ミニマムストレッチ

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Transcript ミニマムストレッチ

2009.7.18
ポリテクセンター
VDT作業と健康障害
眼精疲労や肩こりを予防する
関西労災病院
勤労者予防医療センター
理学療法士 高野 賢一郎
ウォーミングアップ
1. 握手
血流チェック
2. 礼
筋緊張チェック
3. 体前屈
柔軟性チェック
4. 片足で立上り
筋力チェック
5. 閉眼片足立ち
平衡感覚チェック
現在の自分の身体能力を知ることが大切
はじめに
パソコンなどディスプレーを見つめながらの作業、
いわゆるVDT作業をする方に眼精疲労や肩こり等
の健康障害を訴える方が多く認められます。
今回はそれらを予防するための方法を紹介します。
疫学調査
厚生労働省による
平成15年技術革新と労働に関する実態調査結果の概況
パソコン作業が健康に与える影響について
大規模な実態調査
全国の12000事業所、労働者14000人
コンピュータ機器の使用にともない労働
者の衛生面に生じた問題別事業所割合
(1000人以上の規模)
目の疲れ
26.8
身体的な疲労
19.4
精神的ストレス
はい
41.5
38.4
33.1
6.5 15.1
10.7
41 12.5
21.9
53.7
6.5
環境面での苦情 3.1
0
いいえ
43.2
62.7
1010
20 20
30 30 40
40 50
5060
PC導入により心身の負担が増している
大きい事業所ではVDT作業による業務割合が高い
60
70
身体的疲労や症状の割合(複数回答)
頭痛
23.1
91.6
91.6
目の疲れ・痛み
70.4
頚、肩のこり・痛み
70.4
腕,手,指の疲れ痛み
20.2
背中の疲れ・痛み
22.7
腰の疲れ・痛み
26.6
足の疲れ・痛み
6.4
その他
1.6
0
10
20
30
40
50
60
70
80
90
目のトラブルが目立つ
首・肩のこりも70%以上
疲れや痛み不調を感じながら作業を続けている
100
VDT症候群の症状(目の場合)
1.
2.
3.
4.
5.
近視
角膜炎
結膜炎
ひたいの圧迫感
めまい・吐き気
VDT症候群の原因(目の場合)
1. 長時間、ディスプレイを見て目が疲れる
2. ディスプレイがチラチラして字が見えにくい
3. 入力後の確認作業として画面を凝視してしまう
4. 瞬きの回数が減り、目が乾燥する
5. 視線が上向きで眼球が空気と触れる面積が広がる
頚から肩周囲の痛み
肩こり・腰痛の3大原因
筋肉の硬直
血行の障害
神経の障害
筋肉の硬直
血行の障害
心理・社会的要因
ストレスと肩こり・腰痛の関係
例えば・・・・
肩こりが何十倍にも大きくなる
当初は軽い肩こりだった・・
ストレス
肩こりの長期化
肩こりとストレスの不思議な関係
Q:ストレスがたまると、なぜ肩こりになるの?
ストレスによる自律神経の乱れ
筋肉が緊張,血液循環が悪くなる
<自律神経を整えるためには?>
筋肉の緊張がほぐれ、
適度な運動をする
全身の血液循環を良くする.
生活のリズムを整える
体内時計リズムの調節
(何時に寝る,起きる,食事を摂る)
何か楽しめる趣味を持つ 何かに夢中になってる時は
痛みも忘れる
あなたの姿勢は大丈夫?
姿勢の変化と筋肉の働き
頭は脊柱の上にバランスよく乗る
うつむくと頚の後の筋肉が働く
働き続けると肩こり、頭痛が生じる
作業中の肩こり・腰痛発生の機序
肩関節痛や腰痛発生の機序
損傷
組織(骨・筋肉など)の耐久性限界
負
荷
与えられた負荷
時間
一回の大きい負荷で痛みが発生
肩こり・腰痛発生の機序
組織の耐久性限界
負
荷
損傷
与えられた負荷
時間
頭や両手の重さが
肩へ負荷をかける
一定の小さい負荷で痛みが発生
肩こり・腰痛予防のために
組織の耐久性限界
負
荷
休息と軽い運動で
組織の耐久性が回復
与えられた負荷
休息
運動
時間
①.休息 ②.限界を上げる③.負荷を小さくする工夫
①.休息
休憩?
アクティブレストのすすめ
独立行政法人 労働安全衛生総合研究所
http://www.niih.go.jp/jp/index.html
パソコン使用の時間管理
PC作業は没頭しやすく、長時間の作業を続けてしまいがち
VDTタイマーの利用が効果的!
お勧めです
フリーソフト
http://vdt.no-ip.com/
作:Dr.難波 克行
シンプルなソフト:
30~90分ごとに画面にアラームを表示するだけ
アラーム画面の表示:
キー操作やマウス操作のじゃまにならない
VDTタイマーの効用
http://e-doc.no-ip.com/vdt-timer/
VDTタイマー継続で自覚症状が改善
眼科的症状
筋骨格系症状
精神症状
N=50
対照群
使用群
2009.5
難波克行、土屋政雄による
PC作業で目が疲れたら
休憩場所の確保
目の保養を!
