトル
中小望遠鏡による共同観測成果の例(3)
国立天文台岡山天体物理観測所近赤外線撮像・分光装置(ISLE)による
SN2011byの近赤外線画像とスペクトル
H
Ks
J
たて座デルタ型変光星IP Vir の連続観測例
1日(24時間)
大学間連携による光・赤外線天文学研究教育ネットワークの構築
大学との研究・教育協力の強化
国立天文台
京都大学
広島大学
光・赤外線天文学
研究・教育ネットワーク
東京大学
名古屋大学
鹿児島大学
東京工業大学
兵庫県立大学
北海道大学
京都産業大学
県立ぐんま天文台
新な即応観測ネットワーク協力望遠鏡
京都産業大学
神山天文台
1.3m(荒木望遠鏡)
兵庫県立大学
西はりま天文台
2m(なゆた望遠鏡)
県立ぐんま天文台1.5m望遠鏡
事業体制図
京都大学
(責任者)理学研究科附属天文台長
柴田一成教授
理学研究科物理学・宇宙物理学専攻
長田哲也教授
・3.8m新技術望遠鏡を用いた可視・
近赤外線観測
国立天文台
東京大学
(責任者)天文台長 観山正見教授
・岡山天体物理観測所 1.88m望遠鏡、石垣島天文台1m
望遠鏡での可視・近赤外線撮像観測
・即応観測ネットワークのデータ通信、共同観測データの
アーカイブおよび配布の総括
・データ解析のための、共通解析ツールソフトの開発
・「観測実習」、「合同セミナー」等の実施
・連携講座特任教員を大学へ派遣
(責任者)理学系研究科天文学教育研
究センター長 吉井譲教授
・チリ1.0-m望遠鏡での、可視・赤外線で
の同時撮像観測
名古屋大学
(責任者)理学研究科長 國枝秀世教授
・南アフリカ1.4-m望遠鏡での観測、特に
3帯域同時撮像と偏光撮像観測
広島大学
(責任者)宇宙科学センター長
吉田道利教授
・東広島1.5-m望遠鏡での可視・赤外線
撮像観測
・即応観測ネットワークシステムの開発
光・赤外線天文学
研究・教育ネットワーク
北海道大学
(責任者)理学研究院 高橋幸弘教授
・北海道名寄に設置した1.6m望遠鏡を
用いて突発天体の可視・近赤外線での
撮像・偏光観測を分担する
鹿児島大学
東京工業大学
(責任者)理工学研究科 面高俊宏教授
・鹿児島県入来1m望遠鏡による可視・
赤外線撮像観測
(責任者)理工学研究科 河合誠之教授
・山梨県明野50cm可視望遠鏡による3
帯域同時撮像観測
兵庫県立大学
・西はりま天文台2m望遠鏡による可視・
赤外線撮像観測
京都産業大学
県立ぐんま天文台
・1.3m望遠鏡による可視・赤外線撮像観測
・1.5m望遠鏡による可視・赤外線撮像観測
事業名:大学間連携による光・赤外線天文学研究教育ネットワーク構築
-最先端天文学課題の解決に向けた大学間連携共同研究-
事業実施主体:国立天文台、北海道大学、東京大学、東京工業大学、名古屋大学、京都大学、広島大学、鹿児島大学
研究協力:兵庫県立大学、京都産業大学、県立ぐんま天文台
事業計画期間:平成23年度~平成28年度(6年間)