第二回 動詞、形容詞

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Transcript 第二回 動詞、形容詞

第二回
動詞、形容詞、形容動詞
劉志昱
平成27年9月23日
平成27年9月23日
動 詞
一、動詞の特質
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形態:
自立語で活用があり、言い切るときはウ段の音
で終わる。
機能:
単独で述語となることができる。
意味:
主として事物の動作、作用、存在を表す。
平成27年9月23日
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動く
 動作
運ぶ
来る

降る
 作用
咲く
流れる
いる
 存在
ある
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平成27年9月23日
二、動詞の活用
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(1)字を書かない
(2)字を書こう
(3)字を書きます
(4)字を書く
(5)字を書くとき
(6)字を書けば
(7)字を書け
(8)字を書いています
平成27年9月23日
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傍線部分のように活用する
活用した一つ一つの形を
活用形という
変化する部分「か」「き」「く」「け」「こ」を
活用語尾(語尾)という
変化しない「書」の部分を
語幹という
動詞には語幹と語尾の区別のつくものと、つかないもの
とがある→??
来る、着る、見る、するなど
平成27年9月23日
三、動詞の活用形(「書く」を例に)
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(1)未然形
助動詞「ない」「う」「よう」に連なって、動作や作用
がまだ成り立っていないことを示す形
(2)連用形
助動詞「ます」「た」などに連なる形
→イ音便
→中止法
(3)終止形
文を言い切るときに使う形
助動詞「そうだ」「らしい」、助詞「けど」「から」な
どにも連なる
→基本形:
単語として取り出し示す場合
平成27年9月23日
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(4)連体形
体言に連なる形
助動詞「ようだ」、助詞「のに」「ばかり」「ぐら
い」などにも連なる
(5)仮定形
助詞「ば」に連なって、仮定条件「~なら(ば)」を
表す形
(6)命令形
相手に向って動作、作用を行うように命令する意で
言い切る形
放任、不拘束の意味でも使われる
→勝手にしろ
平成27年9月23日
四、動詞の活用の種類
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(1)五段活用
→音便
→イ音便、撥音便、促音便
(2)上一段活用
(3)下一段活用
(4)カ行変格活用
(5)サ行変格活用
平成27年9月23日
五、複合動詞

単語を二つ以上結合して、新しい意味を持つ新たな
単語として作り変えたものを複合語という

複合語を品詞としてとらえたとき、複合動詞、複合
形容詞、複合名詞などと呼ばれる

同一語を繰り返すことで一語化したものを畳語(じょ
うご)という
→人々、国々など
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平成27年9月23日
<複合動詞の構成と語例>
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(1)動詞+動詞
書き+取る
考え+付く
(2)名詞+動詞
勉強+する
心+得る
(3)形容詞の語幹+動詞
近+寄る
高+鳴る
消え+失わせる
巣+立つ
遠+のく
平成27年9月23日
<接辞:接頭語と接尾語>
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単語を構成する要素の一つであって、単語としての
性質(意味、形態、機能)のうち、意味を欠いた、い
わば不完全な単語

お寺、春めく
「寺」「春」→ 自立語、名詞、品詞の一つ
「お」「めく」→単独で用いても何の意味も表すこ
とができない
他の語に付いてその語の意味を強めたり、別の機能
を加えたりしているものと見ることができる
接辞は習慣的に限られた一部の語にしかつかない
付属語にも含めない、一品詞とも見なさない
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平成27年9月23日
六、動詞の敬語表現
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①尊敬の助動詞→ 「れる、られる」
②「お+連用形+になる」
③「お+連用形+なさる」
④まったく別の表現になる
→おいでになる、ご覧になるなど
平成27年9月23日
七、自動詞と他動詞
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自動詞→
その動作、作用が、それ自身だけへの働きかけとし
てあらわれる
他動詞→
その動作、作用が他に対する働きかけとしてあらわ
れる
他動詞が述語となるときは、格助詞「を」を伴った
目的語がその前に来るのが普通
平成27年9月23日
八、補助動詞