遠くに目を移しましょう
睡眠時間の確保
6時間未満の睡眠では疲れが残る
心のリラックスもできない
十分な良質な睡眠をとりましょう
食後のうたた寝も効果的(15分位)
疲れ目の解消に
• 遠くを見る
• 目の体操
• 目の周りのマッサージ
• 目に冷やしたタオルを当てる
• 目に蒸しタオルを当てる
目の体操
上下左右
グッとパッ
目のマッサージ
目の周り
こめかみ
目頭
耳の後下
②.限界を上げる
ⅰ.ストレッチ
ⅱ.全身運動(有酸素運動)
ⅲ.入浴などの温熱
ⅳ.筋力トレーニング
ⅰ.ストレッチ
始業時のストレッチ
反動をつけたストレッチ(ラジオ体操など)
身体を目覚めさせ、反応性アップ
終業時のストレッチ
反動をつけず、ゆっくりしたストレッチ
使った筋を元の長さにする
循環が改善し、疲労物質除去
ミニマムストレッチ
短い間隔の短い時間のストレッチ
循環が改善し、疲労物質除去
ミニマムストレッチ
VDTのガイドライン
座作業では
 一連続作業時間は1時間以内
 作業休止時間(15分)
 小休止(数回)
 単純入力の連続作業では別の作業を組込む
積極的に休憩をとる(アクティブ・レスト)
短い時間でできる運動(ミニマム・ストレッチ)
仕事の合間や終業時にできる
簡単なストレッチ
ストレッチの約束事
・息を止めずに
・痛くなる手前でやめる
・伸ばす時間は15~20秒
・回数は1~3回程度
・笑顔を忘れずに
1.背中を丸める・反らす
2.肩の上げ下ろし
3.肩甲骨を前後に
両腕を前に出す
両腕を後ろに引く
4.手を上下に
5.両腕を挙げて肘を持ち、内側にストレッチ
6.首を傾けて反対側の
腕を下垂
7.後ろで手を組み
肘を前後に
8. 肩の後ろの筋をストレッチ
9. 尻の筋をストレッチ
腰をまっすぐにして、
足を抱きかかえます
10. 片脚を伸ばし、
腰を丸めず前方に体幹を倒す
11. 足の付け根のストレッチ
椅子から尻を半分出して、
へそを引いたまま、片脚を
後方に引き、引いた方の股
関節の前側をストレッチ
※腰を反らさないように
12. 太もも前面のストレッチ
足先をつかみ、へそを引き、
両膝を閉じて、腰を反らさな
いように足を引っ張り太もも
前面をストレッチ
13. アキレス腱伸ばし
ⅱ.全身運動(有酸素運動)
全身の血液循環が改善
筋緊張を緩和
腰痛の原因になる肥満予防
ⅲ.入浴などの温熱
目覚めの
シャワー
帰宅後の
お風呂
湯温による温熱効果の違い
区分
高温浴(42℃以上)
中温浴(38~40℃)
感覚
熱い
ぬるい
自律神経
交感神経を刺激
副交感神経を刺激
心臓
心拍が速くなる
心拍が遅くなる
血管
収縮・血圧上昇
拡張・血圧低下
筋肉
収縮
弛緩
脳
興奮
鎮静
皮膚
表面が温まる・荒肌
芯から温まる・美肌
プ-ルでの歩行
マッサージ
水圧、浮力、温度、粘性を
利用したリラックス歩行
緊張を緩和するマッサージ
③負荷が小さくなる工夫
人間工学的立場から
オフィスの人間工学
独立行政法人 労働安全衛生総合研究所
http://www.niih.go.jp/jp/index.html
空調
独立行政法人 労働安全衛生総合研究所
http://www.niih.go.jp/jp/index.html
ディスプレイを見る
独立行政法人 労働安全衛生総合研究所
http://www.niih.go.jp/jp/index.html
パソコンの画面
独立行政法人 労働安全衛生総合研究所
http://www.niih.go.jp/jp/index.html
ディスプレイへの写りこみ(グレア)
照明の調節
独立行政法人 労働安全衛生総合研究所
http://www.niih.go.jp/jp/index.html
パソコンの画面
正面の板って?
遮光板!
パソコン画面を見る
時に他の強い光が
目に入ると邪魔
独立行政法人 労働安全衛生総合研究所
http://www.niih.go.jp/jp/index.html
自分に合ったもの?
独立行政法人 労働安全衛生総合研究所
http://www.niih.go.jp/jp/index.html
椅子や机の高さ
独立行政法人 労働安全衛生総合研究所
http://www.niih.go.jp/jp/index.html
microsoftヘルシーコンピューティングガイド
パソコンのサイズ
独立行政法人 労働安全衛生総合研究所
http://www.niih.go.jp/jp/index.html
小さいパソコン対策
独立行政法人 労働安全衛生総合研究所
http://www.niih.go.jp/jp/index.html
どちらの姿勢が良いでしょう?
2
1
肩の高さ?
座面の長さ?
どこが問題でしょう?
左のパソコン利用時、
机の脚や引き出しが邪魔
上体が捻られ、負担増
①大きな机に変更
②足元の整理整頓
作業スペースの確保
独立行政法人 労働安全衛生総合研究所
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足元を整理すれば・・・
足を前に出せる
机に近づける
背もたれが利用可能
身体を回すスペース
デスク周りをすっきりさせるために
独立行政法人 労働安全衛生総合研究所
http://www.niih.go.jp/jp/index.html
独立行政法人 労働安全衛生総合研究所
http://www.niih.go.jp/jp/index.html
最後に
1. VDT障害予防のためには、連続作業時間を減ら
す事と作業環境を整える事が大事です。作業中
20分に1回はディスプレイから離れて遠くを見
たり、目の周りのマッサージをしたり、スト
レッチをしましょう。
2. 机や椅子そしてパソコンを自分に合わせ、正し
い姿勢で作業をしましょう。
3. ストレスは肩こりや腰痛の大きな原因です。
ストレスをためないように適当な休養と運動を
実施しましょう。
ご清聴ありがとうございました