第1問 - せいがの森ホームページ

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Transcript 第1問 - せいがの森ホームページ

平成24年度 中堅保育士研修会
「乳幼児の環境を通して考える保育」
平成24年6月29日
せいがの森保育園
倉掛 秀人
今日の内容
ア 子どもが自らが環境に関わり、自発的に活動し、多様な
経験を積んでいくことができるように配慮すること。
イ 子どもの活動が豊かに展開されるよう、保育所の設備や
環境を整え、保育所の保健的環境や安全の確保に努める
こと。
ウ 保育室は、温かな親しみとくつろぎの場となるとともに、
生き生きと活動できる場となるように配慮すること。
エ 子どもが人と関わる力を育てていくため、子ども自らが周
囲の子どもや大人と関わっていくことができる環境を整え
ること。
保育所保育指針の「環境」の配慮事項
せいがの森保育園の保育環境
• 生活環境
– 室内は遊ぶ場所・食事するところ・寝るところに分かれ
ている。生活リズム、情緒の安定
– 生活は子どもと一緒に創り出し子ども文化を育む
– ホンモノと触れ合うこと。おまわりさんも自然も。
• 遊びの環境
– 見立て遊び(模倣)・表現(制作・おえかき・ブロック・ね
んど・シアターボード)・協力ゲーム・楽器遊び
– 園庭の環境 原っぱのようなプレイゾーン。運動量。思
わず身体が動き出すように。ビオトープ。
子どもの発達を促すような活動を誘発する環境
とは、どのようなものか?
•
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•
雨水のビオトープ「ごちゃごちゃしている」
シーソーで遊ぶ子どもの表情
石ころや葉っぱを集めて・・・
メダカのいる蓮樽の手を入れる2歳児
6月の園庭の様子
1歳児にとってのアリ、ままごとのお皿
5歳児のお絵描きおしえてあげよう
子ども文化としての異年齢保育(人的環境)
赤ちゃんは赤ちゃんに人見知りしない
保育の専門性とは?
5つの知識や技術および判断(p19)
● 保育を実践しな
がら「子どもの学び
や経験の意味」を省
察できること
● 「子どもの育
ち」と「自らの保
育」の振り返り
遊びの展
開力
倫理観に
裏付けら
れた判断
生活援助
人間関係
の構築
環境構成
発達援助
「保育の過程」にみられる判断
また新たに生起した
状況のなかで、子ど
もの行為や育ち(学
び)をどう読みとり振
り返るか
省察・
評価
どんな環境を準備
あるいは再構成し実
践するのか
乳幼児
理解
判断
保育の
実践
子どもの姿や関わり
からどんな意味をよ
みとるのか
指導計
画
その姿からどんな援
助内容が必要なの
かの予想
遊びの展開
• 「何か面白そうだ」と興味をもっているものへの
の対象の何が子どもの心情を揺さぶっているの
かを見抜く。⇒ 育ちの方向性と活動内容の関
係をイメージすること。
• その実現のために、何を、どう援助すればいい
のかを考える。
近所にアイスクリーム屋さんが・・
①子どもはアイスクリーム屋さんにいくだろう
②ごっこ遊びをしたがるかもしれない
③使える素材を用意しておこう
④作り方を課題保育で取り上げる準備も
⑤お店屋さんごっこが盛り上がりそうだったら、
どこまで発展させようか・・・
子どもは何をやりたがっているのか?
子どもの内面世界
子どもの内面世界
動機・興味・関心
生活経験
動機・興味・関心
生活経験
子どもの外面的世界
子どもの外面的世界
遊びの展開
• 子どもの姿から何をしようとしているのか、何をしたが
っているのか、実現したがっていること(イメージを持た
ない場合も含めて)子どもの興味の対象に注目するこ
と。
• 一つひとつの遊びの場面ごとに、よく観察する。やって
いる遊びの種類は同じようにみえても、本当にやりた
いことはやりながら変化する。環境への自発的な働き
かけが多く起きるような環境が「豊かな環境」といえる。
• 夢中でやっている最中は、集中している姿としてあらわ
れる。その経験に対して楽しい、嬉しい、面白い、かっ
こいい、おかしい、美味しい、待ち遠しい・・・等の心情
が読み取れるか。
紐ヒコーキとばし
ごっこ
ベランダ
ブロック
制作
紙ヒコーキをひもにす
べらせる遊びが流行っ
たとき、紐を張ってあ
そんだ。
おしたく
科学
楽器
絵本
パズル
かたつむりの赤ちゃんを観察
ごっこ
ベランダ
ブロック
せいさく
小さいいきものやおた
まじゃくしのおなかを
ひかりをすかして虫眼
鏡で観察して感動!