動詞本来の意味を失って、他の語に付いて補助的に
用いられる動詞を補助動詞

文法の参考書をいただく。→文法を教えていただく。
ここに本がある。→これは本である。
お上手でいらっしゃる、お取りください、知らせて
あげる、教えてやる、書いてみる、読んでしまう、
待っている
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助動詞と似ているが、独立して用いられ、一文節と
なる点で、助動詞とは区別される
平成27年9月23日
九、不完全動詞
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①先生は何時においでになりますか。
②よくご存知でいらっしゃいましょう。
③大急ぎでお帰りを願います。
④何をお買いになりますか。
「何時に」「よく」「大急ぎで」「何を」という連
用修飾語を受けている点で、動詞としての働きを
失っていない。
他の動詞のように活用することはなく、このままの
形だけの使用法しかない
この点では通常の動詞とは異なるので、不完全動詞
(無活用動詞)として、他の動詞と区別する
平成27年9月23日
形容詞
一、形容詞の特質
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自立語で活用がある
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それだけで述語となることができる
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言い切るときは「イ」の音で終わる
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事物の性質、状態を表す
平成27年9月23日
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形状:
丸い、四角い
数量:
多い、少ない
位置の高低:
高い、低い
時間や速度:
遅い、早い
感情:
悲しい、うれしい
感覚:
つらい、甘い
平成27年9月23日
二、形容詞の活用
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未然形
今頃は、山のもみじが美しかろう。
連用形
山のもみじが大変美しかった。
山もそろそろもみじで美しくなるだろう。
終止形
秋の山はもみじでたいそう美しい。
連体形
高原では美しいもみじが見られます。
仮定形
そんなにもみじが美しければ見に行きますよ。
平成27年9月23日
この「ない」=あの「ない」?
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①花は美しくない。
②書かない。
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③●花は美しくはない。●花は美しくもない。
④×書かない。
×書かない。
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行きたくない

「ぬ」、「ない」
助動詞:書かない(●書かぬ)
形容詞:美しくない(×美しくぬ)
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平成27年9月23日
形容詞の連用形=副詞?
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花が美しく咲く。
公園はごく近い。
僕は、よく失敗するんだ。(しばしば)
よく注意して講義を聴きたまえ。(十分に)
よく映画を見たものだ。(かつてしばしば、過去の習
慣)
よく大学へ入れたなあ。(意外さに驚くばかり)
そんな罰当たりなことを、よくも言えたものだ。
(図々しくも)
おやじさん、えらく怒っていたぜ。(非常に)
平成27年9月23日
いけない?
いけない!
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①ここへはいってはいけない。

②あの子はいけない子だ。
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③あの人はもういけない。
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④「歯が痛いの。」「それはいけないね。」
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⑤私はいけない口です。
平成27年9月23日
いけない?
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
いけない!
原義:行くことができない
国語辞典:
①不可である。するな。
②よくない。悪い。
③できない。見込みがない。だめである。
④気の毒である。
⑤酒が飲めない。
平成27年9月23日
三、形容詞の敬語表現
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①お+形容詞の音便形+ございます
お美しゅうございます。
お白うございます。
②お+形容詞(形式名詞)+です
お美しい(こと・かた)です。
平成27年9月23日
形容動詞
一、形容動詞の特質
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自立語
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活用がある
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それだけで述語となることができる
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言い切るときは、「だ」「です」で終わる
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事物の性質、状態を表す
平成27年9月23日
二、形容動詞の活用
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①未然形
あそこは、静かだろう。
②連用形
あそこは静かだった。
あそこは静かではない。
あそこは静かになるだろう。
③終止形
あそこは、静かだ。
④連体形
あそこは静かなところです。
⑤仮定形
そんな静かならば、行ってみたい。
平成27年9月23日
三、形容動詞の語幹の用法
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①語幹だけで一文節のように用いる
まあ、すてき。
やれ、不思議。
おお、きれい。
②様態を表す助動詞や推量を表す助動詞に連なる
静かそうだ。
静からしい。
③語幹に「さ」を伴って名詞となる
静かさ、不思議さ、見事さ、確かさ
平成27年9月23日
四、形容動詞の敬語表現
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静かだ→
あの方は、お静かでいらっしゃる。
穏やかだ→
お嬢さんは、穏やかでいらっしゃる
平成27年9月23日