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OrthoPositronium3γ崩壊における 寿命測定 京都教育大学自然科学コース中間発表会 2007.12.5.Wed 京都教育大学総合科学課程自然科学コース 物質科学専攻 素粒子物理学研究室 有田 義宣 Contents 1.o-Psの寿命問題 2.測定方法と装置 3.NaI検出器のenergy calibration 4.Aerogel挿入前後のエネルギー比較 5.今後の予定 2007年度 京都教育大学自然科学コース中間発表会 o-Psの寿命問題 背景 ポジトロニウム(Ps)は電子(electron) と陽電子(positron)からなる原子。 o-Psの寿命は1978年のミシガン大の 実験をはじめ、数々の実験で理論値よ りも小さい値が得られている。 Psは電磁相互作用のみによって束 縛されているのでQED(量子電磁力 学)によって記述される。 これは「オルソポジトロニウムの寿命 問題」とよばれている。 2007年度 京都教育大学自然科学コース中間発表会 o-Psの寿命問題 目的 1.o-Psの寿命を計測し、理論値と比較 する。 2.とくに、エアロジェルを真空状態に近 い状況においたときの寿命値をとり、真 空の場合への補正を行う。 Ps (positronium) p-Ps(パラポジトロニウム)⇒2γ崩壊 Eγ = 511 [keV] (back-to-back) O-Ps(オルソポジトロニウム)⇒3γ崩壊 Eγ < 511 [keV] ※運動量保存の法則をみたす方向 2007年度 京都教育大学自然科学コース中間発表会 測定方法と装置 方法 Psは確率的に崩壊を起こす。したがってPsの寿命は、Ps生成から「どのく らいの時間で、どのくらいの数の崩壊が起こったか」を測定することで求め ることができる。 寿命をτとすると、崩壊数Nは t N N0 exp( ) log N t log N0 観測によって得られるlogNの値と時間t の関係にfittingすることでτを求める。 崩壊数計測 ⇒NaI検出器によるo-Ps崩壊時のγ線 カウント 時間計測 ⇒CAMAC規格 TDC(TimeDigitalConvertor)による start-endの時間計測 2007年度 京都教育大学自然科学コース中間発表会 測定方法と装置 Back ground (どのようにしてo-Psのγのみを選別するか) 1.e-とe+の対消滅によるγ 2.p-Psの崩壊による2γ 3.o-Psのe+が束縛状態にないe-と対消滅す る(pick-off) 4.スピン交換反応(spin-flip)でo-Psがp-Psに 変換され、その後対消滅 5.化学反応(酸化反応ならば、e+が残される) 解決策 1.γ線カウントのタイミングとエネルギーにより選別 2.Psの存在範囲での空気分子との相互作用を減らす 2007年度 京都教育大学自然科学コース中間発表会 測定方法と装置 Psは陽電子e+を物質に照射し、その電子を 奪うことで生成する。このためにエアロジェ ル(Aerogel)という物質を媒質として使う。 また、Psの崩壊γ線はNaI検出器を用いて 検出する。 NaI検出器(NaI結晶+PM) エアロジェル(SiO2) 0.19[g/cm3] O-Psの生成-崩壊過程 プラスチックシンチレーションカウンタ 2007年度 京都教育大学自然科学コース中間発表会 測定方法と装置 Set up 22Na (陽電子源) 半減期2.6年 放射強度 約1.4 [kBq] e+ (90%) ~545[keV], EC (10%),γ 1274.6[keV] NIM (Nuclear Instrument Module ) CAMAC (Computer Automated Measurement and Control ) 放射線測定モジュール標準規格 。 モジュールの端子同士をケーブ ルでつなぐだけで、信号処理.が できるように規格化されている。 コンピュータによるデータ収集・制御を目的と して規格化されたI/Oバス。 2007年度 京都教育大学自然科学コース中間発表会 測定方法と装置 Logic 2007年度 京都教育大学自然科学コース中間発表会 測定方法と装置 DAQ(Data AcQuation) program 計算機からCAMACのクレートコ ントローラに対して、命令をする。 PC側からモジュールに呼びかけ、 データを採るためのプログラムが 必要なので、C言語を用いて書い た。 ○特徴 引数回だけデータを採る TDCにSTART信号が入ってきて から、200[usec]で自動的にLAM をクリーンアップする 2007年度 京都教育大学自然科学コース中間発表会 NaI検出器のenergy calibration NaI検出器から送られたアナ ログ信号は、ADC(Analog Digital Convertor)回路によっ てピークに比例したデジタル 信号へと変換される。 ADCは12bitデータを転送す るので、最高で4096[ch]であ る。 ⇒エネルギーとADCの channelの対応を調べる必要 がある。 ↑ 22Na 10,000,000EVENT 60Co 1,000,000EVENT → NaI検出器(PM)の 印加電圧 1100[V] 2007年度 京都教育大学自然科学コース中間発表会 ↑ 137Cs 10,000,000EVENT NaI検出器のenergy calibration オフセット(0[ch]と0[eV]のずれ) -197.567 Energy / channel 1.34781 範囲 Channel > 146.5837 2007年度 京都教育大学自然科学コース中間発表会 Aerogel挿入前後のエネルギー比較 NaI検出器で22Naを 線源として、エネル ギースペクトルをと る。 片方はそのままで、 片方はエアロジェル を挟んだ状態でとる ことで、Ps生成の頻 度の目安をつける。 1,000,000EVENT データを採った。 ↑ エアロジェルなし ↑ エアロジェルあり ・回路の改善 ・backgroundのカッ トが必要 2007年度 京都教育大学自然科学コース中間発表会 今後の予定 ○本実験(o-Psの寿命測定) →ロジックとプログラムの調整を行ない、測定・解析を行う →プラスチックシンチレーションカウンタによるe+の消滅を少なくする ために、薄いプラスチックを探すかブラックシートを除く ○条件を変えて測定 →真空箱を製作し、測定する →γ線検出器の数を増やし、論理的にノイズをカットする ○解析方法 →ROOTでの解析が行えるように、Ntuple形式での データ保存をプログラムに組み込む 2007年度 京都教育大学自然科学コース中間発表会 Back up 2007年度 京都教育大学自然科学コース中間発表会 Back up Set up 2007年度 京都教育大学自然科学コース中間発表会 Back up PM(Photo Malti Plyer) 2007年度 京都教育大学自然科学コース中間発表会