おしたく
科学
楽器
図鑑
パズル
子どもクッキング
子ども
キッチン
ごっこ
多目的
室
ベランダ
ブロック
おしたく
園庭
せいさく
遊びや活動の素材が
用意されているので、
それぞれのコーナー
が連動する
全体がフレキシブル
ゾーンのように機能す
る
絵本
パズル
科学
楽器
ダイニン
グ
遊び方や使い方を教える
• 子どもは好奇心の塊なので、新しいものへ興味をもつ
。そのときに、遊び方や使い方をしっかり教えることが
大切。使い始めて、使い終わるまでを、できるようにし
よう。
• ○○遊びという名前のあるもの、昔から伝承されてい
るような遊びもあれば、名づけようのない遊びもある。
自分たちで作り上げていく遊びもある。
遊びの要素
ゲーム類
(カード・ボー
ド)そと遊び
競争
見立て遊び(ごっ
こあそび)・ロール
プレイ・
眩暈
遊び
模倣
ブランコ・ハン
モック・シー
ソー・バランス
ボード
偶然
じゃんけん・す
ごろく・アース
ゲーム・
遊びの種類①模倣
• まねる(模倣)新生児から始まる
– いない、いない、ばあ
– ままごと、ごっこ遊び
– 役割交替、ロールプレイ、劇遊び
– やり方の模倣、技能習得、学びの基礎へ
• 遊具を発達に合わせて用意する
– 布で顔を出したり隠したりできる
– ままごとセット、お出かけセット
– 実物、あるいは実物の写真、アルバムなど
– 即時模倣から遅延模倣へ
遊びの種類②操作
• リーチングから始まる いじり遊び
– 手を伸ばす、触る、口で確かめる
– 手先をつかった遊具(つまむ、めくる、おとす・・)
– 物のやりとり(三項関係)
• 遊具を発達に合わせて用意
– 清潔で安全なおもちゃ
– 小さな力で変わる、動く、音がする・・
– 歩行や運動を通して物と関わる
– 手足と視覚、聴覚等の感覚統合
遊びの名人づくり(子ども文化)
• 先生、○○つくって! ○○やって!
⇒ さまざまな遊びの名人がたくさんいて、子ど
もが、その名人に教えてもらう。子どもが子ど
もに伝え、学び、一緒に遊ぶ。
⇒ 保育者はその状況や関係をつくっていく。子
どもの文化が育つ。
⇒ 異年齢児保育の中心テーマにしている
環境は「教材」である
• 環境を通して行うとは、子どもの身近な環境
である幼稚園(保育園)において、さまざまな
ものが置かれ、子どもの活動を誘発すること
で成り立つもの。
• そのものとは教材と呼んでもよくて、保育者が
あらかじめ潜在的な可能性を検討し、子ども
がかかわることでその価値が引き出せるよう
なもののこと。
• それを子どもが選び、かかわる活動の仕方を
工夫することで、ものの価値を感じとり、学び
へと進めることが可能となる。
(無藤隆)
環境を通して・・・
• 「幼稚園は、義務教育及びその後の教育の
基礎を培うものとして、幼児を保育し、幼児の
健やかな成長のために適当な環境を与えて
、その心身の発達を助長することを目的とす
る」(学校教育法22条)。
• 「幼稚園教育は、幼児期の特性を踏まえ環
境を通して行うものであることを基本とする」
(1989年 平成元年 幼稚園教育要領 第1
章第1項の冒頭)
改定の理由の重要性-何が問われているのかを忘れないこと
改定の
背景
○子どもの生活環境の変化 (人と関わる経験の不足、遊びの変容、生活リズムの乱れなど)
○保護者の子育て環境の変化 (不安や悩みを抱える保護者の増加、養育力の低下など)
○保育界を取り巻く制度的変化(関連法令の改正等への対応、認定こども園の創設など)
保育所保育の質
○保育所の役割の明確化(養護と教育・今日的な課題)
○質の高い養護や教育の機能の充実/小学校との連携
○保護者に対する支援を担う役割(総則・6章)
○計画・評価、職員の質の向上、保育計画から保育課程(4章)
「保育の内容」の質
○発達過程の把握による子どもの理解(2章)
○養護と教育が一体的に行われる保育(3章)
○健康・安全のための体制充実(5章)
○保護者支援(6章)
子どもの経験の質
○環境を通して行う保育(保育環境構成の重要性)(総則)
子どもの育ち=最善の利益
○子どもの状況の把握・子どもの主体性を尊重
○健康・安全、情緒の安定した中での自己発揮
○発達過程や個人差を踏まえる
保育の原理
○子ども相互の関係、仲間との遊びや活動
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○生活や遊びを通した総合的な保育
遊びの6の原空間(仙田)
自然
遊具
アジト
遊び
オープ
ン
道
アナー
キー
遊びがもたらす能力(仙田)
身体性
創造性
遊び
感性
社会性
改定 保育所保育指針
第1章 総則
1.趣旨
2.保育所の役割
(1)保育所保育の目的
(2)保育所の特性
(3)子育て支援
(4)保育士の専門性
3.保育の原理
(1)保育の目標
(2)保育の方法
(3)保育の環境
4.保育所の社会的責任
(1)子どもの人権の尊重
(2)地域交流と説明責任
(3)個人情報の保護と苦情解決
3.保育の原理
(1)保育の目標
(2)保育の方法
ア 子どもの主体性の尊重
イ 一人ひとりの生活リズムと自己発揮
ウ 発達にあった保育・個人差への配慮
エ 子ども同士の関係づくり
オ 子どもが自発的、意欲的に関われる環境
カ 保護者の子育て支援
(3)保育の環境(P25)
ア 子どもが自ら関わり多様な経験を積む環境
イ 子どもの豊かな活動・保健・安全の確保
ウ 温かな親しみとくつろぎの場
エ 子どもが周囲の子どもや大人と関われる環境
保育の質へのアプローチ
保育所保育指針7章のパラダイム
学び合う環境の醸成
保育所の活性化
保育の質
「関係論的状況論」のパラダイム
より善い文化的実践へ
地域コミュニティの質向上 保育の質
職員全体の専門性
保育所の自己評価
子が育つ環境の向上*
育ちの物語を当事者が共有
職員の一人ひとりの専門性
子どもの育ち
保育士等の自己評価
自己評価
(子どもの育ちと自らの保育)
自己評価
(子どもの経験と環境との関係の読み取り)
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