第7回メディアの歴史(3)

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メディア論
第7回 メディアの歴史③
担当:野原仁(地域科学部)
トンパ(東巴)文字クイズ①
答え:わたし
トンパ文字クイズ②
答え:貧乏(人)
トンパ文字クイズ③
答え:なまける
トンパ文字クイズ④
答え:泣く
トンパ文字クイズ⑤
答え:トラ
トンパ文字クイズ最終問題
答え:ブタ
ヨーロッパの活版印刷の源
1. 手書きの官報
2. 手書きの聖書
3. 手書きの新聞
(→15世紀ヨーロッパで、海外貿易
に必要な情報(船の入港状況や品物
リストなど)を伝えるために発行さ
れる(不定期)→印刷物へ)
グーテンベルクの活版印刷
 1450年頃現在のドイツに生まれたヨハネ
ス・グーテンベルクが、それまでの諸技術を集
大成して完成
 特徴:(1) 鋳造しやすい鉛合金(活字合金)の活
字材料、(2) 正確で生産性の高い活字鋳造技術、
(3) 金属活字に適した印刷インキ、(4) 葡萄絞り
機を元にした平圧印刷機、の開発
 「42行聖書」などを印刷
 中国・朝鮮などで活版印刷が広まらなかったの
に対して、ヨーロッパ中に急速に普及していっ
た
マメ知識
42行聖書は、まず羊皮紙に45部、次いで
紙に135部の計180部印刷されたと推測さ
れている
うち現存するものは、羊皮紙版12(う
ち完全4)、紙版36(うち完全17)
1987年に丸善がオークションで紙版の完
全本を落札。落札価格→490万ドル(当時
の為替レートで換算すると約6億8600万円
!)
その後丸善から慶応大学が購入し、現在
は同大学図書館に所蔵されている
なぜヨーロッパで普及したのか
文字数が少なかったため
印刷されたのは主に聖書だったた
め
宗教改革
ルネッサンス
大航海時代による「新聞」の登場
など
新聞=newspaper
News=new thingsが省略されたもの
日々の出来事を他人に知らせるもの
定期的に発行されるもの
現在のような形になるまでに歴史的にさ
まざまに変化
ヨーロッパにおける新聞の源
1536年イタリア・ベネチアで発行さ
れた『ガゼッタ』が近代的新聞の最初
地中海貿易船の積み荷や入港時期が主な
内容
定期的に発行(サイクルは不明)
手書き
16世紀のヨーロッパ
ルネッサンス
商業資本の発達
郵便制度の整備
活版印刷の普及
市民階級の登場
印刷新聞の登場
1607もしくは08年にドイツで初の
印刷新聞『レラチオン』が発行される
週1回発行(=週刊)
その後、オランダ・イギリス・フランス
などで続々と印刷新聞が発行される
主な内容は、外国や国内の出来事や国王
や政治家らによる自己主張
近代市民社会と新聞
近代市民社会って何だ?
(キーワード)
旧体制(アンシャンレジーム)=国王・
貴族・僧侶
成金=ブルジョワ=市民
近代市民社会の成立により、文字の読
み書きのできる人間の数が増加し、新
聞の読者が増えていった
検閲により自由に報道できるわけでは
なかった
ブルジョワたちは、各種の新聞が置い
てある「コーヒーハウス」で新聞を読
んで、いろいろなことを話し合った
戦争が新聞販売数を伸ばすきっかけと
なった
マスメディアとしての新聞への道
16世紀~19世紀末まで、書籍・新聞など
印刷メディアは存在したが、せいぜい数
千部止まりでマスメディアとは言えな
かった→WHY?
①「手刷り」という技術的理由
②「ギルド」という社会的理由
③「検閲」など政治的理由
④人々の読み書き能力の低さ 等
新聞マスメディアの原点
1833年アメリカ『ニューヨーク・サ
ン』がそれまでの定価6セントを一挙に
1セントに値下げし、部数を4000部
から6万部に増加=「ペニー・プレス」
の登場
1855年イギリスで印紙税廃止、69
年保証金制度廃止
視覚メディアの発達
絵画→版画→写真→映画
幻灯→映画
絵画→パノラマ→映画
見せ物・劇→映画
カメラオブスクーラ
 カメラの原点
 16世紀頃に実用化さ
れたと考えられる
 暗箱の側面に取り付
けたレンズが、投影
する像をもう一方の
側面の内側に置いた
ガラスに写し出す仕
掛け
マジックランタン
 映写機の原型
 18世紀頃に作られたと考
えられる
 透明の紙に描かれた絵を、
ランタンの火で照らして
白いスクリーンに投影す
る仕掛け
 当時ヨーロッパでは、興
行師がマジック・ランタ
ンを背中にしょって、国
中を巡回した
アニメーション技術①ソーマトロー
プ
 1825年イギリスのパ
リスとフィトンに
よって考案された
 両面に絵が描かれた
紙の左右に糸をくっ
つけ、引っ張って回
すと両面の絵が重
なって見える
アニメーション技術②フェナキスティス
コープ
 1832年にベルギーのプラ
トーが考案
 連続画を描いた円盤にス
リットをあけ、鏡に向
かって回転させながらス
リットからのぞくと、絵
が動いて見える
 アニメーションの原型
アニメーション技術③ゾートロープ
 1834年イギリスの
ホーナーが考案
 回転できるドラムの
内側に一連の絵を貼
り付け、ドラムの外
側にあるスリットか
らのぞき見る
アニメーション技術④プラキシノスコー
プ
 1876年フランスのレーノが考
案
 回転する小さな円環の内側に
連続する絵の紙フィルムをま
きつけ、中心に角度をつけた
10個の鏡取りつける。鏡の上
にはランプをおき、その光で
鏡に映る絵の動きをみせる
 1892年には、これを工夫して、
上部のライトの光を反射させ
てイメージを外部へと投影さ
せ、世界で初めてスクリーン
上に映像を写し出すことに成
功
写真の登場
1826年フランスのジョゼフ・ニエプ
スがカメラ・オブスキュラ(ピンホール
を通して風景を映し出す暗箱)により銀
板に撮影することを成功
1839年同じくフランスのルイ・ダ
ゲールがヨウ化銀の感光性を利用して映
像を定着させる技術を発明(=ダゲレオ
タイプ)
連続撮影技術①馬の連続撮影
 1872~77年イギリスのマ
イブリッジが撮影
 道にワイヤを張ってカメ
ラのシャッターをつなぎ、
走る馬がワイヤをひきち
ぎるたびにシャッターが
切られるという仕組み
 映画撮影の原点
連続撮影技術②写真銃
 1882年フランスのマレーが考案
 1秒間に12枚の写真を撮影することができ、動
きの分析が可能になる
視覚マスメディアの原点
 19世紀末のヨーロッパ
①先述したアニメーション技術・連続撮影技術
の急速な進展
②1882年イーストマンがセルロイドフィルムを
発明
③1891年エジソンによるキネトスコープの発明
④1895年リュウミエール兄弟によるシネマトグ
ラフの発明